【今すぐケアが必要!】マツエクにも深く関係する「マイボーム腺梗塞」とは?

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アイリストの方は、資格を取得する際やサロンの開業前に、まつげなどの目の構造について詳しく学ぶ機会があったと思います。しかし、せっかく学んでも実際の施術に活かせていないのであれば、勉強した意味がなくなってしまいます。また、目元のトラブルがあったときにどのように対応すべきか、お客様に対し的確に答えられなくてはなりません。そのためにも、目の仕組みや対処法などについて知識を深めておくべき。
そこで今回は、アイリストならばぜひ知っておきたい、マツエクにも深く関係している「マイボーム腺梗塞」について、症状や予防策などをレクチャー。初心に返り、改めて学んでいきましょう!

ドライアイとも密接な関係!「マイボーム腺」って?

出典:photoAC

マイボーム腺は、まぶたの縁にあるまつげの奥にある皮脂腺のことです。上下のまぶたに約70本あり、マイボーム腺の出口(開口部)からは、油が分泌されています。

引用元:平田眼科ホームページ

正常に機能している状態であれば、目の表面のうるおいをキープしてくれます。開口部から出た脂と涙が混ざり合ったものが目の表面全体に行き渡るように広がることで、涙の蒸発を防ぐ働きをします。
涙の蒸発を防ぐということは目の表面の乾燥を防いでくれるということで、つまりマイボーム腺の分泌液はドライアイを予防するためにも有効なのです。
また、まばたきの回数やまぶたの裏側の摩擦を軽減したり、目の中に本来溜め込んでおくべき涙が皮膚へと流出するのを防いだりと、目の状態を正常に保つために必要な器官でもあります。

しかし昨今、マツエクやアイメイクをバッチリしている人が「マイボーム腺梗塞」という病気にかかりやすくなっているそう。一体、マツエクやアイメイクのどんな点が原因となり、マイボーム腺梗塞にかかってしまうのでしょうか?次の項目で詳しく解説します。

もしかしてマツエクも原因?!マイボーム腺梗塞とは

出典:photoAC

マイボーム腺梗塞とは、マイボーム腺が何らかの影響により炎症を起こした状態のことです。マイボーム腺の開口部が詰まってしまい分泌液の量が減る、もしくは多くなります。
まぶたの縁にある白いツブツブとしたできもの、それがマイボーム腺梗塞です。よく観察しないと見分けがつかないような軽微な症状から、小さい水膨れのような大きいものまで、症状には個人差があります。

マイボーム腺梗塞の自覚症状は?

白いブツブツ以外の自覚症状として、以下のようなものが出ることが多いようです。

  • 目がゴロゴロする
  • 目が乾く
  • 目やにがいつもついているような感じがする
  • 目が痛い
  • 目が疲れる
  • 涙が出る
  • 目が充血する

目に不快感を覚えて眼科を受診する人が多く、これらの症状が出ているとマイボーム腺梗塞にかかっている可能性が高いといわれています。

何が原因になるの?

マイボーム腺梗塞にかかってしまう原因は、主に以下の3つです。

1.加齢
2.細菌感染
3.汚れ

1つ目は、加齢によるものです。年齢を重ねるにつれてマイボーム腺の機能が低下することで、分泌機能の低下や開口部が狭くなるなど、正常に機能することが難しくなります。
2つ目は、マイボーム腺が細菌に感染することです。細菌に感染すると炎症を起こし、分泌液が減少または増加するなどの症状が出ます。
3つ目は、メイクオフ時にアイメイクの汚れがきちんと落ち切っていない可能性があることです。汚れが溜まったままだと開口部を塞いでししまい、分泌液が出にくくなることで、マイボーム腺梗塞にかかる場合があります。

アフターケアの説明の注意点とは?

マツエクの施術後、お客様に対し「エクステの部分はあまり強く触らないようにしてください」とお伝えしますよね。そのため、マツエクを装着している間、まつげや目元は特に慎重にメイクオフをする方も多いでしょう。その結果、汚れがきちんと落ち切らず、結果マイボーム腺梗塞にかかってしまう、ということも…。
施術後のアフターケア・カウンセリングにて、マツエクのモチを良くするための方法を重視して説明することもあるでしょう。しかし偏った内容の説明は、アフターケアの説明としては最適ではありません。条件が重なれば、場合によってはマイボーム腺梗塞などの目元のトラブルにつながるおそれもあります。そのため、トラブルに関することや感染症を予防するために自宅で行うセルフケアについてなどもまんべんなく説明できるよう、工夫をしてくださいね。

マイボーム腺梗塞、どうすれば防げる?かかってしまったときは?おすすめのアイデアを紹介

さて、マイボーム腺梗塞を予防するには、どうしたら良いのでしょうか?また、カウンセリング時にお客様が症状を訴えているときは、どのように対応すべきなのでしょうか?

