備えよう!サロンで感染症が発生、「お店でうつったのでは」と言われた場合の対応とは?

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コロナウイルスが世界的に大流行し、日本でも緊急事態宣言のもと外出自粛やお店の休業要請などが発表されました。現在日本では感染者の数が減少し、自粛が解除されました。しかしコロナウイルスは完全になくなったわけではありません。人の活動が始まれば再び流行する可能性もありますし、今後別の感染症が流行するかもしれません。そこで、万一サロンでコロナウイルスなどの感染症が発生した場合や、「サロンでうつされた気がする」と言われた場合の対応を押さえておきましょう。

陽性反応が出た従業員・お客様がいた場合の初動対応

営業再開にあっては、感染症が発生しないように、日々お客様の対応ごとに消毒などを行っているかと思います。
しかしどれだけ気をつけていても、サロンの営業をする限り感染する可能性は0ではありません。万一サロンのスタッフやお客様の中で陽性反応が出た方が発生した場合、どのように対応したら良いのか紹介してきます。

実際に感染症が発生した場合「初動対応」が肝心!関係各所に連絡

サロンに関わる人の中に陽性反応が出たとなると、サロン運営にも関わることなので外部には話したくないと思う人もいるかもしれません。しかしそうすることで、 2次感染が発生したりクラスターと呼ばれる集団感染が起こったりする可能性があるのです。
隠すことでスタッフやお客様に迷惑をかけ、かえって大変な事態を招いてしまうこともあります。このようなことを引き起こさないためにも、スタッフやお客様が感染した場合は、保健所へ報告し今後の営業について相談しましょう。
また、保健所以外にも市役所や町村役場が担当している場合があります。サロン所在地の所轄担当役所を、この機会に確認しておきましょう。該当するお客様への連絡方法などは、保健所や所轄担当役所の指示に従ってください。

「個人情報を知られたくない」というお客様への対応

感染症が発生した場合でも、個人情報の管理は今後の営業やサロンの信用に関わることなのでとても重要です。お客様の中には、「症状が出ていないから感染していない」とか「サロンに行っていないことにしてほしい」などと言う人もいるかもしれません。
しかし、今後の感染防止のため、関係各所へ報告義務があるということをお客様に理解していただくことが大切です。
何か起きたときに突然言われるとお客様も驚くかもしれないので、その旨を店内に掲示したり施術前にお客様に伝え承諾書をもらったりしておくと良いでしょう。

「実際に感染者がいた場合」なのか、「お客様の推測の場合」によって対応は異なる

感染に過敏になっているからこそお客様の中には、「お店に行ってからなんだか体調が悪い」とか「陽性反応は出ていないんだけど、なんとなく体調が悪い。サロンで感染したかも」などと言う人もいるかもしれません。
ここでは、感染者が実際に来店した場合の対応とお客様の推測で感染したと言っている場合の対応方法について知っておきましょう。

実際に感染者がいた場合

実際にサロン内に感染者がいたことが分かったら濃厚接触者がいる可能性があるので、まずは保健所や所轄担当役所へ報告します。

濃厚接触者の定義

「濃厚接触者」とは、「患者(確定例)」(「無症状病原体保有者」を含む。以下同じ。)の感染可能期間に接触した者のうち、次の範囲に該当する者である。
・ 患者(確定例)と同居あるいは長時間の接触(車内、航空機内等を含む)があった者
・ 適切な感染防護無しに患者(確定例)を診察、看護若しくは介護していた者
・ 患者(確定例)の気道分泌液もしくは体液等の汚染物質に直接触れた可能性が高い者
・ その他: 手で触れることの出来る距離(目安として 1 メートル)で、必要な感染予防策なしで、「患者(確定例)」と 15 分以上の接触があった者(周辺の環境や接触の状況等個々の状況から患者の感染性を総合的に判断する)。

国立感染症研究所 新型コロナウイルス感染症患者に対する積極的疫学調査実施要領(2020年5月29日暫定版)

 

または、陽性反応が出た人の行動履歴調査によって、保健所などからサロンへ連絡がある場合も。該当するお客様への連絡については、保健所などに相談してください。
保健所などへの報告のときに陽性反応が出たお客様の来店日時やそのとき来店していたほかのお客様、スタッフなどさまざまな情報がいつでも引き出せるようにしておくと良いでしょう。緊急事態に対応できるように、日ごろから顧客情報やスケジュール管理を徹底しておく必要があります。

