考える力が足りない…そんな悩みは、「フレームワーク」を学べば解決!マツエクサロンに当てはめた事例も♪

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新しい年度が始まりました。これまでプレーヤーとして業務に当たっていたアイリストの中には、キャリアアップにより他スタッフを管理する立場になる人もいるのではないでしょうか。管理する=マネジメントすることが初めて、という人は「どうしたら円滑に業務を進められるのか」「管理ってどうやるの?」と疑問ばかり浮かぶかもしれませんね。マネジメントという言葉自体にも、不安を覚えるかもしれません。そこで今回は、サロンマネジメントシーンで使うと便利な「フレームワーク」という考え方をご紹介します。部下を持つ立場になったアイリストは、必見のテーマです。

そもそも、フレームワークってなに?

マネジメントに便利とされるフレームワーク。なぜ、便利なのでしょうか。まずはフレームワークとは何か、を考えていきましょう。
フレームワークとは、

フレーム=枠、枠組みのこと
ワーク=働くこと、考えること

という意味を持ち、「何かを考えるときの枠組み」を指します。
とはいえ、この説明では漠然としすぎていてよく分からないですよね。フレームワークをアイリストの仕事に置き換えて、考えてみましょう。

例えば、「売り上げが伸び悩んでいて…」と悩むアイリストがいたとします。そのアイリストは、どうして売り上げが伸びないのでしょうか。実際に相談を受けたと仮定して、一緒に原因を探っていきましょう。

売り上げが伸びない原因は…?
①単価が少ない
②顧客人数が少ない
③顧客の来店頻度が少ない

まずは、売り上げを構成する項目①~③を考えて、ここから「時間単価が低いのか、客単価が低いのか」と構成から派生したいくつかのチェックポイントを作るのではないでしょうか。自分なりの基準をもって、「これが原因かどうか」を、チェックポイントからジャッジするわけです。すると、どこかで伸び悩む原因が思いつきますよね。

このとき考えたチェックポイントとは、フレーム(枠組み)のことチェックポイントを使って考えることを「フレームワーク」と言います。フレームワークを使うと、

何を考えるべきか
何を整理すべきか

が明確になるのです。
いわば、フレームワークは「思考するためのツール」。そのため、問題解決や戦略をロジカルに考えるときにフレームワークを使うと便利なのです。

ロジカル・ロジカルシンキングとは?
ビジネスの現場では必須スキルである「論理的思考」のこと。ロジカルシンキングの基本には【MECE(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive:ミーシー)」漏れなくダブりなく全体を網羅するという概念がある。
漏れやダブりがあれば、構想の着地点が分からなくなったり、外れたりする。

そして、フレームワークには複数種類があります。
今回は、サロンのマネジメントシーンに置き換えて、フレームワークとは何かを解説していきましょう。

まずは実践してみよう。3種類のフレームワークをご紹介

ここでは、数あるフレームワークの中でも汎用性の高いものを3種類ご紹介します。

さまざまな問題を解決するフレームワーク【ロジックツリー】

基本的な論理的思考であるロジカルシンキングを、ツリー化したものが「ロジックツリー」。先ほど例に挙げた「売り上げが伸び悩んでいて…」と悩むアイリストの問題にも、ロジックツリーを活用して原因を解明していくことができます。

ロジックツリーは生じている問題、ここでは「売り上げの伸び悩み」に対して、どのような道筋で問題を解決するのが適切なのか?を導き出すフレームワークです。
今回例として挙げたのは、Why(なぜ)を解決する「原因追及ツリー」。ツリーを今一度見てみると、発生した問題の「原因」を掘り下げて考えられていますよね。売り上げの他にもさまざまな問題の“なぜ”を追求することができます。また原因追及ツリーの他にも、問題解決ツリー、要素分解ツリーがあります。

①Why:なぜ?を追求する「原因追及ツリー」
②How:どうやって?を追求する「問題解決ツリー」
③What:なにが?を追求する「要素分解ツリー」

生じている問題をどう解決したいのか、に合わせて、この3つのツリーを活用していきましょう。
一般的に、ロジックツリーは5回掘り下げると問題に対して漏れなく考えられると言われます。

そしてロジックツリーでは、派生させる項目同士が重複したり漏れがあったりしてはなりません。この「重複しない」「漏れがない」ようにする考え方が、先ほど説明したMECE。MECEは基本的な考え方となるので、最初はとても難しく感じますが、少しずつ慣れていきましょう。
ロジックツリーには、

問題の全体を把握できる
問題に対して濃い分析ができる
多くの視点から解決策を探ることができる
問題を可視化することによって、全体で問題・解決法を共有できる

などのメリットがあります。

キャンペーンや販促活動に使えるフレームワーク【6W2H】

「6W2H」とは、よく事業アイデアや事業内企画を創出するときに使われるフレームワークです。

6W

・Why(なぜ行うのか?)

・What(サービスは何?)

・Where(どの市場で?)

・Whom(どの客層が相手?)

・When(いつ・どのタイミングで?)

・Who(誰が実施する?)

2H

・How to(どんな方法で?)

・How much(予算はいくら?)

