【技術力UPシリーズ】強めのカール、どう付ける?「接着面確保のコツ」教えます

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お客様から「強いカールは取れやすいし、すぐにひっくり返ってしまう…」と相談を受けたことはありませんか?マツエクに対するニーズの中でも、「くるんとしたマツエクで目をぱっちりと華やかに見せたい」という方は多いでしょう。そんなニーズには出来るだけ応えてあげたいものの、接着面がどうしても少なくなってしまうため、装着にはコツが必要。今回はそんなアイリストのジレンマを解消する、強めのカールの装着テクニックを解説します!

カールの強さとモチの関係性とは

カールの強さによって目元の印象の変化を楽しめるところも、マツエクの魅力のひとつ。お客様から「強めのカールで目を大きく見せたい」「目尻だけカールをゆるくしてタレ目っぽくしたい」など、カールの強さへの要望を言われることも多いですよね。しかし、アイリストにとっては、カールが強ければ強いほど接着しづらいのも事実。これには、マツエクの仕上がりにも大きく関わる「接着幅の長さ」 が関係しています。みなさんご存知の通り、接着幅というのは、エクステを自まつげに固定するための土台となる重要な部分ですよね。接着幅がいかに長くとれるかによって、仕上がりの美しさだけでなく、持続性にも大きく影響します。

例えば、Jカールだと自まつげに沿う程度のゆるやかなカールのため、接着幅を長くとることができます。接着面が広い分、グルーも多く付けることができるため、モチも良くなるでしょう。一方、CCカールの場合は、自まつげの根本に近い部分からエクステが立ち上がるため、接着幅を長くとることができません。グルーの量も少なくなるため、モチも悪くなってしまいます。

以上のようなカールと持続性の関係性を、表にまとめてみました。

カ ー ル

CCJ

装 着 幅

J  > CC

持 続 性

グルーの量

表を見ると、カールの強さとモチの関係性は一目瞭然ですね。カールが強ければ強いほど、アイリストは持続性を高めることに注力しなくてはなりません。

ただ、ぱっちりと華やかな目元になる強めのカールは、お客様から人気の高いデザイン。アイリストとしては、少しでも長く楽しんでもらえるようにスキルを磨いておきたいですよね。ここからは、強いカールのときの装着方法について詳しく解説していきましょう。

強いカール装着の際の、「接着面の確保」方法のコツ

「カールが強いと施術が難しい」というのは、多くのアイリストが感じていること。接着幅がとりづらく、向きやラインを揃えることに苦労しているという声も多いです。また、強いカールは、毛先がまぶたにかかって見えやすいため、乱れたときにも目立ちやすくなってしまうでしょう。
まずは、強いカールのときに陥りやすいNG例から見ていきましょう。

NG①:毛先が浮いている 

こちらの例では、かなり手前からエクステが浮いていますね。接着幅も自まつげの根元部分のわずかな長さしかありません。浮いている部分が多いと、衣服に引っかかって取れてしまう原因にもなります。

NG②:自まつげとの間に空洞が空いている 

一見、自まつげに沿って接着しているように見えますが、注意して見てみるとエクステと自まつげの間に空洞が空いています。これは、一本一本丁寧に施術していけば、防げるミス。一方向だけでなく、複数の方向からチェックするようにしましょう。

いかがでしょうか? 「なかなか向きが定まらない」「モチが悪いと言われた」というアイリストは、NG例のような仕上がりになっていないか、チェックしてみましょう。
大切なのは、カールの強さに惑わされることなく、エクステの根本にある平らな部分をいかに見極めるかということ。接着幅を最大限とるためには、平らな部分を自まつげに平行に合わせることが最も重要なポイントなのです。
次は、OK例をご覧ください。

OK例

目指したいのは、こちらのような状態。自まつげに沿ってしっかりと接着幅をとりつつ、毛先は綺麗に上を向いていますね!
強いカールを活かしつつ、OK例のような仕上がりにするには、接着方法に工夫が必要。次のような方法を試してみましょう。

下付け、横付け、絡め付けで接着する 

強いカールのときは、上付けによる接着はやや不向き。接着面が確保しづらくなるため、持続力が低下してしまいます。上向きに浮きやすいため、NG例①のような状態になることもあるでしょう。一方、下付けや横付けであれば、自まつげのカーブを見極めながら、しっかりと接着幅をとることが可能。強いカールでモチを良くしたいのであれば、適切な接着方法と言えるでしょう。ちなみに、自まつげにクセがあり、しっかりと太さもあるお客様には、「絡め付け」がおすすめ。お客様の自まつげの性質に合わせて、接着方法を工夫してみましょう。

絡め付けとは?

