中国発ワンホンマツエクのトレンドでSNSの力を感じた|日式マツエクを中国で伝える松風認定エデュケーター坂田玲奈氏にインタビュー

この記事をシェアする

【経営者プロフィール】坂田玲奈さんとは

ホテル勤務を経て29歳で未経験からプロケアアイラッシュサロンに転職。技術を習得後2013年から7年間にわたり中国・上海のサロンで勤務。そこから独立し、フリーランスに。
2020年に松風認定エデュケーターを取得し、上海で松風の基本講習を担当。コロナ禍でサロンがオープンできなかったが、2022年に念願のサロンを上海にオープン。現在サロンを運営し、施術とともに中国人スタッフの育成にも取り組んでいる。

「本当に自分がやりたいことは」30歳を迎える前に考え未経験で飛び込んだアイラッシュ業界

まずは、坂田さんがアイラッシュ業界で働き始めたきっかけを教えてください。

20代はずっとホテルに勤めていて、同じサービス業ではあるものの美容業とは縁がありませんでした。プライベートでの大きな変化が、自分の本当にやりたいことを見つめなおすきっかけになり、30歳を目前に「美容系の仕事をしたい」と一念発起。求人サイトで未経験で働ける美容の仕事を探し始めたんです。ただ、美容系というざっくりとしたくくりでしか考えていなくて。そんな中見つけたのが、プロケアアイラッシュのサロンでした。

マツエクについてはなんとなく知っているという状態で、当然知識もありません。アイラッシュ施術者という仕事があることもそこで知ったぐらい。「やってみないと分からない!ダメなら他の仕事もある」という考えのもと未経験で面接に出向き、知識のない状態で採用してもらいました。研修生としてマツエクについて学ばせてもらい、施術がすごく楽しくて!そこからマツエクにハマってしまいましたね。

全く違う職業からの転職だったんですね!マツエクにハマった理由はどんなところにありますか?

坂田玲奈氏インタビュー

メイクは好きだけど、そんなに得意ではありませんでした。でも、エクステをつけるだけで目元がすごく変わって!マツエクだけでもう半分メイクが仕上がっているようなもの。ありきたりな感想かもしれませんが、マツエクすごいな!と心から思いましたね。

いざ、中国へ。日式の安心・安全、丁寧な技術を伝えていきたい!

坂田さんははじめから中国で働いたとお聞きしたのですが、不安はなかったですか?

もともと美容師免許を持っていなかったため、研修生を経て海外で勤務することは、はじめから了承済みでした。新しい環境で挑戦してみたいと考えていたので、海外在住になる不安はなかったですね。なんなら、海外で仕事ができる、かっこいい!くらいの感覚で…もともと楽観的な性格なんです(笑)

新しい環境に抵抗がなかったのですね!働いてみて感じた中国と日本の違いはどんなところにありますか?

そうですね…中国でのアイラッシュ施術者生活がスタートしたばかりの頃は、中国と日本のマツエクの違いに驚かされることもたくさんありました。7年前すでに中国でもマツエクが流行っていましたが、日本のやり方とは違っていて。日本にマツエクが入ってきたばかりの頃をイメージしてもらえればわかるかと思うのですが、とりあえずついていれば良いという、つけまつげの延長線上にある感じでした。毛の向きを気にせず装着していたり、皮膚についていたり…。また、同じアジア人ではありますが、日本人と中国人のまつげは違うことにもびっくりしました。

そうなのですね…!中国でもマツエク人気が高まっているのですか?