マネジメントを任されると、サロンで取り組むキャンペーンや販促活動の企画内容を考えることもあるでしょう。「なんのアイデアも浮かばない!」「考えはあるけど、この企画は優れているのかな?」という悩みは多いもの。
そんなときに、「企画内容がしっかりと筋の通っているものか」「どこか不備や漏れがないか」を考えるためにフレームワーク6W2Hを活用します。
ただし、キャンペーンの内容によっては、6W2Hのすべてを考えなくてもよい場合があるので臨機応変にフレームを変化させ、使ってしましょう。

6W2H使用例:カラーエクステ施術料金値下げキャンペーンを実施

Why

・カラエク未経験のお客様に、カラエクの良さを知ってもらいたいから。 

What

・期間限定でカラエク料金を値下げする

Where

・○○店と○○店

Whom

・既存顧客、新規顧客でカラエク未経験の方 

When

・3月~6月

Who

・アイリスト

How to

宣伝提案から実施に結び付ける。宣伝方法・提案方法は別途計画。

How much

・カラエク料金を通常から20%OFF

一度この8項目を書き出してみると、「このキャンペーンはこの項目に弱みがある」「こういった部分も考えないといけない」と課題が出るはずです。目的のために行うことに、整合性が取れているかどうか?など、6W2Hを使って、自分のアイデアの精度が高いかどうかを確認・検証してみましょう。

人材育成で活用できるフレームワーク【Will Can Must】

「Will Can Must」とは、考えをまとめるために活用するフレームワーク。簡単に言うと、「Will」と「Can」、そして「Must」の3つの項目から物事を考えるアプローチがWill Can Mustです。

Will:やりたいこと
Can:できること
Must:やるべきこと

もちろん自分の考えをまとめるために活用することもできますが、人材育成の面で活用する企業もいます。実際にWill Can Mustを人材育成のために使っているのは、多くの起業家を輩出することでも有名な(株)リクルートホールディングス。従業員の育成のために利用しており、形は様々ですが、先ほどの3項目をシート上に記入することを半期に一度義務付けているのだそう。
従業員がそれぞれ、仕事をすることによって「何を実現したいか」「何ができるようにならなければならないか」を上司とすり合わせます。その上で、今後「何をするべきか」を決定していくため、理想と現実のギャップを少なくでき、高いモチベーションで仕事に当たれるのです。

実際のサロンマネジメントのシーンにおいても、後輩アイリストから「モチベーションが上がらない」「今後のキャリアプランが迷走している」などの相談を受けることもあるでしょう。そんなとき、具体性のある答えに導くためにWill Can Mustを活用してみてはいかがでしょうか。
フレームワークと言うと難しい印象がありますが、Will Can Mustは比較的ロジカルシンキングに触れたばかりの人でも活用できるシンプルな考え方です。ぜひ、試してみてくださいね。

フレームワークを使ってマネジメントするときに考えたいこと

さて、ここまでフレームワークとは何か、サロンマネジメントに活用しやすいフレームワークの種類をお伝えしました。実際に活用するときは、考えておきたいポイントがあります。

フレーム外の事態があることも想定しておく
フレームワークはあくまでヒントであることを認識しておく

この2つを詳しく説明しますね。

フレーム外の事態があることも想定しておく

フレームワークは、事象や問題の構造を見えやすくし、他人と共有しやすくなるというメリットがあります。実際のマツエクサロンでも、

・社内ミーティングで
・上司と部下の面談の場で

このようなシーンでフレームワークを活用しているそう。
すると、話し合いの論点がブレず、意見がまとまりやすくなる利点があります。円滑な話し合いを進められる、問題解決がロジカルにスピーディーに行える、そんなメリットのあるフレームワークですが、一方で考えておきたいのが「フレーム外の問題」を見過ごしやすくなるということ。
「一旦、フレームを決めてしまうとその中でしか物事が見えなくなってしまう」。これは、フレームワークの特徴のひとつであり、落とし穴のひとつでもあります。
フレームワークを活用するときは、フレームワークが持つこうした側面も念頭に置いておきたいですね。フレーム外の事態があることも、想定しておきましょう

フレームワークはあくまでヒントであることを認識しておく

また、マネジメントを始めたばかりの人にありがちなのが、「フレームを作ったらそれだけで満足してしまい、有効的な使い方ができていない」ということ。フレームワークは活用を続けていけばその考え方・使い方に慣れるのですが、始めは物事の詳細を理論立てて考えるのは難しいものです。
フレームを作っただけで問題が解決した気になりますが、これをどう全体に周知していくか分かりやすく周囲に説明できるか、が重要。

この部分で悩む人はBeautéで過去にご紹介した以下の記事も参考にしてみてください。

この記事では「Will Can Must」の考え方を「過去・現在・未来」に当てはめて面談シーンに落とし込み、活用する方法をご紹介しています。

この記事は、実際のサロンでも行われる店舗内ミーティングのポイントをご紹介。ここで出た論点にカブりがないか・漏れがないかといったことを、フレームワークを使えば分かりやすく他スタッフに伝えることができるでしょう。

まとめ

今回説明したように、マネジメントシーンにはフレームワーク活用の機会がたくさんあります。これまで管理する立場になかったアイリストにとっては、やや難しく感じるテーマではありますが、フレームワークという思考ツールはビジネス・マネジメントをする上で知っておいて損はありません。壁にあたったときほど想い出し、ぜひ、これからの業務に役立ててみてください。190311E3s

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