アイビューティー業界にDX革命を!未来を切り拓くwowwe株式会社代表・虫鹿さんにインタビュー

急成長を遂げるアイラッシュサロン「MARIE TERESIA」を全国に展開するwowwe株式会社。今回は、代表取締役社長CEOの虫鹿正敏さんにインタビューを行いました。虫鹿さんは、美容師としての現場経験を活かしながらも、時代の流れを見極め、戦略的なM&Aを通じてアイラッシュ事業を拡大。現在は、業界の仕組みごと変えるべく、新しい取り組みにも注力しています。一体どのように会社を成長させたのか、また虫鹿さんが考えるアイ業界の未来について伺いました。
【経営者プロフィール】虫鹿正敏さんとは
wowwe株式会社 代表取締役社長CEO 虫鹿正敏(むしか まさとし)さん
2008年 ヘアサロンREBORN創業
2011年 株式会社コントリビューション設立
2014年 トータルビューティーサロン REBORN Speciality Storeオープン
2018年 トータルビューティーサロン REBORN Speciality Store稲沢オープン
2019年 アイラッシュサロンH3を買収
2022年 アイラッシュサロンMARIE TERESIA設立
以降 MARIE TERESIAを全国展開
2022年 株式会社コントリビューションからwowwe株式会社へ社名変更
2024年 Maison Ailes株式会社設立
同年 MARIE TERESIAの店舗拡大を続ける中、姉妹店roseo snowオープン
愛知県名古屋市に本社を構えるwowwe株式会社。2025年5月現在、アイラッシュサロン「MARIE TERESIA(マリーテレジア)」を全国に44店舗展開しており、直営店に加え、フランチャイズ店舗も拡大しています。また、「Maison Ailes(メゾンエール)」では、プロ仕様のコスメや美容家電を扱うECサイトも運営。さらに今年、上場に向けたアイラッシュ事業強化のため、へアサロン事業から完全撤退したという虫鹿さん。最近では美容メーカーとしての製品開発にも注力するなど、次なるステージへと歩みを進めています。
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―さっそくですが、wowweが運営するサロンの強みを教えてください
弊社のアイラッシュサロンは、「安い・早い・上げる」がコンセプトです。中でも“まつげを上げる”点には特段こだわっていて、私が美容師だったときの経験を活かし、カラー剤やパーマ剤を調合する際の技術をラッシュリフト剤の扱いにも反映させていることが大きな特徴です。最近では、私やトップアイデザイナーが開発に加わりながら、よりまつげが上がり、カールが持続するラッシュリフト剤の自社開発にも取り組んでいます。将来的には、自社だけでなく他のサロン様にも導入していただけるよう展開していくつもりです。
直感と戦略でトレンドの一歩先へ―アイサロン事業の成功の裏側
出典:wowwe公式HP
美容室運営のノウハウ×コロナ禍の需要予測がヒット!
―アイサロン事業へ参入したきっかけは?
かつては地元愛知県でヘアサロンを3店舗運営しており、うち2店舗はネイルやエステ、アイラッシュも扱うトータルビューティーサロンでした。その2店舗はヘアの売上が利益の大半を占めていたのですが、当時エリア内に唯一あった美容学校が廃校になり、美容師の求人難が訪れたことでサロンを手放す決断を迫られたんです。
同時期、アイサロン「H3」のコンサルを請け負っていたのですが、都市エリアではアイラッシュサロンの売上が非常に良いことを知りました。そこでH3を買収し、ヘアサロンで培った運営理論を活かしながら人員や店舗を整理したところ、即黒字化に成功。このできごとが、アイラッシュ事業に注力する最初のきっかけになりました。
―現在のラッシュリフトの需要をいち早く予測されたとか?
H3を買収したころ、コロナ禍に直面しました。しかし、1回目の緊急事態宣言が明けた際、全体の9割がマツエクだったメニューの比率が、1日ごとにラッシュリフトに移行していることに気付いたんです。1週間後には完全に逆転し、その流れを見てすぐに全店舗のメニューをラッシュリフト中心に切り替えました。当時、HotpepperBeautyのランキングで東海地方の上位に入ることはありましたが、この決断のおかげで、一気にトップまで登り詰めることができました。
―ラッシュリフトの時代が到来した理由についてどうお考えですか?
1つ目は、コロナ禍で行動が制限される中で、リペアが必要なマツエクは来店のタイミングが難しくなったことにあるでしょう。2つ目は、ナチュラル志向やまつ育への感心が高まったことです。マスクをしていると目元に注目が集まりますが、マツエクだと派手になりすぎる。当時を振り返ってみても、スピーディーにメニューを切り替えたことが大きな需要をつかめたと実感しています。
「出会い」がきっかけで美容師から経営者へ
―そもそも、なぜ美容業界へ?
