ボリュームラッシュとは?本数別デザインやメリット&デメリットなど基礎知識を解説!

ボリュームラッシュとは、自まつげが少ない人でもボリュームを出せるマツエク技術のこと。シングルラッシュやフラットラッシュなどマツエクの種類はさまざまですが、ボリュームラッシュとは施術方法や仕上がりに違いがあります。今回はボリュームラッシュをメインテーマに、本数別デザインの紹介やメリット&デメリットについて解説。お客様へのマツエクデザインの提案に役立つ情報をお届けします。
ボリュームラッシュとは?基本をチェック
ボリュームラッシュとは、自まつげ1本に対し複数のエクステを扇状に装着する施術方法です。自まつげ1本あたりに装着するエクステ数が増えることで、ボリュームのあるデザインに仕上がります。
自まつげの本数×複数のラッシュを装着可能
自まつげ1本に対しエクステを1本装着するシングルラッシュは、自まつげの本数=装着可能なエクステの本数となります。しかし、ボリュームラッシュなら自まつげの本数×複数のエクステを装着できるため、お客様の要望に合わせて自由にボリュームを調整できるのが大きな特徴です。
ボリュームラッシュでは極細毛を使用
ボリュームラッシュではシングルラッシュよりも細いエクステを使用します。シングルラッシュで使うエクステの一般的な太さは、0.1~0.2mm。これに対し、ボリュームラッシュの一般的な太さは0.05~0.07mmと極めて細くなっています。“極細のエクステを複数本装着してボリュームを出す”という施術方法のボリュームラッシュは、自まつげへの負担をおさえてボリュームアップが叶うエクステと言えるでしょう。
ボリュームラッシュの太さはメーカーによって異なりますが、選ぶ太さで仕上がりが変わるので“どのエクステを使うか”がポイントとなります。
ボリュームラッシュの“D”は束のこと
ボリュームラッシュには3Dや4Dなどいくつか種類があります。この“D”は、扇状に広げたファンと呼ばれるエクステの束のこと。3Dのボリュームラッシュとは3本で1束のもの、4Dなら4本で1束のものを指します。つまり、数値が大きいほど1束あたりのエクステ本数が多くなる、という意味です。
ファンの幅についてはこちらをチェックしてみましょう。
3Dマツエク:1.5mm~2mm
4Dマツエク:3.5mm
5Dマツエク:4~4.5mm
基本はこちらになりますが、お客様のまつげの状態や隙間、目の形や希望するデザインに合わせて、微調整しながらファンを作るのがポイントです。どの本数のファンであっても、大切なのはファンが均等に開いているかどうか。ここがアイデザイナーの腕の見せ所であり、仕上がりに大きく影響します。
ボリュームラッシュについてはこちらの記事でも解説しています。
ボリュームラッシュはフラットラッシュやバインドロック®とどう違う?
続いて、フラットラッシュやバインドロック®との違いを見ていきましょう。
ボリュームラッシュとフラットラッシュの違い
フラットラッシュとは、断面が平たい形状のエクステのこと。どちらも“ラッシュ”がつきますが、ボリュームラッシュは施術方法、フラットラッシュはエクステを指しています。
一般的な断面が丸いエクステと比べて厚みが約1/3のため、非常に軽いのがフラットラッシュの特徴です。フラットラッシュの太さは、断面が丸いエクステと同じ0.1~0.2mm。また、比較的モチが良いところもフラットラッシュの特徴です。ボリュームラッシュに使用するエクステとは形状が違いますが、“自まつげとエクステの接着面が広い”という点が共通しています。
▼フラットラッシュについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
ボリュームラッシュとバインドロック®の違い
バインドロック®とは、アイラッシュブランド『Miss eye d’or®(ミスアイドール)』の特許技術です。技術を習得するには同社開講のセミナーへ参加する必要があります。
バインドロック®には“フラットマットラッシュ”と“ボリュームラッシュ3Dレイヤー®”の2種類のエクステを使用し、自まつげを挟むように装着。どちらもモチが良いとされるエクステですが、挟んで装着するバインドロック®ならではのつけ方によってモチの良さをさらに高めています。
▼バインドロック®については、こちらの記事で詳しく解説しています。
ボリュームラッシュをおすすめしたいお客様は?
