業界に新風!業務委託サロンでアイデザイナーとともに成長する―株式会社福池商事代表・古池悠志さんにインタビュー
「もっと自由に働きたい」「頑張った分だけ、きちんと報酬を得たい」。そんなアイデザイナーの想いに応える新しい働き方を実現したのが、株式会社福池商事の代表・古池悠志さんです。古池さんが運営するアイラッシュサロン「Le’a First」は、2026年8月現在には60店舗を超え、なんとアイデザイナー全員が業務委託。今回は古池さんに、なぜ業務委託型サロンなのか、またなぜ成長を続けられるのか、その理由を伺いました。
【経営者プロフィール】古池 悠志(ふるいけ ゆうじ)さんとは
<古池 悠志さん>
「Le’a First」は、関西を中心に直営60店舗以上を展開し、従業員数は130名規模にのぼります(2026年8月時点)。所属するアイデザイナーは全員“業務委託”であることが特徴。なかには月最高売上250万円を達成した方や、新卒入社4カ月で売上100万円を達成した方もいるのだとか。こうした高い実績の背景には、単に「自由に働ける」だけではない、Le’a First独自の仕組みがありました。
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美容師から経営者へ。実体験から見えた“新しい仕組みづくり”の必要性
―まずは、美容師を志したきっかけを教えてください。
もともと僕は、学生時代から美容やアパレルに興味がありました。ただ、当時からプレイヤーとして働くこと以上に、将来は経営をしたいという想いのほうが強かったんです。経営するなら美容師かアパレルか、と考えた末に、美容の道へ進みました。高校生の頃から自分で物を売って商売感覚を身に付けていたので、「自分でやったほうが稼げる」と感じていたことも大きかったと思います。
―正社員美容師、業務委託美容師、共同経営を経て、働き方への考えはどう変化しましたか?
正社員として働いていた頃は、給料が伸びにくい仕組みのなかで、正直売上をつくる意識に欠けていました。その後、業務委託サロンで働いてみて、「やった分だけ返ってくる」ビジネスモデルはすごく良いと実感したんです。
一方で、業務委託には孤独感もあります。だからこそ、自由に働けて成果報酬型の業務委託の良さと、会社がフォローする安心感を掛け合わせれば、もっと働きやすい環境をつくれると考えるようになりました。
その後、以前勤めていた美容室のオーナーと共同経営に携わり、店舗展開なども経験しました。そのなかで、やはり自分が代表として会社を持ちたいという想いが強くなったため、株式会社福池商事を設立したんです。
―ヘアサロンではなく、アイラッシュ事業を選ばれたのはなぜでしょうか。
ヘアはどうしても独立の問題が出やすく、ビジネスモデルとしては難しさを感じていました。そこで、美容師としての現場経験を活かせる近い業態で、同じように展開できるものを探したときに候補になったのがアイラッシュだったんです。当時は業務委託型のアイラッシュサロンはまだ少なく、女性が働く環境としても可能性を感じていました。
“スタッフファースト”だから採用が途切れない「Le’a First」急成長の秘密
―今では直営60店舗以上を展開されていますが、これまでの道のりで苦労されたことはありますか。
仕組みができ上がるまでは大変でした。2~3店舗と広げていく際、一部のスタッフから「私たちがつくった利益で社長だけ儲けようとしている」と受け取られることもあって。ただ、長く続く会社にするには、成長フェーズで投資を続けなければいけません。
会社の利益や自分の取り分を減らしてでも、出店や人材、仕組みへの投資は惜しみませんでした。まずは30店舗、達成したら50店舗と目標を置きながら、単に店舗数を増やすのではなく、業界の仕組みそのものを変えたいという想いで進めてきました。そうした姿勢が少しずつ伝わったのか、今ではスタッフも僕の意図を理解し、納得して働いてくれています。
―業務委託型でありながら、採用が途切れず、定着率も高い理由は何でしょうか?
