日本人、アジア人に似合う美しさを求めて。Mカールの生みの親「株式会社YOU BEAUTY」代表取締役 徳永侑子氏へインタビュー

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今回、お話しをお伺いしたのは「Lash Colors(ラッシュカラーズ)」運営元、「株式会社YOU BEAUTY」代表取締役 徳永侑子さん。徳永さんといえば、アメブロ「まつげエクステ商材に詳しくなるブログ」を運営されている方としておなじみですよね。また、まつげの根元を大きく立ち上げ、直線状のカーブがついたMカールの開発者としても知られています。徳永さんのマツエクとの出会いからMカール誕生秘話まで、詳しくお聞きしました。

これまでの経歴とプロフィール

徳永様インタビュー記事

【経営者プロフィール】
株式会社YOU BEAUTY
代表取締役 徳永侑子(とくなが ゆうこ)さん

2004年に自宅サロンを開業。その後、腕を磨くために大手サロンに就職。技術者として施術を行う中で商材に興味を持つ。「技術力を支える商材作り」を目指し、大手世界ブランド商材メーカーで商品開発・検証・企画に携わり、新グルーやUカール、Mカールの開発を手掛けた。
現在Mカールは、世界中で需要のある画期的なカールとなっている。
2016年、より精密で安全な商品を提供するため、自社ブランド「LashColors(ラッシュ カラーズ)」を設立。人気のMカールをお客様の要望に合わせて改良し、立ち上がり・質感ともにさらに高いクオリティで完成させ、広く展開している。

【略歴】
2003年:まつげパーマ、マツエク技術習得
2004年:マツエクサロン勤務
2007年:サロンオープン
2009年:株式会社YOU BEAUTY設立
2011年:サロン店舗拡大
2014年:マツエク商材ブランド代理店、Uカール開発
2015年:マツエク商材ブランド総代理店、Mカール開発
2016年:自社ブランドLash Colors設立、Mカール改良発表
2017年:商材学セミナースタート、オンラインサロン開設、Lash Colors Taiwanスタート
2019年:サブスクリプションブランド Lash Reborn設立

マツエクとの出会い ~コンプレックスが“美の世界”への入り口に~

徳永さんがマツエクに興味を持ったきっかけを教えてください。

小さい頃から、リカちゃん人形にメイクをして遊ぶのが好きだったんです。自分でネイルやメイクをして楽しむというよりは、何かに対して彩りを加える、キレイにすることが好きでしたね。
その後、実際にプロの美容に触れたのは中学生の頃。当時、手が大きいことがコンプレックスだったんですが、イベントで出会ったネイリストさんが「あなたの手や爪は大きくて、ネイルが映えるよ」と、すごくキレイにネイルを仕上げてくれたんです。これが、私にとっての初めての美容体験となりました。

その体験からネイリストにあこがれ、ネイリストを目指して勉強をはじめました。実はそのタイミングがちょうど日本にマツエクが入ってきた頃。もともと美容が好きだったこともあり、興味本位でマツエクの講習を受けに行ったんです。小一時間の施術で、まるで別人のように顔の印象が変化していて…本当に衝撃でした!その瞬間からマツエクに惹かれていきました。

徳永さんが思うマツエクの魅力とは?

王道って永遠にあると思っているんです。もちろん時代によって変化するものもありますが、女性がキレイでいたいという思う気持ちは普遍的なもの。その王道を追求するためには、マツエクを含め、アイビューティーは欠かせないものだと考えています。

女性って自分のことをカワイイと思えたら、テンションやモチベーションが上がりますよね。だから、マツエクは私自身にとっても魅力的なものですし、世の女性にとっても影響力の強いものだと思っています。

商材開発のきっかけ ~施術者として感じていた“ちょっとした違和感”の連続~

徳永様インタビュー記事

徳永さん自身が初めてマツエクの施術を受けたときの感想は?

実は最初にマツエクを付けてもらったときの率直な感想は、「不自然、長っ!パーマの方がいいじゃん!」だったんです。私はカールに強いこだわりがあり、くるんとしたカールではなく、スッと立ち上がるようなデザインが好みでした。しかし、装着されたデザインは当時主流だった長さを強調したもの。正面や横から見たときのエクステの長さやカール感に大きな違和感があったんですね。正直、自分の中の”カワイイ”とはかけ離れたものでした。

でも、その違和感があったからこそ、自分が施術をする際には単に長さを出すのではなく、長さの異なるエクステを組み合わせ、自然で美しい仕上がりになるよう心がけていました。すると、短期間のうちに売り上げがアップし、リピート率は実に85%を超えていました。

世間では長いまつげが良しとされている中で、徳永さんはその流れに違和感を抱き、自身の思うカワイイを追求されていたのですね!

