アイ業界を盛り上げるオンリーワンの魅力|株式会社AIRI IZUMI代表泉愛里さんインタビュー

この記事をシェアする

今回インタビューさせていただいたのは、株式会社AIRI IZUMIの代表取締役社長である泉愛里さん。そのほかにも、西和物流・ビューティー部門プロデューサーや、一般社団法aile beauty academyの外部顧問部長を務めるなど幅広く活躍されています。そんな泉さんがアイ業界に足を踏み入れた経緯や働くうえで大切にしていることなど、詳しく伺いました。

【経営者プロフィール】泉愛里さんとは

株式会社AIRI IZUMI代表泉愛里さんインタビュー

美容専門学校を卒業後、表参道の有名美容院に就職するも激務による体調不良のため退職を決意。その後、まつげと眉毛の専門店にオープニングスタッフとして入社し、統括マネージャーも経験。全国の百貨店への出店教育などに携わり、その後2013年に独立。アイラッシュ施術者として多くのコンテストに参加、いくつもの大会で受賞経験を持つ。
現在は、サロンプロデュースやメーカー、スクール、オンラインサロン運営など、多方面で精力的に活動している。

唯一無二の存在になる。それを教えてもらった美容師~アイサロン時代

はじめは美容師として働かれていたのですね!

そうなんです。地元・四国から「3年以内に東京で絶対にカリスマ美容師になる」と啖呵を切って上京し、表参道の有名サロンでアシスタントをしていたんですね。当時第一線で活躍されていたカリスマ美容師・時枝さんに教えを受けながら、得るものの大きい美容の最先端の場所で働いていました。

当時から、どうして流行が生まれるんだろうということが気になっていたんです。東京の表参道というトレンドの最先端が生まれる場所柄もあるのかもしれませんが、巻き髪が流行っている時期は朝から晩まで巻き髪を作っているという日々。それを当時先輩美容師に聞いたところ、「流行は2~3年くらいのスパンで、いずれ飽きが来る。人は変化を求めるんだよ」と教えてもらいました。

ヘアもメイクも基本的な技術は昔も今も変わりませんが、人間は飽きる生き物だから流行は巡る。キャッチーなネーミングやフレーズで時代に合わせることでいかに新しいものかと錯覚させる、今考えればそんなトレンドのサイクルやブランディングなどを、リアルに感じ取れたのは美容師時代の経験が大きいと感じています。

アイラッシュ施術者に転向したきっかけを教えてください。

美容師時代は、とにかく働きづめ。働き過ぎて無理がたたり体調を壊してしまったんです。それが上京して1年半経ったくらいのタイミングです。3年である程度自分で生活できるようになっていないと実家に帰る約束だったため、焦りもあり、メンタル的にもキツい時期でしたね。結果、美容師を辞めたのですが「これからどうしよう」と思っていた矢先に出会ったのが、マツエクと眉毛の専門サロンのオープニングスタッフの求人だったんです。

マツエクが日本に入ってきたばかりで、私自身どんな技術かもわからない状態でしたが、美容師免許を活かせる仕事だったので「これだ!」と、思いました。

就職したエクステサロンの5人いたスタッフは、全員美容師挫折組。サロンの社長に、「美容師だったからこそできる”技術”につなげられないと、あなたたちは負け組になってしまう。あなたたちのこれからの物語を作ってもらいたい」と言われたのを、今も鮮明に覚えています。唯一無二の存在になりたい、美容師時代になし得ることができなかった理想の自分をもう一度目指してみよう、そう思わせてもらえたんです。しかし、はじめの頃はなかなかうまくいかず…。月30万円も稼げないような状態が続きました。

あるひと言が転機に。「整形をせずに顔を、そして印象を変えられる」お客様に教わった最大の魅力

はじめは大変だったのですね…!そこからどう好転したのでしょうか?

私の転機となったのは、美容整形外科の女医さんにマツエク施術をしたのがきっかけです。そのお客様はこれまでに一切美容関係の施術を受けた経験のなかったそうなのですが、施術が終わったあとに涙を流されて。何か問題があったのではと焦ったのですが、「自分の顔をかわいいと思ったのは初めてです!整形せずにこんなに印象を変えられるなんて、マツエクはメスを入れない整形ですね!」と、喜んでもらえたんです。そのときに言われた”整形をせずに変えられる”という言葉が衝撃で…!これまでお客様に「眉毛を整えませんか?まつげをつけませんか?」というご案内をしていましたが、そうじゃないなと思い至りました。

眉毛とまつげは、ミリ単位のすごく細やかな技術にも関わらず、それだけで印象を大きく変えることができる。そして、まつげや眉毛をきれいにすることで、お客様に勇気や自信を与える、自分の価値観を新たに創出できるツールだと再認識できたんです。

そのひと言をいただいてから、伝え方を変えることにしました。お店の前に立ってビラを配り、眉毛とまつげの重要性を伝えることから始めたんです。そして、来店してくれたお客様に、眉毛とまつげでいかにコンプレックスを解消できるか、その点をどう提案するかをひたすら考えて施術をするようにしたんですね。

その結果、1年後には5人で月600万の売り上げを達成できるまでになったんです!

