サロン運営と講師業の経験を活かしたサポート役を目指して│アイデザイナーの山内さんにインタビュー

今回は『lash room GERBERA(ジェルベラ)』の山内 優香子(やまうち ゆかこ)さんにインタビュー。講師業や商材開発と多方面で活躍するトップアイデザイナーの山内さんに、これまでのエピソードや今後の目標、アイデザイナーに向けたメッセージなどを伺いました。
プロフィール│山内 優香子さんとは
アイデザイナー 山内 優香子(やまうち ゆかこ)さん
・2020年 『lash room GERBERA(ラッシュルーム ジェルベラ)』オープン
・大手マツエク商材メーカーと、カラーエクステを共同開発
・「Color Extension Look Book」発売
<講師業>
2018年~講師活動スタート。累計受講者数2,000名以上
ラッシュリフト講習/シングルラッシュ講習/ LEDマツエク技術セミナー/セミナーアカウント運営(入会数1,500名以上)/オンラインセミナー 他
<受賞歴/審査員経歴>
2017年・2018年 Tokyo eyestagram出演
2019年 LASH DAY 髪書房賞受賞
2022年 PLVC審査員
2024年 X competitionラッシュリフト部門・エクステ部門審査員
2024年 NEECラッシュリフト部門審査員
2025年 X competitionラッシュリフト部門審査員
3店舗のアイラッシュサロンに勤務した後、『lash room GERBERA』をオープンした山内さん。講師業においては、累計受講者数2,000名以上、セミナーアカウント入会数1,500名以上の実績があり、アイデザイナー指導に注力されています。その他、受賞歴や審査員経歴も多数!施術者から講師まで幅広く活躍する、注目のアイデザイナーです。
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美容師免許取得のため、がむしゃらに取り組んだ学生時代。免許を活かせる職種としてアイデザイナーを選んだ
―――美容系の専門学校を選んだきっかけは?
生まれも育ちも横浜で、“お洒落や美容が身近な環境”にあったからです。高校時代のスクールバッグにはヘアメイクアイテムがぎっしりでしたね。高校生のころは「メイクの道もいいな」と考えていましたが、当時の知り合いの美容師さんに「刃物を触る可能性があるなら美容師免許を取ったほうがいい」とアドバイスをいただいて。美容師免許がないと眉毛1本切れないことを知り、美容系の専門学校への進学を決めました。
―――美容系の専門学校に通い始めてからは、どのように過ごされたのでしょうか。
もともとヘアよりメイクに興味があったのですが、美容師免許を取るという目標に向け、ヘアの勉強をひたすら頑張りました。私はどちらかというと器用ではありません。座学は得意だけど実技が苦手で、「何としてもできるようにならないと!」とがむしゃらになりながら過ごしました。1年生のときに2年生の授業にこっそり紛れ込んで、先輩の技から練習のヒントを得ようとした経験もあります。
―――卒業後、アイデザイナーの道に進むまでの経緯を教えてください。
卒業後にいきなりメイクの仕事に就くより、「まず美容師を経験しておこう」と美容室に就職しましたが、ハードな仕事と職場環境の影響で体調を崩してしまって。学生時代に働いていた居酒屋に出戻る形になりました。フリーター時代は時間がたっぷりあり、毎日のように働く中で店長から経営に関する話を聞く機会もあったんです。原価や稼働率、お店の経営方法など、当時聞いていた話は今のサロン運営にも役立っています。
その後、「やっぱり美容師免許を活かした仕事がしたい」と思うようになり、アイデザイナーの道に進むことを決めました。アイデザイナーはメイクの仕事に近く、美容師免許を活かせる職種であること、当時アイメイクに力を入れていてまつげの施術に興味があったこと、という2点が決め手でしたね。
アイデザイナーになってからさまざまな経験を積み、独立を決意
―――アイデザイナーを志してから最初のアイラッシュサロンをオープンするまでの経緯は?
