“本物の指導力”がサロンの現場も経営も変える―株式会社eyelogの前田さん・山中さんにインタビュー

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「技術はあるのに、教え方が分からない」「新人育成がいつも手探り」そんな悩みを抱えるサロンオーナーやアイデザイナーたちに、新しい育成プラットフォームを提供する「eyelog(アイログ)」。今回は、株式会社eyelogを共同経営する前田彩子さん・山中麻里江さんにインタビューを行いました。お二人の出会いからスクール事業の裏側、そしてお二人が考えるアイ業界の今後についてお届けします。

【経営者プロフィール】前田彩子さん・山中麻里江さんとは

“本物の指導力”がサロンの現場も経営も変える―株式会社eyelogの前田さん・山中さんにインタビュー<前田彩子さん>

  • 株式会社Asmy 代表取締役
  • 株式会社NONCHE 代表取締役
  • 株式会社eyelog 代表取締役

前田さんは2008年に株式会社NONCHE(ノンチェ)を立ち上げ、2021年には株式会社Asmy(アスミー)を設立。サロン経営に加え、化粧品開発やEC販売事業に携わってきた過去もある美容実業家です。2025年6月現在までに、美容サロンを20店舗展開。2023年には山中さんと株式会社eyelogを設立し、主に配信動画の撮影や、サービスのシステム作りを担当されています。

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“本物の指導力”がサロンの現場も経営も変える―株式会社eyelogの前田さん・山中さんにインタビュー<山中麻里江さん>

  • 株式会社mou 代表取締役
  • 代表取締役株式会社u 代表取締役
  • 代表取締役株式会社eyelog 代表取締役

山中さんは2010年にアイラッシュサロン「nina(ニーナ)」を立ち上げ、現在までに6店舗を展開。2012年に株式会社mou(ムウ)を設立し、その後オリジナルアイラッシュブランド「CLINFLES(クランフレス)」もリリース。2022年には株式会社u(ユー)を設立し、「勝ち組サロンオンラインスクール」での経営指導や企業向けのコンサルティングなど、経営支援を中心に活動しています。株式会社eyelogでは主に、トップアイデザイナーとの交渉や、発信などを担当されているのだとか。

▷山中さんのInstagramはこちら

この夏“現場で学べるスクール”も始動!8,000人が利用するeyelogって?

“本物の指導力”がサロンの現場も経営も変える―株式会社eyelogの前田さん・山中さんにインタビュー出典:@eyelog_

―まずは、eyelogについて教えてください

前田さん:eyelogは、オンラインで新人スタッフの育成ができる動画教材メディアです。2023年のサービス開始以降、2025年6月現在までに会員登録数8,000人を突破しました。利用者の多くは個人サロンオーナー様ですが、大手グループ会社の教育用教材としても採用されています。

―この夏、新事業もスタートしたんですよね

山中さん:2025年7月に、オフラインで新人育成を担う「eyelog school」を始動しました。eyelog schoolは、全国の認定講師が各エリアのサロン様のもとへ出向き、直接新人を指導するスタイルのサービスです。講師は現場で活躍するトップアイデザイナーを採用しており、即戦力になるスタッフを育てられることが強みです。現在の講師数は18名ですが、今後さらなる配置拡大を予定しています。

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eyelog設立のきっかけは偶然の再会。業界で新しい指導のカタチを確立

“本物の指導力”がサロンの現場も経営も変える―株式会社eyelogの前田さん・山中さんにインタビュー出典:eyelog公式HP

―eyelog設立のきっかけは?