もともとは父の勧めで警察官を目指していました。しかし、試験前に首を骨折してしまい、「自分が本当にやりたいことは何か?」と向き合う時間ができたんです。そこで、ファッションや髪の毛を触ることが好きだった私は、美容師になる決意をしました。
―美容師から経営者に方針転換したきっかけを教えてください
最初に就職した美容室は半年ほどで辞めてしまったのですが、その後諦めきれず別の美容室に就職。そこで出会ったオーナーとの出会いが、私に経営者としての道を意識させる大きなターニングポイントになりました。美容師は技術を極める“職人”の世界ですが、経営となると“ビジネス”の視点が欠かせません。ある店舗を任された際、美容師として現場に立ちながらマーケティングやマネジメントを学び、良い成果を残せた経験が経営のおもしろさに目覚めるきっかけとなりました。
“wowwe”という新しい概念が組織を育てブランドを築く
出典:@masatoshi.mushikaさん
―wowweに込められた想いとは?
「wowwe」は、「wow(驚き・サプライズ)」と「we(私たち)」を掛け合わせた造語です。前社名の「コントリビューション」は“貢献”という意味がありましたが、トレンドに敏感なお客様に「また行きたい!」と思ってもらうには、何度訪れても新鮮な体験ができる場所を目指す必要があると考えています。
―会社設立から現在まで意識していることは何ですか?
マネジメント側の人間が店舗を管理できるのは、多くても3~5店舗です。だからこそ、人を育てなければさらなる拡大はできない。そこで私は、最初から「早く役職につける人材を育てること」を念頭に、組織育成を優先的に行ってきました。弊社ではとくにチャレンジできる環境を重視していて、挑戦があってこそ人は育つと考えています。現在、社員数は200名を超え、本部に18名、取締役に6名が就任していますが、役職についている者は全員、外部からの採用ではなく叩き上げの社員なんですよ。
―その中で、虫鹿さんが経営者として大切にされていることは?
「どれだけフェアでいられるか」に尽きます。お客様第一主義でも、スタッフファーストでもなく、すべてのステークホルダーに対して公平であること。その上で、社内でやる気がある人がいれば、しっかり引っ張り上げられる、そんな組織でありたいと思っています。
アイビューティー業界を次のステージへ―wowweの挑戦
出典:@masatoshi.mushikaさん
―虫鹿さんが考える、業界の今後とは?
今後は、施術だけではない新たな価値の提供が求められる時代になってくるのではないでしょうか。例えば弊社では最近、タイアップ企業の製品を自社サロンに導入し、お客様に体験していただいた上でECサイトへつなげるといった取り組みを実践しました。あらゆる分野でDX化(デジタル技術でビジネスモデルを変えること)が進む中、アイサロンも施術・物販するだけの場所にとどまらず、24時間365日、常にお金が動く環境へと進化していくべきです。
―wowweの今後の展望は?
アイサロンのDX実現に向け、私たちwowweが先頭に立ち、業界の未来を切り拓く存在でありたいと考えています。上述したフィジタル(現実+デジタル)広告事業の他にも、AIを導入し、人材育成をフルリモートで完結できる仕組みを整えているところです。弊社ではすでに、直営店・フランチャイズに関わらず五大都市どこでも研修を受けられる環境を整えています。今後リモート化をさらに進めることで、研修コストの削減はもちろん、現場にありがちな指導者との相性による離職率の低下も目指していくつもりです。多言語対応も視野に入れており、グローバルなインフラ構築を通じて、アイ業界のさらなる変革に挑戦し続けます。
―最後に、次世代のサロンオーナー・アイデザイナーにメッセージをお願いします。
私は今41歳ですが、人生のターニングポイントでは、いつも誰かが自分のために言葉をかけてくれました。先を行く人たちの意見やアドバイスがあったからこそ、ここまで来れたのです。もし、独立や仕事を続けるか悩んでいるのであれば、ぜひ信頼できる人の意見に耳を傾けてみてください。そして心が折れそうになったときは、“忘れる”ことを意識して、ネガティブな思考を断ち切ることが大切です。夢を叶えるために、あきらめが悪い人でいましょう。やりたいことに向かって、これからもチャレンジし続けてください。
まとめ
美容師からスタートし、サロンオーナーの経験と独自の鋭い視点を武器に、アイラッシュ業界で着実な成長を遂げてきた虫鹿さん。時代の変化を的確に読み取り、新しい事業にも果敢に取り組むその姿からは、挑戦し続けることへの信念が伝わってきました。アイサロンにテクノロジーを掛け合わせた、未来を見据えた取り組みの数々にも注目せずにはいられません。これからのwowwe株式会社のさらなる飛躍を、Beauté編集部では引き続き追いかけていきます。
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