秋冬は乾燥対策必須!マツエク用グルーの正しい保管方法や施術に適した環境をおさらい

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気温や湿度の影響を受けやすいマツエク用グルー。環境や保管方法によって品質が変わり、施術しづらくなったり、仕上がりに差が出たりすることもあります。特に秋冬は、乾燥や気温の低下に気を遣うアイラッシュ施術者も多いのではないでしょうか。今回は、グルーを劣化させないための正しい保管方法や、グルーの主成分別の注意点をおさらいしましょう。秋冬ならではの適切な施術環境を再確認し、魅力的なサロン作りにお役立てください。

秋冬はグルーの乾燥対策が必要

秋冬は乾燥対策必須!グルーの正しい保管方法をおさらい

秋冬は、来店されたお客様が暖かく感じられるよう、温度・湿度の調整に敏感になる季節です。しかし、暖房を使用すると室内の乾燥も気になるもの。
サロン内の湿度が低下すると、お客様のまつげやお肌が乾燥してしまうだけでなく、グルーの硬化速度も変化してしまうため、注意が必要です。
施術中における最適な環境は、湿度40~60%・温度20~25℃が目安といわれています。しかし、目安の湿度・温度よりも高低がある場合、以下のように影響を受ける可能性があります。

空気中の水分が多い「多湿」:硬化速度が速くなる
空気中の水分が少ない「乾燥」:硬化速度が遅くなる

グルーの硬化は空気中の水分に反応して進むため、グルーが乾燥すると硬化速度が遅くなります。また、室温が高すぎる場合はグルーの劣化が早まってしまうケースも。

乾燥によるデメリット

グルーの硬化速度が遅くなることによって、以下のデメリットが考えられます。

施術時間が長くなる

硬化速度が遅くなると、次の工程に移るまでに待ち時間が発生し、予定していた時間を過ぎてしまうかもしれません。お客様の満足度低下につながるおそれがあります。

施術当日の過ごし方のアドバイスが難しくなる

「施術後〇時間はお風呂に入らないでください」といった施術当日の過ごし方をお客様へアドバイスをするには、グルーの完全硬化時間を把握しておく必要があります。乾燥した環境下でグルーを使用することにより完全硬化までの時間が延びてしまうと、適切なアドバイスが難しくなるでしょう。

逆に湿度が高すぎる場合は、グルーをしっかり乾かせなくなり、まつげの根元に白い物質が発生する「白化現象」が起こる可能性も。白化現象が起こると、一旦マツエクをオフして装着し直さなければなりません。

このように使い慣れたグルーだったとしても、サロンの環境によって品質や硬化速度が変わり、施術や仕上がりに影響が出てしまうケースがあります。秋冬の時期に暖房を使用する際は、温度計・湿度計をチェックし、最適な環境を保ちましょう。

グルーの乾燥を防ぐには

乾燥対策として以下の方法があります。

エアコンの風向きを確認する

グルーに直接エアコンの温かい風があたると乾燥しやすくなるため、グルーを置く場所に気をつけましょう。また、ベッドの場所によってお客様の顔や目元に風があたりやすくなるケースもあります。エアコンの風向きや風量を定期的にチェックしてみてください。

温度計・湿度計は複数用意する

個室や施術ベッドがいくつかある場合、場所ごとに温度・湿度が少しずつ異なる場合も。各部屋・各ベッドに温度計・湿度計を設置すると、より正確に把握できます。部分的に温度・湿度を調整したい場合は、サーキュレーターなどを活用すると良いでしょう。

加湿器を使用する

湿度を上げたいときは、サロンの広さに合った加湿能力を持つ加湿器を設置するのがおすすめ。個室がある場合は部屋ごとに加湿器を設置すると安心です。静音性の高さや手入れのしやすさ、サロンの雰囲気になじむデザイン性にも注目して選んでみてください。

前処理に保湿効果の高いアイテムを使用する

室内の乾燥により自まつげも乾燥してしまうことで、グルーの硬化速度やマツエクのモチに影響が出るケースも。前処理として、保湿成分を含むアイテムを使用するサロンも多いでしょう。トリートメントや保湿効果のあるアイシャンプーをオプションとしてオーダーしていただく方法もありますが、保湿成分入りの前処理剤を使用するとお客様の負担なしで、自まつげを施術しやすい状態にできます。

硬化速度が速いグルーには要注意!

