他業種に学ぶ!マツエクサロンでも真似したい「ホスピタリティのある真心接客」とは

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技術職と同時に接客業でもある、アイリスト。スクールの授業やサロンの研修で接客について学ぶとき、「ホスピタリティ」という言葉を見聞きすることがあるでしょう。しかし、「ホスピタリティ」がどのようなもので、「サービス」とは何が違うのかをしっかり区別できている人は、案外少ないもの。そこで今回は、サロンのファンを作るために大切なホスピタリティに迫ります!ホスピタリティを具現化している他業種の事例も参考にしながら、マツエクサロンでもできる心のこもった接客について考えてみましょう。

「ホスピタリティ」とは?なぜ大切なの?

まずは、ホスピタリティの内容と大切さについて、再確認しておきましょう。

ホスピタリティとは? 

アイリストのみなさんに「ホスピタリティとは、何だと思いますか?」と質問したとき、「真心のこもったサービス」という答えが返ってくるかもしれません。しかし、実はホスピタリティとサービスはまったくの別モノ。それぞれどこが違うのか、語源をひも解きながら見ていきましょう。

 

語源

相手との関係性

意味

サービス

ラテン語のservus

(「奴隷」の意味)

主従関係

主人である相手に奉仕する

ホスピタリティ

ラテン語のhospes

(「すぐれて客人歓待を具現する者」の意味)

対等な関係

相手を対等な関係ととらえ、手厚くおもてなしする

上記のことを、接客業に置き換えてみましょう。
まず、接客業におけるサービスとは、

主人であるお客様からの要望を受け、奉仕すること
マニュアル通りにきちんと業務をこなすこと

と言えそうです。
一方、接客業におけるホスピタリティとは、

言われなくてもお客様の要望を察して、行動すること
マニュアルになくても、お客様が喜ぶようもてなすこと

となるのではないでしょうか。
つまり、接客する人が自ら考え、お客様に対応することこそ、ホスピタリティというわけです。

ホスピタリティが大切な理由 

以前、こちらの記事でも紹介しましたが、

アイリストは、「どのようなサービスを提供するとお客様に喜ばれるのか?」を追及することも、大切な仕事のひとつ。
また、こちらの記事では、

「期待を超える接客をして初めて、お客様が感動し、リピーターになる」ということもお伝えしましたね。
つまり、接客にホスピタリティが感じられるサロンは、お客様の定着率がアップ。また、真心のこもった接客はサロンの売りにもなるため、他のマツエクサロンとの差別化も図れるのです。
また、ホスピタリティあふれるサロンにするためには、アイリストの育成が重要になります。
研修で、先輩アイリストは答えばかりを与えてはいけません。その理由は、指導を受ける側のアイリストが、自ら考える癖を付けるため。受け身で研修に参加しても、「お客様を思いやる気持ち=ホスピタリティ」は身に着きませんよね。また、マニュアル通りの業務をそつなくこなしたとしても、それは単なるサービスに留まってしまいます。

研修であれ実践であれ、ホスピタリティを意識しながら、
「お客様が求めているデザインは、これかな?」
「ホームケアの仕方を提案すれば、もっと喜んでもらえそう!」
「お急ぎのようだから、今日はスピーディーに仕上げよう」
などと、常に考えながら行動することが大切なのです。

ザ・リッツ・カールトン、オリエンタルランド等…他業種の例

ここでは、接客でホスピタリティを重視する3つの企業について、実際に行われた事例を紹介します。

ザ・リッツ・カールトンの事例

ザ・リッツ・カールトンといえば、世界トップクラスの高級ホテル。さらに、ホスピタリティあふれる充実したおもてなしも有名で、多くの人々を魅了し続けていますよね。
こちらのホテルでは、従業員に1日2,000ドルの決裁権が与えられています。それをもとに、お客様の要望を期待以上にサポートしたり、データベースの顧客情報から先回りして、素敵な演出をしたりするのだとか。

例えば、

「ホテルに忘れた書類やメガネを、従業員が新幹線や飛行機に乗って届けてくれた」

    • 「1度宿泊すると、次回からはほとんどの従業員に『○○様』と名前で呼ばれた」

    •  

 

      • 「プロポーズの予定を伝えると、小さな打ち上げ花火や、シャンパンと花束の演出をしてくれた」

      •  

 

        • 「以前、系列の別ホテルに宿泊して注文したものと同じ、好みの寝具が用意されていた」

といった事例があるようです。
そして、世界中の系列ホテルで生まれた顧客感動体験を「ワオ・ストーリー」と呼び、従業員がミーティングで共有しています。

オリエンタルランドの事例 

東京ディズニーランドや東京ディズニーシーを運営する、オリエンタルランド。こちらの企業も、ゲスト(=来園者)のハピネス(=幸福)のために、キャスト(=従業員)によるホスピタリティを重視しています。オリエンタルランドでも、ゲストのことを考えて取る行動の多くは、キャストに一任されているのだとか。
例えば、こんなエピソードがあります。

