施術者の社会的地位向上を目指して!eye priority salonを経営する株式会社Trinityの冨松美佳さんインタビュー

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今回は、青山とGINZA SIXでeye priority salon「VITAE」「THE VITAE」の運営を行う株式会社Trinityの冨松美佳さんにインタビュー。サロン運営以外にも、マチュア世代向けのビューティサービスや美容業界で働く女性たちの独立支援のための仕組み作りと、幅広く活躍されています。そんな冨松さんに、サロンのことや今後の美容業界など、いろいろなお話を伺いました。

【経営者インタビュー】冨松美佳さんとは

株式会社Trinity 代表取締役社長CEO

フランス・パリにて音楽出版、音楽家の著作権管理に携わる。また、日本とフランス人アーティストの架け橋となり各種音源制作に携わる。老舗ニッチフレグランスブランド 「PENHALIGON’S(ペンハリガン)」や「L’ARTISAN PARFUMEUR(ラルチザン パフューム)」などの日本進出に伴うフランスでのビジネス交渉、フランスと日本企業のコーディネートを担当。29歳で株式会社セモアを創業し、以後数々のフレグランスメゾン及びブランドを日本に上陸させる。

2011年 ホテルニューオータニに、香りと美のショップ「アパルトモン・アルシミスト」を開業。

2017年 株式会社Trinityの代表取締役社長に就任。マツエクの専門サロン「DRESSER(ドレッサー)表参道」を経営。

2019年 美容機器製造・販売のパイオニアである「ARTISTIC&CO.」とのパートナーシップにより日本初の旗艦店をプロデュース。

2020年 GINZA SIXに「ARTISTIC&CO.」の新店舗と、<Eye Priority>をコンセプトにしたサロン「VITAE(ヴィタエ)」をオープン。

2022年 同コンセプトのサロン「THE VITAE」を港区南青山にオープン。

現在はマチュア世代向けのビューティサービス、美容業界で働く女性たちの独立支援のための仕組み作り、また、より良い未来をつくる若い世代や表現者をエンパワーメントするギャラリーの開発も推進中。

▷株式会社Trinity公式HPはこちら
▷eye priority salon「VITAE」の公式インスタはこちら

香りにまつわる仕事から美の仕事へ

―――もともと美容に携わるお仕事をされていたのですか?

パリでアートビューティーを学んだあと、フレグランスメゾンの日本進出に伴うビジネス交渉など、香りにまつわる仕事をしていました。フランスと日本を拠点にビジネスを立ち上げ、あらゆる挑戦を重ねる中、施術者ではありませんが、常に美容業界との接点はありました。海外を飛び回っていたため、マツエクの存在はずっと認識していましたね。

株式会社Trinityは昔から知っている身内のような存在が始めた会社です。マツエクが浸透する以前から専門サロンを始め、トップクラスのアイラッシュ施術者を多く輩出してきました。株式会社Trinityの代表に就任したのは、マツエク施術に美容師免許が必要になり、会社の経営方針が変わったタイミング。施術だけでなく物販にも力を入れることになり、ノウハウを持つ私に声がかかったんです。

私の挑戦の原点でもある「誰もが人生を力強く自由に生きられる社会を」という想いと、株式会社Trinityの土台にある「人を癒し元気にする美の力」がつながっていると確信し、経営に携わることを決めました。

目元全体の美しさを通して生きる力を後押しするeye priority salon

―――運営されている「VITAE」はeye priority salon(アイプライオリティサロン)とのことなのですが、どのようなものなのでしょうか。

株式会社Trinity冨松美佳さんインタビュー

GINZA SIXにある「VITAE」と青山にある「THE VITAE」は、eye priority salonとして目の表情を美しくするトータルケアを提供しています。マツエクやラッシュリフト、アイブロウ以外に、たるみやくまなど、目元全体にフォーカスしたメニューを展開。目は心の鏡というように、目元には、その人の意識や人柄が出ます。サロンには、目元を顔の一部として扱うのではなく、目元を中心にパーソナルな美しさをトータルアドバイスできる施術者が在籍しています。

サロンは、「風と光」をコンセプトにした空間デザインとなっており、お客様はもちろん、スタッフにも心地よい場所であるよう、音楽やインテリアなど細部にもこだわりました。

―――もともとは「DRESSER(ドレッサー)」というサロン名だったと伺ったのですが、変更した理由は?