「アイデザイナーになろう」と決めてからネイルとまつげの大型サロンに就職しましたが、職場環境が合わず1年で辞めることに。そこで、フリーター時代の勤務先の上司に相談してみたところ、「やってみるのもアリかな」と手を貸していただきました。その後、アイデザイナー2年目の私と、知り合いのアイデザイナー2人の3人でアイラッシュサロンをスタートしました。
―――その後のサロン運営は順調だったのでしょうか。
アイデザイナー3人で運営していたサロンは、集客0でスタートしたもののオープンから1年経つころには満席に。その後も満席をキープできるほど、サロン運営は順調でした。
当時はInstagramのユーザーが一気に増えてきたタイミング。いろんな情報が出回り、手に入る情報も豊富でした。そんな中、「新しいことにどんどん挑戦していきたい」と考える私と、他2人のアイデザイナーの目指す方向性が違っていき、別のサロンに移ることを決めました。
―――サロンを移った後、『GERBERA』オープンまでのエピソードを教えてください。
他のアイデザイナーと一緒に4年続けたアイラッシュサロンを辞めた後、雇われる形で就職した先が3店舗目になります。そのサロンには私1人だったので、ほぼ独立に近かったですね。
同じタイミングで、1店舗目からラッシュリフトの施術をしていて技術があった私に、「ラッシュリフトを教えてほしい」と講師業に声がかかるようになったんです。サロンワークと講師業を両立させる日々は、とにかく多忙。休みなく全国に飛ぶような毎日を過ごすうちに体調を崩してしまい、サロンの運営体制を見直す必要性を感じたことから「独立したほうが“自分の目指すサロン運営”ができるのでは?」と思うようになりました。
その後、条件に合う物件を見つけた2020年にサロンを辞め、『lash room GERBERA』をオープンしました。
アイデザイナー同士のつながりは、自分にとって刺激となるもの
―――山内さんのアイデザイナー人生において、大きな影響を与えた人物や出来事とは?
1人目はボリュームラッシュが得意な横内麻衣(よこうち まい)さん。ボリュームラッシュが流行ってきたころ、ファンを作るのも接着も思うようにできず、必死で練習したんです。その練習用記録として作ったのが現在のInstagramアカウントで、少しずつアイデザイナーのフォロワーさんが増えていきました。その中でアドバイスをいただいたのが横内さんです。
『GERBERA』オープンまでに勤務したアイラッシュサロンでは、他のスタッフと意見が食い違ったり、孤立したりすることもあったけど、横内さんや横内さんを通じてInstagramでつながった方たちに励まされ、刺激になりました。「練習頑張ろう!」と思える理由になっていましたね。
2人目はラッシュリフトで知られる佐藤里奈(さとう りな)さん。ラッシュリフトへの注目が高まる中で見つけたのが佐藤さんのInstagramです。ラッシュリフトの技術力はもちろん、言っていることがすごく真っ当な印象。興味がわいて自分から会いに行き、お互いの施術を見せ合うなど交流を持ちました。佐藤さんも私も、ちょうどラッシュリフトの講習を始めるタイミングで、講習に対する理念を話し合ったこともあります。今でもプライベートで連絡を取り合っているんですよ。
▷佐藤里奈さんについて詳しくはこちら
サロン運営で重視するのは信頼。“お客様のためになること”に目を向けたい
―――サロン運営で心がけていることは?