株式会社AIRI IZUMI代表泉愛里さんインタビュー

その後サロンも軌道に乗り、私自身も全国のサロン立ち上げなど別事業にも携わることに。その後独立し、フリーランスとしてその経験を活かし、サロンのコンサルやスクール運営に関わり、今では自分の会社を立ち上げるに至りました。

なりたい理想を見つけるより、自分自身を理解してあげることから始めてみて欲しい

今の泉さんに至るまで、多くのご縁があったんですね。
話は変わりますが、今やまつげの知識ひとつをとっても、多くの情報で溢れていると思います。たくさんある情報をどう取捨選択すべきなのか、泉さんの考えを教えてください。

今はSNSやメディアなど、とにかく情報過多ですよね。私自身、開催しているスクールやオンラインイベントなどで、よく「正解は何ですか?」という質問を受けることが何度もあります。私の考えでは「”自分が”何になりたいのか、どうしたいのか」というゴールによって、正解は変わるものだと思っています。サロンのアプローチも同じで、都会のサロンと地方のサロンでは、お客様の求めるものは違ってきますよね。全員に共有する正解はないと思っているんです。だからこそ、必要になる情報の取捨選択も個人個人で変わってくると思います。

ではどうしたらいいかというと、情報をやみくもに得る前に自分自身を模索して、自分がどうしたいのか、今どのポジションにいるのかを見極めることが大事なんです。ポジショニングを理解していないと、どれだけ情報をつめ込んでも、本当に”自分”が欲しいもの、なりたいものには近づけない。

ベストなのは、ロールモデルを見つけること。すてきな人はたくさんいますが、参考にすべきかどうかの判断基準は、なりたい自分の延長線上にその人がいるのかどうか。延長線上にいない人は、憧れでいいんです。なりたい自分の延長線上にいる人の情報をキャッチアップできれば、その情報を有効活用することができると思います。

アイラッシュ施術者の中でも、ミリ単位にこだわりデザインを作り上げるアーティスト気質な人もいれば、業界を良くしていこうとする仕組み作りにチャレンジしている人、技術をビジネスのひとつと捉える経営者気質の人もいます。みなさん自身がどういったアイリストになりたのか、また自分自身の性格や得意な分野、気質をしっかりと把握していたら、どういった人をロールモデルとするか、したいかがわかるはず。

また私自身、アイラッシュの技術をビジネス手段として、1円2円の価値を正しく伝えていきたいと思っています。またそんな風に理解できるビジネス的要素を施術者にも取り入れて欲しいと考え、発信を続けているんです。

それぞれ戦い方が違えば、競合するのはなく共存することもできる。情報を元に誰かになろうとするのではなく、自分自身を理解して、自分なりの戦い方が見つけられるのが理想ですよね。

今後のアイラッシュ業界と泉さんが大切にしていること

今後のアイラッシュ業界について、どう考えていますか

通常美容の技術は、お客様と一緒に年齢を重ねていかなくてはなりません。しかし、マツエクは今現在も若い人が受ける施術、若い人しか働けない業界という印象がまだあるのではないかと感じています。今、日本の人口の平均年齢は44歳で、マツエク市場のコア層は25~35歳。平均年齢はどんどん上がっていくため、今現在マツエクをしている人たちが年齢を重ねても続けてもらうにはどうすればいいか、どんなデザインを提供すべきなのかと、40代以上のアイビューティーにももっと目を向けていかなければ、マツエク人口は減る一方なのではないかと危惧しています。

技術者にとっても、年齢を重ねても提供できることを増やしていかないと、アイラッシュ施術者=若い子のやる職業になってしまうかもしれない。私がダブルアイリフトを開発した目的は、若い年代以外の人にも目を向けてもらうこと。お客様にもアイラッシュ施術者にも、年齢を重ねても愛されるメニューを作っていくことが、今後の命題だと思っています。

なるほど…!最後に、泉さんが働くうえで大事にしていることを教えてください

株式会社AIRI IZUMI代表泉愛里さんインタビュー

技術、メーカー、スクールと、どれを提供するにおいても、自分がお客様の立場だったらと常に考えること。これは技術者のときから変わっていません。ビジネスが成り立つのは人がいるからこそです。すべてのサービスの先に人がいて、どんな感情を提供できるのか、提供するものの先まで考えて発信していくこと。その点にこだわり続けていきたいんです。
だからこそ、【泉愛里】という看板を背負って仕事をしていると自負しています。

まとめ

サロンプロデュースやメーカー、スクール、オンラインサロンと、広く活躍されている泉さん。「職業=泉愛里」というフレーズに納得ができる、魅力の溢れる方でした。今後も、アイ業界を盛り上げるオンリーワンの存在である泉さんの活躍から目が離せません。220322Ess

この記事を読んだあなたにおすすめの関連記事

この記事をシェアする