フラットラッシュ・ボリュームラッシュ向きのマツエクグルーとは

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グルーには、粘度が高いものや低いものなどさまざまな種類があります。高粘度に分類されるものであっても、メーカーが違えば少しずつ粘度も違うことでしょう。そこで今回は、グルーの粘度の中でも高粘度のタイプに着目。高粘度のグルーがどんなエクステに向いているのか、まつげによって向き不向きがあるのかについて探っていきます。

グルーの粘度についておさらい!

まずは、基本中の基本である グルーと粘度の関係性についておさらいしておきましょう。

そもそもグルーとは?粘度って何?

基本的なことですが、グルーとはマツエクを自まつげに接着するときに使う接着剤のこと。グルーの主成分はシアノアクリレートで、空気中のわずかな水分を利用して接着します。シアノアクリレートの中でもいくつか分類され、エクステのグルーとして主に使われているのはブチルグルーとエチルグルーです。
このふたつの違いはホルムアルデヒドの放散量。ホルムアルデヒドは揮発するときに発生し、アレルギー反応を起こしてしまう原因となることもあります。簡単な表を作ったので、確認してみてください。

 

ブチルグルー

エチルグルー

マツエクのモチ

エチルより劣る

良い

ニオイ

少ない

ある

硬化速度

エチルより遅め

速い

粘度

高い

低い

「モチが良い」「ニオイが少ない」などそれぞれにメリットやデメリットがあるので、総合的に考える必要があるでしょう。
次に粘度についてですが、粘度とはグルーの粘りのこと。エチルグルーの方がサラサラしていて、硬化速度が速い傾向にあります。

グルーの粘度の違いが測れるミリパスカル秒とは

グルーの粘度には幅があり、メーカーや商品によって粘度の高さには違いがあります。「高粘度」と表示されている割に、実際に使ってみるとそうでもなかったという人もいるでしょう。そんな違いを数字で分かりやすく表示しているのが、「mPa・s(ミリパスカル秒)」です。
ミリパスカル秒は、数字が大きくなるほど粘度が高いとされています。お気に入りの粘度のミリパスカル秒が分かれば、メーカーが違っても同じような粘度のグルーを選びやすくなるでしょう。
また、アイラッシュガレージの「グルーポジショニングマップ」では、ミリパスカル秒を使いメーカーの違いを超えてマップ状になっているので、ベストなグルーを見つけ出すのも簡単ですよ。

グルーの粘度の違いによるメリット・デメリット

次にグルーの粘度の違いでどんなメリットやデメリットがあるのかチェックしていきます。

<粘度が高い場合のメリット>
◆エクステにも自まつげにもグルーが絡みやすいので、密着度アップ
◆硬化速度が遅い傾向にあるので、スライド装着に向いている
<粘度が低い場合のメリット>
◆グルーが横に広がりやすく接着力が強いので、モチが良い
硬化速度が速いので、施術スピードが上がる

デメリットにはどういったものがあるでしょうか。
<粘度が高い場合のデメリット>
◆硬化速度が遅い場合もあるので、粘度低めのグルーよりモチが悪い傾向
◆エクステにグルーをとるとき、ボテっと多めにとれてしまう
◆硬化速度が遅い場合、施術スピードが下がる
<粘度が低い場合のデメリット>
◆サラサラしているので、液だれしやすい
◆エクステにグルーをとるとき、絡みにくいので量があまりとれない

メリットやデメリットは人やアイリストとしてのキャリアによって感じ方が違うため、本来デメリットと思われることが別の人にとってはメリットになることもあるようです。

キャリアの違いによって好むグルーの粘度には違いがある?

