日本のマツエク史とともに歩み、高品質・安心価格の商材・技術を提供する!株式会社テクニコ代表取締役 渡邉久美氏へインタビュー

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今回は、株式会社テクニコの代表取締役を務める渡邉久美さんにインタビュー。テクニコといえば、高品質かつ安心価格のまつげ商材を数多く取り扱う他、アイゾーンに特化した化粧品『Lash Grandir®(ラッシュグランディール)』シリーズなどでおなじみですよね。代表の渡邉さんがマツエクの技術を取得したのは2004年のこと。つまり、日本におけるマツエクの歴史のはじまりを知る人物でもあります。そこで、渡邉さんのマツエクとの出会いから現在の事業内容、アイビューティー業界で長きにわたって活躍する秘訣などをお聞きしました。

経営者プロフィール

株式会社 テクニコ
代表取締役 渡邉久美(わたなべ くみ)さん
国家資格 美容師免許保有(管理美容師)

上場企業へ就職。
手に職を習得したいと考え美容系のサロンへ転職。
2004年 まつげエクステの技術取得
2005年 ビューティーサロン『tecnico テクニコ」開設
      まつげエクステ商材販売開始
2006年 まつげエクステスクール開校
2007年 「株式会社テクニコ」設立
2012年 アイゾーンに特化した日本製の化粧品『Lash Grandir®(ラッシュグランディール)』シリーズ発売
      一般社団法人日本まつげエクステメーカ-連合会 加盟
2018年 ラッシュリフト・アイブロウ『PERSH®(パーシュ)』ブランド発売

【実績】
スクール:2023年5月時点で卒業生1,800名以上
ラッシュグランディール化粧品:累計30万本販売、現在9種類
マツエクグルー:累計21万本販売(テクニコのグルーは、一般社団法人日本まつげエクステメーカ-連合会の規則に則り、検査機関においてパッチテストおよびホルムアルデヒド検査を実施し、基準をクリアした商品です)

まつげエクステ商材『tecnicoテクニコ』は、まつげエクステ商材開発・販売・スクール運営・サロン運営の4事業を柱とした企業。テクニコのこだわりは、安定した商材をサロンへ卸すこと。同じ商品を品質が損なわず卸すことが意外と難しく、手間をかけて検品し出荷をしている。
また商材販売と同時に、質の高いマツエクの技術を広めるべくスクール運営にも注力。スクール卒業生は1,800名以上にのぼる。今後も商材と技術のこだわりをアイ業界へ発信し続けていきたい。

▷『tecnicoテクニコ』公式サイトはこちら
▷『tecnicoテクニコ』まつ毛エクステスクールの公式サイトはこちら
▷『tecnicoテクニコ』公式Instagram(@tecnico_eyelash)はこちら

マツエクとの出会い ~マツエクをメニュー化した第一世代~

―――渡邉さんがマツエクを知ったきっかけを教えてください。
実ははじめから美容業界にいたわけではなく、元々は上場企業でOLをしていたんです。今から20年くらい前に“手に職をブーム”が到来し、このままOLをするのもどうかなという思いから、整体師の勉強をするために勤めながら専門学校へ通いました。卒業を機に会社を辞め、ボディケアをメインとする美容系のサロンへ転職したんです。

2005年に開業する際、当時の名古屋にはまだマツエクサロンは存在しておらず、女性限定のサロンを作ろうと考えていたこともあり、最先端メニューとしてマツエクを導入したいと考えました。また、ボディケアは立ち仕事で体力的に辛い面があったので、座ってできるメニューがあると助かるかな、と。

その頃、偶然にも知人がマツエクのスクールをやっていたので、技術を教えてもらい自身のサロン開業と同時にマツエクをメニュー化しました。

―――渡邉さんご自身が初めてマツエクの施術を受けられたときのことを教えてください。
当時、クーポンサイトを見ると名古屋に1軒だけマツエクサロンがあったんです。「なんだこれ!」と思って、すぐに施術を受けに行きました。まつげが長くなって「すごい変化!おもしろい!これなら自分でもできるかな」と思ったんです。

ただ、そのときのマツエクは1週間もしないうちに全部取れてしまいました…。そのすぐに取れてしまう現象についても興味を抱き、「なぜ、すぐに取れてしまうんだろう。施術の質を高めたら持続するのかな?」こんな思いも施術技術を習いに行こうと考えたきっかけです。

これが2004年のことなので、私たちがマツエク業界の第一世代という感じですね。

―――すぐに取れてしまったマツエク。お客様に提供するには心配もあったのではないでしょうか。
もちろん練習しながら持続力を高める方法や装着方法などを工夫していました。ただ、私が習った頃は、マツエク用の施術道具もほとんど存在しておらず、毛のかき分けにつまようじを使っていたくらい。1by1の技術が確立される前の時代でしたね。

高品質かつ適正価格での商材販売 ~お客様のトラブルを最小限に!~

―――サロン開業と同年に商材販売を開始されていますが、どのような経緯だったのでしょうか?
その当時は、毛はすべてバラ売り。Jカール・Cカールという名称はありましたが、カールや長さが不ぞろいなのが当たり前。しかも、1ケース3万円など大変高価なものでした。

その頃、たまたま韓国の方から商材情報が届き、気軽な感じで購入してみたらすごく品質が良かったんです。今後マツエクブームが来ると予想していたので、「これなら欲しがる人がいる。きっとこの毛を探している人がいる!」との思いで、オークションサイトにて商材販売をスタートさせました。