マイボーム腺梗塞を防ぐには?

マイボーム腺の開口部の異常は、以下のような方法で予防・治療することができます。

1.目元を温める(温罨法)

ホットタオルなどで目元を温めると、マイボーム腺内で固まっていた部分が柔らかくなり、開口部が開きやすくなります。マイボーム腺梗塞にかかっていなくても、普段から自宅で行えるケアです。

2.目元を刺激の少ない専用のシャンプーで清浄する

こちらはアイシャンプーなど目元専用のケア剤で綺麗にする方法です。お客様にアイシャンプーの使用をおすすめすると良いでしょう。サロンのアフターケアとしても、お客様自身が自宅で行ってもOKなケアです。

3.マイボーム腺の圧出

マイボーム腺内に溜まった脂質を、専用の器具で圧出する方法です。こちらは眼科への受診・診察が必要となってきます。

このように、サロン/自宅で予防的に行えるケアと、眼科でしかできない処置があります。

サロンでのケア、お客様にも行っていただけるケアは?

出典:photoAC

マイボーム腺梗塞にならないために、サロンでのアフターケアや、お客様の自宅でも行っていただけるケアがあります。

【サロン側として行えること】

  • とにかく器具や環境を清潔に、しっかりと消毒作業を行う
  • アイシャンプーなど、目元に特化したケアを中心におすすめする

細菌の感染が原因でマイボーム腺梗塞になる可能性もあります。目元に触れるツイザーなどの器具を綺麗に保つことは必須。紫外線消毒器などを活用し、消毒作業をしましょう。
オプションとして、アイシャンプーのメニューを実施しているサロンもありますよね。「トラブル予防のために、アイシャンプーのメニューはいかがですか?」「アイシャンプーをすると目元がスッキリしますよ」など、上手に提案しましょう。

アイシャンプーについては過去の記事でもおすすめアイテムを紹介していますので、参考にしてくださいね。

 

【お客様自身に行っていただけること】

  • 目元をホットタオルなどで温める
  • メイクオフを適切な方法で、丁寧に行っていただく(特に目元)

目元を温めることは、眼科などでもマイボーム腺梗塞の治療法として行われていますので、お客様におすすめしても良いかもしれません。しかし、過去にもお伝えしましたが、ホットタオルで目元を温める前に注意すべきことがあります。

マツエクのグルーは耐熱温度が低かったり、蒸気に弱い性質を持つ商品があり、長時間目元を温めすぎると、エクステが取れやすくなることがあります。また、エクステの向きを揃えないまま蒸気が出るタイプのアイマスクなどをつけると、その熱によって曲がったままクセがついてしまうことも…!
そのため、お客様に目元の温め方についてご説明する際には、「グルーのモチが悪くなってしまうため」「熱によってエクステが曲がり、クセがついてしまうのを防ぐため」と、注意していただきたいこと・理由も一緒にお伝えするようにしてくださいね。
また、「目元が空いているアイマスクがおすすめです」など、既製品を購入する際に重視するポイントなども併せてご説明できると◎ですよ!

マツエク後のメイクオフ方法については、アフターカウンセリング時に詳しく説明する他、手順を載せた文書などをお配りするのもアリ。「マツエクをしているとまつげの根元などの汚れが落ちにくいこともあります。丁寧なケアをするために、専用シャンプーの使用をおすすめします」とアイシャンプーをプッシュするきっかけ作りにもなりますよ!

こうしたアイデアを取り入れつつ普段から気をつけていればトラブルは防げます。しかし、お客様に「もしかしたら…?」と思うような症状がある、もしくは症状が長く続いている場合は、サロンに一度連絡していただいた上で、眼科を受診していただくようすすめてください。

適切な方法でマイボーム腺梗塞を予防し、トラブルに対応しよう!

マツエクに関係する目元のトラブルにはさまざまな種類がありますが、今回は「マイボーム腺梗塞」についてお伝えしました。
本来なら目の機能を正常に保つために作用するマイボーム腺ですが、まつげの根元や目の周りがきちんと洗えていないことなどが原因で、マイボーム腺梗塞というマイナートラブルを引き起こすことがあります。トラブルを防ぐためにも、日々の予防方法や万が一かかってしまったときの対処法などを知っておくようにしましょう。200607Eiy

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