目指すのはアイデザイナー一人ひとりの自己実現―株式会社WHITE EYE代表 重里怜奈さんにインタビュー
女性のワークライフバランスを考えた末にたどり着いた、業務委託という働き方。全国に約150店舗を展開する業務委託サロンWHITE EYEを運営する、株式会社WHITE EYEの代表 重里怜奈さんにお話を伺いました。一人サロンから共同経営まで、さまざまな形態の企業を経験される中で「どん底まで突き落とされた」という生活や、コロナ禍を乗り越えて急成長を遂げた経緯など、赤裸々に語っていただきました。
【経営者プロフィール】重里怜奈さんとは
株式会社WHITE EYE代表取締役 重里怜奈(じゅうりれいな)さん
大阪のアイビューティサロン勤務を経て、24歳で独立開業。26歳のとき、共同経営にて店舗展開をするものの事業を手放すことに。
28歳で再度起業に踏み切り「RECHEL ALOHA(リシェルアロハ)」1号店を開業し、スタートから3年で7店舗を出店。その後、業務委託サロン「WHITE EYE(ホワイトアイ)」を開業し、3年で全国100店舗出店と急成長を遂げる。
現在はアイビューティのみならず、エステサロンやネイルサロンもフランチャイズ展開し、その数は全国150店舗にも上る。また、独立支援や起業サポートなど人材育成にも力を入れ、多くの女性から支持されている。
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目指すのは女性の自己実現―経営者自らが語るWHITE EYEの魅力
出典:@reina_juriさん
―WHITE EYEの魅力や大切にされているポリシーについて教えてください
「自己実現できるステージを提供したい」という想いで作ったのが、業務委託サロンWHITE EYEです。女性の自己実現をポリシーとして掲げているので、アイデザイナーが経済的にも精神的にも自立できるような環境が整っているのが、WHITE EYEの大きな魅力だと思っています。
アイデザイナーは、ただ技術力があるだけでは稼ぐのが難しい職業です。お客様に愛されないと稼げない、続けられない職業。そのために必要なのが、人間力です。自分自身で目標を持ってやり遂げることで、自信・誇りにつながっていくと考えています。WHITE EYEはスタッフ全員が業務委託なので、頑張ってお客様にファンになっていただき「ありがとう」を沢山いただくことで売上に繋がり、それがお給料に直結します。
目の前の目標を達成した上で、どんな女性になりたいのか、人生の目標とリンクさせることが重要です。アイデザイナーとしての目標も大切ですが、最終的な目標を自己実現に置くことで頑張れる部分もあると思うんです。そのために、入社後は必ず目標設定をしますし、目標を見失わないように折を見てスタッフへの声かけもしています。女性の自己実現を可能にできるのが、WHITE EYEでの働き方です。
―入社後の目標設定は、なかなか出てこない人もいるのではないでしょうか?
たしかに、出てこない人も多いです。むしろ、出てくる人のほうが少ないかもしれません。目標というのは、普段から自分と向き合う癖をつけていないと出てこないものです。そんなときは、大きな人生の目標を立てて逆算するのではなく、まずは小さい目標から積み上げてみることを提案します。
例えば、家賃5万円の家に住んでいるけど8万円の家に住みたい、子どもとの時間を増やしたい、など。そうして積み上げた先に自分が実現したい目標が見えてくることもあります。
―WHITE EYEでの働き方について詳しく教えてください
独立するスタッフもいましたが、妊娠・出産で売り上げが止まってしまうことを考えると、いつまでも自分が働き続けないといけない状況になります。結婚・妊娠・出産と大きなライフステージの変化がある女性にとっては、背負うものが少ない方が良いと思っているんです。リスクなく稼げる環境を作りたいと思って作ったのが、WHITE EYEの業務委託サロンです。
―WHITE EYEに入社するアイデザイナーは、どのような人が多いのでしょうか?
ビジョンに共感して応募してきた人が多いですね。今までは安定志向のアイデザイナーが多かったのですが、ワークライフバランスという言葉が広がっていることもあり、プライベートの充実を求める人が増えてきていると感じます。
WHITE EYEは業務委託という働き方なので、社員よりも自由に休みが取れる、拘束時間が少ないなど、時間に制限のある人でも働きやすい環境です。WHITE EYEなら働き方の自由度が高いので、結婚や出産でアイデザイナーの職を諦めなくてもいいんです。
24歳で独立・共同経営からどん底の日々へ
―24歳という比較的若い年齢での起業ですが、もともと起業を視野に入れられていたのでしょうか?
