【年配の方への提案】まぶたのたるみでどれだけ見えにくくなるかの予測の仕方・提案方法

この記事をシェアする

「マツエクをするのは若い女性だけ」。この考えは、今や過去のもの。マツエクサロンには年齢を問わず、目元のおしゃれを楽しむ方がたくさん来店されます。40代以降の大人の女性に限定したマツエクサロンも今では増えており、年齢を感じる目元こそ「いつまでも若々しくありたい」と思われる方はたくさんいるでしょう。今回は、そんな年配のお客様への最適な提案を考えます。年齢を重ねると目元はどうなるのか、また、その変化に合わせた提案やおすすめのデザインを見ていきましょう。

年齢を重ねると目元はどうなる?大人女性への提案とは?

過去にBeautéでは、年齢による「目元の印象の違い」をみなさまにお伝えしました。

まずはこの記事のおさらいとして、30代~50代の目元の変化を知っておきましょう。そのあとで、大人の女性への提案を一緒に考えていきます。

30代~50代の目元の変化

【30代】目元が乾燥したりたるみが起きたり、変化が起こる

「最近、メイクのノリが変わった」「ハリ・弾力が少なくなっている」。
30代女性は、こんな変化を感じ始める人が多いです。これは潤いやハリの元となる、コラーゲンやエスラスチンが減少している証拠。そして肌を保護してくれるセラミドも減少していくため、30代になると肌トラブルやシワ・シミに悩み始める人も少なくありません。そのため、「エイジングケアを始めるなら30代」という考えが浸透しているのでしょう。
顔の部位の中でも、目元は皮膚が薄い部分。年齢による肌変化の影響を受けやすいため、注意が必要です。小ジワができたり、シミ・乾燥が目立ったりと、これまでにない目元の変化を見つけることもあります。
また、特に気を付けておきたいのが、30代になると起こる“目尻のたるみ”。マツエクの施術の際には目尻がたるんで下がったことにより、「目尻部分のカールが物足りない」といった事態が起こる可能性があります。

【40代】本格的なシワができる。エイジングケアは必須

美容業界では、「40代になるとエイジングケアが必須」と言われています。その理由は、エストロゲンと呼ばれる、女性ホルモンの分泌量の減少。この結果、肌全体にシワやシミなどの衰えが見られるようになるのです。
30代の変化でもお伝えしたコラーゲン・エラスチン・セラミドの量も、これまでより激減。シワやシミに悩まされる年代とも言えそうです。目元の変化をみてみると、30代の頃に気になり始めた小ジワが少しずつ深さを増し、はっきりとしたシワに成長します。
このため、減少する各成分や女性ホルモンを補うエイジングケアは必須。目元には、目元専用のエイジング美容液などを活用したい年代です。

【50代】目尻だけではなくまぶた全体がたるむことも

閉経を迎える人もいる50代。閉経後には、エストロゲンがさらに減少し、肌や毛髪のターンオーバーも遅くなります。古い角質が肌に残りやすくなることから、「肌が硬くなった」と感じる人も多いです。また、セラミドが40代と比較してさらに減り、肌は敏感な状態に。ケアアイテムは、できる限り低刺激で肌に優しいものを使用することが推奨されます。
目元に注意を向けてみると、目尻だけでなくまぶた全体のたるみ・下がった様子が見られるでしょう。ここにマツエクを装着すると、下がったまぶたがマツエクの上に乗っているように見えることもあります。

