目の疲れには「温めること」が効果的と言われています。そこで登場したアイテムがホットアイマスクです。手軽に目元のみを温めることができることから、人気を集めていますよね。しかしマツエクを装着している場合でも、ホットアイマスクを使うことができるのでしょうか。今回はホットアイマスクによるグルーへの影響をまとめました。

眼精疲労回復におすすめ！ホットアイマスクとは？

これまでBeautéでは、身体的な疲労を改善するさまざまな方法を提案してきました。特に眼精疲労がある場合には、以下の対処法が効果的と言われています。

このように眼精疲労の対処法には、仕事の合間でも手軽に行えるものから、自宅でゆっくりリラックスしながら行いたいものまでいろいろな手段があります。中でも、最後にご紹介した「ホットタオルやホットアイマスクなどを利用し、目元の血行を促進する」という対処法は、目元を物理的に温めるため、眼精疲労の回復効果を得やすいというメリットがあります。現代はスマホの長時間利用などの原因により眼精疲労を訴える人も多く、目元を手軽にケアできるホットアイマスクは高く評価されています。ではここから、ホットアイマスクの特徴を詳しくご紹介しましょう。

ホットアイマスクは4タイプ

ホットアイマスクとは、その名のとおり“温感を得られるアイマスク”のことです。最近ではさまざまな種類のホットアイマスクが販売されるようになり、大きくわけて4つの種類があります。さっそく、それぞれの特徴をみていきましょう。

使い捨てタイプ

花王の「めぐりズム」シリーズを代表とする使い捨てタイプの特徴は、個包装されたアイマスクを開封することにより発熱し、温感が得られること。商品により温感の持続時間はさまざまですが、約40℃の温度が約10分間保たれ、温感を感じなくなったら終了です。温感とともに蒸気が発生するものもあり、目元にしっとり感が得られるものもあります。
薄手の包装なので持ち運びにしやすく、開封するだけですぐに使える手軽さが魅力です。

電子レンジ加熱タイプ

最近、ホットアイマスクの主流になりつつあるのが電子レンジ加熱タイプです。アイマスクの中にあずきやセラミックビーズが入っており、電子レンジで加熱して使います。繰り返し使えるためランニングコストがかからないことが魅力です。また温感が得られる時間が使い捨てタイプよりも、多少長いこともメリットと言えるでしょう。
ただし加熱に電子レンジが必要なので、自宅など使用場所が限られます。

電熱タイプ

電熱タイプは、内臓のヒーターを電力で温めて使うホットアイマスクです。電源コンセントに接続するものやUSB充電式のものなどがいつくかの種類があります。繰り返し使えることや保温時間を自分で設定することができることがメリットと言えるでしょう。
ただし長期間利用できる反面、アイマスク部分の汚れが気になる場合があります。そのため衛生面を考えると、アイマスクカバーが丸洗いできないものはおすすめできません。

美容家電タイプ

目元を温めるだけでなく、目元のケアに関するさまざまな機能が搭載されているホットアイマスクを総称して美容家電タイプとカテゴライズしています。
商品によりさまざまですが、空気圧により目元のツボを刺激したり、バイブレーション機能により血流を促進したりする機能などがあります。1台で目元のトータルケアが可能ということが最大のメリットと言えるでしょう。ただし高機能な分、価格は高めです。

▼「疲労」に関するこちらの過去記事もぜひ参考にしてください。

エクステへの影響とは？

ホットアイマスクにはさまざまなアイテムがありますが、多くのものに共通する特徴として、以下の3点があげられます。

では、これら3つの視点からエクステへの影響を考えてみましょう。そもそもエクステが取れてしまったり、モチが悪くなってしまったりする原因は、グルーに何らかの影響がある場合がほとんどです。よって、まずはグルーの特徴のおさらいからはじめましょう。ご存知のとおり、多くのグルーの主成分は「シアノアクリレート」という物質です。

＜アロンアルフアの特徴＞
 画像元：東亞合成グループ研究年報　TREND 2011 第14号

こちらは「シアノアクリレート」を主成分とした瞬間接着剤「アロンアルフア」を開発する『東亞合成株式会社』のグループ研究年報から引用したものです。資料には「アロンアルフア」の長所と短所が端的にまとめられています。「アロンアルフア」とマツエク用グルーは同一のものではありませんが、主成分が同じであるため物質が持つ特徴はほぼ同等と考えられます。そのため、上記の資料を基に考察を行いました。

