皮膚の赤みやかゆみには要注意!グルーアレルギーや目元トラブルへの対策とは?

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花粉症や寒暖差アレルギーなどの症状が出やすい、季節の変わり目。サロンに来店されるお客様も、アレルギーにより皮膚の状態が悪く、目元周りのトラブルが起こる方が増える時期でもあります。そこで今回は、マツエク用グルーが原因で起こる皮膚トラブルについて取り上げてみました。サロンでできる対策も紹介しているので、ぜひ早めに準備してくださいね。

しみる…、かゆい…、といった目元周りのトラブルはグルーが原因かも?

皮膚の赤みや痒みには要注意!グルーアレルギーと対策とは?

何らかの物質が接触することが原因で起こる皮膚の炎症を 「接触皮膚炎」と呼びます。接触皮膚炎はマニキュアの除光液に使用されているアセトンやポインセチアなどの植物、ゴム、金属などさまざまな物質が原因で起こりますが、ここからはグルーが原因の接触皮膚炎について詳しく解説しましょう。

グルーが原因の目元周りのトラブルは、主に以下の2種類です。

  •  グルーの成分自体にアレルギーがある
  • 皮膚の状態などの要因が重なりグルーの揮発成分に反応している 

接触皮膚炎でも、グルーに含まれる成分にアレルギーがある場合はアレルギー性接触皮膚炎」、アレルギーはないけれどグルーが原因とみられる皮膚の炎症がある場合は「刺激性接触皮膚炎」に分類されます。

いわゆる「グルーアレルギー」とは?接触皮膚炎のアレルギー性と刺激性の特徴

皮膚の赤みや痒みには要注意!グルーアレルギーと対策とは?

接触皮膚炎は主に2つに分類されることに触れましたが、いわゆる「グルーアレルギー」と呼ばれるものはアレルギー性接触皮膚炎にあたります。ここからはアレルギー性、刺激性、2種類の接触皮膚炎の特徴について見ていきましょう。

アレルギー性接触皮膚炎

アレルギーの原因物質である「アレルゲン」が接触して起こる接触皮膚炎が、アレルギー性接触皮膚炎です。

接触皮膚炎の症状は、赤みや腫れ、かゆみ、水疱や発疹などさまざまですが、アレルギー性接触皮膚炎では、多くの場合、重度のかゆみが生じます。
また、アレルゲンに接触すると毎回症状が現れ、接触部分だけでなく広範囲にわたって症状がみられることも特徴のひとつ。症状が出ている期間も、刺激性接触皮膚炎に比べて長引くケースも多いようです。

マツエク用グルーによるアレルギー性接触皮膚炎は、シアノアクリレートなどグルーに含まれる成分自体がアレルゲンとなっています。そのため、原因物質を取り除く以外に発症を防ぐ根本的な方法はありません。

刺激性接触皮膚炎

刺激性接触皮膚炎は、刺激性のある物質との接触により起こる皮膚炎です。刺激性接触皮膚炎の主な症状は痛みで、接触した部分にのみ症状が出るケースが多く見られます。
同じ物質に接触しても、毎回症状が出るとは限りません。体調や肌の状態などの要因が重なって、症状が出ることがあります。
たとえば同じ化粧水を使ったとしても、まったく問題ないときもあれば、肌の状態によって「ピリピリする」と感じたことはないでしょうか。同じように、今まで問題なく施術ができていたお客様でも、肌状態によってマツエクのグルーに反応してしまうケースがあるのです。

マツエクの施術で刺激性接触皮膚炎を発症するのは、グルーに含まれるシアノアクリレートが硬化する際に発生する揮発成分「ホルムアルデヒド」による刺激が主な原因。肌状態だけでなく使用するグルーの刺激性の強さによって、刺激性接触皮膚炎を発症することがあります。

サロンでできる対策について

皮膚の赤みや痒みには要注意!グルーアレルギーと対策とは?