商品の価格については、仕入れ値から自社の利益を考慮しても当時出回っていた商品よりはるかに安い価格で販売できました。例えば、他社で3万のものが、テクニコだと2~3千円といった具合。かなり上乗せされていたことが分かり、「こんな余分に支払っていたの!?」と驚愕したのを覚えています。特に毛は、法外な値段で販売されていましたね。

―――テクニコの商材を購入したサロンさんからの反応は?
カールの均一性や価格の安さはもちろん、その商材を実際に使用している施術者自身が商品情報を書いて、販売しているということで説得力があったのでしょう。当時、こういったスタイルのお店は他になかったので喜ばれましたね。

―――テクニコの商材の安全性へのこだわりがあれば教えてください。
サロン経営者にとって1番辛いことは、お客様のクレームなんですよね。例えば、マツエクだと目が腫れた、化粧品だと肌が荒れたといったお客様トラブルが発生すると心も痛みますし、お客様の信頼を失うことへのショックが大きいですよね。

なので、テクニコの商材を使ってもらっているサロンさんにはできる限りトラブルの少ないように、との思いで商材を卸しています。実際ゼロにするのは難しいけれど、極力起きないように。

また、品質の安定性にもこだわっています。サロンさんが1番嫌うのが、「同じ商品なのに、前と違う…」ですよね。そのため検品には特に力を入れています

―――2012年にアイゾーンに特化した日本製の化粧品シリーズ「ラッシュグランディール」を発売されています。その経緯は?

お客様にマツエクを続けていただくには、自まつげを元気にしないといけないという観点から、早い段階でまつげ美容液の販売に着手しました。当時は、まつげメーカーが化粧品を販売するということが珍しい時代でした。お客様に安心してお使いただくため、日本製にこだわって作っているのも特徴です。現在、シリーズ化し9種類のアイテムを展開しています。

マンツーマンで技術を提供 ~スクールはスタッフ育成にも有効~

―――サロン開業の翌年にはスクールを開講されています。そのきっかけをお聞かせください。
自身が納得できる商材が手に入るようになった段階で、スクールをはじめようと考えました。私自身スクール探しに苦労しましたし、マツエクの技術を習いたい人も多いだろうなと。お気に入りの商材と技術を一緒に教えることができるんじゃないか、と思ったんです。

―――スクールではどのようなスタイルで技術を教えておられるのですか?
サロンの予約時間をスクール枠として押さえ、マンツーマンでのレッスンを実施しています。教える技術により1dayから数日を要するレッスンまで、いろいろなコースを設けています。開校当初は、他にマツエクの技術を習得できる場所が少なかったこともあり、スクール業が本当に忙しかったですね。

またスクール業は、講師を担うスタッフにとっても教えることで技術を確認できたり、スキルが向上したりといった大きなメリットがあります。講師スタッフはみな長く勤めるベテランばかりです。

―――美容業界の課題のひとつに、離職率の高さがあります。テクニコではスタッフの方が長く働かれているそうですが、その秘訣は?
お客様だけでなく、スタッフも女性ばかりのサロンですので、働きやすい環境づくりには力を入れてきました。昔の美容業界では週休1日が一般的でしたが、自身のサロンでは有給制度や週休2日制を採用しました。私自身、子供がいるので休みやすく助かっています。

実際、会社を経営しながらの結婚・妊娠・出産で難しさを感じた部分もあります。しかし、現在の企業規模が大きすぎず、小さすぎず、商材やスクールについても自分自身が即決できるちょうど良い規模であることが居心地の良い会社を作れている秘訣かもしれません。

アイビューティー業界で長く活躍するために ~接客マナーや対人スキルも大切~

―――渡邉さんのようにアイビューティー業界で長く活躍するためには、今後どのような工夫が必要だとお考えですか?
日本でマツエクが始まって約20年。業界の成熟が進む昨今、技術の安売りに走る傾向にあることに少しもったいなさを感じています。やはりお客様は技術で付いてくると思うので、質の高い技術を提供することが大切ではないでしょうか。

また、意外と接客マナーがうまくいっていないところもあるのかな。お客様とお友達感覚になりすぎていたり、ビジネス文書的な返答ができなかったり。私は前職がOLだったこともあり、接客マナーや対面スキル、メールでのやりとりもお客様と良好な関係を築くためには大事だと考えます。

美容業界ではなかなか学ぶ機会も少ないので、マナーを学べる本を読んだり、評判の良いサロンに勉強に行ったりするのも良いアイデアだと思っています。施術技術だけでなく、マナーや接客にも目を向けてみてはいかがでしょうか。

―――これからのアイビューティー業界を担う若手施術者へ向けてメッセージをお願いします。
アイビューティーサロンは、開業コストが安く、女性でも簡単に独立開業できることがメリット。また施術では、お客様と1対1で関われることも魅力です。濃厚な関係を築けることにより、施術者がお客様を救って差し上げられるだけでなく、反対に施術者がお客様から救われることもあるすばらしい技術だと思います。

出会いを大事にすると、きっとお客様も気付いてくださいます。20代でも早すぎることはありません。開業したい方はどんどんチャレンジしてみてください!

まとめ

日本にマツエクが入ってきたのとほぼ同時に、マツエクの技術を習得し、開業と同時にメニューに導入された渡邉さん。さらに、開業の翌年には自ら海外のマツエク商材を仕入れ、高品質かつ適正価格な商材販売を開始されました。渡邉さんの未来を読む力と迅速な判断力によって、アイビューティー業界の礎が築かれたことがよく分かりました。渡邉さんのようにお客様に長く愛されるべく、技術はもちろん、接客マナーや対人スキルも学び、施術者としての腕を磨いていきましょう!

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