今更聞けないグルーの内容成分って?? 安全性を確認する「SDS」って何?

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デリケートな目元に使用する接着剤、「グルー」。普段、何気なく使用していませんか?プロだからこそ、成分や特徴をきちんと理解し、注意点をしっかりと認識したいですよね。今日はいまさら聞けないグルーの内容成分について解説します!

そもそも、「グルー」ってなに?薬事法との関係とは

そもそも「グルー」とは何でしょうか?基本中の基本ではありますが、マツエクを自まつげに装着する際に使われる接着剤を指します。目元に使うため、アイリストとしてはきちんと成分を知っておきたいですよね。しかし、残念ながらほとんどのグルーは、成分表示をされていません。理由は、薬事法上「化粧品等」ではなく「雑貨」に振り分けられるため。自主的に公表しているメーカーもありますが、それでもまだまだ成分配合が不透明なグルーが多いのです。だからといって、安全性の確認ができていないまま使用しても良いのでしょうか?やはり、プロとしての答えはNOでしょう。正しい知識を持ち、慎重にグルーを選択する必要があります。ではどのような知識をもとに判断していけば良いのでしょうか。まずは、グルーの知識を深めていきましょう。

グルーの主成分と分類

安全性の高いグルーを選ぶためには、グルーの基礎知識が必要です。ここから、一般的なグルーの主成分と分類について説明していきます。

【主成分】
グルーの主成分は「シアノアクリレート」と呼ばれる、有機化合物です。空気中などのわずかな水分に反応して、一瞬で硬化・接着する特徴があります。一般的な接着剤の中には、熱を加えて粘着力を発揮するタイプもありますが、マツエクには不向き。
そのため、現在マツエクのグルーとしては、ほぼ100%シアノアクリレートが主成分とされています。 一般的にシアノアクリレートは5つの分類に分けられます。

名称

用途

刺激性

臭い

粘度

強度

メチル

工業用に近い

金属・壁

強い

強い

弱い

エチル

強い

強い

弱い

メトキシエチル

プラ・ゴム・金属

弱い

弱い

強い

ブチル

医療用・プラ・
ゴム・金属

弱い

弱い

強い

オクチル

弱い

弱い

強い

×

※名称はシアノアクリレートを省略した短縮名称。

中でもマツエクで使われるグルーは、「エチルシアノアクリレート」と「ブチルシアノアクリレート」が主流。他の3種類は、持続力の低さや原価の高さなどによって、あまり使われていません。 なお、エチルシアノアクリレートとブチルシアノアクリレートの大きな違いは、ホルムアルデヒドの含有量です。国内で多く取り扱われているエチルシアノアクリレートは、ホルムアルデヒドの放散量が多め。接着力が強いためモチは良いのですが、アレルギー反応が起こりやすいというデメリットがあります。一方ブチルシアノアクリレートは、医療グレードと呼ばれ、ホルムアルデヒドの含有量が少ないグルーと言われています。

【副成分】
主成分であるシアノアクリレートだけではどうしても足りない部分があります。そのため、グルーにはその欠点を補うために副成分も配合。主に採用されている4つの副成分をご紹介します。

名称

役割

湿気硬化型ウレタン

硬い上にもろく、耐熱性もやや低いシアノアクリレートの特徴を補う。
マツエクからはみ出たグルーも硬化させる

アクリル樹脂

グルーの造粘剤

カーボン

自まつげと馴染むよう着色する

防腐剤

グルーの酸化を防止する

もちろん、商品によっては含まれていない成分もあり、また、別の成分が含まれる場合もあります。

安全なグルーを見極める!「SDS」を確認しよう

最後に、安全性の高いグルーを見極める「SDS」について勉強していきましょう。「SDS」とは、Safety Date Sheetの略称で、日本語に訳すと「安全データシート」のことです。

経済産業省では

「事業者による化学物質の適切な管理の改善を促進するため、化管法で指定された「化学物質又はそれを含有する製品」(以下、「化学品」)を他の事業者に譲渡 又は提供する際に、SDS(安全データシート)により、その化学品の特性及び取扱いに関する情報を事前に提供することを義務づけるとともに、ラベルによる 表示に努めていただく制度です。 取引先の事業者からSDSの提供を受けることにより、事業者は自らが使用する化学品について必要な情報を入手し、化学品の適切な管理に役立てることをねらいとしています。※」
※経済産業省HP「化管法SDS制度」引用 (http://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/law/msds/msds.html

と発表されています。 つまり、どのような成分が含まれたグルーなのか、SDSを取り寄せれば把握できるということです。しかし、残念ながらはじめに紹介した通り、グルーの販売において成分を表示する義務はありません。そのため、SDSを用意するかどうかはメーカーの任意ということになります。 反対に、メーカーとしてSDSを用意するメリットは何なのでしょうか?それは、安全性の高さをアピールできること。自信をもって成分表示ができるほど、安全なグルーを販売しているからこそ、SDSを提示できるのでしょう。 安全性の高いグルーを探しているのであれば、ぜひSDSの提示を要請してみてください。スムーズに提出してもらえるかどうかが、ひとつの判断材料となるでしょう。

まとめ

プロとしてグルーにこだわりを持ちたいけれど、なかなか難しいと感じている人も意外と多いものです。ぜひSDSを活用し、安全なグルーを選びましょう。また、SDSを取り寄せても、成分に対する知識がなければ意味がありません。それぞれの成分についても、改めて勉強しておくと安心ですね。

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