年商19億円へと導く店舗ビジネスのプロ―ビアンカグループ代表・田櫓さんにインタビュー

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BIanca Group 田櫓氏

首都圏を中心にネイル・アイビューティーなどの美容サロンを展開し、グループ全体で年商約19億円規模へと成長を遂げたビアンカグループ。今回は、その成長を牽引する代表取締役の田櫓(たやぐら)智之さんにインタビュー!美容サロンオーナーや、キャリアアップを視野に入れるアイデザイナーにとって、どのように自分の思い描く未来を実現させていくのかは気になるテーマでしょう。サロン経営とキャリア形成のヒントが詰まった、田櫓さんの歩みと経営観にぜひ触れてみてください。

【経営者プロフィール】田櫓智之さんとは

<田櫓智之さん>

  • ビアンカグループ代表取締役
  • 株式会社Rich to代表取締役
  • 日本事業プロジェクト支援株式会社 代表取締役 他

田櫓さんは、ビアンカグループの親会社である「株式会社 鉄人化ホールディングス」(東証スタンダード上場)の常務執行役員を務めるとともに、首都圏で直営55店舗、フランチャイズ9店舗を展開する「ビアンカグループ」6法人すべての代表取締役、東海エリアで美容サロンを展開する「株式会社Rich to」の代表取締役も兼任。
また、店舗の不動産仲介を手がける「株式会社コストイノベーション」、ご自身が立ち上げた「日本事業プロジェクト支援株式会社」を通じて、店舗ビジネスを中心としたコンサルティングにも携わっています。

2025年8月期末時点で、美容サロン事業全体の売上は約19億円規模を突破。そんな「店舗ビジネスのプロ」とも呼べる田櫓さんに、これまでのキャリアと美容事業にかける想い、そして今後の展望について伺いました。

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ビアンカグループと美容業界との出会い

年商19億円へと導く店舗ビジネスのプロ―ビアンカグループ代表・田櫓さんにインタビュー―ビアンカグループとの関わりは、どのような形からスタートされたのでしょうか。

もともと私は、カラオケ事業を手掛ける「鉄人化計画(現・鉄人化ホールディングス)」で、新規事業開発を担当していました。その中で美容サロン事業への参入を自ら提案し、2019年にRich toをM&Aで取得したことがすべての始まりです。その後、2024年2月1日にビアンカグループ各社の代表取締役へ就任しました。

―なぜカラオケ企業が美容サロン事業に参入しようと考えたのですか。

カラオケの利用者を分析すると、20〜40代の女性が非常に多く、美容サービスの顧客と共通性があることが見えてきたんです。当時は大型店舗の中で空きフロアが発生するケースもあり、限られた坪数で展開できる新しい業態を模索する中でネイルやアイラッシュに注目しました。周囲からは懸念の声がありましたが、今では美容事業はグループを支える大きな柱のひとつになっています。

カラオケ店アルバイトから上場企業の要職へ―田櫓さんが貫いた挑戦と野心

年商19億円へと導く店舗ビジネスのプロ―ビアンカグループ代表・田櫓さんにインタビュー

―経営に携わる前は、どのようなキャリアを歩んでこられたのでしょうか。

私のキャリアは、カラオケ店舗のアルバイトから始まります。当時から売上を伸ばすことに強い関心があり、社員として登用されてからも新店立ち上げや不振店舗の再生を任されていました。約5年半の間に店舗ビジネスの基礎を徹底的に身に付け、「今の環境下で新たな学びがない」と感じたタイミングで、外食業界へ転職しました。

そこでも不振店舗の再生を担当したのですが、短期間で黒字化を実現し、このとき『業種が違っても店舗ビジネスの本質は共通している』と確信したんです。その後はエンタメ系の老舗大手企業へと移り、その中でも結果を出し続けたことで、年功序列の壁を越えて異例のスピードで昇進させていただきました。が、このときは入社時の約束と設定した目標を果たしたため、後進に道を譲るために退職の意思を伝えました。

退職日が決まったタイミングで、現・東証スタンダード市場に上場していた鉄人化計画時代の仲間から「会社の立て直しを手伝ってほしい」と連絡をもらっていたので、再び古巣に戻って再建に携わることにしたんです。業績は短期的にV字回復し、新規事業開発への足掛かりになりました。それが冒頭でもお話した美容事業への参入につながり、現在に至ります。

―その中で、ご自身の会社を設立しようと思った理由は?

20代の頃から「いずれ経営をしたい」と思っていましたが、『大手企業で結果を出せないようでは、独立してもうまくいかないだろう』という感覚もありました。だからこそ、カラオケや外食の現場で成果を出すことで本部職にキャリアアップし、エリアマネジメント・店舗企画・店舗開発・マーケティング・管理業務など、将来経営に必要なピースを意識して集めてきました。
最終的に独立を決断したのはコロナ禍です。厳しい状況の中でも成長する企業と、停滞する企業を目の当たりにし、『自分の経験はどちらにも役立てる』と感じたため、美容サロンを含む店舗ビジネスの支援を行うコンサルティング会社を立ち上げました。

美容サロン事業の拡大を成功させた「店舗ビジネスのプロ」の経営観とは

年商19億円へと導く店舗ビジネスのプロ―ビアンカグループ代表・田櫓さんにインタビュー出典:ビアンカグループ公式Instagram

―美容サロンというビジネスを、どう見ていますか?

