女性のキャリアやライフプランに選択肢を広げ、美容業界に還元したい!JapanEyelistCollege学園長橋本とよみ氏インタビュー

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今回の経営者インタビューは、アイビューティー教育の基盤ともいえるJapanEyelistCollege(ジャパンアイリストカレッジ)の学園長のほか、マツエクメーカー7LASHの運営、さらには女性支援など、ほかにもさまざまな事業を展開している橋本とよみ氏に登場いただきました。今、トレンドであるアイブロウをスクールの講義としていち早くカリキュラムに取り入れるなど、マツエク業界だけでなく美容サロン業界のトップランナーを育てるべく、幅広い活躍を見せてきた橋本氏。そんな橋本氏に、アイブロウに着目したきっかけや力を入れているアイコーディネーター教育、そして今後のマツエク業界、美容業界についてお話しを伺いました。

【経営者プロフィール】橋本とよみさん

美容学校卒業後エステティシャン件カウンセラーとして年間売上1億円をあげ続け、23歳で独立。美容業、不動産業を経て、2008年株式会社ThreeBeautyを設立。アイビューティー業界の基礎となる教育をつくるべくJapanEyelistCollegeを開校し日本全国、アジアで42校展開中。同時にサロンワーク教育をベースとしたアイラッシュ、アイブロウ、アイケアのアイビューティーメーカーを立ち上げ基礎レッスンから独立開業、サロンサポート、人材育成と幅広く美容業界で活躍。2014年に業界初となるアイビューティー本を発売。
2016年長女を出産。子育てと仕事の両立を行う中で女性が自立する事の大切さを実感し、世界から圧倒的な遅れをとる日本女性の社会進出に目を向け女性のもつ可能性を発信すべく2020年に「女性自立支援プロジェクト」を開始。更には2021年のコロナ期には日本の素晴らしさを実感し、沖縄宮古島にプール付きのホテルリゾート開発を進める。

マツエク業界のトップランナーとして教育の基盤を形成

まず、橋本さんがマツエク業界に参入したきっかけについて教えてください。

橋本とよみ氏

私がマツエク業界に参入したのは、目元の重要性を再認識したのがきっかけ。エステサロンや不動産の事業を展開していたのですが、27歳の時に新たな美容の事業を始めようと考えていたんです。当時、まだマツエクを導入しているサロンが少ない時期でした。大阪・心斎橋でも、マツエクを導入しているサロンは数店舗。実際に、いくつかのサロンで施術を受けたのですが、施術中に涙が止まらないなど、私が考える理想の仕上がりにならなかったのが印象的でした。「まだまだマツエク業界は伸びる」そう思い、マツエク事業を展開したんです。

大阪でマンションの一室を借り、マツエクサロンをオープンとするとほぼ同時に、自分が学んだり経験したりした技術をマニュアル化してスクールも開校。当時は商材の流通も悪く、商材が届かないなどのトラブルも日常茶飯事だったため、自分のためにも業界の活性化にもなるよう、商材の企画販売もスタートしました。

事業が軌道に乗るまでは苦労しましたが、学生時代に陸上部で培った根性でひたすら努力し続け、マツエク業界にさまざまな種を蒔いてきました。その中のひとつであるスクール事業「JapanEyelistCollege」は、現在全国で42のスクールを開校するまでになり、マツエクだけでなく、アイビューティ教育の基盤になったと自負しています。

スクールのコンテンツのひとつにアイブロウを導入したのは、JapanEyelistCollegeが初めだと伺いました。

アイブロウのカリキュラムをスタートしたのは、2012年頃。当時はアイブロウのカリキュラムを取り入れているところはなく、まさに、アイブロウメニューの草分け的存在だと思います。しかし、当時、アイブロウのメニューといえば美容院で、眉カットや眉のカラーリングなど、ワンコインで行われているようなメニューでしたよね。だからこそ、講師陣にも受講者にも、アイブロウの重要性は認知されなかったんです。

まずはアイブロウの成功事例を作ることに力を入れよう!」と、アイコーディネーターが働くアイビューティー専門サロンをオープンさせました。アイブロウだけで月に80万円ほどの売り上げを達成し、目標としていた成功事例を作ることができました。それをきっかけに、サロン経営者から注目されるように。

それから徐々にですが、世間の意識が変わりはじめ認知が広がり始めました。特にSNSが火付け役となり、アイブロウの重要性が広がっていたように感じます。それを追うように技術者やサロンがアイブロウメニューを導入、今やHotPepperでの集客はマツエクよりもアイブロウが高くなるまでになっています。根気よく撒き続けた種が、ようやく実を結んだという感じですね。

なぜアイブロウにフォーカスすることにしたのでしょうか?