学生のころから誰かの下で働くというイメージがなく、自分で会社を持ちたいと思っていました。そこで24歳のときに起業し、一人サロンを立ち上げましたが、結婚・妊娠・出産を考えたときに仕事の限界が見えたんです。
また、スタッフを雇ったものの、半年で辞めてしまったという経験もあります。理由を考えてみると、そのスタッフに対して働くメリットを提供できていなかったなと。そこから、スタッフに長く続けたいと思ってもらえるような、稼げる・ステージアップできる環境を整えようと考え始めたんです。
―共同経営の後、一度すべてを手放されていますが、当時はどのような心境でしたか?
共同経営していた事業は、事情がありいったん手放すことになりました。借金だけが残り目の前が真っ暗な状態で、1年ほどはただただ借金を返すためにひたすらアルバイトをする日々でしたね。それまでの経営者という立場から一アイデザイナーに戻って働くことに大きな葛藤があり、自分自身のプライドは文字どおりズタボロになりました。でも、そんなどん底の私に声をかけてくださった方がいたので、もう一度奮起して今につながっているんです。
再起をかけた起業からコロナ禍を経て急成長を続ける原動力とは
―どん底の状態から這い上がるきっかけとなった声かけとは、どのようなものだったのでしょうか
お世話になっていた別業種の先輩から「今どん底なんだから、これ以上下がることはない。挑戦しないと損だ」と言われました。さらに「そこで終わるような女やないやろ」と言われ、火がついたんです。言われてからすぐに事業計画に取りかかり、半年以内に融資の申請までこぎつけました。
24歳のころは“自信”と“わくわく”だけで起業しましたが、28歳のときは苦労も経験していたので覚悟が違いましたね。神様にいただいたチャンスだと思って、とにかくがむしゃらに働きました。
―起業後は順調に軌道に乗ったのでしょうか
3年で7店舗の出店に成功しましたが、一方でスタッフの育成もままならない状態で反発もありました。30人いたスタッフの半分が一度に辞めてしまった時期もありましたね。
―現在のようなスタッフとの信頼関係を築くきっかけとなったことはありますか?
起業した後に経験した、コロナ禍での経営は大きかったと思います。まだどのようなウイルスなのか分からない時期は、スタッフの恐怖心を拭うために3週間休業しました。
その間も給料を支払っていたので、スタッフから「こんな状況でも私たちを守ってくださってありがとうございます」「私たちも死ぬ気でこの会社を守るので、何かあったら言ってください。一緒に助け合っていきましょう」と感謝の言葉をもらったんです。
私としては、スタッフの生活を守るため、支払わないという選択肢はなかったのですが、当時の言葉を思い出すと今でも涙がこみ上げてきます。そのことが、スタッフとの絆がより強固なものになった要因のひとつです。
―サロンやWHITE EYE開業後、急成長を遂げた主な要因はどこにあるとお考えですか?
スピード感を持って事業を展開している点ですね。美容業界はものすごいスピードでどんどん進化していきます。その波に乗り遅れると、あっという間に需要と供給のバランスは崩れてしまうんです。
例えば、アイブロウが流行り出すタイミングで、アイブロウ専門店として出店しています。そういったことの積み重ねで、事業を展開してきました。
―アイブロウが流行るといった情報などは、どうキャッチしているのでしょうか
今まで築いてきた人脈ですね。人に教えてもらうことも多いです。そして、その情報をキャッチして、面白そうと思ったらすぐに行動に移すようにしています。なぜなら、自分がやらなくて誰かに先を越されるのが悔しいから。
行動して失敗したとしても、それは経験になりますが、行動しなかったら後悔しか残りません。なので、まずはやってみる!を心がけています。
自ら選んだアイデザイナーという職業で、人生において成し遂げたいことを達成してほしい
―人材育成にも力を入れていらっしゃいますが、その上で特に重視している点を教えてください
自主性を大切にしています。仕事や職場は自分で選んでいるので、誰かにこの仕事をやらされているわけではありません。でも、日々の仕事に追われていると、いつの間にか仕事をやらされているという意識になることがあります。そうなると、仕事に対するモチベーションは下がってしまうんですよね。そんなときは、目的が分からなくなっているので、何のためにやっているのかをスタッフ一人ひとりに落とし込んでいます。
「こんな女性になりたい」「こんな未来を得たい」といった、それぞれの目標のために仕事をすることを再認識して、自分自身の成長にコミットすることで頑張れるよう導くことも大切です。
―WHITE EYEでは目標設定を大切にされていますが、どのようなアイデザイナーに育てたいとお考えでしょうか
目の前の目標と人生の目標をリンクさせることが大切という話をしましたが、大きな目標から逆算して、経済的にも精神的にも自立した女性になってほしいと考えます。
アイデザイナーとしてしっかり稼げば、心の余裕が生まれます。経済的な自立は、人生の目標を達成する上で大切なことです。アイデザイナーとしての目標と、人生において成し遂げたいことを紐づけることが、日々頑張る原動力になると信じています。
―WHITE EYEでは独立するアイデザイナーも多いと聞きますが、育成した後の独立は痛手ではないですか?