過去にマツエクで皮膚トラブルがあったとしても「目元のおしゃれを楽しみたい」とサロンを予約されるお客様もいらっしゃいますよね。サロン側としても、できるだけお客様の要望には応えたいものです。いつそのようなお客様から予約があっても対応できるよう、日頃から対策をしておきましょう。

ヒアリング

施術前に記入いただくカルテで、過去にマツエクによる皮膚トラブルがあったかどうか、必ず確認していると思います。その時の様子についてさらに詳しくヒアリングをすると、グルーアレルギーによるアレルギー性接触皮膚炎なのか、刺激性接触皮膚炎なのか、ある程度見当がつくのではないでしょうか。

症状が出る頻度や範囲などによりグルーアレルギーが疑われる場合には、施術をお断りする判断も大切です。ただし、ここで気をつけなければならないのは、アイラッシュ施術者は 医師ではないためアレルギーの診断はできないということ。経験上、グルーアレルギーの可能性がかなり高いと感じたとしても、断定することはできません。

あくまでも可能性の範囲での話としてリスクを説明した上で、施術を希望されるお客様には、パッチテストを受けてもらい、承諾書への記入を依頼しましょう。

LEDエクステ®

低刺激のグルーを使用し、LEDライトで硬化させるLEDエクステ®をおすすめするのもひとつの案です。LEDエクステ®で使用しているグルーは、アレルギーの発生を極力抑えることを目的に開発された特別なもの。
そのため、一般的なマツエクの施術で使われるグルーで接触皮膚炎を発症したお客様も、低刺激のLEDエクステ®なら発症リスクを抑えられるかもしれません。

また、LEDエクステ®は2秒で完全硬化するため、ホルムアルデヒドにさらされる時間が極端に短いことも特徴のひとつです。モチが良いLEDエクステ®なら、グルーを使う施術頻度自体を減らせるのもメリットですね。

使用するグルー

使用するグルーや使い方によっても、対策はできます。まず基本的なことですが、グルーは使用前にしっかり振って、室温20~25℃の適切な環境で使用しましょう。
グルーは、低刺激性のものを使います。ホルムアルデヒドの放散量が低いとされる、医療グレードのブチルグルーエトキシエチルグルーがおすすめ。マツエクの施術に使用するグルーは、雑貨扱いとなるため成分表示が義務付けられていませんが、製品によっては「安全データシート(SDS)」で確認できます。

過去にマツエクで皮膚トラブルがあったお客様には、日本の成分基準を満たしているグルーを使うのがベター。また、シアノアクリレートを使用していない「ノンシアノ」と呼ばれるグルーもあるので、使用を検討してみるのも良いかもしれませんね。

マツエク施術中

目が少しでも開いているとしみやすいため、テープを貼った後、白目が見えていないか確認しましょう。また、ドライアイのお客様は施術前後に目薬を使用して潤すことで、症状の軽減につながります。注意点は、目の周りを湿らせないよう、目薬使用後はしっかり拭き取りをしましょう。

ホルムアルデヒドは空気より重いため、施術中に目の周りに付着してしまいます。そのためエアコンプレッサーやエアポンプを使って、成分自体を飛ばしてしまうのも効果的。また、まぶたや頬にも付着している可能性があるため、施術後は精製水で拭き取って保湿をすると良いでしょう。

過去にマツエクで皮膚トラブルがなかったお客様でも、刺激性接触皮膚炎を発症する可能性があります。過去の皮膚トラブルの有無に限らず、施術中は目元がしみていないか時々声掛けをすることも大切です。

まとめ

グルーアレルギーに限らず、アレルギーは命に関わることがあります。お客様へのヒアリングでは、過去の施術でのトラブルについて丁寧に聞き取りをして、適切な対応をしましょう。サロンでできる対策をすることはもちろん、場合によっては施術をお断りすることも大切です。マツエクの仕上がりだけでなく、安全性の面でもお客様から信頼されるサロンを目指したいですね。

※本記事の内容はすべて2023年10月時点のものです。

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