「目元をアイマスクで覆う」ことによる影響

上記の資料にもあるとおりシアノアクリレートには「衝撃、剥離強度が低い」という短所があります。そのためマツエクを装着した目元をアイマスクで覆うことはリスクが高いと言えるでしょう。
例えば、アイマスクが目に密着することによる衝撃やアイマスクの繊維がエクステに引っかかり取れてしまう危険性があるから。目元にピタッとフィットするタイプのホットアイマスクの使用は特に注意が必要です。

「蒸気を伴って目元を温める」ことによる影響

使い捨てタイプ、美容家電タイプの多くは蒸気を伴って目元を温めます。蒸気を発生させることにより、アイマスクが直接触れていない部分にも温かさが伝わり、効果的に目元全体を温めることができます。
しかし、上記の資料にもあるとおりシアノアクリレートには「耐水性・耐湿熱性が低い」という短所があります。よって、蒸気が出るタイプのホットアイマスクとマツエクとの相性は良いとは言えません。ちなみにサウナや温泉がマツエクに良くないと言われる理由もここにあります。

もちろんグルーの完全硬化前に水分に触れることは白化現象を引き起こす場合があるため、術後24時間以内に蒸気が出るタイプのホットアイマスクの利用はNGです。とはいえ、グルーが完全に硬化した後でも、目元に集中して蒸気を当て続けることはグルーの劣化を促進させる可能性があるため、やはり控えた方が無難と言えるでしょう。

「約35～40℃の温度を一定時間持続する」ことによる影響

これまでBeautéでも深くは触れていませんでしたが、シアノアクリレートは「耐熱温度がやや低い」という特徴を持っていることをご存知でしょうか。とはいえ、シアノアクリレートは工業用としても用いられる性能の高い接着剤であるため、ホットアイマスクを使用する際の約35～40℃程度の低温では接着接合が解けてしまうことはないでしょう。
しかしホットアイマスクを頻繁に使用したり、蒸気を伴ったり、電熱タイプのホットアイマスクを長時間使用するなどにより、グルーの接着力に影響しないとも言い切れません。

▼グルーについてまとめた、こちらの過去記事も参考にしてください。

エクステへの影響を考えたホットアイマスクの使用法

ホットアイマスクによるエクステへの影響をさまざまな視点から考えました。結果、エクステをより長い期間、より美しく楽しみたい場合は、ホットアイマスクの使用は控えた方が良いと言えるでしょう。
それでもホットアイマスクを使用したい場合には、以下のポイントに注意してくださいね！

事前にエクステの向きを整える

特に目元に密着するタイプのホットアイマスクを使用する場合には、ブラシなどでエクステの向きを事前に整え、十分に気を付けながらアイマスクを装着しましょう。
向きがバラバラのまま、蒸気や高温にさらされるとそのまま型が付いてしまう場合があります。目元に密着しない立体型タイプのホットアイマスクであれば、エクステへの影響を抑えることができるでしょう。

穴あき型のホットアイマスクを使う

「見えるアイマスクがほしい！」という声から作られた目の部分が開いているアイマスクであれば、マツエクユーザーも安心して使うことができるしょう。

使い捨てタイプ：温活女子会プロデュース ほっと見えマスク 5枚入り

画像元：Amazon

商品パッケージにも「マツエク・つけま・コンタクトOK」と明記されている安心なホットアイマスクです。発熱時間も約20分と長めなので、目元をじっくりと温めながら別の作業ができる点も人気の理由です。

電熱タイプ：アテックス 目もとケアATEX ルルド めめホット キャット

画像元：Amazon

充電しやすさが魅力のUSB充電式のホットアイマスクです。約10分で自動オフするタイマー機能が付いているため睡眠前の使用も安心です。また黒猫のデザインもかわいいですね！

まとめ

グルーの主成分であるシアノアクリレートの特徴とホットアイマスクの特徴を照らし合わせてみると、やはりホットアイマスクとマツエクは相性が良いとは言えません。しかしグルーの短所を理解することにより、適切な商品選定ができるようになります。お客様からホットアイマスクの使用について問い合わせを受けた際にも、良いアドバイスができそうですね。190232Euk