“真に”必要なものでアイリストをサポート|中野沙耶香氏インタビュー

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『株式会社ジルフィー』、『株式会社ラシェストジャパン』、『株式会社LTA』、3つの企業の代表取締役を務め、アイラッシュサロンやアカデミーの経営、講師として活躍しながら、アイリスト向け商材の開発も手掛ける中野沙耶香氏にお話をお聞きしました。アイラッシュ業界の第一線で経営者として躍進する中野さんの今にいたるバックグラウンドや、マツエクを通じてのお客様との向き合い方、商品開発のこだわりなど、たっぷりとお届けします。

【経営者プロフィール】中野沙耶香さんとは?

ラシェストジャパン代表 中野さまインタビュー

『株式会社ジルフィー』、『株式会社LTA』の代表取締役としてアイラッシュサロンやアカデミーを率いるかたわら、アイリスト向け商材を扱う『株式会社ラシェストジャパン』代表取締役としてプロ用商材「Lashest lashcouture®︎」をプロデュース。
アイリストとして国内外のコンテストで数々の賞を受賞した経験をいかし、アイラッシュ業界全体の技術やマインドの底上げのため講師としても活躍。技術者としての勘を鈍らせないためにも、現在は指名のお客様のみの予約を受け可能な限り現場に立ち続けたいそう。

【略歴】

2006年 株式会社ジルフィー創業

2007年 社団法人日本まつ毛エクステンション認定機構 第一期認定講師・検定試験審査官

2012年 講師活動開始

2014年 美容サロン向け技術講習インストラクターとして活動

2015年 ボリュームラッシュ導入

2016年 Los Angeles、Englandでボリュームラッシュトレーニング受講

            4月 ボリュームラッシュ講習スタート

            8月 Lashest Technical Academy設立

2017年 Tokyo_eyestagram 立ち上げメンバーとして参加

2018年 3月 株式会社ラシェストジャパン設立

       9月 株式会社LTA 設立

            プロ用商材ブランド『Lashestlash couture®︎』プロデュース

2020年 9月 特許技術アジャストリフトテクニックセミナー開始

マツエクとの出会い~施術者からプロデューサーに~

中野沙耶香氏インタビュー

実は教員経験があるという中野沙耶香さん。アイラッシュ業界を目指されたきっかけは?

学生時代は、幼稚園や小学校の教員を目指して勉強してきました。もともと子供が大好きなので子供に囲まれる日々は充実していて楽しかったんですが、ある日ふと、ノーメイクにジャージイン、砂まみれで給食を楽しみに生徒とはしゃいで手を洗っている自分の姿が鏡に映り、衝撃を受けました(笑)。幼稚園の時から「将来の夢は先生」で、ブレることなく教員を目指し大学に入りましたが、その頃から他にも何か経験してみたいという思いが生まれ、もともと興味のあったアパレル販売やネイリストなど全くの異業種に。

マツエクとの出会いは、16.7年前なのでまだマツエクが流行り出す前。通っていたネイルの学校の隣の教室でマツエクの講習をされていて、見たことのない技術に釘付けになっていたところ、講師の方にネイルに通ってるから半額で習えるよと声をかけていただいたのがきっかけです。私自身にまつげの悩みがあり、特に下まつげなんですが、細く短い下まつげに当時の私はマスカラ・アイライン必須だったので、この毛を下まつげに付けられないかな?と思い、新しいサービス「マツエク」にすごく興味を持ったんです。
実際に自分で試してみて、 「こんなにも変わるのか!」とその変化に感動したことを覚えています。技術の繊細さと「同じ」がない奥の深さにのめり込みました。

アイラッシュサロンをオープンするに至った経緯を教えてください。

教師以外の道に進むとしたら、どこかに勤めるのではなく「自分でなにかをやる」だろうなと中学生の頃から漠然とですが思っていました。私の性格上、組織ではなく自分の責任で働くことが適しているのでは?と、常々思っていたからです。
また「教師は免許があるから戻りたいと思ったら努力次第で戻れる。でも今は今しかないからやりたいと思うことを後悔しないようにやったらいい」と母が背中を押してくれたのが大きかったです。