お客様の推測で感染したと言われた場合

実際に感染者が来店している場合もあれば、お客様が過敏になっていることで「サロンで感染した」「サロンに行ってからなんとなく体調がすぐれない」などと連絡がくることがあるかもしれません。
活動自粛や営業自粛でお客様だけでなく、スタッフも気分が落ち込み過敏になっていることも。そういったときに「サロンでうつされた」などといわれると、スタッフもカッとなることがあるかもしれません。
しかしこのような状況だからこそ、真摯な態度でお客様に向き合うことが大切なのです。丁寧に説明することで、お客様に納得してもらえるかもしれません。基本のクレーム対応と同じで「どういったことに不安を感じているのか」、「お客様が困っていて伝えたいことは何か」など、まずはお客様の気持ちを知りましょう。
「自分の話を聞いてほしい」、「この不安をどこかにぶつけたい」ということであれば、話を聞くことで少し気持ちがやわらぐこともあるかもしれません。お客様の気持ちや意見が把握できたら、不安な気持ちにさせていることをお詫びしましょう。
その上で、「現状スタッフやほかのお客様より、感染の疑いがある人や感染者が出ていない」ということや「サロン内での感染症対策はしっかり行っている」ということなどを説明しつつ、医者ではないのでサロンでは判断できない旨もお伝えし、検査や受診を促す必要があるでしょう。

サロン内でできる主な感染症対策

最後にサロン内でできる主な感染症対策を紹介していきます。

スタッフの体調管理

何よりもスタッフの体調管理が大切です。出勤前に検温を行い、少しでも体調が悪いということであれば出勤を控えてもらいましょう。また同居する家族に症状がある場合もあるため、同居の家族を含めて体調を把握しておく必要があります。

お客様の体調把握

お客様の体調を把握しておくことも重要です。熱がある方や体調がすぐれない方、感染の疑いがある人と接触した方など、少しでも感染が疑われる方は予約を控えていただきたい旨を伝えておきましょう。
その上で来店されたお客様には断りを入れて、手の消毒や検温をお願いしてください。来店時に熱があるなどの場合は、そのままの施術はできないとお断りするルール決めなども徹底しましょう。

部屋の換気とソーシャルディスタンスの徹底

サロン内での3密を防ぐために、窓やドアを開けたままにしたりこまめに換気をしたりしましょう。またお客様同士の接触を減らすために、ベッドの間隔を広げたり、カウンセリングの部屋を別にしたりと工夫してください。少人数・小規模のサロンの場合は、1時間あたりの予約数制限などを行うなどし、距離感を維持しましょう。

器具や備品、ドアノブ、部屋の消毒

普段から器具や備品の消毒を行っているはずですが、「お客様ごと」「席を外すたび」などこまめに消毒をしましょう。また施術時に出たゴミは蓋つきの容器に捨てるようにしてください。
ほかにはトイレなど手を拭くタオルは、1回使用したら新しいタオルに交換したりペーパータオルを使ったりすると良いですよ。ドライヤータイプの送風型タオルは使用を中止するのがいいでしょう。

予約の調整を柔軟に

感染症対策の理由から予約をキャンセルしたいというお客様がいます。そういったお客様のためにキャンセルできないと拒むのではなく、柔軟に対応しましょう。
また、お客様同士の接触を減らすために、次の予約までの間隔をいつもより少しあけて消毒や換気が十分にできるようにするのがおすすめです。

飛沫感染対策のシールド着用は必須

施術するときは特にお客様との距離が近くなります。お客様を守ることにもなりますが、スタッフを守るという意味も込めて、メガネやマスク、フェイスシールドなどの着用を徹底させましょう。
またくしゃみなどで制服にウイルスがついていないか心配されるお客様がいた場合に、いつでも着替えられるように、制服などの着替えの準備をしておくと良いですよ。

まとめ

コロナウイルスによって緊急事態宣言が発表されるなど、これまでに経験したことがないようなことばかりが起きています。1人1人が感染しないように気をつけることも大切ですし、相手のことを思いやる気持ちも大切です。このようにピリピリした状況だからこそ「きれいにしたい」「癒されたい」とサロンに来店されるお客様もいますので、万一に備えた対応マニュアルをしっかり整えておきましょう。200519Eyn

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