原因はグルーアレルギーだけじゃない!目元がかゆくなりやすい方へのエクステの装着の仕方

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マツエク施術後にお客様が目元のかゆみを感じられた場合、まず原因として一番に疑うのはグルーによるアレルギー反応ではないでしょうか。確かにマツエク業界内で起こっている目元のトラブルは、グルーによるものが多いのも事実です。しかし、お客様が感じられているかゆみの原因は、グルー以外の場合も考えられます。原因が分かれば対策を立てることもできるため、何によってかゆみが引き起こされているのか知ることは重要です。今回は、グルーアレルギー以外で考えられるかゆみの原因やその対策法について探っていきましょう。

まずはかゆみの原因を探ろう!

マツエクによるかゆみにはいくつかの原因が考えられますが、最も代表的なのがグルーによるアレルギー症状です。
簡単におさらいすると、グルーアレルギーとは、「シアノアクリレート」と呼ばれるグルーの主成分によって引き起こされるアレルギー反応のこと。このシアノアクリレートが硬化時に発生する「ホルムアルデヒド」という気体がアレルギー症状を引き起こす主な原因と言われています。

グルーアレルギーによって現れる症状は人によってさまざまです。なかにはかゆみを感じる人も多くいます。
では、お客様の目元のかゆみがグルーアレルギーによるものか、そうでないのかはどこで判断することができるのでしょうか。グルーアレルギーによるかゆみの感じ方には個人差があることから一概には言い切れませんが、多くの人に共通して見られているのが次の傾向。

かゆみの症状がマツエクの施術直後~2日以内と短時間で発症している
かゆみ症状は一時的なもので長い期間は続かない

グルーは一般的に、施術後約48時間ホルムアルデヒドを発生し続けていると言われています。以前Beautéではパッチテストの手順方法を紹介しましたが、パッチテスト後48時間様子を見るというのは、グルーアレルギーを確かめるためにもとても重要な設定時間であることが伺えますね。

「かゆみを感じ始めたのがいつ頃か」
「どれぐらいの期間かゆみがあったか」
という点は、お客様のかゆみの原因を知るために有効な判断材料となります。お客様でかゆみを訴えられる方がいらっしゃったら、この2点をしっかりヒアリングすることで、グルーアレルギー以外のほかの可能性を疑うことができるでしょう。
また、新規のお客様が来店された場合、最初のカウンセリングで「過去に施術によって痛みやかゆみなどを感じた経験はありますか」という内容を伺うことを義務づけているサロンも多いでしょう。そこでもし「はい」と回答された場合、かゆみを感じたタイミングや症状が治まった時期なども詳しくヒアリングすることで、施術でどのような対策を行えばいいのかある程度見通しが立てやすくなるかもしれません。

グルーのアレルギー以外の原因って?

では、グルーアレルギー以外で起こるかゆみは、具体的にどのような原因が考えられるのでしょうか。
こちらは、国民生活センターがマツエクの施術経験のある10~50代の女性250人を対象にして実施したアンケート調査をグラフ化したものです。

出典:独立行政法人国民生活センター

このグラフからも分かるように、お客様がかゆみを感じる原因はさまざま。そのなかでもかゆみの原因には

①お客様自身の原因によるもの
②アイリスト側の施術技術によるもの

と、この2つに分けることができます。

まず①のお客様側の原因には
・花粉症
・ハウスダスト
・ドライアイ
・敏感肌
・乾燥肌
・不十分なクレンジングによる雑菌の繁殖
などといったものが挙げられるでしょう。花粉症やドライアイ、敏感肌などはお客様の体質から来ているものであり、冒頭にあげたグルーアレルギーもこのなかのひとつに含まれます。

一方、②アイリスト側の施術技術によるものは、決してあってはならないことです。施術ミスはかゆみだけでなく、目の充血や腫れ、ひどい場合には視力の低下を引き起こす可能性も否めません。しかし、以下の3つのような施術ミスは実際に起こり得そうな内容ばかり。

