【デザイン提案の参考に】カルテを拝見!一人のお客様のデザイン変更、1年でどれくらいの幅がある?パターンを徹底解説

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「最近、デザインに何かマンネリを感じるんですよね」。ご希望のデザインをお客様にお聞きしたとき、こんなフレーズを耳にしたことはありませんか?こんなことをお客様に言わせてしまうのは未然に避けたいことではあります。しかし、もしそうなれば、ここでトレンドや季節、お客様の毛周期に合った最適な提案をできなければなりません。今回は、お客様へのよりよい提案を目指して、1人のお客様の1年分のカルテを徹底調査しました。カルテにあるデザインの変更例や幅から「最適な提案」を見つけていきましょう!

カルテは「1人のお客様の時系列の提案」の宝庫

カルテを管理している中で、お客様の「前回のマツエクデザイン」「好みのデザイン」などを把握している人は多いことと思います。

しかし、1人のお客様が1年間でどんなデザインを希望し、デザイン変更をしてきたのか、いわゆる「年間デザインの幅」をチェックしたことはあるでしょうか。
お客様には、いろいろな方がいます。中にはお気に入りの固定デザインから一度も変更のないお客様や、カールの強さ・エクステの長さを微妙に変えている方もいますよね。お客様への提案はアイリストとして、

毛周期やまつげの状態に合わせた提案をする
トレンドやシーズンに合わせた提案をする
お客様の髪型・服装などに合わせた提案をする
実用的なデザインを提案する

ことが望ましいでしょう。もちろんデザインの決定権はお客様にあるため、アイリストはあくまでも判断材料を提示するまでです。しかし、理想としては悩むお客様に向けてアイリストからアドバイスして“なりたい目元”へ導きたいもの
そこで「最適な提案とは何か?」を探るために活用できるのが、お客様の年間デザインです。

今回は、初めてマツエクを導入したお客様の1年分のカルテを拝見しました。マツエクを開始した1年でどのようなデザインの幅があるのか、見てみましょう。

およそ1ヶ月に1回の頻度で来店されています。初めてのマツエクであると、経験者よりも「ナチュラルデザイン」「本数は控えめ」にされる方がほとんど。2回目以降は本数やカールの変更も見られます。
また、季節ごとにカラエクやリペアが行われていますね。デザイン変更にはそれぞれ理由があります。この年間表を参考に、お客様へのベストなデザイン提案を考えていきましょう。

 

【季節別】のデザイン提案例と幅

年間デザインを見ると、季節ごとにエクステのカラーやデザインが変わっていることがわかります。デザインの変化が見られた夏から順に解説していきましょう。

【7月~9月】明るめのカラエクや華やかデザインが人気。汗への対策も

長期休暇のために華やかデザインが人気を集める
ヘアカラーに合わせてカラエクの提案もおすすめ
汗対策には、短く緩めカールのデザインを

夏の季節になると、長期休暇やイベントを控えているお客様が増えます。そのため、普段よりも本数が多めでカールをワンランク強いものにするなど、“華やかなデザイン”が人気となるのです。また、冬と比較して夏は明るめヘアカラーも流行。髪型に合わせてカラエクを導入することも考えられるため、「夏だからマツエクのデザインにも変化が欲しい」といった要望があれば、ヘアカラーに合わせてカラエクの提案夏らしい華やかデザインの提案をしてもよいでしょう。
海やプールなどレジャーでのお出かけが増えるのもこの季節。汗をかくことも多いため、夏の水泳や汗はマツエクのモチへ影響することをお伝えしましょう。提案の際は、お客様の夏の予定をヒアリングできるとベストですね。気になるようであれば短めのエクステに変える・カールを緩めに変えるなど、モチを重視した“接着面を確保するデザイン”の提案をおすすめします。

【11月~1月】季節のイベントでデザインを変更

カラエクのお客様には秋冬カラーを提案
クリスマスや年末年始に向けてリペアの提案してみても

11月を見てみると、カラエクをやめてこれまで通りのブラックカラーに戻しています。理由は冬になったため、ヘアカラーを落ち着かせたからだそう。また、12月に入るとクリスマス前にリペアのため来店されているようです。
このようにカラエクを導入されている方へは、季節によって流行りのカラーへの変更を提案するのもおすすめです。2018年の秋冬には、くすんだ色調の「ベイクドカラー」が流行しましたね。トレンドカラーはシーズンごとに変化があるので、都度チェックしておきましょう。

そして、ピンとくる人も多いかもしれませんが、クリスマス前はリペアのお客様が増えます。年末年始は仕事が休みなので、マツエクデザインも仕事用から「オフモード」にしたいと思う方が多いからでしょう。キレイな状態の目元で新年を迎えたい、と考える方もいらっしゃいます。クリスマス・年末年始のイベントに向けて、メンテナンスとは別に「付け足しでのリペア案内」をしても喜ばれるかもしれませんね。