- まつげの隙間・少なさ・細さが気になる
- 自まつげの負担をなるべく減らしたい
- マツエクをつけている感をなくしたい
- エクステの軽さ・やわらかさなど、つけ心地にこだわりたい
このような要望のあるお客様には、ボリュームラッシュの提案がおすすめです。ボリュームラッシュという名称から、“ボリュームを出したい人のための施術方法”だと思っているお客様も少なくないでしょう。しかし、ボリュームラッシュは「まつげをつけている感を最小限にしたい」というナチュラルデザイン希望のお客様にもおすすめできる施術方法です。ボリュームラッシュの特徴や本数別のデザインをお客様に知ってもらうことで、“より要望に近い新たな選択肢”となるかもしれません。
ボリュームラッシュは何本でファンにする?束数別のデザインをチェック
ボリュームラッシュとは、120本や300本などの“本数”、または80束や100束などの“束数”で表されるもの。ファンの数を意味する“束数”に対し、“本数”はエクステ1本1本の数を指します。
ボリュームラッシュを装着する自まつげの数が100本の場合を例にすると、
ボリュームラッシュの300本=3本のエクステを束ねたファンを100束装着する
という計算になります。
ボリュームラッシュを装着するにあたり、“何本でファンにするか”というのは仕上がりに大きく影響する要素です。お客様への提案時のヒントとなるよう、3D・4Dの束数別にデザインを見ていきましょう。
束数別│3D・4Dのデザイン
3Dマツエク
3本のエクステを1束にして装着する3Dマツエクは、自まつげの隙間が気になる方や、自まつげの数が少ないお客様におすすめのデザインです。2Dと比べるとまつげの密度はアップしますが、エクステ自体が細いので適度なナチュラルさをキープできます。
4Dマツエク
4本のエクステを1束にして装着する4Dマツエク。1束のエクステ数が多いので、華やかなボリュームアップが叶います。こちらは片目60・80・100束の4Dマツエクの比較画像。「抜け感が欲しい」「しっかりボリュームアップしたい」といったお客様の要望に合わせた束数を提案するときの参考になりますね。
異なる束数をミックスするデザインも
こちらは4Dから7Dをミックスしてつけたデザイン。場所によって異なる本数のファンを用いてデザインするため、アイデザイナーの技術力が問われます。つけまつげのようなボリュームを出しつつ、ボリュームラッシュならではのふわふわ感もある印象的な目元に仕上がっていますね。
ご紹介したのは3D・4Dのデザイン例ですが、日本ではあまり見かけることのない7Dや8Dといったデザインもあります。ボリュームラッシュは、ファンに用いるエクステの本数が増えることでより立体的なボリュームのある目元に仕上がるもの。お客様が好む“ボリューム感”と“ナチュラルさ”が叶うデザインの提案をするためには、ヒアリングでしっかりと要望を聞き出すことが大切です。
ボリュームラッシュの本数が多くなることのメリット&デメリット
続いて、ボリュームラッシュでエクステの本数が増えることによるメリットとデメリットを考えてみましょう。
エクステの本数が増えるメリット
- 極細毛のため、つけ心地は軽い
- まつげの隙間をしっかりと埋めることができる
- モチアップにつながる
- まつげが細くてもボリュームを出せる
- サロン目線では、単価をアップさせることができる
ボリュームラッシュとは、まつげに隙間がある、自まつげが細い、といったお悩みのある方にこそメリットのあるエクステです。まつげの束の太さで隙間が埋まるため、幅のあるファンを使えば上手くカバーできるでしょう。また、「エクステの本数が増えると重くなるのでは?」と思うお客様もいるようなので、しっかりと説明しましょう。メーカーによっても多少の誤差はあるものの、シングルラッシュ50本分がボリュームラッシュ200本分に相当する重さと言われています。そのため、シングルラッシュからボリュームラッシュにシフトしたお客様は、そのつけ心地の軽さに驚かれることもあるのです。
また、自まつげとの接着面が1点のみのシングルラッシュに比べ、ファンを装着するボリュームラッシュは接着面が多いという特徴があります。そのため、シングルラッシュよりもしっかりと接着しやすい傾向にあることも大きなメリットと言えるでしょう。