前田さん:10年以上前、私のサロンに技術を教える講師として山中に来てもらったのが最初の出会いでした。それから交流もなかったのですが、私自身経営が忙しくなってきて、教育に手が回らなくなったんです。それで「動画で教育できるサービスが世の中にあれば良いのに」と強く思っていたときに、たまたまとあるパーティーで山中と再会。そこで私から声をかけさせてもらいました。

山中さん:ちょうど私も同じ時期に、経営指導の仕事がメインになってきて、技術指導から遠ざかっていることに課題を感じていたんです。困っているアイデザイナーがたくさんいる中で、自分だけではもう教えきれないなと。有名なアイデザイナーさんとコラボして、技術を教える場を作れないかなと考えていたときに前田と再会し、お互いのやりたいことが完全に一致していたので提案を快諾しました。

―会社設立から現在までの道のりはいかがでしたか?

山中さん:前田から声をかけられたのは、2022年の春ごろでした。ただ、一緒にサービスを始めるという話が出る前から、私は個人的にコラボしたいアイデザイナーと交流を深めていて、すでに準備段階ではあったんです。その下地があったことで、秋には撮影をスタートできました。

今でこそ、アイラッシュ業界にも配信型の教育サービスが増えてきましたが、当時は“憧れの有名アイデザイナーの技術に誰でも触れられる”というプラットフォームはまだなく、eyelogが先駆けだったと思います。立ち上げ当初から「eyelogってかっこ良いな」「素敵な講師が揃っているな」と思ってもらえるサービスを目指してきたので、実際に利用者から喜びの声をいただけているのは本当にうれしいですね。

アイ業界の教育現場に革新を―。eyelogだからこそできること

“本物の指導力”がサロンの現場も経営も変える―株式会社eyelogの前田さん・山中さんにインタビュー出典:@eyelog_

新事業eyelog schoolにかける想いとは

―eyelog school立ち上げの経緯を教えてください

前田さん:私は、困ったときに同じ立場の人と悩みを共有するよりも、自分より経験値があって、視野が広い人の言葉に耳を傾けるほうが解決に繋がると思っています。でも、そういう人と知り合える機会って、実はなかなかないんですよね。だったら、自分でその環境を作ろう!となったんです。一方で、個人サロンのオーナーさんは自身のキャリアパスの見通しが甘くなりがち。そこで、教える立場としてもキャリアを築いていけるような場を提供できればと考えました。

山中さん:私は自分の経験からも、新人育成はただ技術が上手いだけじゃダメだと考えています。技術の追求だけに偏ってしまうと、いざ経営視点に立ったときにギャップに対応できないことも多いので。しかし、現場をきちんと知っていて、売上をしっかり作り、教育にも取り組むアイデザイナーはそう多くいません。そこで、今現場で困っている人と、現場感覚を持ち合わせた質の高い指導者を繋げることができないかと考えたときに、思いついたのがeyelog schoolの構造だったんです。

経営者二人の異なるキャリアが活かされるeyelog

―これまでの経験で事業に役立っていることは?

前田さん:学生時代に進学塾の講師をしていたので、一人ひとりの生徒に目を配りながら、それぞれの課題を見極めて指導する経験が今でも役に立っていると感じます。相手が何を求めているか、何を与えられるかを意識することって、教育にも経営にも大事な視点ですよね。また、私自身アイの施術を受けたことでこの世界に惹かれ、サロンを立ち上げたという背景があり、“好き”という気持ちが常にベースにあるのも強みかもしれません。

山中さん:私は26歳でアイデザイナーとしてのキャリアをスタートしました。当時は技術を教えてくれる人が本当に少なく、試行錯誤して身につけるしかなかったんです。そのころから、私が教えられることを増やしていくことが、困っている人を助けることにつながると実感するようになりました。最初は技術を教える立場として活動をしていましたが、現在は経営面でのアドバイスが中心になっていて、両方の視点を持っていることが強みですね。また、ここまでたくさんの人を巻き込んで成長してこれたので、チームで成長していくことの重要性も感じ取ってもらえたらと思っています。

▽山中さんのくわしいキャリアについてはこちら

拡大するアイ業界で大切なのは“人”!お二人が考えるサロンの在り方とは

“本物の指導力”がサロンの現場も経営も変える―株式会社eyelogの前田さん・山中さんにインタビュー出典:eyelog公式HP

―お二人は業界の今をどのように捉えていますか?