株式会社Trinity冨松美佳さんインタビュー

サロン名を変更するきっかけになったのは、新型コロナウイルス感染症の流行でした。VITAE(ヴィタエ)はラテン語でアルファベットの「A」(はじまり)にあたる言葉です。社会的に不安が広がり新しい生活様式が叫ばれる中「前を向いて生きなきゃ!」と思って、「生きる力」という意味を込めたんです。人の輝きは目元から生まれます。サロンを訪れた方の目元が輝き、前向きになる力を与えられたら本望です。

―――新しいステージにぴったりのサロン名ですね!「VITAE」の運営するにあたり、重視している点を教えてください。

株式会社Trinity冨松美佳さんインタビュー

「VITAE」で重視しているのは、カウンセリングとホスピタリティ。一人一人の目の形やまつげの長さを見極め、また、ご希望を正確に理解できるよう、しっかりとカウンセリングしてから施術に進みます。繊細なカウンセリングはお客様からも好評です。

接客についてはコミュニケーション能力に長けたスタッフが多いので、マニュアル化はせず各自の裁量に任せた接客を行っているのも、「VITAE」の特徴のひとつ。サロンのリピート率が常に9割以上なのは、施術者がお客様との関係性をきちんと築けている証拠だと思います。優秀な施術者が多く在籍している、これが株式会社Trinityの財産ですね。

目だけでなく顔全体の骨格も見て似合うスタイルを提供していくため、技術だけでなく知識も必要です。そのため新しいスタッフが入社すると、アイラッシュ施術者として20年以上活躍しているトレーナーが3~4ヶ月かけて技術や知識を教え込みます。最終チェックでOKが出て、初めてお客様に施術できるようになるんです。もちろんお客様に施術を提供するようになっても、定期的に技術勉強会を行い、日々ブラッシュアップしてくれています。

アイラッシュ施術者の社会的地位の向上、これが今後の課題

―――美容業界の未来について、冨松さんの考えを教えてください。

美容業界はAIではできない人の技術の価値が評価される、未来のある業界だと考えています。グローバルな視点で見ても、日本は技術力が高いと感じるし、その技術がもっと高く評価されるようになってほしいです。

私が目指しているのは、アイラッシュ施術者の社会的地位の向上です。今はサロンの数も多く安い料金で施術を受けることができますが、それでは忙しくなるばかりか施術者の価値を下げてしまうと思います。今後どのように社会的地位を向上させていくか、アイラッシュ業界で活躍する方々と知恵を出し合っていきたいですね。

―――そのためには、アイラッシュ施術者の意識を変える必要もあるかもしれませんね。

そうですね、施術者はアーティストとしての意識以外に、経済活動にも目を向けるべきだと思います。

例えば英語を話せれば、日本では20万円の収入が海外では100万円の収入になることもある。同じ努力をして同じ技術を提供しても、それに対する報酬が異なることは多々あります。技術の向上と合わせて、今いる環境だけでなく世界にも目を向けると、視野も広がるのではないかと思います。

技術の費用対効果や時間対効果といった経済的な側面もきちんと理解できると良いですね。独立している施術者はもちろんサロンに属している施術者も、各自がオーナーシップを持つことが、施術者の自己実現や社会的地位向上につながるのではないでしょうか。

ただ、あまり細かいことを言うと億劫がられるかもしれないので(笑)小出しにするようにしています。どうすれば心に残るのか、表現の仕方を工夫しながらうまく伝えていきたいです。

みんなの母親としてできることは全力で!

株式会社Trinity冨松美佳さんインタビュー―――最後に、会社やスタッフに対する冨松さんの想いを教えてください!

施術者の持っている力を活かせる環境を提供する、これが経営者の命題です。欠点やコンプレックスは山ほどあるけど、何らかの方法で解決できることを、これまでの人生で身をもって体験してきました。価値のある自分になれるかどうかは本人の努力次第。とことん努力できることが何より大事だと思います。

誰に施術してもらうかという点を重視するお客様も多いので、技術はもちろん人柄も大事。私は技術を教えることはできませんが、人柄を磨くお手伝いができるとうれしいですね。スタッフみんなはもう家族のようなもの。みんなの母親として、みんなのために私ができることはしてあげたいと思っています。

まとめ

グローバルな視点を持ち施術者が力強く生きられる社会の実現を目指す冨松さん。施術者の社会的地位の向上を語る背景にある、スタッフへのたっぷりの愛情を感じました。みんなの母親として、今後も枠にとらわれない活躍をされていくはず。これからの冨松さんにBeauté編集部も引き続き注目していきます。

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