サロン運営では数字を追ったり効率を考えたりしますが、それだけだと“お客様に売る”という感覚が強くなります。たとえば、2万円のメニューを予約していたお客様にカウンセリングをしてみたら、1万円分の施術でお客様の希望が叶うと分かったとき。見込みよりも売上は減ってしまいますが、私は“お客様のためになること”に目を向けたいと思っています。お客様からの信頼を重視するスタンスが、リピーターや他のメニューにもつながっていると感じますね。
―――山内さんが施術・講師業で“最もやりがいを感じる瞬間”を教えてください。
他のサロンへ行ったお客様が、「やっぱりここじゃないと!」と戻ってきてくれたとき。他のサロンを転々としていたお客様から「やっと自分に合うサロンが見つかった」と言われることもあり、アイデザイナーとして大きなやりがいを感じます。講師業では、思うような施術ができず悩んでいた方から「講習を受けたらすぐにできるようになった」と言われたとき。「これまでやってきたことは正解だった」と再確認できますね。
私は、お客様にとっての“ここぞ”というタイミングで「あなたにお願いしたい」と言ってもらえる存在でありたい。お客様に長く通い続けてもらうことより、回数が減ったとしても特別感があれば嬉しいですね。
―――山内さんが考える、壁にぶつかったときの乗り越え方とは?
専門学校時代、2週間後にテストがあるのにバイク事故で両脚が使えなくなってしまって。どうしようと不安に思っていましたが、先生に「一応テストを受ければいい。順位はビリでもいいよ」と言われたことでやる気に火が付き、練習を頑張って1位を取りました。壁にぶつかったときこそ、“負けん気でやる”という気持ちを強く持つようにしています。
―――山内さんが特におすすめする愛用品はありますか?
右から:ラッシュプライマー、GlueBooster、日本製LED Eグルー/LashColors、LED black Tt、スピードリムーバー/RAFI
『Lash Colors(ラッシュカラーズ)』のLEDマツエク用商材は、どれも品質が良くて愛用しています。商品知識が豊富な徳永侑子さんのメーカーなので、何の心配もなくいろいろと使っています。メーカーのサポートが手厚いところも魅力!
そのほかでは、最近発売された『RAFI(ラフィ)』のLEDマツエク用グルーもお気に入りです。1秒で完全に硬化すること、アレルギー体質のお客様にも使いやすいところが魅力。技術に悩んでいる方には『Lash Colors』の商材全般、グルーなら『RAFI』がイチ押しです!
▷Lash Colorsのマツエク商材一覧はこちら
▷徳永侑子さんについて詳しくはこちら
講師業の知識・経験を活かしたサポート役に!時代の流れを利用してスキルを身に付けて
―――今後、実現したいビジョンや夢を教えてください。
サロンワーク1本でやっているアイデザイナーの中には、自身の今後に迷いのある方もいると思います。そんな方に私の知識や経験を伝え、「これから講師業をやっていきたい」という目標に向けたサポートができる存在になりたいです。
「新人育成は必要だけど、指導にかける時間やスタッフが足りない」と困っているサロンや、「商品の魅力を発信するために協力してほしい」と認定講師を求めているメーカーから声がかかることもあります。そういったニーズに応えられる仕事をしていくことも、これから叶えたい夢のひとつですね。
―――最後に、これから活躍していくアイデザイナーに向けてメッセージをお願います!
SNSの情報や受けられる講習が豊富な今は、技術力が高い人も多く、競争率の高い時代です。その中で選ばれるサロンになるには、自分にできることをしっかりと理解する必要があります。私の場合、商売っ気を出さないことが、ある意味“サロンワークにおける自分の色”。自身の強みを理解して他店と差別化を図ると、サロン運営は安定していきます。
今は学びの機会が増え、環境も整っています。アイデザイナーとして効率的にスキルアップできる時代だと思うので、上手く利用しながら楽しい時間をいっぱい感じられるよう、早く技術を身に付けてほしいですね。
まとめ
将来に不安を抱えるアイデザイナーや新人育成に手が回らないアイラッシュサロンも多いアイ業界。山内さんのサポート役としての活躍は、アイ業界のさらなる拡大につながっていくのではないでしょうか。自身の強みを理解すること、効率的にスキルアップできる環境を上手く活用することが、これからのアイデザイナーに必要と語る山内さん。今後のご活躍にも引き続き注目していきます。
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