【2月~3月】花粉症のお客様にはケアすべきデザイン提案を

花粉症のお客様には目頭を空けて施術など工夫を

さて、12月~2月まではお客様のデザインに変化はありませんでした。とはいえ、年が明けてからのデザインで気を付けたいのは、お客様が春の花粉症持ちかどうかという点。花粉症の方なら目元に違和感を覚えたり、癖で目元をこすってしまったりするなどが考えられます。そこで、「目頭を空けて施術する」「花粉対策にメガネを着用するなら長さを短めに、カールを強めにする」などの工夫を提案してみてはいかがでしょうか。

こうすることでモチがよくなり、花粉の季節でもマツエク装着がお客様にとって負担とならないでしょう。秋の花粉ピーク時にも、同様のことが言えます。

デザイン提案は“毛周期”にも注意!

さて、季節別のデザイン提案例をご紹介していきましたが、アイリストとして欠かせないのがこの提案にプラスして“毛周期”が絡んでくるという点。お客様それぞれで毛周期は異なりますが、毛周期に合わせた提案やケアの注意点をお伝えすると丁寧です。

まずはおさらい。毛周期とは?

すべてのまつげが持つ“毛周期”。まつげは「成長初期」「成長後期」「退行期」「休止期」を繰り返して生え変わります。このとき、まつげの成長が止まって毛が太くハリがあり、伸び切った状態である「成長後期」「退行期」がエクステ装着のベストなタイミングです。

1本1本異なるタイミングでこのメカニズムが発生するため、見極めはベテランアイリストでもとても難しいのですが、例えば

普段の前処理では数本抜けるだけなのに、今回は片目だけで5本以上も抜け落ちた
極端に長い・短いまつげの量が全体的に多い

といったことが分かれば、注意を向ける必要があります。お客様の目元には、エクステ装着がおすすめできない「成長初期」「休止期」のまつげが増えているかもしれません。つまり、装着できる自まつげの本数が少ないのです

退行期のまつげが少ないときにできるお声掛け

先ほどの年間デザインを見てみると、本数の変更がありますよね。このお客様の場合だと100本以上の装着を希望されていませんが、ときにはボリュームアップのため120本~のオーダーももちろん考えられます。
しかし、毛周期によっては毎回確実に120本装着できるわけではありません。先ほどのように「成長初期」「休止期」の自まつげが多いときは、

今回はご希望通りの本数にならないかもしれない
今回の施術後に抜け落ちるエクステが多いかもしれない

このようなことを一言お声掛けしましょう。
生え変わりの時期が近付いていたり、まつげが抜けやすい時期が来るのは当たり前のこと。とはいえ、お客様の中には毛周期についてあまりご存知ない方もいるかもしれません。マツエクやデザイン、そして装着の技術力のせいで抜け落ちるわけではないことを、しっかり説明してご理解いただきましょう。
また、お客様の自まつげの状態が悪く希望するデザインを施術するとダメージが大きい、と判断できれば、今後の予定をヒアリングした上で、

「弱っているまつげが増えてきたので、今回は少なめにバランス良く施術しましょう」
「次回の○○(予定)に向けてまつげを伸ばすために、少し控えめに付けていきますね」

など提案するのもおすすめです。自まつげの状態は、意外と自分では把握しきれません。アイリスト目線でケアアドバイス・自まつげの状態に合わせたデザイン提案をして、自まつげの育毛環境を整えてあげたいものですね。

退行期のまつげが少ないときにできるデザイン提案例

「装着できる自まつげ=退行期のまつげが少ない。けれどもお客様は華やかデザインを希望している」。このようなケースでは、デザインの提案にも工夫が必要です。
例えばマツエクに慣れているお客様だと、希望通りの本数が装着できなかった施術後に「何かスカスカしてる…」と仕上がりに違和感を覚える方もいるでしょう。本数確保が難しいときは、カールを強めにしてまつげの存在感をアップさせます。すると、正面から見た際のインパクトが強くなり「スカスカする印象」が払拭されるのです。
先ほどもお伝えしたように、マツエクが初めてのお客様は、エクステ装着をした時点で「普段のまつげ以上」の印象が体験できるため、ボリュームの面で不満足に感じることは少ないかと思います。マツエク経験者で慣れている方こそ、微妙なマツエク本数減少の変化が気になるのです。この場合はデザインで本数減少のカバーをし、“マツエクの見え方”に細心の注意を向けてみてください。

まとめ

いかがでしょうか。お客様のデザイン変更を1年間で見てみると、季節や毛周期によってできるデザイン提案やアドバイスがあることが分かりました。「季節的にこういう提案がよいのだろうな」と何となく感じているアイリストは多いことと思いますが、具体的な理由を知るとデザイン提案にも説得力が出てくるはずです。これらを頭に入れておくことで、お客様の心を掴む提案ができるといいですね。181104E3s

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