例えば、「まつげが長いとキレイ」と聞いて、疑問に思う人は少ないですよね。美の世界共通認識のひとつといってもいいかもしれません。でも、骨格が扁平なアジア人が単にまつげの長さを足したからといって、キレイになれるとは限りません。それでも、まつげが長くなったという満足感がその不自然さや違和感をかき消して、「まつげが長くなった=欧米人みたいでキレイ」と思ってしまう。そういった固定概念のようなものがあったのではないでしょうか。

でも、その人に似合う美しさって絶対にあって、その美しさを追求するための方法がたとえ少数派だとしても私は全く気にしません。マツエクが流行りだして、みんなが13mm・14mmを選ぶ中、私は徹底して10mmしか付けなかったほどですから(笑)

幼い頃から、「人と違っていい」という考え方を持っていたんです。それに加え、中学時代に出会ったネイリストさんが、施術によってコンプレックスを解消してくれた。この体験で、コンプレックスの解消の仕方を知ったんです。そこからは、「コンプレックスがあるなら、解消すれば良い」「みんなは長いまつげが良いっていうけど、私には似合わない」という純粋な感情から、行動に移していたというだけなんですよね。

より似合う美しさを実現したいという思いが、商材開発のきっかけとなったということでしょうか。

そうですね。加えて、より日本人に適した商材を作りたいとの思いはもちろん、以前から商材自体に強い興味があったということもあります。実は、私の実家がプラスチックを扱う会社を経営していたんですね。プラスチックの不良品を粉砕し、再生・成型するといった仕事で、まさにプラスチックのプロ。

私が施術をしていた頃は、まだ商材の知識なんて誰も持っていない時代でした。でも、エクステがプラスチック製であることは確か。そこで、母にエクステを見せ、どんな素材で作られているかを調べてもらったり、どのように作られているかを考えたりしながら過ごしていたんです。

そんな中、韓国で商材を作っている『BLINK LASH(ブリンクラッシュ)』を知り、代理店契約を結んだことが本格的な商材開発の第一歩となりました。『BLINK LASH』の代理店時代に私が商品開発を手掛けたものがいくつかあるのですが、Mカールもそのうちの1つです。

Mカール開発秘話 ~固定概念を覆すことの大変さに尽きる~

徳永様インタビュー記事

徳永さんの代名詞であるMカールについて、開発エピソードをお聞かせください。

当時、接着面積が大きく、スッと立ち上がったカールとしてLカールの人気が高まっていました。ところが、下向きまつげの人が多い日本人にLカールを装着すると、まつげがより下を向くため影ができてしまいます。「そもそも接着面積も大きすぎるのでは?」という疑問も抱いていました。

少し数学的な話になりますが、エクステはカールを大きくすると、湾曲した分、前方へせり出してしまうため、パチッとした立ち上がりからは遠のいてしまいます。つまり、カールを小さく収めない限り、まつげを手前からパチッと立ち上げることはできない…。根元からビューラーで上げたような日本人に似合う自然なデザインは、Lカールでは作れない、というところから生まれたのがMカールです。

Mカールを開発するにあたって、大変だったことはありますか?

マツエクに対する【固定概念】を変えることにすごく苦労しました。Mカールを受け入れてもらうためには、マツエク=カールが付いているものという認識を覆さなければなりません。加えて、接着面積が大きい=モチが良いという認識も…。
Lカールに比べて、Mカールは接着面積が小さいですが、接着面積が小さくてもエクステが取れるわけがないということを信じてもらうことが本当に大変でした。

もう何万回説明したんだろうって思うくらい(笑)。毎日同じことを繰り返し伝えていたという印象ですね。もちろん伝える相手は、アイラッシュ施術者です。マツエクの場合、施術者側が納得し、取り扱いをしない限り、一般ユーザーに認知されることはありませんから。

そこまでして徳永さんが説得し続けたのは、やはりMカールに自信があったからでしょうか?

徳永様インタビュー記事

自信とは違うかもしれません。骨格に凹凸のない日本人の顔に、長くてくるんとカールしたエクステを付けても似合う人は限られてくる。根元からスッキリ立ち上がった、もっと似合うカールがあっていいはずだ!という本当にそれだけなんですよね。

女性の数だけ個性がある ~自分自身のキレイの定義を作って良い~

徳永さんが考える、これからの美容業界で大切なこととは?

個性が大切だと考えています。どれだけ人の印象に残れるかが重要なんです。サロンの数も美容の種類も増えてきている中で個性を出すなら、何らかのメニューに特化した専門店がもっと出て来るべきではないでしょうか。

女性の数だけ個性があり、女性たちはそれぞれの個性に合ったサロンを探しています。そんな女性たちに見つけてもらえるよう、サロン側は表現し続けなければならない。見つけてもらうための近道は、自分たちの思う王道を見つけること。そうすれば、個性のある、強みのあるサロンになれると思います。

私がMカールはキレイだと感じるように、みなそれぞれキレイの定義があると思います。もしその定義が一般常識と離れていたとしても気にすることはありません。自分でキレイの定義を作ったって良いんです!これが、個性に繋がるはずです。これからも、その人に合ったキレイを全力で作ってあげてください。

まとめ

エクステはカールが付いているもの、そして接着面積が大きいほどモチが良いものという固定概念を覆すことが、本当に大変だったと語る徳永さん。しかし、受け入れられるまで何度も説明をし魅力を伝え続けた結果、Mカールは世界的に売り上げを作る人気のカールとなっています。すべての原動力となっているのは、徳永さんが持つキレイの定義への確固たる自信。「人と違っていてもいい、自分の王道を見つけることで個性が生まれる」という徳永さんの教えは、きっと多くの施術者の道しるべに、そして支えとなる言葉となるはずです。

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