人生に新しいきっかけを―株式会社new me代表 富成将矢さんにインタビュー

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人生に新しいきっかけを―株式会社new me代表 富成将矢さんにインタビュー

大手コンサルティング会社勤務から転身した、株式会社new me代表取締役の富成将矢さんにお話を伺いました。美容業界との出会いや、独立後に立ちはだかった大きな壁、現在の活躍からは想像もつかないようなことも、包み隠さず語っていただきました。さらに、人材育成やご自身の仕事で大切にしていることなど、アイデザイナーにとって欠かせないことを経営者の視点でお伝えします。

【経営者プロフィール】富成将矢さんとは

株式会社new me代表取締役 富成将矢(とみなりまさや)さん

大学卒業後、大手コンサルティング会社に入社。美容業界のコンサルティングを担当し、美容室部門のチームリーダーとして活躍する。
美容室部門の統括を経て独立し、2021年4月に株式会社new meを設立。
現在は関西圏を中心に、アイラッシュサロン「nicott lash」「Daisy Lash」「Sakura-blow」のほか、メンズ眉毛サロン「i-cool」の経営、サロンの経営支援サービス、美容業界チャンネルの運営など多岐にわたって活躍中。

▷new meの公式サイトはこちら
▷富成将矢さんのInstagramはこちら

人生に新しいきっかけを―「new me」に込める想い

出典:new me公式サイト

―株式会社new meのコンセプト「人生に新しいきっかけを」について教えてください

眉毛サロンや美容院へ行くことで、自分自身が変わるきっかけになることってあると思うんです。今は美容業界に身を置いていますが、人生を大きく変えるというのはなかなか難しくても、新しい自分に出会えるきっかけを提供できる事業をやっていきたいと思っています。

―ご自身の人生で転機となったエピソードはありますか?

「ピンポイントでこれ!」という大きな出来事はないです。でも、振り返ると、ふとしたきっかけで人生が好転していく機会が何度もありました。それがいくつも積み重なって今に至っているな、と。
私自身の経験だと、先ほどお話しした美容院やサロンに行くことだけでなく、筋トレなどの小さなことでも少しずつ変化することにつながっていると思います。また、子どもの頃に野球を始めたことで、人と話すのが苦手だったのが話せるようになったという経験も、後で振り返ると好転するふとしたきっかけのひとつですね。

全く興味がなかった美容業界へ、そして独立

Sakura-blow店内

―美容業界に入るきっかけは?

実は、学生時代はそこまで美容に興味があったわけではないんですよ。ずっと野球をしていたので坊主頭でしたし、美容とは無縁でした。
きっかけは、前職のコンサルティング会社にローテーション制度があり、入社後最初に振り分けられたのが美容分野だったんです。上司の面談や適性などから美容分野に配属されたのですが、最初は自分でやっていけるのか不安がありました。美容の知識もありませんし、華やかな業界というイメージを持っていたので、自分とは異なる世界だと思っていたんです。
でも、実際に接する経営者は見た目の華やかさに対してまじめな方が多く、自分も話を聴くことが得意だったので、早い段階で美容業界って良いなと感じました。いろいろな縁が巡り巡って今につながっているな、と思います。

―順調に見えた大手コンサル会社勤務ですが、その職を手放してまで独立したのはなぜですか?

一言で言うと「自分でも経営をやってみたくなった」ということです。お客様と話をする中で「自分だったらこういうお店や会社がつくれるんじゃないか」という視点が入り始めたときに独立を考えるようになりました。
もうひとつの理由は、働き方について考えたこと。コンサルタントという職種は好きですが、コンサル会社に勤務していたころは1か月のうち20日は出張しているような生活でした。子どもが生まれたことをきっかけに、この働き方はいつまでできるだろうかという不安がよぎったんです。コンサルタントという仕事自体は好きでも、この働き方を続けるというイメージは抱けませんでした。

―独立の際、他業種への進出という選択肢はなかったのでしょうか?

他の業界を考えたことはなかったですね。大きな理由は、シンプルに美容が好きということです。他業界の事業展開の構想はありましたが、自分自身そんなに器用なほうではないという面もあります。自分の得意なこと、自分のやりたいこと、他の方から求められていること、を考えたとき、やっぱり美容業界でやっていきたいという気持ちが強かったですね。今後事業の幅を広げていくにしても、美容に関わる分野で、と考えています。

オープン前に撤退の危機も…あらためて感じた「人間力」の重要性

nicott lash店内

―店舗数もどんどん拡大されていますが、独立後はすぐに軌道に乗ったのでしょうか?

実は、独立してすぐにつまずいたんですよね。というのも、サロンのオープニングスタッフが集まらなかったんです。応募自体はあったのですが、未経験だったり条件が合わなかったりしてなかなか決まりませんでした。
しかも、3か月ほど経ってやっと決まったスタッフが研修1日目を終えた時点でやめてしまって。独立してから半年ほどは空家賃を払い続けている状態でした。そのときは、オープン前の撤退も考えたほどです。
でもその後、今でも店長として頑張ってくれているスタッフに巡り合えました。自分自身が施術できるわけではないですし、もどかしい気持ちがありましたが、それを乗り越えてからは比較的順調に事業を展開できたと思います。

―富成さんご自身はアイデザイナーではありませんが、そのことで何か弊害はありますか?