中国人はもともとメイクをあまりしない文化だったのですが、ここ5~6年SNSの影響もあり、おしゃれをする人やメイクをする人が増えています。その延長線上で、マツエクをする人も増えていますね。中国も日本と同じように、安いサロンもあれば高級サロンもあり、マツエク市場は大きく広がっています

坂田玲奈氏インタビュー

マツエク市場の広がりと同時に、日本の技術や商材にも注目が集まるようになりました。ちょうどその頃プロケアアイラッシュが中国国内でFC展開していた時期で、中国のFC向けに講習をすることもあったので、せっかく中国で働かせてもらっているのだから、日本のやり方を中国でも広めることができたら良いなと思い、講習にも力を入れました。

細心の注意を払い安全性を重視する日本人に対し、ゆるいところがあるのが中国人です。「そこまでしなくても…」と理解してもらいにくいところもあり、文化や考え方の違いに苦しむこともありますが、そこを踏まえつつ日本の丁寧な技術をもっと伝えられたら良いなと思っています。

トレンドの第一線。今、中国発のワンホンマツエクを現地から見てみて

今日本でも中国発祥のマツエクデザイン、ワンホンマツエクが流行っています。現地ではどんな感じですか?

坂田玲奈氏インタビュー

そうですね、中国では漫画やアニメ、コスプレがすごく人気で、目をいかにアニメのようにかわいくするかというところから誕生したデザインです。ちょっと非現実的なデザインで、ワンホンマツエクは総称ですが、マンガデザインとかひまわりデザインとか、細かい違いではありますが、中国ではさらにたくさんの種類があります。ワンホンマツエクが出始めた当初は専門のスクールがたくさん開講されるくらい人気で、みんなこぞって通っていましたね。

三角の部分は、層を利用して立体的にするのが特徴です。まつげカールなどで層をなくしてしまうとぺちゃんこになってしまうため、ワンホンマツエクの特徴である立体感が出せません。まつげや層、目の形にも影響されるデザインのため、どのお客様にもできるわけではなく、正直なところ日本で流行るとは全く思っていませんでした

ツノのような束感を作るのは同じですが、さらに日本人の目元に合うようカスタマイズして提供されており、日本と中国では装着方法が異なることもあるよう。日本のアイラッシュ施術者が日本人の目元になじむようにカスタマイズしてお客様に提供しているのは、本当にすごいと思っています。SNSの力を感じましたね…!今はSNSなどで情報収集できる時代なので、もっと海外にも目を向けて情報収集し取り入れていけば、また新しい世界が広がっていくと思います。

「お客様と施術者は1時間、お客様とまつげは1ヶ月」技術と日本のおもてなしの心を中国で伝えたい

坂田玲奈氏インタビュー

私はこれからも中国で頑張る日本のアイラッシュ施術者のひとりとして、中国で日本の技術を広げていくのが目標です。もちろん、中国の文化や考え方もあるためそこは尊重しつつ、日本の文化やメイドインジャパンの良さ、おもてなしの心が伝わるように、自分のできることをひとつずつやっていきたいと思っています。

中国で働いていて、つけ方はどうでもいい、仕上がりがきれいならOKといった、仕上がり重視なお客様が多いと感じています。まつげやエクステの知識を知っているのと知らないのでは、モチや自まつげの今後に関わってきます。アイラッシュ施術者がお客様と接するのは月1度1時間ほどですが、次にサロンに来られる1ヶ月の間まつげに接するのはお客様だけです。アイラッシュ施術者はもちろんマツエクの知識を持っているのは当然ですが、お客様も知らないと意味がない。ヒアリングや会話の中で、必要な知識をできる限り伝えていくことも意識しています。

まとめ

SNSを通じて全世界でつながれる今、国の垣根は低くなりつつあります。さまざまな国のアイラッシュ施術者の活躍を知ることで、視野も広がるかもしれません。また、日本の技術やおもてなしの心の良さは、他の国の文化や考え方に触れることで、より実感できる部分もあるでしょう。今年ようやく自分のサロンがオープンできた坂田さん。今後も松風公認エデュケーターとして、施術者として、いろんな形で日本の技術を広げてくれるはず。今後の活躍にも注目していきます。

この記事を読んだあなたにおすすめの関連記事

220816Ess

この記事をシェアする