「目が染みるのを予防する」は嘘だった!?コンタクトレンズをしたままマツエクの施術はできるの?

この記事をシェアする

多くのサロンでは、マツエク当日のアイメイクを控えてもらうよう(もしくは避けるよう)お願いしていることが多いですよね。では、コンタクトはどうでしょうか?

最近ではカラコンも普及してきているため、多くの女性がコンタクトを付けた状態で来店されています。そもそもマツエク施術中はコンタクトを付けたままでも問題ないのでしょうか。今回はコンタクト装着中のマツエク施術について危険性など詳しく解説します。

コンタクトしたまま施術できる?カラコンでもいいの?

まず結論から言うと、ハードレンズの場合は危険性が高いため、外してもらうようにしましょう。ソフトレンズであっても付けたままの施術は避けた方が安心です。

マツエク施術中は、目を閉じていますよね。目を閉じている間は瞬きができず涙の供給ができなくなるため、充血したり目の渇きを覚える人も少なくありません。これはソフトレンズでもハードレンズでも同じ。特に元々ドライアイのお客様は、コンタクトを付けたまま施術を行うことでより強い乾燥しやすくなり、施術後にはコンタクトが眼球に張り付くこともあります。そしてハードレンズの場合は、施術中にズレてしまったり、何らかの拍子にまぶたを押さえつけてしまい、目に傷が入ることもあるためなおさら危険。ハードレンズを付けている=柔らかい眼球の上に、小さく硬いレンズが乗った状態です。軽い力であっても目を傷つける可能性があることを頭に入れておきましょう

ちなみに、人気のカラコンにも注意が必要です。カラコンは今やメイクの一部として気軽に楽しむ女性も多く、お客様側もアイリスト側もなかなかリスクとは結び付かないかもしれません。しかし、一般的なカラコンは透明なソフトレンズよりも厚みがあり、酸素透過率が低いと言われています。また、そもそも開発時点で酸素透過率が著しく低い商品も珍しくありません。酸素透過率が低い=目が乾きやすいレンズということ。施術中にトラブルが起こりやすいため、外してもらってから施術を始めた方が良いでしょう。

マツエク施術中のコンタクト装着 メリット・デメリットについて

そもそもマツエク施術中にコンタクトを付けたままでいることでメリットはあるのでしょうか?デメリットとともにご紹介します。

メリット

・揮発成分から目を守ってくれる

デメリット

・ハードレンズは、施術中にズレたり目を傷つける可能性がある
・ソフトレンズにグルーが付着すると溶ける
・乾燥しやすい
・充血しやすい
・乾燥して涙が出ると、白化現象の原因になる

マツエク施術中にコンタクトをつける【メリット】

コンタクトを付けたまま施術を進めるメリットがほぼないことが分かりますね。まずはメリットから見ていきましょう。

グルーの硬化時に発生する揮発成分は、目に入ると痛みや充血を引き起こすと言われています。ネット上にあふれている「マツエク中は目が染みる」という感想は、おそらくこの揮発成分が原因です。その点、ソフトレンズを付けたまま施術すると黒目をカバーしてくれるため、グルーが染みにくいと言われています。コンタクトが保護膜のような働きをしてくれるのでしょう。もちろん、コンタクトを付けていても染みる人はいますが、付けていない人よりも付けている人の方が染みを感じることが少ないようです。

マツエク施術中にコンタクトをつける【デメリット】

次は、先ほども紹介した2つのデメリットから見ていきます。
ハードレンズは、施術中にズレる可能性があり、まぶたに少し負荷がかかるだけで目に傷が入る危険性があります。また、レンズの種類に関係なく、長時間目を閉じた状態でいると乾燥しやすくなります。乾燥する=不快感に繋がり、お客様にとって快適な施術とは言い難いでしょう。

さらに、白化現象のリスクもあります。人の目は、乾燥すると勝手に涙を分泌し、目の潤いを維持しようとします。マツエク施術後に目が乾燥しているお客様は、おそらく何度も瞬きしたり、しばらく目を閉じていたりしますよね。その動きにより、目全体に潤いが行き届くようにしているのです。しかし、もしその涙の量が多かったとしたら、まぶたから溢れ出しマツエクのグルーに付着する可能性が高まります。すると、白化現象と呼ばれる、グルーが白くなる現象が起こりやすくなるでしょう。一度白化現象が起こったグルーは黒く戻りません。オフして再度付け直す必要があります。

さらに、恐ろしいのがソフトレンズとマツエクグルーの関係性。瞬間接着剤と同じ成分でできているマツエクのグルーは、ソフトレンズを溶かしてしまう性質があると言われています。そもそも目の中にグルーが入ってしまうこと自体、絶対にあってはならないミスではありますが、実際にグルーの付いたエクステがコンタクトレンズに触れてしまい、レンズが溶けたトラブルも過去に起きています。例えグルーが直接レンズに触れていなくても、油断できません。なぜなら、グルーの揮発成分により、レンズが変形する事案も発生しているためです。

お客様に安全な環境を提供すべきアイリストとして、コンタクトは施術前に外していただいた方が良いと実感してもらえたでしょうか?

コンタクトのお客様へのお声がけ

最後に、ご来店時にコンタクトを付けられているお客様へのお声がけ方法をご紹介しましょう。

まずはカウンセリングシートを活用し、レンズの種類を確認します。その後、

「今、コンタクトレンズは入っていらっしゃいますか?」

と質問してください。もし入っている場合、ハードレンズのお客様には必ず、

 「施術中は、目を閉じたまま瞬きもできないため、コンタクトを付けたままだと目が乾きやすく、充血することもあります。さらにハードの場合は、目の中でズレやすくなったり、万が一まぶたに手が当たると衝撃で目に傷が入る可能性もあるようです。できるだけ安全な状態で施術させていただくため、施術前にコンタクトを外していただいてもよろしいでしょうか?」


と、お伝えします。

ソフトレンズの場合には装着したまま施術を希望されることもあるかもしれません。そのときはアイリストからしっかりとリスクについても説明し、ソフトレンズであっても外していただけるよう促せるようなお声がけを心掛けましょう。

また、コンタクトを外せる環境も整えておきましょう。貸し出し用のコンタクトケースや保存液を用意しておくと親切な対応ですね。

なお、施術後もすぐにはコンタクトを装着できません。メガネを持ち歩いていらっしゃるお客様や、コンタクト無しでも帰宅するには問題ないお客様は良いのですが、もしコンタクトがないと帰宅が困難となる場合は別日での施術をご提案することも。できれば、何度も足を運んでいただくことのないように、前日や当日の朝などに予約の確認とともにコンタクトに関するアナウンスもしておくと安心です

まとめ

たかがコンタクトぐらい大丈夫!という安易な気持ちが、お客様の目を危険にさらす原因になるかもしれません。私たちには、目元を預かるプロとして、施術時の安全さにこだわる使命があるはずです。「他のサロンではそんなこと言われなかったのに」と言われたとしても、リスクを繰り返しお伝えすることで、きっとお客様も理解してくれます。コンタクトレンズを付けたままの施術はトラブルの元。強い責任感を持って、安全な施術を進めていきましょう。

この記事を読んだあなたにおすすめの関連記事

この記事をシェアする