①グルーがお客様の目や皮膚に触れてしまった

グルーが硬化する際に発生する揮発成分に肌が反応してしまいかゆみを起こす人も少なくありませんが、グラフにもあるようにアイリストが施術時に誤って目の周りの皮膚に直接触れさせてしまったという事例も多く報告されています。また、グルーが目の中に混入してしまったという危険なケースもあるようです。

②エクステがまぶたを刺激してしまっている

エクステがまぶたを刺激してかゆみを引き起こしていることもあります。これはエクステの根元が浮いた状態で接着してしまっている場合や、エクステを自まつげの根元ギリギリに装着したことによりまぶたを刺激してしまっているケースなどが考えられます。

③産毛を巻き込んで装着している

エクステを装着する自まつげの選定を見誤り、産毛をいっしょに巻き込んでしまっているケースもあるでしょう。産毛を巻き込んでしまうとまぶたが引っ張られているような感覚となり、なかにはそれをかゆみと感じる人もいるようです。

これらは、未熟なアイリストが起こしやすい施術ミスの一例。お客様のかゆみの症状が先ほど紹介したグルーアレルギーの特徴にあてはまならない場合、適切に施術できているかどうか今一度仕上がりを確認してみることも大切です。
アイリスト側の施術ミスを防ぐためには、継続的に技術をブラッシュアップしていくほか対策はないと言えるでしょう。

かゆみを感じやすい人への装着方法とは

花粉症やドライアイなど、かゆみの根本であるお客様の体質を変えることは困難です。お客様のかゆみを軽減させるためにアイリストとしてできること、それは技術でカバーできるスキルを身に付けることでしょう。かゆみを感じやすいお客様には、具体的に施術面ではどのような対策を立てることができるのでしょうか。

①根元の距離を広くとってエクステを装着する

かゆみを軽減させるためには、目元周りを清潔に保つことが大切です。クレンジング剤や洗顔料がまつげの根元へ届きやすくするため、エクステの装着する位置をまつげの根元より少し離して装着するとよいでしょう。離す距離は通常装着時より、さらに0.5~1㎜ほどが目安。お客様の目元とのバランスも考慮しながら装着位置を決めるようにしましょう。

②目頭を空けてエクステを装着する

目頭のあたりは、細くて短い産毛が多く生えている部分。そのため、目頭にエクステを装着すると産毛が引っ張られているような感覚となり、かゆみや違和感を覚えるお客様も。かゆみを感じやすいお客様には、目頭部分を避けて装着することを提案してみるのもよいかもしれません。

③ブチルグルーを使用する

グルーアレルギーでないお客様であっても、生理中や季節性によるものなど一時的に肌が敏感になっていることで、過去にかゆみを感じた経験を持つ人も。その場合、低刺激タイプのブチルグルーに変更するのもひとつの手段です。ただしブチルグルーは一般的なグルーに比べると接着力は弱まります。そのため、接着面を多く取る必要があるでしょう。

これらの方法は、過去Beautéでも花粉症やアレルギーを持つお客様への施術対策として幾度か紹介してきましたが、お客様のかゆみの原因に合わせて、どの方法が最も有効なのかを考察するスキルも身に着ける必要があるでしょう。また、お客様の状態によっては、無理に施術をせずに一時的に休息期間を設けることがベストな場合もあるかもしれません。

お客様の目元を正確に把握するとともに、ヒアリングを充実させトラブル防止までしっかり考慮したうえで最適なデザインを提案できるように努めなければいけません。

まとめ

施術後にお客様がかゆみを訴えられた場合、グルーアレルギーを含めさまざまな要因のなかから可能性を探る必要があります。かゆみ対策を怠って施術をした場合、お客様が無意識に目を擦ってしまいマツエクが早く取れてしまうという事態にも発展しかねません。すべてのお客様に最高のパフォーマンスをお届けできるよう、かゆみを引き起こす原因と対策をしっかり頭に入れて備えるようにしましょう。

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