新卒入社アイリストが学ぶべき「社会人の基礎スキル」とは

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マツエク業界の採用については、元美容師や、美容師免許は持っているけど別の仕事をしていた…など、別の仕事から転職してアイリストを目指す人が多いイメージ。しかし今は、美容の専門学校を卒業してすぐにアイリストを目指す人も増えてきています。

新卒の人がアイリストとして活躍していくためには、マツエクに関する知識や技術以外にも習得しなければいけないことがたくさん。そこで今回は、新卒入社のアイリストたちに学ばせるべき、社会人の基礎スキルについて解説していきます。

恥をかかないための「ビジネスマナー」

新卒の人をアイリストとしてデビューさせるためには、マツエクに関する基本的な知識・技術習得はもちろん、“社会人として”の基本的なマナーも指導しておかなければいけません。社会に出て働くということは、学生時代のバイトとはまた違った責任を背負うことにもなります。

アイリストは、サロンの顔とも言える職業。お客様をお迎えするにあたり、恥ずかしくない接客ができるアイリストに育てるためには、まず基本的な「ビジネスマナー」を指導しておくことが大切です。

アイリストとして実際にサロンで働くとなると、営業マンのようなカチカチのビジネスマナーを披露する機会は少ないのが実際のところ。しかし、ビジネスマナーを知っているからこそできるお客様が心地よい接客があるのも事実です。

ビジネスマナーの基本は、

◆あいさつ

◆表情

◆身だしなみ

◆立ち居振る舞い

◆言葉づかい

以上の計5つ。

人として当たり前のことのようにも感じますが、意外とビジネスマナーとしての基準をクリアできていない人が多いのです。

ビジネスマナーの基本その1「あいさつ」

まずは、ビジネスマナーとしての「あいさつ」について。接客業であるアイリストは、お客様と初めて会ったときの第一印象がとても大切です。お客様を受け入れるための体勢が整っているのか、信頼できるアイリストなのかは、最初の“あいさつ”で全てが決まると言ってもいいほど。“お待ちしておりました”という気持ちを表すためにも、お辞儀の角度や視線などTPOに合わせたあいさつができるように指導しておかなければいけません。

ビジネスマナーの基本その2「表情」

あいさつと同じく、「表情」もその人の第一印象を決めるのに重要な要素のひとつ。お客様に「このアイリストに任せても大丈夫」と信頼していただくためにも、相手の心が和むような表情を身につけておかなければいけません。

良い表情は、ときに言葉よりも強いメッセージを放つものとなります。営業用のスマイルではなく、お客様に安心感を与えられる表情を身につけられるよう、指導していくといいでしょう。

ビジネスマナーの基本その3「身だしなみ」

社会人として、きちんとした「身だしなみ」ができるのは基本中の基本。自分がお客様の立場になったとき、乱れた服装でだらしない雰囲気の人に安心して施術を任せられるか考えてみれば、おのずと答えはでてくることかと思います。

“自分がお客様の立場になったら…”という「想定」をさせてあげるのも、新卒の人へビジネスマナーを教えるときのポイント。“まわりの目から見てどうなのか”という視点が持てるように、考え方をシフトさせていくことが大切です。

ビジネスマナーの基本その4「立ち居振る舞い」

立ち居振る舞い」とは、立ったり座ったり歩いたりと、人が行なう基本的な動作のことを指す言葉です。アイリストという職業柄、“美”を意識することもプロとして大切なこと。アイリストが取る行動ひとつひとつは、サロンや会社のイメージに直結するということをしっかり伝えていかなければいけません。

カウンセリング中、無意識に髪を触っていたりガバっと大きく足を開いていたりする人に対して、「この人に本当にきれいにしてもらえるのだろうか」と感じるのは自然なこと。相手に不快感を与えるような立ち居振る舞いをしないというのも、新卒スタッフに伝えておかなければいけないビジネスマナーのひとつなのです。

ビジネスマナーの基本その5「言葉づかい」

サロンによって、一流ホテルのような丁寧な接客を目指しているところや、気さくに話しフレンドリーな接客を目指しているところなど、それぞれカラーがあるかと思います。アイリストとして仕事をする上で、カスタマーセンターのオペレーターのようなかしこまった言葉づかいをする必要まではないかもしれません。

しかし、正しい言葉づかいができていなければ、お客様に対して使っていい言葉かどうかの判別をつけるのも難しいもの。尊敬語や丁寧語、謙譲語などの区別がつけられるのは、社会人として当たり前だということを伝えておかなければいけません。

成長を促すための「ビジネスマインド」

中途採用の人と新卒の人とでは、社会に出て働くことに対しての意識が大きく異なります。一度社会に出て働いた経験のある中途採用の人は、“働くこと”がどういうことなのかを多かれ少なかれ知っているものです。

