業務委託制度を導入し”人が集まる”サロン作りを。ベッキーラッシュ代表浅野英明氏インタビュー

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今回インタビューさせていただいたのは、全国展開のマツエクサロン「BECKY LASH(ベッキーラッシュ)」を経営する、株式会社Becky Lashの代表・浅野英明さん。業務委託制度のあるマツエクサロンの先駆けとして、スタッフとお客様両方のことを考えたサロン作りを実施。浅野さんがマツエク業界に参入した理由やBECKY LASHの今後の展望、大切にしていることなどを教えてもらいました。

【経営者プロフィール】浅野英明さんとは

"インタビュー 株式会社ベッキーラッシュ浅野社長"

2011年 ネイルサロン「KALLY NAIL」オープン
2013年 ネイルサロン「Bel canto」オープン
2014年 合同会社Becky Lash創業 合同会社 Dot・Make設立
2015年 合同会社 Dot・Make法人化
2017年 合同会社Becky Lashと合同会社Dot・Makeを統合、株式会社BeckyLashを設立
2021年 「eyelash&eyebrow salon MII」「men’s salon LoY」オープン

マツエク、ネイル、エステ、脱毛と、幅広くサロンを展開。自社研修による技術向上制度を設け、他では真似できない低価格サロンを実現し、現在は、ネイルサロン1店舗、マツエクサロン19店舗、メンズサロン1店舗の、合計21店舗のサロンを経営。

「単価は高いのに給料は安い」そんなマツエク業界に一石を投じた

マツエクサロン「BECKY LASH」をスタートしたのは、2014年のこと。「サロンで提供するメニューは単価が高いにも関わらず、働くスタッフが受け取る給与は低い」これが、当時私のマツエクサロンに対する印象でした。細かな作業の連続で、労働時間はゆうに12時間を超えることもあるという労働環境にもかかわらず、スタッフを受け取る給与は、手取りで18~20万円ほど。それを踏まえ、「果たしてそれで良いのだろうか?」、「スタッフがもっと稼げる、働きやすい環境が作れないだろうか?」と考えたのが、マツエクサロンを運営するきっかけです。

お客様にとってもっと分かりやすく、もっとリーズナブルな価格でサービスが提供できれば、より喜んでもらえるのではないかという想いから「何度来ても同じ値段」という明瞭会計をコンセプトにしました。エクステ120本4000円、2週間以内のリペア2000円、3週間以内のリペア3000円など、低価格で分かりやすいメニュー設定を重視したんです。

業務委託制度を定着させ、人が集まるサロン作りを叶える

BECKY LASHの特徴でもある働き方について教えてください。

BECKY LASHでは、正社員とパート、業務委託という3つの働き方を用意しており、生活に合わせた働き方を選択できるようにしています。当時特に珍しかったのは、マツエクサロンにおける業務委託という働き方。今は業務委託制度を取り入れているマツエクサロンもたくさんありますが、私がサロンをオープンさせた当初は成功事例がほとんどなく、私たちのサロンが先駆け的存在でした。完全歩合制で、材料費や場所代などの自己負担はなし。集客や広告も会社が行うため、スタッフの負担もありません。現在、業務委託という働き方を選択しているのは、全スタッフのおよそ8割。歩合制という働き方に魅力を感じてくれているスタッフがたくさんいます。

オープン当初、ほかのサロンで働いていたスタッフが業務委託で入社すると、最低でも月収30万円になると伝えていました。「本当にそんなにもらえるんですか?」と半信半疑の声をいただくことも少なくありませんでした。しかし、実際に給与に反映していることを理解してもらえれば、やはりやる気につながります。頑張りに見合った給与によりスタッフのやる気や責任感を引き出すことで、サロンが活性化。良い循環ができたと思っています。

BECKY LASHが業務委託という働き方の先駆者だったのですね!成功事例がなかった業務委託が成功した理由について、どのように考えていますか?

やはり、メニューと時間配分、給与体系の3つが揃っていたからではないですかね。いつ来ても変わらない価格のメニュー、施術時間60分・リペアなら30分というようにメニューに応じた時間配分、頑張りが反映する給与体系の3つを軸に、スタッフに対してもお客様に対しても分かりやすさを重視していることが、BECKY LASHの特徴であり、成長を続けてきた理由だと思っています。

では、サロン作りにおける今後の目標を教えてください。

ありがたいことに、BECKY LASHは現在全国で店舗を構えるまでに成長しました。コロナ禍の影響ももちろん受けていますが、そんな中でも今年に入り新たに2つの店舗をオープン、さらにもう1店舗増える予定です。閉店するサロンも増えていますが、コロナ禍に新店をオープンする不安はありません。現状の逆境をチャンスに変える攻めの姿勢を大切にしたいですね。今はお客様とダイレクトにつながることのできるSNSの影響も大きいため、今後はSNSや自社アプリを活用した集客にももっと注力していきたいもと考えています。

サロンはサービス業であるため、技術が平準化された今、お客様が望んでいることを再現できるか否かが、サロンの質を左右します。水準レベルの技術を保ちながら、さらに高い接客レベルを目指す、これが、BECKY LASHの今後の目標です。

浅野様が考える、アイラッシュ業界、美容業界の将来とは?

弊社では今年の9月には大阪梅田茶町に男性専門のアイブロウサロン「men’s salon LoY」をオープンしました。美意識の高い男性が増えている背景もあり、男性向けサロンのニーズが今後もっと増えていくのではと考えています。

また、今後は、ヘアやマツエク、ネイル、エステなど、ひとつのサロンで複数の施術を受けることができる複合的なサロンがどんどん増えていくと考えています。しかしながら、専門サロンだからこそ提供できるクオリティの高さやお客様満足など、専門サロンには専門サロンならではの強みがあるはず。専門サロンという路線はそのままに、質の高い技術やサービスを引き続き提供していこうと思っています。サロン運営により、携わる人たちに貢献ができれば良いですね。スタッフやお客様という枠を超えて、誰かが楽しく過ごせるお手伝いができればうれしいです。

浅野さんの経営理念とは?

経営理念といった大それたものは、正直ありません。ただ、人が集まるサロン作りをし続けるために、どうしたら良いのかを常に考えているだけ。ここで指している「人」とは、お客様はもちろんですが、サロンで働くスタッフのことでもあります。スタッフがいないとサロン運営自体が成り立たないですし、お客様が来ないとスタッフも働いていけません。

大切にしているのは、サロンの雰囲気や就業環境を含め、スタッフが「このサロンで働きたい!」と思うようなサロン作り。スタッフが集まるサロンなら、そこからお客様につながる循環が生まれると考えています。また、スタッフにとってもお客様にとっても、明瞭で分かりやすいことが何よりです。スタッフのことを考えた分かりやすい経営に重点を置いて、今後もサロン運営に励んでいきたいです。

まとめ

スタッフにとってもお客様にとっても「分かりやすさ」を重視した経営が、浅野さんのモットー。サロン運営において、何事も「人」を第一に考えていることが、インタビューを通して伝わってきました。今後も攻めの姿勢をもって、施術者が働きやすく、お客様が来店しやすい、人が集まるサロンを展開していってくれるはず。浅野さんの今後の活躍にも引き続き注目していきたいです。210916Ess

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