引用元:エイジングケアアカデミー「エイジングインデックス」より

全ての人がこの変化に当てはまるわけではありませんが、一般的には、目元は年齢によってこのように変化していきます。
この他にも大人の女性の目元は、

若い頃からのメイクによるダメージ(ビューラー・マスカラなど)の蓄積がピークに
クレンジングによる影響も蓄積されている
年齢とともに自まつげの本数も減少

などの状況になっていると考えられますね。そこで、目元に合わせたデザイン提案を、大人の女性にはしていきたいものです。

【大人女性への提案】仕上がりのイメージを共有することが大切

では大人の女性へのマツエクを、どのように提案していけばよいのかを考えていきましょう。

年配のお客様は「初めてのマツエク」の方が多い

年配のお客様は比較的「マツエク経験がない」「マツエクは知っているけれど経験は少ない」という方が多いです。マツエクが国内で広まったのは2003年頃。若い頃にはなかった美容法というだけあって、経験者が少ないかもしれないことを頭に入れておきましょう。
そのため、いざお客様に「ご希望のデザインはありますか?」とお聞きしても、

「想像がつかない…」
「分からないからお任せします」

という方は多いもの。
しかし、デザインによって仕上がりのイメージが異なるのはみなさんもご存知の通りです。

カールが強く、長いエクステ→ボリューミーな印象
カールが弱く、短いエクステ→ナチュラルな印象

また、目幅エクステの密度によっても、マツエクの印象は異なります。

マツエク業界では常識的に考えられていることですが、先ほど説明したように年配の方は、プラスして「年齢により目元に変化が起こっている」ことを考えなくてはなりません。

目元の変化に合わせた提案を

例えば「たれ目デザイン」を希望のお客様に対して、「基本のセオリー通り、目尻にJカールを使用」したとしましょう。しかし、お客様の目尻が下がり始める30代以降のお客様だと、カールが物足りないと感じることも
また、50代以降の方はまぶた全体が下がってくるため、まぶたによりエクステが隠れることも考えられます。短いエクステだと、やはり物足りない印象となるでしょう。
では「長くカールの強いエクステにすればよい」のかというと、これも少し違います。お客様の中には「マツエクをした感じが出ない程度に、ナチュラルさが欲しい」と思われる方もいるからです。特に、年齢を重ねるほどナチュラルな仕上がりをご希望のお客様は増えます

一概には「年配の方へはこのようなデザインがよい」とは言えないため、お客様と一緒にマツエクの装着イメージをしっかりと共有することが大切です。
サロン内で所有しているマツエクデザイン写真から選んでもらったり、アイリスト自身の目元を見せ「この太さが1.5mmです。これはCカールですよ」などと説明することは、マツエクのイメージが湧きにくいお客様にとって効果的。基本的なことですが、プロのアイリストとして、お客様一人一人に合わせた提案をしていきましょう。

質問!“まぶたのたるみ”実際にどのくらい見えにくいの?長さを予測する方法とは?

実際にどのくらい見えにくいの?写真で検証

さて、年齢を重ねると目元は

目尻が下がる
まぶた全体がたるむ

ことをお伝えしました。年配の方への提案には、これらを十分に頭に入れておく必要があります。
実際に年配の方への接客を経験したアイリストなら分かるかと思いますが、まぶたがたるむとエクステや自まつげにまぶたが乗るように見え、

・実際の自まつげの長さが分からなかったり…
・どの程度長いエクステを付ければよいのか分からなくなったり…

するのです。実際の写真を見てみましょう。

写真の上方、目を開けているものと、下方の目を閉じているものを比較してみましょう。目を開けると、まぶたによってエクステと自まつげが隠れてしまうことが分かります。
この写真のお客様はエクステ装着後ですが、装着前の自まつげのみの状態だと、さらにまつげが隠れることが予想できますよね。このケースでは、まぶたの影響を考えて、

長さのあるエクステ
カールの強いエクステ

を使用したそうです。目を開けている状態だと、そこまで長さ・カールの強さを感じませんが、目を閉じるとエクステの存在感が分かります

最適なエクステの長さを予測する方法とは?

