知りたい!施術中グルーが絶対しみない方法はあるか

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これまでもマツエクをすると目がしみるというテーマを紹介してきましたが、絶対にしみない方法はあるのでしょうか。今回はしみない方法を探るとともに、なぜグルーはしみるのか、原因はどこにあるのかという点も、一緒におさらいしていきましょう!

なぜグルーはしみるのか

まずは、「なぜグルーを使うと目にしみるのか」の基礎知識からおさらいしていきましょう。みなさんご存知のとおり、グルーが硬化するタイミングで揮発成分が発生します。この揮発成分は「ホルムアルデヒド」という人体に有害な成分。無色透明で刺激性がある気体です。ホルムアルデヒドが人体にもたらす影響として

◇目にしみる

◇目が充血する
◇目が腫れる
◇鼻水が出る
◇シックハウス症候群に近い症状 

といったことが挙げられます。ホルムアルデヒドはグルーにほぼ100%含まれている「シアノアクリレート」が原因で発生するのです。では、「シアノアクリレートが含まれていないグルーを使用すればよいのでは?」と思うかもしれませんが、あまり販売されていないだけでなく、白化現象が起こりやすくモチが悪いといったデメリットがあるため、おすすめできません。

▽揮発成分についての記事はこちら

また、グルーを正しく扱わないことでホルムアルデヒドが多く発生し、いつも以上にしみることもあります。正しく扱えているかどうかのチェック項目が
☑サロンの室温が適切か
☑グルーを出す前に容器を振っているか

の2点です。まず、サロンの室温は夏25℃、冬20℃程度がベストとされています。この温度は、グルーが硬化する際発生するホルムアルデヒドの量が、安全基準値に収められる目安です。夏であれば温度の上昇に敏感になると思いますが、冬は意外と見落としがち。サロン内の室温が20℃を越えないように、頻繁に確認する必要があります。

次に、グルーを出す前にしっかりと容器を振ることが大切です。取扱説明書にも、必ず振ってからご使用くださいと記載がありますが、なぜ振る必要があるのか説明できますか?その答えは、グルーが分離して出てくるからです。容器を振らない状態だと、一番上に浮いている成分はシアノアクリレート。そのままグルーを出すと、シアノアクリレートの分量が多くなってしまうのです。その状態に気付かずエクステを装着すると、いつも以上にしみやすくなります。分離を防ぐには、前回使用して数日経過している場合であれば100回以上、直前まで使用していたグルーでも30回以上振ることがポイントです。

▽グルーの分離に関する記事はこちら

グルーの揮発成分はもちろんのこと、そのほかの原因でも目にしみやすくなるため、次で詳しくご説明します。

しみやすくなる原因

グルーに含まれる揮発成分「ホルムアルデヒド」は、様々な原因で目にしみやすくなります。

①目が開いている

②ドライアイ
③体調不良やホルモンバランスの乱れ

といった原因が考えられます。ひとつひとつ説明していきましょう。 

①目が開いている 

施術中寝てしまうお客様も多くいらっしゃいますよね。テープ貼りの段階では目が開いていなくても、寝ると目が開いてしまう人もいるのです。開いた目の隙間からホルムアルデヒドが侵入し、目がしみることにつながります。

②ドライアイ 

長時間目を閉じていると瞬きができないことから涙が供給されず、目が乾いた状態に。すると、少しのホルムアルデヒドでも敏感に感じるようになり、目がしみるのです。

③体調不良やホルモンバランスの乱れ 

体調が優れないときや生理・妊娠中はホルムアルデヒドの刺激を敏感に感じ取ることもあります。同じグルーを使って普段はしみない人でも、体調不良やホルモンバランスの乱れによってしみることがあることを覚えておきましょう。

では、アイリストができる対策方法はあるのでしょうか。

アイリストができること

タイトルに対する答えですが、結論から言うと絶対にしみない方法はありません。先ほども述べたように、シアノアクリレート含有のグルーを使用する限り、揮発成分の発生は避けられないからです。しかし、アイリストが対策を講じることで、しみにくくすることは可能です。ここからはどうしたらしみにくくなるのか、対策をお伝えします。

