異なる長さをランダムにミックスさせるマツエクデザインの効果は?

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お客様のさまざまな要望を叶えるためには、異なる長さのエクステをミックスさせるデザインも方法のひとつ。ただ、どのくらいの長さをどのくらいの比率で混ぜるのかによって、その効果の出方は異なるでしょう。今回のBeautéは、知っているようで意外と知らない「長さの違うエクステをミックスさせる効果」について、改めて見つめ直すことが目的。ぜひ、一緒に考えていきましょう。

マツエクのデザイン決めで重視することとは?

マツエクをする女性は、「印象的な目元にしたい」「目を大きく見せたい」「可愛くなりたい」といった要望を持っている方がほとんど。それらの要望を叶えてあげられるかは、アイリストがどのような提案をするのかにかかっています。

お客様の求めるイメージに沿ったデザインにするためには、さまざまな視点から考えていかなくてはなりません。メイクやファッションなどに表れるその方の好きな雰囲気ももちろん参考にするべきですが、もともとの顔や目のバランス(黄金比)というのも重要な判断基準です。

マツエクのデザインの決め手は、大まかに分けると「長さ」と「密度」。例えば、エクステの太さや質感、カールの強さ、絡め付けや横付けなどの装着方法なども、突きつめればこれら2つのポイントにつながってくるはず。そして、今回のテーマである「異なる長さをランダムにミックスさせる」というのも、まさに長さと密度を意識しながら作り上げていくデザインです。

ただ、そもそも異なる長さをミックスする理由についてしっかりと説明できなくては、お客様に的確なご提案をすることも難しいでしょう。みなさんは、長さをランダムにミックスさせるデザインについて、その効果を正しく理解できているでしょうか?

長さを揃えるデザインとは?

さて、本題に入る前にまずは長さを揃えるデザインについて考えてみましょう。

こちらのイラストは長さが揃っている状態。根元からエクステが放射線状に広がっているのが分かりますね。

長さを揃えると、エクステ同士の間隔が毛先に向かって扇型に広がっていくため、より一本一本がしっかりと見えるようになります。

長さが揃っていることのメリットは、

  • デザイン性が分かりやすい
  • アウトラインが揃って見えやすい
  • 濃さがそれほど出ないため、軽さを出すことができる
  • 女性らしく華やかな印象になる

といったところ。自まつげのままでは出せない整った印象は、マツエクの存在感を出したい方には喜ばれるでしょう。

ただ、一方で「長さが揃っていると人工的すぎて不自然に感じる」「いかにも『マツエクをつけている』感じが強すぎる」という声もあります。中には、すき間が埋まらずスカスカとした印象が気になる方も。最近では、自まつげのようなナチュラルな雰囲気を好む女性が多いため、より違和感を持つ人が増えてくるかもしれません。

また、自まつげの中には長い健康毛もあれば、生えてきたばかりの短くて細い産毛もありますよね。それらの違いを無視して全ての自まつげに同じ長さのエクステをつけることは、あまり望ましいことではありません。アイリストのみなさんであれば、同じ長さをつけることのリスクや難しさについて十分に理解している人も多いでしょう。そのため実際には、長さをできるだけ揃えるものの、自まつげの状況を見ながら短めのエクステも混ぜていくことになります。

長さの違うエクステをランダムにミックスするメリット

それでは、いよいよ本題。長さの異なるエクステをランダムにミックスすると、どのようなメリットがあるのでしょうか?

こちらの長さが異なるエクステをミックスした状態のイラストを見てみてください。

先ほどの長さが揃っている状態と比べてみると、その違いは一目瞭然。毛先の軽さに対して根元の密度が高くなっていることがお分かりいただけたでしょうか?

ランダムにミックスするメリットは、

  • 自まつげのようなナチュラルな雰囲気に仕上がる
  • 根元の濃さがアイライン効果となって目が大きく見える
  • 自然なボリュームアップができる
  • 自まつげに負担の少ない装着ができる

など。お客様の中には「ボリュームを出したいから長いエクステをつけたい」と言われる方もいらっしゃいますが、健康毛が少ない方の場合には結局長いエクステをつけられる本数が限られ、理想のイメージからかけ離れてしまうことも。また、全ての自まつげに長いエクステを装着すると、かえって軽さが出てしまって「思っていたよりボリュームが出なかった」と感じられる方もいます。
そのような方には、あえて短いエクステをミックスするデザインをおすすめしてみましょう。根元が濃く見えることで、思った通りのボリュームアップが叶ったと感じる方もいます。お客様が“ボリュームアップ”に対してどのようなイメージを持たれているのか、しっかりと確認してからご提案をしてあげるようにしましょう。

ところで、みなさんは「つけまつげのような雰囲気にして欲しい」と言われたことはありませんか?

画像元:photoAC

最近のつけまつげは、より自然な仕上がりになるように長さの異なる人工毛がミックスされたものが多いですよね。ただ、ランダムというよりはギザギザと規則的に混ぜられているものが多く見かけられます。そのため、つけまつげのような雰囲気を好まれる方には、ランダムなミックスというよりも規則的なミックスにしてあげると喜ばれるかもしれません。

長さをランダムにミックスするときに気をつけること

長さの異なるエクステをミックスするときは、

  • ミックスするエクステの長さ
  • それぞれの長さの本数比率

の2点を調整することで雰囲気を変えることができます。

例えば、長い方のエクステを多めにミックスしたり、長さの差があまりないエクステをミックスしたりすると、短いエクステが目立ちにくくなり長さの揃ったような仕上がりになります。扇形のような見た目はマツエクとしての存在感を強く感じられるでしょう。一方、長いエクステが少ない、または長さの差が大きいデザインの場合には、根元部分の濃さがより感じられるようになるはず。そして毛先部分が軽いため、メリハリのあるデザインになるでしょう。

ただし、長さの違いが大きければ大きいほど、

  • 長いエクステが衝撃を受けやすくなり、とれやすくなる
  • 長いエクステが取れたときにボリューム不足を早く感じやすくなる

といったことに注意しなくてはいけません。これらのことはお客様にもしっかりと納得いただいたうえで、施術に入るようにしましょう。

まとめ

お客様のご要望や顔のバランスに合わせて、さまざまな長さのエクステを自由にミックスすることができるのもマツエクの良さのひとつ。つけまつげやマスカラなどのアイメイクでは、マツエクほどの絶妙な調整はききません。だからこそ、マツエクデザインひとつひとつの細かい効果について理解しておくことは、アイリストとしての武器にもなります。みなさんもぜひこの機会に、エクステの長さの違い、密度の違いについて理解を深めてみてくださいね。

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