それに対して新卒の人は、社会人になるという希望を持ってはいるものの、学生気分が抜けていなかったりバイトの延長のような感覚でいる人も少なくないのが事実。新卒で就職をして、半年~1年ほどで辞めてしまう人が多いのも、ビジネスマインドについてしっかり落とし込めていないのもひとつの要因だといえます。

新卒アイリストに伝えるべき「ビジネスマインド」とは

ビジネスマインドとは、簡潔に言うと“仕事に対する心や精神”のこと。アイリストとして仕事をしていく上で、「どうすれば成功するのか」という考え方のことを指す言葉です。

アイリストとして仕事をしていく前に、新卒であれ中途であれ、必ずマツエクに関する知識・技術を習得しなければいけません。しかしこれらの研修や試験は、仕事をするために受けておかなければいけない最低限のこと。ビジネスマインドが上がり、維持し続けられるための、研修や試験ではないのです。

新卒スタッフを長く活躍できるアイリストとして育てあげるには、“頑張ろう”と思えるための思考力を身につけさせることが大切です。

ビジネスマインドを高く保つために 

入社時には大概の新卒スタッフは高いモチベーションと、意思を持っています。ただ、仕事が増えてきたり、慣れてくると意識が低下してくるスタッフも現れます

新卒スタッフの意識を常に前向きに、マインド高くいてもらうためにはサロン側は何をしていけばよいのか考えていきましょう。

 

マインドを高く維持するために、まずは新卒スタッフに『目標をたてさせる』ことが重要です。”今年何をするのか”、に加え”3年後どのようになっていたいか”と短期だけではなく、中長期でなりたい自分をイメージさせる機会をつくりましょう。

ただし、イメージするだけでは「何をしたらよいかわからないです…」となりがちです。

そのため、次にすべきことは『行動計画をたてる』こと。イメージした目標に対して、今の自分とのギャップを埋めるために、どんな練習や勉強が必要なのか、具体的な行動を決めます。注意点としては、行動計画を「接客の質を上げる」のような抽象的なものとせずに、「受付対応を必ず1日10件実施。お客様のお名前をフルネームで覚える」などのような具体的な数や行動に落とすようにしましょう。

最後は『継続させる』こと。せっかく最初に立てた目標や行動計画も、忙しくなると優先順位が下がってしまうことも。先輩アイリストなどが適宜、行動計画の進み具合を確認してあげたり、うまく進まないことがあればサポートしてあげるなど、継続して行動できるような伴走が必要です。

『目標を立て、行動を決め、継続させる。』このサイクルが回ると、新卒スタッフのビジネスマインドは高い状態で維持できるでしょう。

アイリストは接客業・技術職どちらのマインドも必要

また、アイリストは、接客業というジャンルに分類される職業でありながら、技術職として高い技術が求められる特殊な職業。新卒スタッフは技術を上げることを優先しがちですが、技術だけが長けていてもダメだということを、理解してもらわなければいけません。
接客を通してお客様の信頼が得てこそ技術を提供できる、という接客と技術の関係性を認識させ、接客スキルの向上にもしっかりと時間とパワーをかけるように指導していきましょう。

接客、技術両面を鍛錬することが、アイリストとして活躍できる人材になれるかどうかの分かれ目にもなるのです。

接客スキルの向上においては、先輩アイリストやトレーナーとのロープレが有効。すでに取り入れているというサロンも多いかと思いますが、経験者から率直な指摘をもらえるため、一番手っ取り早い方法だと言えます。
またカラーエクステを多く取り扱うサロンでは、パーソナルカラーに関する研修などもおすすめです。お客様に一番似合う色味を見つけるためのスキルアップ研修ですので、お客様との認識のすり合わせが重要となります。接客の基本となる認識のすり合わせが丁寧に学べるので。

長期的なフォローの重要性

新卒アイリストを育てていくには、長期的にフォローをしていくことが大切です。入社初期のビジネスマナーやビジネスマインドの装着はもちろん、年次が上がってから、社会人の基礎スキルを再確認できる機会を作ったり、さらなるスキルアップにつながるプラスαの研修を用意したり、こまめにフォローしてあげるのも新卒の人材育成に重要なことだと言えます。

次に入社してくる新卒スタッフの教育係に任命し、教えることで本人にも改めて再確認できる場にしてもらうなど、長期的に学び続けられる仕組みをつくりましょう。

まとめ

一人前になるまでに、たくさんの知識と技術を身につけていかなければいけないアイリストという仕事。新卒で社会人としてまだ右も左も分からないような状態の人には、丁寧に根気強く指導をしていかなければいけません。
アイリストの基礎はもちろん、社会人としての基礎を指導するのも、優秀なアイリストを育てるために避けては通れない道。その人のアイリスト人生を素晴らしいものにするためにも、新卒スタッフが学ぶべき基本のルールはきちんと指導できるようにしましょう。200112Eue

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