当時(2005年頃)は、マツエクはまだ新しいサービスで講習も短時間でしたが、自分で体感し、試行錯誤。お客様の目元に施術するにはしっかりと知識や技術を習得しなければならないと感じ、いくつも講習を受け体感し自分なりのエビデンスを検証することを繰り返しとにかく 学びに時間をかけました。マツエクの知識と技術を身につけ入念に準備をし、その1年後、26歳のときに株式会社ジルフィーを設立町田にアイラッシュサロンを開業しました。

当時アイラッシュサロンは少数でしたがマツエクにチャンスをみいだした理由を教えてください。

私自身がマツエクをしてみて、「マスカラがいらない」「アイラインを引く必要がない」と感動したのがひとつ。さらに、当時はアイラッシュサロンが珍しく、ほかにないという意味でも魅力的でした。私が受けた感動と同じくらい(もしかしたらそれ以上に)施術後のお客様の反響がとても良く、感動し喜んでいただけることがとても嬉しかったです。
サロンを続けていく中で「中野さんじゃないと!」という声が、さらに大きな原動力になりましたね。同じお客様でもまつげのコンディションは都度違い、それを毎回同じ美しさに仕上げることに大きな達成感があります。お客様は自分のまつげを上から見ることはないですよね。技術者ならではの視点で、本当に美しい仕上がりにできること。マツエクはとても奥が深いと思っています。

さらにお客様に安心感をお届けできるよう、社団法人日本まつ毛エクステンション認定機構に加盟し、ご縁で第一期認定講師を引き受けました。業界の最先端の情報や知識を得ることができ、私自身の知見が広がりました。
そうした知見を増やしていく中で、お客様には私自身で “真に”質の高い施術を提供し続けたいという想いが強くなりました。目指すは本物を提供できる「老舗」になること。だからこそ、多店舗経営ということではなく、自分自身のサロンの深度を深めていくということに重点を置いていました。

マツエクへのこだわりが強い中野さん。そんな中野さんもマツエクから気持ちが遠のいてしまった時期もあったそうですね。

サロンを経営して、10年目ぐらいのことですね。アイラッシュサロンはその10年で何倍にも店舗が増えました。そんな中、クチコミサイトなどで人気サロンの研究をしていたところ、こんなことがありました。
クチコミで仕上がりの美しさが評価されているのに実際は十分な質ではないカウンセリングが評価されているのに施術を受けてみるとスピード重視で丁寧とはいいがたい…。
店舗が増えたことでお客様の分母も増え、コスパ重視・スピード重視などお客様が求めるものも変化してきたのだと思います。

仕上がりやカウンセリングに、そしてマツエクをすることでの感動を提供したいと思うからこそ、こだわって施術をしていましたが、「お客様はそこまで求めておらず、私の想いも届いていないのでは」「私じゃなくてもいいのかも」と思ってしまうようになったんです。「もうマツエクじゃなくてもいいのかな…」なんて、当時は考えていました。マツエクへの情熱が少しずつ冷めてしまっていたのかもしれません。

そんな壁を乗り越えて施術者から講師に、さらに商材のプロデューサーになられた転機を教えてください。

中野沙耶香氏インタビュー

その当時、海外で人気が出始めていたボリュームラッシュが日本にもやってきたこと大きな転機なんです。常連のお客さまに施術させていただいたら、反応がすごく良かった!そのときの感動が、アイラッシュサロンを始めたときに感じたやりがいを思い出させてくれたんです。
ボリュームラッシュは、体質などでまつげが少ない人の悩みも解決できると活路をみいだしました。当時、日本ではまだまだ充実した講習がなかったこともあり、ロスやイギリスに渡り講習を受けたんです。新しい技術でしたので、仕上がりやもちなど、データをとりながらエビデンスを検証。あわせて当時流行り始めていたインスタでボリュームラッシュについて投稿したところ話題になり、一気に広まっていくのを感じましたね。