橋本とよみ氏

10年ほど前、マツエク技術を競うコンテストの審査員をしていて感じたことがあったんです。コンテストを始めた初期の頃と比べてアイリストの技術が安定し、マツエクをきれいに装着できる人が増加。これまでは、こだわりやセンスを問うものだったはずなのに、どこか作業のような感覚でマツエクを装着するアイリストが増えたように感じたんです。「1位と2位の差は?」と聞かれたら、明確に答えられない。どちらも技術的に問題なくマツエクを装着していることができているんですから。そのとき、まつげだけではダメだと感じたんです。マツエクだけではなく、アイブロウもデザイン、メイクまでトータルにコーディネートでき、施術者のこだわりやセンス、デザイン性を表現していかなくては、差別化するのは難しい。また、まつげだけではメニューが広がらないことも、理由のひとつです。そこで、メイクで一番難しいと言われ続けているにもかかわらず、サロンが参入していないアイブロウを含め、目元全体にフォーカスすることを考えました。

これから必要なのは、単なるアイリストではなくアイコーディネーター

橋本とよみ氏

マツエク業界が安定期に入り、アイリストの技術が平準化されてきたことで、マツエク施術が作業のようになってきている側面があるのではないかと思います。しかしこれからは、エクステをただまつげにつけていくだけでは不十分。現在私が力を入れているのは、マツエクやまつげパーマだけでなく、アイブロウやアイメイク、ケアなど、目元をトータルでサポートできる技術者、アイコーディネーターの教育です。そもそも、まつげをつける目的は、目元をかわいくすること。眉毛を整えることも、目元をかわいくするという大義では同じです。

アイコーディネーターが必要と考える理由のひとつに、施術者生命も影響しています。目元への施術という繊細な作業を行うアイリストは、視力的な問題もありなかなか60歳までできる仕事ではありません。個人差はあるものの、アイリストの定年は大体40代くらいでしょう。しかし、若い世代がアイリストという職業を志したとき、施術者生命の短さがネックになることもあるかもしれません。長い人生を生きるうえで、せめて60歳までは働き続けることができる状態を作りたい。マツエク施術はダメでも、アイブロウやアイメイクの提供ができれば、長く活躍することもできるかもしれません。年齢とともにお客様との信頼関係をより強固に築けるようにもなるという強みも生まれるでしょう。

橋本さんが考える、マツエク業界、美容業界の将来とは?

マツエクはコンプレックスの解消や時短を叶えるツールのひとつ。マツエクの良さを体感してしまえば、継続してやり続けたくなる、自分ではできないからサロンに行くしかない。そういう意味で言えば、一時的なトレンドというよりも、安定したメニューになっているのかもしれません。そのニーズを作ることができたのが、マツエク業界の良さだと思っています。

マツエク業界は、お客様はもちろん施術者も含め、女性ありきの業界。美容業界も女性のニーズが多い業界です。だからこそ、まず、ターゲットでもある30~40代の女性が、自分で稼いで自分のために使えるお金が増えないと、マツエク業界や美容業界全体の底上げはできないと、当初から感じていました。そのためには、結婚しても子どもを産んでも、仕事を辞めない女性を増やしていかなければなりません。しかし、日本において、出産してからの離職率は60%以上で、出産でキャリアを中断したのち、正社員として働いている人はまだまだ少なく、女性の平均年収が低いのが現状。

そこで私が今力を入れているのが、「RESTA plus(リスタプラス)」を通した女性支援。2020年に事業を立ち上げ、さまざまな女性のロールモデルの共有、学校では学べない女性が知っておくべきことを教示する動画の配信など、女性のキャリアの選択肢の幅を広げるサポートをしています。女性支援の基盤を構築することで、巡り巡って美容業界に還元すること、これが私の目標です。

橋本さんの経営理念とは?

美容、不動産、女性支援など、複数の事業をしていますが、どの事業においても、<未来に残せるものを創造していくこと>が、私の仕事のコンセプト。女性が変わると子どもの教育も未来も変わっていくと思うので、子どもたちの未来がこんな日本になったら良いなということを、常に考えるようにしています。のでも環境でも人材でも、子どもたちの未来に価値あるものを残すことが、大人として、そして経営者としての私の役割だと思っています。

仕事をするうえで大事にしているのは、誰でもできることではなく、自分だからこそできること。近い人の悩みや声を聞いて、自分ならどう助けてあげられるか、自分ができなくてもできる人がいるのではないかと考えることが、事業のきっかけになることもたくさんあります。技術やスクールなど、自分が作り上げたものへの執着は、実はあまりないんです。私の名前が残ることではなく、形なり記憶に残っていくものを作ることができ、皆さんの役に立っていたら嬉しいんです。

まとめ

マツエク業界のことだけでなく、女性のキャリアや子どもの未来と、ひとりの大人として、そして経営者として、広い視点で物事を見ていることが印象的だった橋本さん。美容業界の発展には、女性のキャリア形成が欠かせないという点には、深く納得させられました。橋本さんだからこその視点で展開される事業に、今後も注目していきたいと思います!210817Ess

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