その他、単価アップもサロン目線での大きなメリットです。技術料やエクステの本数が増えるため、必然的に施術料金もシングルラッシュより高くなります。ファンの数が増えるほど料金も上がり、場合によってはシングルラッシュの倍近い料金になることも。ただし、施術前にきちんと料金を提示しておかないと、お客様トラブルに発展する可能性もあります。了承を得た上で施術に進むようにしておきましょう。
エクステの本数が増えるデメリット
- グルーが増えるため重く感じる可能性もある
- 施術が難しい
- 施術時間が長くなる
- ファンが取れたときにまつげの隙間が気になってしまう
- 目鼻立ちがはっきりしていないとまつげのボリュームに顔が負ける可能性も
ボリュームラッシュには、4D・5Dとファンの数を増やすことでグルーの量も多くなるというデメリットもあります。その差は少ないとはいえ、5D以上のボリュームのあるデザインになると、グルー+エクステの重みが気になることもあるかもしれません。
また、施術の難しさもデメリットのひとつ。ボリュームラッシュは極細毛でファンを作りながら施術していくため、シングルラッシュよりも高い技術が求められます。きれいに仕上げるにはファンの幅が均等になっている必要があるため、エクステの本数が増えると難易度も上がるもの。きちんと装着できないとモチが悪くなってしまうこともあり、アイデザイナーの技術力が試されます。
ファンが取れたときのまつげの隙間については、ボリュームラッシュは1つの束に幅があるため、取れるとどうしてもまばらな印象になってしまうもの。隙間が気になる箇所にはシングルラッシュも併せてつけておき、対策すると良いかもしれません。
もともと彫りの深い顔立ちの多いアメリカやヨーロッパなど、海外で主流になっているボリュームラッシュ。5Dマツエク以上の“ボリュームをしっかり出すデザイン”の場合、目鼻立ちがはっきりした顔立ちでないと、ボリュームに負けてまつげが悪目立ちする可能性もあるでしょう。
ボリュームラッシュを希望するお客様には何本をおすすめするべき?
ボリュームラッシュを希望するお客様には、何本をおすすめすると良いのでしょうか。ここでは本数の提案時のヒントとなる要素を解説していきます。
ナチュラルデザイン
ナチュラルデザインのマツエクを希望するお客様には、2D~3Dマツエクがおすすめです。4D以上ではボリュームが出過ぎてしまうか、ややフサフサとしすぎる印象に。エクステの太さは0.06mm以下にするなど、選び方でも仕上がりの見え方は変わります。隙間をしっかりと埋めてアイライン効果を確保しつつ、お客様好みのナチュラルデザインを探りましょう。
ボリュームデザイン
「ボリュームを出したい」という理由でボリュームラッシュを選択するお客様には、3D~4Dマツエクがおすすめです。0.07mm以上のエクステを使い、まつげの印象を強めるのも良いでしょう。お客様の希望に沿ったボリュームをもとに、立体感のあるまつげを提案してください。
5D以上が向いているのはどんなとき?
5D以上のマツエクを選ぶのは、量や目元の力強さを重視したいという希望のあるお客様。パーティーやイベントシーンにふさわしいラグジュアリーな目元を求めるなら、5Dマツエクをおすすめすると良いでしょう。しかし、顔立ちによってはまつげが悪目立ちするかもしれないので、似合わせるのが難しいケースもあります。また、ただでさえ施術の難易度が高い施術方法です。3Dを超えると相当の練習量が必要となり、施術にかかる時間も増えるでしょう。
まつげの隙間が気になるお客様にはミックスデザインの提案もアリ
自まつげにバラつきがあるお客様なら、隙間部分にはファンの数を増やすといったミックスデザインを取り入れるのはいかがでしょうか。本数の多い3D以上はミックスデザインに使われることも多いので、シングルラッシュとミックスするのもひとつの方法です。お客様の目の形や希望に合わせた提案の仕方なら、まつげの表情を幅広く演出できるでしょう。
まとめ
ボリュームを追求したいという希望はもちろん、「ナチュラルで自まつげになじむデザインが良い」という希望にも応えることができるボリュームラッシュ。ファンに使用するエクステの数を変えることで、仕上がりの雰囲気も大きく変わります。ボリュームラッシュをきれいに仕上げるコツは、ファンの幅を均等にすること。エクステの数が増えるとその分難易度が上がりますが、他のアイデザイナーやサロンと差をつける手段でもあります。仕上がりイメージに合わせたボリュームラッシュのデザインを提案し、お客様の心を掴みましょう。
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