しかし、ボリュームラッシュには高度な技術が必要にもかかわらず、十分にトレーニングされないまま施術が広がっていくことにも懸念がありました。そこで、ボリュームラッシュの正しい技術を正しく広めたい基礎的な部分を理解した上で施術してほしい、という想いからアカデミーを開くことを決意。協会理事からの「中野のボリュームラッシュなら安心だ」というお声も後押しになりました。
講師を始めたことで、受講者それぞれが技術やマインドを自身のサロンに持ち帰り、それがお客様に提供されることで、“真の”感動を倍々にして広げていけることを実感し、すごく嬉しい気持ちになったんです。

アイリスト向け商材の展開については、講習で効率が上がらない生徒さんを見て、使用しているエクステやツイーザーが原因ではないかと気づいたことがきっかけです。道具ひとつにしても、個人に合う・合わないがあります。多くの技術者が快適に施術できるよう、さまざまな商材をそろえていった結果、いつのまにか広まりました。プロデュース商材を含め、扱うものはプロのアイリストのために技術者目線でここにしかないものを厳選しています。

中野氏が考える美容業界やアイラッシュ業界の未来とは

美容業界やアイラッシュ業界は今後どうなっていくと思われますか?

女性が「美」を求める限り、美容業界は衰退しないと思います。いつまでも美しくありたいと願う人が増えることで、お客様の年齢層やニーズも広がっていくのではないでしょうか。お客様の悩みを見極め、必要な施術方法や商材、テクニックをトータルに提供できる、引き出しが多い技術者やサロンが残っていくと思います。

アイラッシュサロンは、お客様が美しくなるためにいらっしゃる場所。だからこそ、質の高い技術や幸せを提供できる、本当の意味で上質な空間や時間、感動を伝える場所だと思っています。私たちアイリストは、お客様に月に1度しか会えませんが、2週間後、3週間後に「美しいシルエットが保てたな」、「扱いやすかったな」と満足してもらえる技術を提供できるアイリストが増えたらいいなと思います。私はそれを商材や講習でサポートしていきたいと思っています。

【経営哲学】中野氏の経営理念とは

中野沙耶香氏インタビュー

中野氏の経営哲学をお聞かせいただけますか?

「代わりが効かない」「ここだからこそ得られる」「感動を与えられる」教育、モノづくりという部分を大切にしています。
サロンに関しては、「ここじゃないと」と、お客様に選ばれる存在でありたい。老舗を目指したいという想いにもつながります
商材やアカデミーに関しては、「ここでないと手に入らない」「技術者だからこその視点」を常に念頭においています。技術者に感動を届けられるようなものを開発していきたいですし、「ここでないと学べない」価値のある講習を提供していきたいです。どんなに時間を要しても妥協せず、真価にこだわり、正しい物や正しい技術を世の中に送り出し技術者をサポートしていきたいと思います。

まとめ

今回の取材で、本物の技術者のため、ひいてはお客様の感動のために価値ある商材や正しい知識・技術を提供したい、という熱い想いを語ってくださった中野さん。真のクオリティにこだわる姿勢や、「目指すは老舗」という言葉に心を動かされたアイリストもいるのではないでしょうか。今後のご活躍にも注目していきたいですね。Esm210416

アカデミー

<実績>
・ボリュームラッシュ講習   
開始5年、国内外、全国からご受講いただき現在3500人以上の卒業生を輩出しています。特許技術、lta式ピックアップ法バウンズを考案。
・アジャストリフトテクニック
国内のみならずシンガポール・カナダ・アメリカなど海外からも多数ご受講いただき、受講総数は半年弱で1780名の方にご受講いただいています。

商材メーカー

<実績>
Usマットグードラッシュの取扱サロンさんが現在全国で約7750店舗となっています。

<商材開発実績>
・最軽量UsGourd Matto lash
・ツイーザー ちび子/ロング/フラミンゴ/ONAOSHI
・MAMORU
・CUVS−コンパクトUVステリライザー
・幹細胞エキス配合アイラッシュクレンザー
・LOSSLESS volumelash
など。販売開始1時間で完売

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