前田さん:今、アイ業界は新しい技術やサロンが次々に登場していて、凄く活気づいていると感じます。免許制が整う前は、批判の対象になったこともありました。でも今は、正しい技術や情報をきちんと伝えるメディアや仕組みが必要とされている時代。eyelogもひとつの媒体として、業界の発展に貢献していきたいですね。

山中さん:サロンの数は増えていますが、その一方で人材不足や売上の停滞に悩んでいるサロンも多いのが現状です。最近では、美容室がアイメニューを導入するパターンも多く、“アイって簡単そう”という誤解も生じているのではと感じます。でも本来、アイメニューは高度な技術が求められるもの。メニューや料金の妥当性もしっかり伝えていかないと、業界全体の価値が下がってしまうのでは、と危惧しています。

―アイ業界で、長く生き残るためにはどうしたら良いと考えていますか?

前田さん:サロンオーナーは顧客ファーストよりも、従業員ファーストであるべきだと思っています。経営者自身に余裕がなければ、次のステップには進めません。だからこそ、まずはスタッフの働きやすさを優先することが大切ではないでしょうか。そして、その理念がスタッフに引き継がれていけば、次世代の経営者も自然と育っていくと思うんです。

山中さん:さらに踏み込むと、サロンオーナーは「従業員ファースト」、そして従業員には「顧客ファースト」でいてほしいですね。この仕事が好き、やりがいがあるという気持ちがなければ長く続けるのは難しいですから。今度、eyelogでは「雇用」について悩んでいる方に向けた配信も予定しています。これまで私はナビゲーターという立場で登場してきましたが、今回は講師として出演しているんです。実体験に基づいた、より具体的で実践的なアドバイスをお届けできればと思っています。

可能性は無限大!eyelogは夢を追いかけるあなたの伴走者であり続ける

“本物の指導力”がサロンの現場も経営も変える―株式会社eyelogの前田さん・山中さんにインタビュー
―キャリアアップを目指す人が、まずやるべきことは何だと思いますか?

前田さん:私は「想像できることはすべて叶う」と思っています。そのためには、夢に向けて自分で道筋を描き、逆算して行動することですね。特に女性が多い業界なので、きちんと休みを取れて安定した収入があるという土台作りは重要かもしれません。その上で「もっと上を目指したい」「経営者になりたい」という人がいれば、そのときはまたeyelogがしっかりサポートします。

山中さん:とにかく、たくさんの人と会って、いろんな話を聞いてほしいです。一人で考えていても、自分の思考の枠を超えることはできません。私は他人の考えや表現に触れることで、自分の可能性が広がることを身をもって知りました。想像力を鍛えるには、とにかく経験と情報が必要です。だからこそ、人との出会いや学びを大切にしてほしいと思います。

―最後に、読者へメッセージをお願いします

前田さん・山中さん:技術や経営に悩んだときは、一人で抱え込まずに、ぜひeyelogの扉をたたいてみてください。「アイデザイナーとしてもっと成長したい」「施術者から指導者にステップアップしてみたい」そんな思いを持つすべての方にとって、eyelogは力になれると信じています。私たちの存在が、次のステージへ進むきっかけとなればうれしいです。

まとめ

異なるバックグラウンドを持ちながら、サロン現場と経営の両方に携わってきた前田さんと山中さん。そんな二人の出会いが生んだ「eyelog」は、アイ業界に新たな学びの選択肢を提供し、現場の声に寄り添い続けます。その背景には、「教える人が足りない」「現状に悩む人を支えたい」という、お二人の強い想いが隠されていました。株式会社eyelogがこれからどんな変化を見せてくれるのか、Beauté編集部は今後も楽しみに注目していきます!

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