業務委託というと、すべてを自分でやらないといけないイメージがありませんか?Le’a Firstは、集客、店舗運営、教育、確定申告のサポートなどを本部が担っているため、アイデザイナーは施術やお客様との関係づくりに集中できるんです。交通費も支給しており、自己負担で発生する費用は基本的にありません。こんなふうに、業務委託に対して感じる不安をできるだけ取り除くことを大切にしていて。
出勤日数や勤務時間も細かく決めておらず、働き方は自由です。頑張った分だけ報酬を得ながら、自分の時間も大切にできる。そのうえで、業務委託であっても組織の一員としてのつながりを感じてもらえるよう、表彰式やインセンティブなど、会社ならではの機会も増やしています。実際に働いているスタッフが友人に「良い会社だから話を聞いてみたら」と紹介してくれることも少なくありません。
―スタッフのライフステージが変化しても働きやすい環境づくりで、意識されていることはありますか?
たとえば、子どもが熱を出して出勤できなくなった場合も、本部に連絡してもらえれば、お客様への連絡や日程変更の調整も行います。また、スタッフが将来的に独立を考えたとしても、手取りに大きな差が出ないよう、売上をしっかり還元する仕組みも整えています。
ライフステージが変化しやすい女性だからこそ、自由な働き方を選びながら、必要なときには会社のサポートを受けられる。高い成果報酬とスタッフファーストなサポートの積み重ねが、「結婚や出産を経ても、またここで働きたい」という信頼につながるのではないかと思っています。
「業界のOSをつくりたい」店舗・メーカー・専門学校の3つの柱で未来につなぐ
―ラッシュリフト剤「KURURINPA」を開発された理由を教えてください。
スタッフが現場技術者として働き続けるだけでなく、本部・メーカー・教育という選択肢をつくっていきたいと考えていました。さまざまな事情でアイデザイナーとして働くことが難しくなっても、「次はこういうキャリアがある」と思えるだけで安心感につながるはずです。
メーカー事業も、そのうちのひとつです。ラッシュリフト剤やまつげ美容液は自社サロンでも使えるため、事業としてリスクを抑えられることも理由のひとつでした。現場スタッフが「本当に良い」と思ったものを形にでき、メーカーの強みにもなっています。
―今後の展望については、どのようなビジョンを描いていますか。
「業界のOSをつくりたい」という想いがあります。自分がいなくなった後も残るものをつくりたいと考えたときに、専門学校が浮かびました。僕の経営基準は「死ぬ間際に、これをやらなかったことを後悔するか」なのですが、専門学校はつくらなければ後悔しそうなので絶対に叶えるつもりです。
店舗もまずは関西圏で100店舗を目指していて、いずれは全国展開も視野に入れています。次の世代のアイデザイナーが、学び、働き、キャリアを広げていける環境の土台をつくり、最終的には「アイラッシュといえばLe’a First」と言われる存在になりたいですね。
目元全体を美しく。これからのアイデザイナーに必要な視点とは
―古池さんは、アイビューティ業界が今後どのように変化していくと考えていますか?
まつげを上げること自体が目的ではなく、本質は目元を可愛くすることだと思っています。眉メニューがまつげとセットで広がっているように、今後はまつげだけではなく、目元全体、顔全体をどう綺麗にするかという方向になっていくのではないでしょうか。たとえば、目元のシワにアプローチする施術なども含めて、お客様のニーズにどのように応えるかを考えることが重要になると思います。
そのため、これからのアイデザイナーは、できる技術が多いほど売上をつくりやすくなるかもしれません。まつげだけでなく眉毛、さらにエステなどの技術も含めて、提案できる幅が広がるほど強みになるはずです。
―最後に、次世代のアイデザイナーにメッセージをお願いします。
自分が後悔しない生き方をしたほうが良いと思います。仕事だけではなく、プライベートも含めて、自分にとっての幸せが何なのかをちゃんと考えることが大切です。僕自身、毎日成長し続けることを大事にしています。自分がどう生きたいのかを考えたうえで、仕事や働く環境を選んでいってください。
まとめ
業務委託と正社員のいいとこどりという、新しい雇用形態を生み出したLe’a First。今回のインタビューでは、古池さんの「スタッフがもっと自由に、そして安心して働ける環境をつくりたい」という想いが伝わってきました。次世代のアイデザイナーが学び、働き、自分らしいキャリアを描けるLe’a Firstの取り組みは、これから先も大きな可能性を与えてくれそうです。美容業界に新たな選択肢を提示するLe’a Firstと古池さんの今後に、Beautéは引き続き注目していきます。