店舗ビジネスとしての基本構造は、どの業界でも大きくは変わりません。しかし美容サロンは、人材の技術力とサービス力がそのまま商品価値になる点が特徴です。そのため、人材の採用と育成が事業の成長に直結すると考えています。
特にアイビューティー分野は女性スタッフが多いため、女性が働きやすく、やりがいを持てる環境づくりが事業の前提条件だと思います。しかし、教育に時間がかかる分野でもあるので、出店スピードとのバランスが重要ではないでしょうか。
一方で、美容はかつての「WANTS(あったらうれしいもの)」から、「NEEDS(生活に欠かせないもの)」へと変化しています。そうした背景からも、まだまだ成長の余地が大きい市場だと見ています。

―ビアンカグループ就任後、事業拡大に向けてどんな取り組みをしてきましたか?

就任後は大きな改革よりも、採用と育成の強化を大切にしてきました。人材不足は事業の継続性に直結するため、まずは安心して働ける環境づくりを優先に考える必要があります。人への投資や古いルールの見直しを進めた結果、離職率はおおよそ半減しました。就任して3年目の現在は環境が整い、安定した基盤のもとで新規出店を進められる状態になったと実感しています。

―美容サロン経営で大切にしていることは?

ひとつは、「数字」を共通言語にすることです。感覚ではなく数字に基づいてものごとを判断することで、グループ全体の意思決定の質が向上すると考えています。これは一部の上位役職者だけでなく、店長クラスにもいえることです。

もうひとつは、「現場との距離感」。人は言葉以上に、態度や行動から相手の本質を感じ取るものだと思っています。そのため、私は日ごろから先輩・後輩のような距離を意識して、フラットに話せる関係づくりを心掛けています。
立ち寄った店舗で、初対面のスタッフと日々の悩みからキャリアプランまで語り合ったこともありました。店舗の故障したドアや、掃除機をその場で直したこともありますよ。

美容業界の今、そしてビアンカグループが目指すこれから

年商19億円へと導く店舗ビジネスのプロ―ビアンカグループ代表・田櫓さんにインタビュー出典:田櫓さんInstagram

―今の美容業界を、どのように見ていますか?

市場全体は売上ベースで見れば微増傾向ですが、採用費や家賃、材料原価の上昇による課題も増えています。美容所の数は毎年増えていますが、美容師登録者数はほぼ横ばいです。つまり、1店舗あたりの従業員数が減り、売上シェアや技術者の獲得競争はさらに激しくなると予想できます。
また、年間の美容所廃業数が1万件を超えている現状から見ても、独立志向の高い技術者が多い一方で、経営を学ぶ機会が少ない点に課題を感じています。

―そうした中で、ビアンカグループとしてどんな未来を目指していますか?

単なる規模の拡大だけでなく、組織としての価値を高めていきたいですね。特に意識しているのは“お金以外”の資産の活用で、グループが持つさまざまな資産を活かし、新しいことに挑戦したいと考えています。
また、技術者として自己実現を果たしたい方、安定した企業でキャリアアップしたい方、将来独立を目指す方、それぞれにとって『自分の将来の選択肢を増やしてくれる』環境を整え、ビアンカグループで働くことが誇りとなるような企業を目指しています。

田櫓さんから、次世代のアイビューティー業界を担う人たちへ

年商19億円へと導く店舗ビジネスのプロ―ビアンカグループ代表・田櫓さんにインタビュー

―最後に、現役サロンオーナー・アイデザイナーにメッセージをお願いします

美容業界では、経営者同士が本音で話せる場はまだそう多くありません。複数店舗を運営されているオーナーや代表者のみなさまは、チェーン展開ならではの課題や悩みに向き合いながら事業を推進している、いわば同じ目線でビジネスに取り組む“仲間”だと思っています。エリアや規模を問わず、情報交換や意見交換ができるご縁があれば大変うれしく思います。最近Instagram(@tt_beauty_div)を開設しましたので、ぜひ気軽につながっていただければ幸いです。

アイデザイナーのみなさまは、お勤め・個人事業主に関わらず、Beautéを読んでいる時点でトレンドや技術を自ら学び、キャリアアップを視野に入れている“視座の高い方”が多いのではないでしょうか。それぞれの価値観やライフスタイルに合った形で、自己実現を叶えられる機会や環境に出会ってほしいと願っています。

まとめ

強い意思とビジョンを持ってキャリアを積み重ね、美容業界に新たな成長モデルを築いた田櫓さん。感覚ではなく確かな根拠に基づいて判断しながらも、現場との距離を大切にする姿は、組織を成長させるリーダーの理想像といえるでしょう。みなさんも田櫓さんの言葉をヒントに、「自分ならどんな未来を描きたいか」を改めて考えるきっかけになったのではないでしょうか?Beauté編集部は、田櫓さんが今後も業界を牽引する存在として、さらなる活躍を遂げていくことを応援しています!

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