弊害を感じることは特になく、自身が施術できないからこそ、スタッフに干渉しすぎないという面で良い関係性が生まれていると感じます。施術面には口出しせず、お客様に喜んでいただけたら純粋にその部分だけ褒められるので、逆にちょうど良い距離感なんです。施術と経営に線引きをすることで、良い関係性がつくれていると思いますね。
ただ、技術の細かい指導はしないけれど、スタッフの技術がどの程度まで進んでいるかの把握や、業界のトレンドを最低限知っておくことは大切です。サロンの運営に関しても、人間関係の相談に乗ることもありますし、技術・接客面で悩んだときにどう改善していくのかというアドバイスをすることもあります。

―人材育成で大切にしていることを教えてください

大切にしているのは「人間力」です。技術の部分は店長・トレーナーなどに任せていますので、自分自身は人として育てるという部分を大切にしています。採用基準では、現状のスキルよりも人間性を重視しています。アイデザイナーである前に一人間、一社会人ですので、人間力が素養として備わっている方を育てていきたいですね。
アイデザイナーは技術職ではありますが、突き詰めていくとさまざまなお客様に対応するには人間力がとても大切です。技術力はもちろんのこと、高い人間力も備わった一流のアイデザイナーを育てていきたいと思っています。

―富成さんが仕事をする上で大切にしていること、人間力を磨くためにされていることはありますか?

「お会いして良かったな」と思ってもらえるような振る舞いを意識しています。取引先の方から「富成さんの会社を応援したい」と思われるような言動を心がけていますね。
悩んでいるスタッフに対しては、少しでも前に進めるような声掛けをするとか。new meの理念にもあるように、その人に何かきっかけを与えられるような、少しでもプラスになるような言動は大切にしています。身近な人を大事にする・約束を守るといった基本的なことの積み重ねが人間力のアップにつながると信じています。

富成さんが考える今後の展望とアイデザイナーという職の在り方

i-cool店内

―近年メンズ業界にも参入されましたが、市場としてどのように見ていらっしゃいますか?

まず、自分自身が消費者として、受けて良かったと思ったサービスだったこと。また、メンズ市場が伸びてきている点が参入した大きなきっかけですね。
都市部と地方で大きく差がありますが、都市部では店舗数が増えています。今後は、郊外にも広がっていくと思っているので、兵庫県だけでなくエリアを拡大しての出店も進めていく予定です。
女性に比べて、男性はサロンを利用する人としない人の意識の差が大きいですが、そのぶん伸び代があるとも言えます。現在、お客様の半分以上が20代ですが、50代のお客様もいらっしゃいます。仕事をする上で、第一印象を左右する眉毛を整えるという部分での需要が高まってきているのではないでしょうか。現在サロンを利用されている20代の方はきっと30、40、50代になっても利用されるでしょうし、さらに新規で20代のお客様が利用されることを考えると、今後ますます拡大していく市場だと見込んでいます。

―今後の展望についてお聞かせください

現在展開している女性・男性向けサロンをそれぞれ伸ばしていきたいと思っていますが、伸ばし方に関しては違いがあります。女性向けサロンは神戸や兵庫でエリア1番店を目指して経営するのに対し、男性向けサロンは市場が女性ほど大きくないので、神戸と西宮以外に明石・姫路や大阪など1拠点に1店舗を目安に広域に広げていきたいと考えているところです。
自分自身とスタッフとの関係性が薄くならないよう、直接会える機会が減らない範囲ということからも、直営では関西圏を中心とした展開を考えています。また、メンズ眉毛サロンとしては、美容院などの業種との提携や、既存の女性向けサロンでnew meの眉毛ブランドを間借りスタイルで展開することも考えています。メンズで1店舗出店するのは難しいケースでも、new meの教育やブランド力を活かすという方法もアリかと。
イメージとしてはフランチャイズ展開のような形ですが、新規参入の際に技術面・集客面で大きなメリットがあるので、Win-Winの関係を築けるのではないかと構想しています。

―最後に、この記事を読んでいるアイデザイナーにメッセージをお願いします

自分自身が採用に携わる中で、アイデザイナーの志望者が全国的にも多くなってきていると感じます。一方で、サロン数も増え、相対的にアイデザイナー一人当たりが対応できるお客様の数は減少していくことが想定されます。
選んだ道でしっかり稼ぎ続けて活躍し続けていくためには、本人の努力も大切ですが、どういった環境で活躍するのかも大事なことだと思います。機会があれば、ぜひnew meで働いてほしいと思いますし、そうでなくても長くアイデザイナーとして活躍するために今を大切にして欲しいと思います。

アイデザイナーは、これだけをやっていれば良いという業種ではないので、ご自身を高めるためにさまざまなことに取り組んで素晴らしいアイデザイナー人生が送れることを願っています。
アイデザイナーに必要なのは人間力だという話をしましたが、自分自身も人間力に関して完璧ではありません。人間力は、これをしたから格段にアップする、ということでもないと思っています。人とのご縁を大切にする、身近な人を大切にする、約束を守るといった基本的なことの積み重ねの先に、ふと振り返ると人間力がアップしたと感じる瞬間があると思っています。
そういった経験の中に、new meの理念でもある新しいきっかけを与えられるよう、自分自身も事業を発展させていきたいと思っています。

まとめ

「大切なのは人間力」。技術面で革新的な進化を続けるアイビューティ業界において、そう言い切る株式会社new me代表の富成さん。AI技術の発達に伴い、多くの職種が人工知能にとって代わられることが危惧される現代において、アイデザイナーはAIにはできない技術職です。しかしその中で、お客様から選ばれるアイデザイナーになるには人間力を磨くことが大切だと、改めて認識させられたインタビューでした。Beauté編集部は、富成さんと株式会社new meの今後のご活躍に、引き続き注目していきます。

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