長い年月をかけて育成したアイデザイナーの独立は、一般的に痛手に見えますよね。ただ、WHITE EYEでは社内に独立支援制度を設けていて、むしろ独立を応援する体制があるんです。
単なる独立ではなく社内独立という形態なので、独立後にフランチャイズ契約を結びます。独立した後も引き続きアイデザイナーをサポートできますし、会社としても店舗展開につながり、Win-Winの関係が築けます。独立したいかどうかの要望も聞くようにしていますね。
―独立したい人とずっと働きたい人のすみ分けは、どのようにされているのでしょうか
サロンでの働き方を若干変えています。独立希望のアイデザイナーには、店長を経験してもらうなどマネージメントを学ぶ機会を与えています。運営側を経験することで、元々は独立志向があっても「私には向いていない」とやめるパターンもありました。
大切なのは「誠実さとスピード感」今後の展望とアイデザイナーへのメッセージ
―仕事をする上で一番大切にしていることを教えてください
誠実さとスピード感を大切にしています。仕事をしていく中で、嘘をつかれたり信用できないことがあったりすると、一緒に仕事をしたいと思わないですよね。私自身も誠実な方と仕事をしたいと思うので、必ず自分も相手に寄り添い、嘘をつかず正直に仕事をしていくことを心がけています。
スピード感については、美容業界はハイペースで変わっていくので「こういうビジネスがいいな」と思っても、スピード感を大事にしないとどんどん先を越されたり、需要と供給のバランスが変わってきたりします。スピード感を持って行動に移すことが大切です。日々のレスポンスも、スピード感を重視することで信頼を得られることがあると思うので、細かいところまで気を配っています。
―ご自身の事業やアイビューティ業界について、今後の展望をお聞かせください
自身の事業については、美容師免許を持っていない人でも稼げる環境を作りたいと思い、昨年から“WHITE NAIL”を始めました。これからさらにネイル事業を拡大していくことで、もっと稼げる女性を増やしたいと思っています。今、業界自体は価格競争や人材不足という課題に直面しています。だからこそ、これからのアイビューティ業界に求められているのは、安さやトレンドだけでなくお客様に長く愛される本質的な価値の提供です。
そのためにサロン側は、お客様に寄り添う人間力と技術力を磨いていかなければなりません。また、メーカー側はそれを支える革新的なプロダクトや教育支援などを行うことが求められます。その2つが噛み合うことで、アイデザイナーが安心して長く活躍でき、お客様も生涯通い続けたいと思えるような、魅力的な業界に発展してほしいと願っています。
―最後に、現役アイデザイナー・未来のアイデザイナーに向けてメッセージをお願いします
アイデザイナーは、自分の技術や接客で目の前のお客様から「ありがとう」という言葉をかけられる、とてもやりがいがある仕事だと思っています。だからこそ、目の前の一人ひとりのお客様を大切にし、常に成長し続けることがとても大切です。
自分自身の価値をどんどん上げることで、自信と誇りにつながる仕事ができるはず。挑戦を恐れず、自分らしく輝き続けるアイデザイナーになってほしいと願っていますし、これからも応援しています。
まとめ
目まぐるしく変わる美容業界において、大切なのはスピード感だけでなく誠実さだと語る重里さん。どん底を味わった経験や、コロナ禍で生まれたスタッフとの絆、ワークライフバランスや独立も視野に入れた働き方の提供など、すべてが、「女性の自己実現のステージを提供する」という現在の取り組みにつながっていると感じるインタビューでした。これからのアイデザイナーの在り方を考えるきっかけになった人も多いのではないでしょうか。
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