先ほどの写真では、目を閉じると自まつげの長さを図ることはできますが、目をあけるとまぶたのたるみによってまつげ・エクステが隠れることが分かりました。では、お客様に対してどの長さのエクステを提案したらよいのか、迷うことも出てくることでしょう。
まぶたのたるみが確認できるお客様には、基本的に“長めのエクステ”の提案がおすすめです。しかし、あまりにも長いものだと、目を閉じたときにかなり目立ってしまうことも。「ナチュラルなマツエク」を希望のお客様なら、これだと希望に沿えない結果となっていまいますよね。目を開けたときばかり重視するのも注意が必要です。

そこで、最適な長さを提案するためには、

数本エクステを装着してお客様自身で確認してもらう

ことをおすすめします。すると、施術前にはマツエクのイメージが湧かなかったお客様も「エクステを付けるとこんな風に見えるんだ」と、実感してもらいやすいです。
確認方法にはふたつの手段があります。
鏡などで正面からの見え方を確認
目を閉じた状態を写真で撮るなどして確認

この手段を講じれば、目を開けたときのマツエクの印象・閉じたときのマツエクの印象どちらもチェックできるでしょう。

また、お客様によっては「確認は不要です」とおっしゃる方もいるかもしれません。その際も、施術中どうしてもアイリストが「短すぎるor長すぎるかも…」と思えば、お客様に確認していただく提案も忘れず行いましょう。

ご年配のお客様へ、おすすめデザインをご紹介

実際のサロンではどのようなデザインがご年配のお客様に好まれているのでしょうか。
お客様から人気なのは

エクステは短めでカールは緩めのナチュラルデザイン

なのだそう。一般的に、ナチュラルなデザインがお客様の好みとなるケースが多いです。これを加味して、ここからはおすすめのデザインをご紹介します。

肌なじみのよい色を使ったカラーエクステデザイン

出典:@kaho_0529さん

比較的若い世代から人気のカラエクですが、敢えて大人の女性へ提案するのもおすすめです。写真のカラエクは、カーキブラウンとブラックをミックスしたもの。年齢を重ねると白髪が生えたり、髪の毛の色素が薄くなったりします。印象の強い黒のエクステだと、肌馴染みせずに浮いて見えることもあるでしょう。
そこで、カーキブラウンやダークブラウンなど、ブラウン系の温かみのあるカラーを使って、ナチュラルなマツエクを叶えてみてはいかがでしょうか。お客様がデザインでお困りの時は、ぜひアドバイスしてみてください。

全体カールは緩めに、目尻にかけてカールの強いマツエクデザイン

出典:@kaho_0529さん

 

お客様の中には、「加齢とともに目尻が下がることが目元の悩み」とおっしゃる方もいます。その際は全体に緩やかなカーブのものを使用し、目尻に対しては強いカールのエクステを使用したデザインがおすすめです。
カールの力でまぶたに埋もれることなくエクステのデザインがはっきり見え、横顔や伏し目のときも目元のシルエットが美しく決まります。このデザインのイメージとしては、“上品”。年配の方にぜひおすすめしたいデザインです。

自まつげの負担低減にも。細いエクステのデザイン

出典:@aya1030miさん

こちらは華奢でナチュラルな印象の、細いエクステを使ったデザイン。年配の方から好まれるナチュラルさを、エクステの細さで演出してみるのもおすすめです。
大人の女性が心配に思うのは「エクステによる自まつげへの影響」。加齢による目元・まつげへの影響に加えて、エクステを装着すると「ダメージが強いのではないか」と心配される方は多いことでしょう。
細いエクステだと、自まつげへの負担軽減にもつながるため安心ですね。お客様が太さで悩まれている際は、太いものと細いもの両方の持つ効果をお伝えした上で、自まつげへの負担の少ない細いエクステをおすすめしてみてはいかがでしょうか。

まとめ

年齢の出やすい部位として挙げられることの多い「目元」。この目元に美しさと若さをプラスできるマツエクは、今や注目されているアンチエイジング美容法のひとつです。アイリストの中には、「年配のお客様が増えた」と感じる人もいるのではないでしょうか。まずは加齢によって目元が変化することを頭に入れておき、お客様それぞれの目元に合った提案をしていきましょう。190230E3s

この記事を読んだあなたにおすすめの関連記事

この記事をシェアする