「限りなく自然にしてほしい」実は難しい「物足りなくない完全ナチュラル」押さえるべきポイントを解説

この記事をシェアする

最近高まる「ナチュラルにマツエクを付けたい」という需要。お客様から、こうした希望をいただくアイリストも多いのではないでしょうか。業界の一般論としての「ナチュラルデザイン」は確かにありますが、要望を細かく聞いていくと求められる“ナチュラルさ”は、お客様によってさまざま。安易にナチュラルに仕上げるだけでは、「イメージと違う…」「なんだか物足りないかも…」と、不満が残ってしまいます。今回は、実は難しいお客様希望の「完全ナチュラル」について、徹底的に解説しましょう。

自然に見えるカール、長さとは

まずは、自然に見えるカールと長さについてご紹介します。

自然に見えるカールとは?

「ナチュラル」と感じる度合いは人それぞれですが、一般的にナチュラルな印象を残すカールはJカール。他にもCカールやSCカールも、ナチュラルデザインに活用されることが多いです。アイリストとして常識ですが、ここでカールの認識を今一度おさらいしておきましょう。ナチュラルデザインを作る際のポイントと併せて見ていきます。

 

特徴

Point

Jカール

最もカールがないもの。自まつげくらいの自然なカーブが特徴で、装着時の違和感は少なめ。

普段あまりビューラーを使わない方や、エクステによって密度を出し、目の印象を強くしたい方におすすめ。

Cカール

C状カールのついたエクステ。Jカールよりマツエクの印象が強くなる

ナチュラルだけど、目元のパッチリ感は欲しい人や、“ビューラーでまつげを上げたくらい”の仕上がりをご希望の方におすすめ。

SCカール

Cカールよりもさらにカールが強いもの。

自まつげが元々下がって生えていて、エクステによってまつげを上向きにしたい方、ビューラーだけでなく“マスカラを付けたような”存在感が欲しい方におすすめ。

いかがでしょうか。カールの種類は他にもありますが、ナチュラルデザインへの解説としてはこの3種類ですすめていきたいと思います。

お客様からも注目度の高い「ナチュラルデザイン」。そのため、オーダーを受ける機会は多数あると思いますが、アイリストの中には「ナチュラルならJカールありき」といった考えを持つ人も少なくありません。
Jカールを使うと、自然な仕上がりになるのは事実なのですが、

素顔に近い仕上がり
ナチュラルメイクをした程度の仕上がり
普段通りのメイクをした程度の仕上がり

など、お客様がどのような仕上がりを希望するかによって、使用するカールを選定することが大切です。さらに、それぞれの目元に合わせた選び方も必要です。

自まつげが元々下向きかどうか
自まつげと同レベルのカールかどうか
まぶたとカールの相性

先ほどのJ~SCカールを表にした部分でも説明しましたが、自まつげが下向きの方はCカールやSCカールを装着することによって、Jカールのような仕上がりになります。一重やまぶたが厚めの方も同様に、Jカールだとナチュラル過ぎることも。そして、自まつげに合わせつつもエクステで目元をさりげなく主張するには、Jカールに限らず自まつげに近いカールを選ぶ必要が出てきます。
すると、「Jカール=ナチュラルデザイン」だけの図式に留まらないことが分かりますね。

このように、Jカールだけでなく、CカールやSCカールを提案するなど、臨機応変に対応していきましょう。

自然に見える長さとは?

ナチュラルな仕上がりを目指すなら、基本的に短めのマツエクがおすすめです。日本人の平均的な自まつげの長さは上まつげでおよそ7mm。この「平均から自まつげと変わらない程度の長さ」もしくは「1~2mm程度長め」にすると自然に見えます。ここでも、

自まつげの長さ

まぶたの厚み

によって長さが変わってくるため、選定の際は自まつげの長さをしっかり見ておきましょう。一般的には「自まつげ+2~3mm」の長さはナチュラルな印象になりやすいです。
「エクステを付けたかどうか分からない程度の仕上がり」であれば、自まつげと同じ長さを選び、まつげの密度を上げて目元の印象を強めます。このとき、長さを全体で均一に揃えた「ナチュラルデザイン」を作れば、より自然に仕上がります。

とはいえ、これだけが「ナチュラルデザイン」とは限りません。「ナチュラルだけど長さをつけたデザインも楽しみたい」という方には、「自まつげ+2~3mm」の範囲で長短を出し、装着する方法もあります。
イメージしやすいよう、キュートデザインに当てはめてみましょう。

目の中央

10mm

中央よりやや両端

9mm

目尻

8mm

この一例のように、自然に見える長さや自まつげよりも長すぎないものを使って、デザインを出していきます。
まずは自まつげの長さを考慮しつつ、最も長いエクステは何mmにするのかを決め、そこから1~2mmの範囲で短いものとの差を付けると自然です。

自然に見える太さ、本数とは

次は、自然に見える太さと本数について見ていきましょう。

自然に見える太さとは?

長さと同じようにまつげの太さにも平均があります。日本人の自まつげの太さは、平均0.1~0.12mm。この平均に近いものを使うと、やはりナチュラルな仕上がりとなるでしょう。
メーカーによってエクステの太さによるラインナップはさまざまですが、0.1・0.12・0.15・0.2mmが太さとして定番です。
0.1mmそして0.12mmの太さを使用すると、平均と同等であるため仕上がりが自然に。ただし、ここでも自まつげとの相性仕上がり具合を加味して決める必要が出てきます。
まずは自まつげとの相性。平均よりも太い自まつげを持つ方は、相応に太いものを選びます。そして、の仕上がり具合ですが、ナチュラルといっても「マスカラを付けたくらいの印象は欲しい」のであれば、0.15mmを選定しましょう。もし、太さでお客様が迷われたら、

「0.15mmはマスカラを付けたぐらいの仕上がりになりますよ」

など、お声掛けするとイメージしていただきやすいかと思います。

自然に見える本数とは?