体調や目の状態を見てしみやすいかどうかの確認をする

まず、カウンセリング時やテープワーク時に、体調や目の状態をチェックしましょう。状態がよくないようであれば、あらかじめお客様にお声がけしておく必要があります。例えば目が充血している場合、「今日は目が充血しているので、いつもよりしみる可能性があります」とひと声かけておくと、お客様の心証も変わりますね。

目が開かないようにテープを貼る

アッパーテープを貼ると、上まつげがの仕分けがしやすくなったり、根元が見やすくなったりします。しかし、引き上げすぎると白目が見えてしまい、揮発成分が侵入しやすくなるので、注意が必要です。また、テープワーク時にはきちんと目が閉じていても、寝てしまうと目が開いてくることもありますよね。「テープを貼り直すと起こしてしまうのでは…」と思いそのまま施術を進めると、揮発成分によって目がしみてしまいます。
どちらにせよお客様を起こしてしまいますし、目がしみるほうが不快に思われるでしょう。そこで、目が開いてきたらすぐにテープを貼り直してください。テープを貼り直すとお客様は一時的に瞼をしっかりと閉じますが、その状態に合わせてテープを貼るとまた寝たときに目が開くので、目が開くことを計算してテープの位置を調整しましょう。
眼球が出ている人や、瞼が短い人は目が開きやすい傾向にあるため、「このお客様は目が開くかもしれない」と判断した時点で「寝られると目が開くかもしれないので、必要に応じてテープの張り直しをさせていただく可能性があります」と伝えましょう。とは言え、途中で何度も貼り直すとお客様もリラックスできません。必要最低限にとどめることが大切です。もしまつげの角度がエクステをつけるのに問題ない角度であれば、アッパーテープでの引き上げをしないことも考えましょう。 

▽テープ貼りについての記事はこちら

揮発成分を飛ばす

しみやすい体質の人の場合は、こまめに揮発成分を飛ばすことが大切です。早く乾くことにも繋がるため、いつも以上に風を当てることを頭に入れておくとよいですね。

目薬をさしてもらう

コンタクトをしている人やドライアイの人は、施術前後に目薬をさしてもらうことも効果的。目が乾きにくくなり、刺激を感じにくくなるからです。 ただし、施術直後の水分は白化現象を引き起こす原因に。施術後24時間以内に目薬をさしたあとは、必ず拭き取るようにしましょう。また、施術直後の目薬も控えてもらったほうがよいかもしれません。

施術後目を開ける前にまばたきをしてもらう

施術後は目が乾燥しがち。すぐに目を開けると揮発成分を敏感に感じ取る可能性があるのです。そこで、目を開ける前に目を閉じたまままばたきをしてもらうと、涙が眼球全体に行き渡ってしみにくくなります。

必要以上にグルーをつけない

初心者アイリストは、必要以上にグルーを付けてしまうこともあるでしょう。お客様によっては「モチがいい気がするから、グルーは多めで!」と希望されることも。しかし、グルーの量が多い=揮発成分が多くなるので、余計しみやすくなります。また、グルーは多ければモチがいいわけではなく、適切な量での装着でなければ逆効果になることも。専門知識のないお客様のおっしゃることには、プロとして正しい説明が必要ですね。

▽グルーの適正量についての記事はこちら

どうしてもしみるようなら低刺激グルーに変更する

上記の手段を試してみても、「どうしてもしみてしまう…」というお客様もいますよね。そんなときは、ブチルグルーのような低刺激グルーに変更しましょう。エチルグルーに比べると多少モチが悪くなりますが、施術中ずっと刺激に耐えるストレスや充血などのトラブルを考えると、低刺激グルーの方が安心できますね。低刺激グルーを使用してもしみてしまう場合は、充血やシックハウス症候群のような症状を引き起こす可能性もあるため、お客様の安全を考えて施術をお断りすることも頭に入れておきましょう。

まとめ

シアノアクリレートを使用しているグルーを使用する限り、残念ながら絶対にしみない方法はありません。しかし、お客様の体調を把握したりアイリストが様々な手段を講じることで、軽減させることはできます。マツエクはしみるのが当たり前と思っていたお客様が初めてしみない体験をされると、「このサロンは全然しみない!リピートしたい!」と思うはずです。お客様が快適に施術を受けられることはリピート率にも関係してくるため、適切な対策ができるよう知識を身につけておきましょう。

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