秋冬は乾燥対策必須!グルーの正しい保管方法をおさらい

グルーの成分によっても硬化速度は異なります。

グルーの主成分は「シアノアクリレート」という接着剤で、工業用・医療用・家庭用など用途別に数種類に分けられます。その中でもマツエク用グルーは、「エチル系」と呼ばれるエチルシアノアクリレート、「ブチル系」と呼ばれるブチルシアノアクリレート、「エトキシエチル系」と呼ばれる「エトキシエチルシアノアクリレート」の3種類が主流です。

この3種類のそれぞれの硬化速度は、製品にもよりますが、エトキシエチル系は6~7秒ほど、ブチル系は「速乾」で5〜7秒ほど、エチル系は「超速乾」で1〜2秒ほどでエクステを固定できるとされています。
エチル系は、粘度の低いサラサラとしたテクスチャー。超速乾でありながら強度も高く、少量の使用で済むため接着面が目立ちにくいといったメリットの多いグルーです。

しかし、アイラッシュ施術者の技術によっては、エチル系の硬化速度に施術スピードが間に合わない場合もあります。新人さんは特に注意が必要です。
一度に多くのグルーを出さず、少しずつ出しながら使用するなど、量を調節することでもグルーの状態変化に対応できます。
また、ボリュームラッシュを装着する際、グルーの硬化速度が遅いとエクステの広がりが閉じてしまうケースがあります。施術スピードとともに、装着方法も考慮してグルーを選定すると満足度の高い仕上がりになるでしょう。

人気のLEDエクステ®は、専用LEDライトを当てて瞬間的に硬化させるため、硬化速度が温度・湿度に左右されにくく、モチも良いという特徴があります。施術時間の短縮を図りたいアイラッシュ施術者にとってもメリットが多い施術技法なので、取り入れてみるのもおすすめです。

グルーの正しい保管方法をおさらい!

秋冬は乾燥対策必須!グルーの正しい保管方法をおさらい

グルーの多くは、開封後1ヶ月程度で使い切ることが推奨されています。しかし、温度・湿度管理に気をつけていても、保管方法によっては1ヶ月を待たずに劣化してしまうケースも。グルーが劣化すると粘度が増してドロドロとした状態になり、破棄しなければならなくなります。グルーの鮮度を保つことができれば、まつげの仕上がりやモチが良くなる他、サロンのコスト面にも大きなメリットがあるでしょう。
グルーの保管方法のポイントは以下のとおりです。

キャップを正しく閉めて密封した状態を保つ

グルーは、施術が終わるごとに密封した状態を保つことが大切です。使用後はノズルからグルーがあふれ出てこなくなるのを確認したうえで、ノズルについたグルーをきれいに拭き取ってから、キャップをしっかり閉めてください。保管時は、倒れたり逆さまになったりしないよう、立てて置きましょう。

遮熱・遮光加工された袋に入れて劣化防止

高温多湿・紫外線を避けることも大切です。グルー購入時に付属している遮熱・遮光加工された保存袋に入れて密封すると、暗く温度差の少ない環境で保管することができます。

冷蔵庫で保管する場合の注意点

グルーによっては、冷蔵庫での保管が推奨されているものもあります。その場合は、施術の2時間ほど前に取り出し常温に戻してから使用しましょう。

グルーは日々少しずつ劣化してしまうデリケートな商材です。劣化を早めないためにも、サロン内の環境とともに、正しく保管できているか定期的にチェックしてみてください。

まとめ

秋冬は室温を暖かく保つためエアコンを使用する機会も多いですが、エアコンによる湿度の変化は、グルーの品質と密接に関係しています。商材を適切に管理することや、サロンの環境を整えることもアイラッシュ施術者にとって大切な仕事の一つです。グルーの乾燥予防はもちろん、お客様に快適に過ごしていただくためにも、室内の温度・湿度をチェックし、ベッドの位置などの施術環境を見直してみてください。居心地の良い空間で、きれいなまつげの仕上がりを安定して提供できるでしょう。

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