こちらも、まずは日本人のまつげの平均本数から見ていきましょう。上まつげの平均はおよそ100~180本。この中からエクステ装着ができない産毛や、毛周期によって装着が推奨できないものを除くと50~100本のまつげがエクステ装着可能と言われています。

ナチュラルに見える仕上がりで、本数を選ぶと

付けていないような自然な仕上がり→~80本
デザインや存在感がありつつも自然な仕上がり→~100本

以上がおすすめです。自まつげの本数は育毛環境や体調などによって人それぞれ異なるため、一概には決められません。80~100本の装着であれば、ナチュラルと感じる方が多いことを頭に入れておきましょう。

また、本数を選定するには「エクステ同士が密集しないこと」もポイントです。

こちらはナチュラルデザインを正面から見た写真です。本数が多いとエクステ同士の間隔が狭くなり密集して見えますが、自然な仕上がりにするならあまり密集しないようにしましょう。適度な間隔ができる本数を、お客様の目元に合わせて選んでみてください。

「お客様の思うナチュラル」に合わせるための提案

さて、ここまでは一般的にいう「ナチュラルデザイン」をどう作るのかを解説してきました。カールや長さ・太さ、そして本数などもナチュラルデザインには必要。しかし、お客様の思う「ナチュラル」とアイリストの思う「ナチュラル」を一致させるためにするご提案も、自然な仕上がりのマツエクには大切なポイントです。

カラーエクステの提案

カラエクを導入しているサロンであれば、ナチュラルさをより引き出すカラーをお客様に提案してみるのはいかがでしょうか。カラエクというと「目元にポイントやアクセントを付けるもの」のようなイメージがある方もいらっしゃいますが、カラーによって自然な印象を与えることも可能です。例えば、

目尻にブラウンブルーなどの自まつげに近い色味のカラエクをオン
全体にダークブラウンカーキなど自まつげに馴染みやすいものをオン

このように配色次第でより自然な印象のマツエクができることを、ナチュラルデザインを希望のお客様にお伝えしてもよいでしょう。また、お客様がヘアカラーをしているのであればその色味に合わせるのも重要。全体的に「馴染むもの」を基準にカラー選定を心がけましょう。

毛質の提案

メーカーによって異なりますが、一般的な「シルク」「ミンク」「セーブル」のうち、ナチュラルに仕上げるならミンク・セーブルがおすすめです。業界的に「ナチュラル=セーブル」となっているのは、みなさんもご存知のはず。とはいえ、メーカーによって同じ名称の毛質でも質感が異なるため、一概には言えません。
こちらも長さや太さと同じように、お客様の自まつげと似ている質感のものを選ぶことがポイントです。自サロンで仕入れているエクステの特徴を種類ごとにしっかり把握し、お客様それぞれに合った毛質の提案をしましょう。

お客様の思う「ナチュラル」に合わせるための提案

一般的なナチュラルを作り上げるための基礎知識の他に、お客様の希望どおりの目元を作るにはお客様とアイリストのイメージをすり合わせることが最も重要です。お客様が「ナチュラルデザインで」とオーダーしても、その“ナチュラル具合”は人によってさまざまです。
冒頭でもお伝えしたように、お客様はナチュラルデザインに何を求めているか、アイリストは把握できているでしょうか。

素顔に近い仕上がり

ナチュラルメイクをした程度の仕上がり

普段通りのメイクをした程度の仕上がり

このように、幅広いナチュラルデザインから、どのような仕上がりがお好みか具体的にヒアリングしておくことが必要。お客様から具体的なオーダーがあればアイリストも迷うことはありませんが、マツエク初心者のお客様はどのように仕上がりイメージを伝えてよいのか悩まれることもあります。

マツエクをしたと気づいてもよいかor気づかない方がよいか
メイクをした程度の仕上がりor素顔に近い仕上がり
メイクは普段ビューラーやエクステを使用するかorしないか

といったように、チャート式でお客様のイメージに近づく質問ができるとベストです。
「せっかくマツエクを付けたのに、なんだか物足りない…」とお客様に思われる事態を避けるために、「どれくらいのイメージでマツエクを付けたいのか」は確実にお聞きしておきましょう。
どうしてもイメージのすり合わせがうまくいかなければ、サロンでナチュラルデザインの参考写真を所有しておき、お客様に仕上がりイメージに近いものを選んでもらうのも、ひとつの手段です。口頭の説明よりお客様とアイリストどちらもイメージが掴みやすく、認識の違いが少なく済みます。

まとめ

ナチュラルメイクの流行とともに、ナチュラルデザインのマツエクにも注目が集まっています。お客様の要望に「ナチュラルデザイン」が増えてきていることを、実感するアイリストも多いのではないでしょうか。今回の記事を参考に、どのようにエクステを付ければナチュラルに感じるのかを認識した上で、お客様それぞれに合ったレベルの“ナチュラルさ”を提案していきましょう。こうした細やかな提案が、お客様を“理想の目元”に導く一歩となります。181208E3s

これを読んだあなたにおすすめの関連記事

この記事をシェアする