ここではキャリアによってグルーの粘度の好みに差が生まれるのか、考え方や技術力の側面からみていきましょう。たとえば新人アイリストだと、施術中の思考は「丁寧できれいに仕上げること」が最優先となります。そのため、粘度が高いグルーの方が量の調整がしやすくスライド装着しやすいと考えているようです。
万一技術が伴わないまま硬化速度が速いタイプのグルーを使ってしまうと、装着位置のずれを調整できないままグルーが固まってしまうことも。その場合はオフをしてやり直すことになるので、お客様の自まつげに負担をかけ時間をとらせてしまうことにもなります。だからこそ技術力とグルー選びは切っても切り離せないのです。
次にベテランアイリストの施術中の思考は「丁寧にきれいに仕上げることは当たり前、テンポ良くスピードアップすること」が重要視されます。そのため、粘度低めの方が自まつげになじませやすく装着スピードが上がると考えているようです。スピードが上がればお客様への負担が減らせますし、その分別のお客様への施術が可能となりますね。

高粘度グルーはどんなエクステに向いている?

グルーに種類があることはもちろん、エクステにもさまざまな種類があります。では高粘度のグルーはどんなエクステに向いているのでしょうか。一般的にいわれているのは、フラットラッシュやボリュームラッシュです。フラットラッシュはエクステの断面がフラットになっており、種類によっては中央にくぼみがあるものも。
フラットになることで接着面が広くなりモチが良いといわれ、軽い付け心地が人気です。フラットラッシュの断面の特性により、高粘度グルーの方がエクステと絡みやすくより密着度が増すといわれています。次にボリュームラッシュは、複数のエクステを束にして1本の自まつげに装着する方法。その分細い自まつげに装着でき、ボリュームアップができます。
そんなボリュームラッシュは、複数のエクステの束を扇状にして装着。そのため、ある程度の粘度がないと束がバラついたり、グルーの流れのせいでファンが閉じてしまったりするのです。以上のような理由から高粘度のグルーが向いているといわれています。

高粘度グルーの使用はまつげにより向き不向きはある?

一般的にいわれているのは、「高粘度グルー=速乾性が低い=硬化速度が遅い」というもの。これから考えると、乾燥まつげといわれる自まつげに水分が少ない方への施術は不向きといえるでしょう。
冒頭で、グルーは空気中の水分にふれることで硬化が始まると説明しました。目には見えませんが、自まつげにも水分がありその水分と結合することでも硬化するのです。そういった要因から乾燥まつげだと硬化速度がより遅くなることも。
肌の水分量と同じで、お客様によってまつげの状態や水分量は違います。「考えていた時間で硬化しない」「なんだかいつもとペースが違う」と感じたときは「乾燥まつげ×高粘度グルー」が理由かもしれません。その他に、細めのエクステを使うときには高粘度グルーは不向きといわれています。
高粘度グルーはボテっととれることがあるので、「思っていた以上にエクステにグルーがついてしまった」なんてことも。細めのエクステを使用するということは、普段以上に繊細で細かな施術が必要なシチュエーションです。スピーディーな施術かつ、少ない量で接着できるサラサラタイプのグルーの方が向いているといえますね。
当たり前のように使っているグルーですが、使うエクステや環境、自まつげの状態など、さまざまな要因を考えて使い分けると良いでしょう。

実際におすすめのグルーはこちら▼

まとめ

グルーにはそれぞれの特性や向き不向きがあります。ただ、高粘度だから硬化速度が遅いと決めつけるのはおすすめしません。粘度が高くても速乾性のあるグルーもあります。実際に気になるグルーを使ってみることが、使いやすいグルーを見つける最も簡単な方法。下記の記事ではグルーのコスパについても言及しています、ぜひチェックしてみてください。

ただ、スタッフひとりひとりの好みに合わせるために、たくさんのグルーを準備するのは非効率です。同じ高粘度であっても粘度や硬化速度などに幅があるので、数値化することで選びやすくなるでしょう。また高粘度グルーの特性などを知ることで、「どういったエクステに向いているのか」「自分はどれくらいの粘度があった方が良いのか」など、今一度立ち止まって考えると、施術の向上にもつながるはずです。200616Eyn

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