自まつげに対して、「下からくぐらせて上に…」というように絡めて接着する方法。接着幅が多く取れるため、モチを良くするためには効果的です。

しかし、カールが下がりすぎてしまうこともあるため、強いカールを強調したい場合には注意が必要。また、自まつげとエクステの間に空洞が空きやすくなるため、しっかりと自まつげに沿わせるようにすることがポイントです。 

 

▼上付け・下付けについては、こちらもチェック!

速乾性の高いグルーを使用する 

接着するとき、ぐらぐらと横に倒れやすく、なかなかポジションが定まらないところも、強いカールの扱いづらいところ。固定されるまでツイザーで支えておくという方法もありますが、テンポよく付けることができない分、施術時間は長くかかってしまいますね。そのため、強いカールの場合には、速乾性の高いグルーを使用するという方法がおすすめ。接着幅の短さによる倒れやすさを、硬化速度が速いことでフォローすることができます。ただし、接着幅が短い分、瞬時にベストなポイントを見極めて接着しなくてはならず、新人アイリストには扱いづらいというデメリットもあります。

「何を優先するか」によって装着方法は変わる

ここまで、強いカールのときの接着テクニックについてお伝えしてきました。「モチの悪さ」や「質の低い仕上がり」を改善するためには、ぜひ試してもらいたい方法です。しかし、お客様の望むイメージによっては、以上で挙げた方法が適さないケースもあります。モチの良さや仕上がりの美しさは、アイリストとして常に追求しなくてはならないこと。
しかし、一番大切な「なぜ、お客様が強いカールを付けたいのか?」ということを忘れてはいけません。

例えば、こちらのお客様のケース。

・過去に強いカールを何度か経験している

・モチが悪くても、強いカールを優先したい 

このお客様の場合、下付けと上付け、どちらを選択したらいいでしょうか?

先程、「下付けの方が持続性を高めることができるため強いカールには最適」とお伝えしましたが、カールをより強く出せるのは上付けです。このお客様の場合は、上付けでしっかりとボリュームを出してあげた方が喜ばれるでしょう。

一方、こちらのお客様の場合はどうでしょうか?

・強いカールを付けてみたいけれど、派手過ぎるデザインは苦手

・とにかくモチを良くしたい 

こちらのケースでは、下付けでしっかりと接着してあげるといいでしょう。横付けという方法もありますが、横付けはまつげが太く見える分、濃い印象になりやすいという特徴があります。強いカールをつけつつも、ナチュラルな雰囲気を目指したい場合には、下付けで自然な仕上がりにしてあげる方が良さそうですね。ただ、下付けを選択する場合には、カールがやや控えめな印象になりやすいこと、自まつげに沿って流れるような印象になりやすいことをお伝えしなくてはなりません。

全てのお客様が、強いカールを付ける際、モチの良さだけを優先したいわけではありません。どのような経緯で強いカールを望まれているのか、しっかりとカウンセリングしたうえで、最適な方法を選ぶようにしましょう。

まとめ

今回は、強いカールの施術で悩むアイリストも多い「接着面を多くとる方法」について、ご紹介しました。アイリストだけでなく、お客様からも、「すぐにとれやすい」と思われがちな強いカール。実は、アイリストのスキルとテクニック次第では、長く楽しむことができます。「すぐにとれるんだろうな…」と思っていたマツエクが、思ったよりもモチが良かったとしたら、そのお客様はきっとまたそのサロンを選んでくれることでしょう。いい意味での期待を裏切る施術が出来るように、今の自分の施術を見直してみましょう。

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