「医療用グルー」ってどんな人にオススメ?メリット・デメリットを知っておこう

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「医療用グルー」という表現を、みなさんはどう感じますか?もし「何が変なの?」と不思議に思っているなら、グルーの知識を再度振り返った方が良いかもしれません。なぜなら、マツエクのグルーに「医療用」はないのですから。今回は、アイリストでもつい誤解しがちな「医療用グルー」について勉強していきましょう。

「医療用」は間違い!「医療グレードのグルー」とは?

医療グレードのグルーとは、ブチルグルーのこと。まれにブチルグルーを「医療用」と表現している商品がありますが、ブチルグルーはあくまで“医療グレード”であり、“医療用”ではありません。

医療用とは、外科手術で止血するために使われたり、液体絆創膏のように使われる接着剤のこと。主成分はマツエクのグルーと同じブチルシアノアクリレートですが、医療用として使用する場合には、薬事法上に基づいて定められたさまざまな基準をクリアしていなければなりません。一方マツエクのグルーは、薬事法上「雑貨」に振り分けられているため、成分表示すら義務付けられていない状態。この時点で、医療用のグルーとマツエクで使用するブチルグルーは別物であることが分かりますよね。とはいえ、刺激性の低さは魅力で、成分も医療現場で使われているグルーと近いため、“医療グレード”と表現されているケースが多いのです。
では、医療グレードであるブチルグルーには、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?それぞれを詳しくご紹介します。

<メリット>

・ホルムアルデヒドの放出量が少ない
・柔軟性がある
刺激の少なさが魅力のブチルグルー。マツエクのグルーでいう刺激性とは、ホルムアルデヒドによる刺激を意味します。なぜなら、グルーが硬化する際に発生させるホルムアルデヒドは、目や鼻、喉などの粘膜にある水分に反応すると刺激を与える物質であるためです。万が一ホルムアルデヒドが目に入った場合は目が染みたり充血したりし、鼻に入ると刺激臭を感じ、さらに喉に入ると喉に痛みを感じるでしょう。その刺激の度合いは、ホルムアルデヒドの量によって異なるため、放出量が多ければ多いほど刺激性は強く、反対に放出量が少ないグルーは刺激が少なくなります。

ブチルグルーは刺激が少ない、つまりホルムアルデヒドの放出量が少ないため、施術中も目に染みにくく、刺激臭も少なめです。また、ホルムアルデヒドは一般的にアレルギー反応を誘発する可能性がある物質として知られていますが、その放出量が控えめであるブチルグルーは、施術中にアレルギーを引き起こすリスクが低いと言われています。施術時の不快感が少なく、アレルギーのリスクが低いことが、ブチルグルーを使用する大きなメリットと言えるでしょう。

また、硬化後の柔らかさも魅力のひとつ。マツエク装着後の目元の違和感も少なく済むため、エチルグルーだと気になってつい目をこすってしまう…というお客様でも安心して使ってもらえます。

<デメリット>

・エチルに比べて取れやすい
デメリットは、持続力の弱さです。エチルグルーの場合は装着面が少なくてもしっかりと接着できますが、ブチルグルーの場合は広い範囲にグルーを付ける必要があります。しかし、先ほども紹介した通り、ブチルグルーは硬化後も柔軟性があるため、違和感が少なめ。エチルグルーで目をこすってしまう人は、ブチルグルーの方が取り扱いが良くなるため長く持つケースも多々あります。

以上がブチルグルーのメリットとデメリットです。ブチルグルーにしかない魅力もあり、反対にやはりエチルグルーより劣る部分もあることが分かりました。お客様の体質や生活習慣、まつげの状態など、さまざまなケースに合わせて使い分けたいですね。

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では、ブチルグルーを提案したいお客様にはどのような特徴があるのでしょうか。

どんな人にオススメ?

刺激が弱く、ホルムアルデヒドの放出量が少ないブチルは
・敏感肌のお客様
・施術中に染みた経験のあるお客様
・エチルグルーだと目をこすってしまうお客様
にぜひ提案したいグルーです。

しかし、注意点がひとつあります。それは、アレルギー体質のお客様へのご提案。一般的に、アレルギー体質のお客様は、マツエクのグルーに対するアレルギーも発症しやすいと言われています。そのため、刺激の強い(ホルムアルデヒドの放出量が多い)エチルグルーよりも、刺激の弱いブチルグルーを提案したいところです。

とはいえ、ブチルグルーもアレルギーのリスクが低いだけで、可能性がゼロになるわけではありません。なぜなら低刺激が売りのブチルグルーであっても、硬化時には微量のホルムアルデヒドを放出。お客様の体質によっては、目がかゆくなったり、鼻水が止まらないなどのアレルギー反応を引き起こしてしまうためです。

そこで、アイリストのみなさんはできるだけパッチテストをオススメするようにしてください。パッチテストとは、両目に数本ずつ施術して、アレルギー反応が出ないかチェックするためのテストのことです。体質によっては目が腫れすぎてオフすることすら難しいほど重篤なアレルギー反応を起こす可能性もありますよね。しかしその場合、パッチテストの段階でアレルギーの初期症状が確認できる可能性が高いと言えます。もしパッチテストで症状が確認できれば、症状が軽い段階で対応できるでしょう。だからこそ、アレルギー体質のお客様には特にパッチテストをご案内する必要があるのです。

もちろん、例えパッチテストをクリアしたとしても、施術時にはエクステの本数に応じてグルーの使用量が増えるため、アレルギーを発症させる可能性はあります。どのような場合でもアレルギー反応が起きる可能性があることを、お客様にお伝えしておきたいですね。

医療グレードのグルーを導入しよう

大きなサロンになるとエチルとブチルの両方を用意している場合もありますが、個人サロンの場合はエチルグルーのみの取扱いの場合も多いのでは?エチルグルーはモチも良く、商品によっては刺激の弱いものもあるため、アイリストとしては扱いやすいのでしょう。

また、グルーには使用期限があるため、集客状況によっては、エチルとブチルの両方を常備しておくことに抵抗があっても仕方ありません。その分コストがかかり、経営者としては「もったいない」と感じてしまうのでしょう。

しかし、もし周辺に競合サロンが多いのであれば、自分のサロンの“強み”としてあえて、ブチルグルーを導入してみてはいかがでしょうか。多くのサロンがエチルグルーのみの取扱いである中で、医療グレードであるブチルグルーを常備していれば、刺激の弱いグルーを求めるお客様や施術中の不快感を気にしているお客様の来店が期待できるでしょう。他のサロンにはない、自分のサロンだけの強み。ぜひブチルグルーで手に入れてみてください。

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まとめ

医療グレードとの呼び声高いブチルグルーについて、知識を深めてきました。医療グレードとはいえ、アレルギーが100%出ないと言い切れない点がアイリストとしての注意点。アレルギー体質のお客様へは、ブチルグルーでの施術だけでなくパッチテストも忘れずご提案したいですね。しかし、エチルグルーよりもアレルギーのリスクが少ないことは事実です。まだ取り扱っていなければ、ぜひ導入を検討してみてください。

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