 

 

      • 「アトラクションの大きな池に落とした結婚指輪を、池の水を抜いて探し出してくれた」

      •  

 

        • 「東日本大震災の発生時、落下物から頭を守ってもらおうと、商品のぬいぐるみがゲストに配られた」

        •  

 

          • 「帰ろうとしたゲストに『これから素敵なことが起こります』と夜空を指し示し、打ち上げ花火を見せた」

          •  

 

            • 「子どもの命日に来園した夫婦に、施設内のレストランが親子3人分のテーブルセッティングをした」

…どのエピソードも、概要を聞いただけで胸が熱くなるような事例ではないでしょうか。
上記以外でも、ホスピタリティを実践している企業はたくさんあります。ホテル業界の星野リゾートグループや、飲食業界のスターバックスコーヒーなどが有名かもしれませんね。

経済産業省の「おもてなし経営企業選」では、日本全国から選ばれた企業の取り組みを紹介しています。ぜひ、チェックしてみてくださいね。
では、他業種の事例を参考にしたとき、マツエクサロンでは、どのようなホスピタリティのある接客ができるでしょうか?

マツエクサロンでも真似できるホスピタリティ接客例

先ほど紹介した事例を、「素敵な取り組みだけど、大企業だからできること」と片付けてしまうサロンもあるでしょう。しかし、接客のヒントと捉え、「サロンにも応用できることがないか?」と参考にすることもできるはず。
例えば、ザ・リッツ・カールトンの事例からは、

お忘れものがあれば、すぐにお客様へ確認を取る(場合によっては発送対応)
「お客様」「あなた様」ではなく、親しみを込めて必ずお名前でお呼びする
施術後にデートの予定があると伺えば、仕上げに良い香りのクリームをお塗りする
ご来店前に、お客様の好みに合わせてベッドの角度や、空調の強弱を調整しておく

といったことが、サロンでも真似できそうです。
ただし、サロンの規模によっても行えるホスピタリティは違いますよね。そこで「個人サロンや小規模サロン」と「大手サロン」に分けて、考えてみましょう。

個人サロン・小規模サロンでできるホスピタリティ接客例 

接客の方法に比較的自由が利きやすい個人サロンでは、ホスピタリティを実践しやすいかもしれませんね。
例えば、乳幼児のママや働くママなど、普段自分の時間があまり持てないお客様へは

ベッドの近くにおもちゃを置き、お子様に遊んでもらう
気分や体調を伺い、お客様に適したアロマをたく
陶器のティーセットで優雅なドリンクタイムを提供する

といったおもてなしができるでしょう。
また、繁忙期や予約が多い日でも、

お名前入りウェルカムボードやウェルカムカードで、歓迎の気持ちを表す
後日、手書きのお礼状送付や、ご様子伺いの電話を行う

などをして、お客様の心をつかんでいるマツエクサロンもあるようです。

大手サロンでできるホスピタリティ接客例 

一方、大手サロンでは、規模の大きさやスタッフが多いことを武器にしたホスピタリティを発揮できるでしょう。
例えば、

施術中、保育士や他のスタッフがお子様を預かる
雨の日は、玄関先で傘をさしたスタッフがお出迎えとお見送りをする
暑い日や雨の日は、入店後レセプションがすぐにタオルをお渡しする

といった心配りが行えそうです。
また、回転率が高く、来店中に満足の行くフォローが行えないサロンでも

前回のデザイン・次回のおすすめメニューなどを手書きしたカードを用意する

HotpepperBeautyやSNSなどで、施術後の相談を随時受け付ける

などを行い、ホスピタリティを補っているところもあります。

まとめ

ホスピタリティとは、マニュアルを超えてお客様を手厚くおもてなしすること。それにより、サロンのリピーター増加が期待でき、他のマツエクサロンとは一線を画すことができるでしょう。ホスピタリティのある接客をするためには、アイリストの育成がひとつの重要な課題。指導者は答えを与えるだけではなく、研修を受けるアイリストが自ら考えて行動に移せるような投げかけを、適宜行わなければなりません。
ホスピタリティのある接客を取り入れるためには、まず、ホスピタリティを具現化している企業の例を参考にすることがおすすめ。そこから、「サロンでもできそうなおもてなしはないか?」と検討し、実際に真心のこもった接客に取り組むことが重要なのです。どんなことをすればお客様が喜んでくださるか、お客様を驚かせることができそうか。そんなことを考えながら接客すると少し世界が違って見えるのではないでしょうか?ぜひ明日から実践してみてくださいね。181001Eih

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