ノズルに残っていたグルーが固まった!!まだ中身があるのに出てこない!!

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お客様のカウンセリングが終わり、ベッドへのご案内もスムーズに完了。丁寧にオフして、前処理も完璧で、さぁ早速装着に入ろう!というタイミングで、「あれ?グルーが出てこない…」と手間取ること、少なくないですよね。のりやボンドのような接着剤もそうですが、きちんとノズルを拭きとっておかないとグルーが固まってしまい、キャップが回せなくなるのです。しかしそもそも、なぜグルーが固まってしまうのか気になりませんか?そこで今回は、グルーの固まる仕組みと固まった場合の対処法、予防策についてご紹介します。

グルーが固まる仕組みとは?

グルーとは、みなさんご存知の通り「シアノアクリレート」という有機化合物でできています。多くの接着剤に含まれていて、例えば、みなさんが普段使用している瞬間接着剤や、歯医者での治療で使われている接着剤にもシアノアクリレートは含まれています。
「あの強力な接着剤を口の中で使って影響はないの?」
と不安を感じる人もいるかもしれませんね。もちろん、同じシアノアクリレートの中でも、5つの分類があるため、マツエクのグルーと瞬間接着剤、医療現場で使われている接着剤のすべてが同じ成分というわけではありません。安心してください。
ただし、大元は同じ「シアノアクリレート」であるため、共通する性質もあります。それは、空気中・もしくは接着物にある微量な水分に反応して硬化する点。
マツエクは特に、この性質によって成り立つ技術です。マツエクのグルーは、空気中の水分や、自まつげに含まれる微量な水分によって硬化を始めます。

つまり、空気に触れた部分のグルーは硬化するということ。
今回の記事では、上の定義が重要です。

例えば、グルーのキャップをきちんと閉めなかったとします。隙間から空気が入るため、中のグルーは反応を開始。特に空気に触れやすい上部が硬化してしまうため、いざ使おうとしたタイミングでグルーが出てこないアクシデントに繋がってしまうのです。
他にも、グルーを出したとき、ノズルにグルーが付着したり残ってしまうことも多いですよね。その際、都度拭きとっていれば問題ないのですが、そのままの状態でノズルを閉めてしまうと、中の気圧が変化したタイミングで、ノズルに残っていたグルーが押し上げられます。押し上げられたグルーはグルーの出入り口付近まで上昇し、そのまま硬化。入り口をふさがれた状態になるため、使おうとしてもグルーを取り出すことはできないでしょう。

そのため、グルーはしっかりと拭きとってから保存しておく必要があるのです。では、実際にグルーが中で固まってしまった場合、どのように対処したら良いのでしょうか?
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固まってしまったグルーの使用方法とは

もし容器の入り口でグルーが固まってしまったら、まず針などを使って穴を開けてください。容器を押し出したときに新鮮なグルーが出てきたらOK。いつも通り使用できるでしょう。しかし問題は、中のグルーが劣化していた場合です。
・ドロドロとして粘り気が強い
・糸を引く
以上の状態は、グルーが劣化している証拠です。硬化速度が遅く、施術時間に影響が出るだけでなく、接着力が低下しているためモチも悪い状態が考えられます。

大量に残っているとどうしても「もったいない」と思ってしまいますが、劣化した質の悪いグルーをお客様に提供する方が問題です。お客様からの信頼を失わないためにも、劣化したグルーは潔く廃棄し、新鮮なグルーを使用したいですね。
ただし、グルーも決して安価ではありません。特に質の良いグルーは値段も高額になる傾向があるため、大量に残ったグルーの廃棄は経営上痛手です。もちろん、年に1本程度であればあまり問題ありませんが、忙しい時期や新人アイリストが増えたタイミングは特に、こういった部分でのミスが目立ちがち。年に数本のグルーを廃棄しているサロンは、一度対策を練り直した方が良いでしょう。
そこで最後に、グルーを固まらせないようアイリストができる予防策についてご紹介します。

グルーを固まらせないための注意点とは?

グルーを固まらせないために、まずできる基本の注意点は毎回確実にキャップを閉めること!
お客様との会話に夢中になっていたり、次の予約の時間が迫っていて急いでいるとき、そして何らかのトラブルが起きて内心焦っているときなどは、つい意識が逸れてしまいます。しかし、このキュッと閉める単純な作業を忘れるだけで、数千円のグルーが無駄になるかもしれないと思うと、背筋も伸びるのではないでしょうか。まずは簡単な閉め忘れだけでも防止できるよう、意識していきましょう!
また、キャップを閉め忘れたわけではないにもかかわらず、なぜかグルーが固まってしまう…という場合は、ケアを怠っている可能性があります。例えキャップをきちんと閉めていても、ノズルやキャップにグルーがついたままだとNG。先ほども紹介した通り、内部の気圧の変化により、グルーが押し上げられて入り口をふさいでしまいます。しっかりとケアしてからキャップを閉めたいですね。チェックポイントは3つです。

1.容器の中の空気を出し切れているか
グルーをプレート上に取り出した後、ノズルからグルーがあふれ出しそうになっていたら要注意。中に空気が入っていて、グルーを押し出している状態です。そのままキャップを閉めると、グルーがあふれ出し、そのまま硬化してしまうでしょう。グルーが手に付着しないようコットンやティッシュなどでノズルの周りを囲ったら、上に向けた状態で容器を押してください。中の空気が押し出されていくはずです。グルーがあふれ出なくなったら、そのままノズルを拭きとりましょう。

2.ノズルに付いたグルーを拭きとっているか
綿棒やコットンなどを使用し、ノズルに付いたグルーを丁寧に拭きとります。デコボコした部分は特にグルーが残りやすいでしょう。綿棒で細かい部分まで確実に拭きとってください。

3.キャップにグルーは付いていないか
見落としがちなポイントですが、まれにキャップの内側にグルーが付着している場合もあります。コットンでは拭きとりきれない部分もあるため、綿棒を使うと良いでしょう。最後にキャップをしっかりと閉めたら完了です。

以上の3点を守るだけで、容器内でグルーが硬化する事態は大幅に防げるようになるはずです。予約が立て込んでいる日やアイリストの出勤数が足りていない日などは、特に疎かになりがちな部分であるため、より高い意識を持って施術を進めたいですね。

まとめ

グルー1本も大切な備品。サロンの経費がかかっています。どれだけ急いでいたとしても、1つひとつの動作に“丁寧さ”を意識することで、こういったロスは予防できるでしょう。今回はグルーの取り扱いに注目しましたが、グルーのキャップの閉め忘れが多いサロンは、ツイザーやエクステなどの取り扱いも雑な傾向にあります。施術や接客にばかり気を配り、どうしても自分たちの使う道具に意識が行き届きにくくなるのでしょう。しかし、細かい部分まで神経を届かせているサロンは、やはりお客様からの満足度も高いもの。たかがグルー1本、されどグルー1本です。感度を高めて、よりよいサロンづくりに繋げていきたいですね。

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