【コロナ対応/来店型ビジネスの希望】「クラウドファンディングで未来の予約を売る」ススメとは?

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マツエクサロンを含むいわゆる「来店型ビジネス」は、新型コロナ大流行がきっかけとなり大きな岐路に立たされています。新型コロナの流行は数年に渡り続くという見解もあり、今は新しいビジネスの方法を模索していかなければならない時期です。

そこで今回は、クラウドファンディングを活用し、サロンを存続させていく方法についてご紹介していきます。普段通りの営業ができるようになるまで、アイリストたちを守るためにできる行動について考えていきましょう。

来店型ビジネスは「自粛」で大打撃…未来予約を販売するクラウドファンディングとは?

いわゆる“接客業”と呼ばれる来店型のビジネスは、外出を控えることが当たり前になったことによって大きなダメージを受けています。お客様をサロンへお迎えし、マツエクの施術をすることで利益を上げていたマツエクサロンも、例外ではありません。
そこで今、コロナによって打撃を受けたお店や企業が、「クラウドファンディング」を活用して、未来へつなげようと奮闘しています。お客様の来店率がグンと下がってしまったマツエクサロンも、クラウドファンディングを活用することで、一種のプロモーションにもなるかもしれませんね。
すでにクラウドファンディングを活用して、“未来の予約”を手に入れている店舗やサロンをまずご紹介していきます。

新型コロナに対するサポートプログラムを打ち出した「CAMPFIRE」

知名度の高いクラウドファンディングサイトとして知られる、「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」。お店を存続させようと頑張っている人たちに向けて、CAMPFIREは2020年4月5日より「新型コロナウイルスサポートプログラム」を打ち出しました。
新型コロナの流行によって経営のピンチに立たされた人たちを、サイト内の特集ページにて紹介。コロナの影響による企画ではないものと差別化を図り、コロナによって危機を迎えている人たちの力になりたいと考える人々の目に留まりやすいような工夫がなされています。
さまざまなジャンルの企業やお店がCAMPFIRE内で支援を待っていますが、その中からマツエクサロンにも生かせそうな案件をいくつかピックアップしてみました。

18種類にも及ぶリターンを用意している美容室

東京・表参道にある「surface」は、CAMPFIREでクラウドファンディングによる支援を募っているヘアサロンのひとつ。新型コロナウイルスの影響からの営業自粛により、新しいサービスの提供方法はないかと模索しているヘアサロンでもあります。

引用元:CAMPFIRE

リターンの種類も豊富で、1,000円の寄付型“サロン応援チケット”から30,000円の“カラーリタッチチケット”まで、全18種類も用意されています。

新型コロナウイルスサポートプログラム内では、“危機的状況にあるサロンを救ってください!”というスタンスのお店が少なくありません。しかし「surface」は、髪を切りたくても切りに行けないというお客様のために、何かできることはないかという想いでクラウドファンディングの力を活用しています。

このスタンスなら、“支援なんておこがましい…”と感じる人にも気兼ねなくリターンの依頼をかけることができますし、美容師としての役割も果たすことができて一石二鳥

サロンを応援してもらうというだけでなく、今サロンとしてできることは何かに重きを置いたこの方法なら、未来のサロンもお客様も守ることができるのではないでしょうか。

1年間使えるチケットをリターンとして用意

全国にサロンを展開している「TRU NAIL&EYELASH」は、スタッフの雇用存続のためにCAMPFIREで支援を募っているネイル&マツエクサロン。全国展開しているような大きいサロンであればあるほど、家賃や人件費、休業中の給与保証など支出が多いのも事実。クラウドファンディングでPRも兼ねながらこの状況を逆手に取っていますね。
「TRU NAIL&EYELASH」が支援に対するリターンとして用意しているのは、1,000円の寄付型“応援チケット”ネイル・マツエクの施術に使える“1年間有効の割引チケット”。今は誰もコロナの終息時期が目に見えない状況なので、1年間という比較的長期間使える割引チケットを支援者に対するお返しとして用意しています。
1年間の猶予があれば日程的な余裕もあるため、リピーターのみならず新規のお客様からもチェックしてもらいやすくなると言えます。

東京・南青山の有名美容院でもカット・カラーの前売り券を販売

東京・南青山にある「NORA HAIR SALON(ノラヘアサロン)」は、フィリピン・マニラにある店舗オープンのために、クラウドファンディングを活用。日本と違って海外ではロックダウンが発令され、美容室などの利用は全くできない状況となっています。

そのため、フィリピン・マニラの店舗もオープンできないままストップ。その状況を打破するために用意されたのが、“ヘアカット前売り券(7,700円 税込)”“ヘアカラー前売り券(8,250円税込)”です。

このチケットは、日本の店舗でもフィリピンの店舗でも利用可能。またギフトとして購入することもできるため、大切な人へのプレゼントとしても購入してもらえるような工夫がなされています。

3年間という長い有効期限も、この前売り券が注目を集めている理由のひとつ。お客様のスケジュールに合わせられるよう有効期限を長く設定するのは、かしこくクラウドファンディングを活用するために重要なポイントです。

そもそも、クラウドファンディングとは?

クラウドファンディングとは、2000年代に入ってアメリカで普及し始めたサービスです。日本にクラウドファンディングがやってきたのは、2011年ごろ。時を同じくして東日本大震災が発生したこともあり、急激にクラウドファンディングの需要が伸びていきました。
“クラウドファンディング”という言葉は、群衆を意味する「クラウド」と、資金調達を意味する「ファンディング」をくっつけたもの。その言葉のとおり、インターネットを通じてたくさんの人から少しずつ資金を調達するのが、クラウドファンディングの在り方です。

クラウドファンディングにはさまざまな種類がある

クラウドファンディングと一言で言っても、その種類はさまざま。種類ごとに、違いを見ていきましょう。

購入型クラウドファンディング

購入型クラウドファンディング」は、起案者のプロジェクトに対して支援者がお金を払い、そのお返し(リターン)としてものやサービスなどのやりとりがなされるタイプのもの。先ほどご紹介したクラウドファンディングの事例は、どれもこの購入型クラウドファンディングに属しています。

支援者にとっては、起案者を支援するというよりも起案者のプロジェクトに魅力を感じてそのものやサービスを購入したという印象が強いのが購入型の特徴。また、プロジェクト成功にまつわる方法についても2種類あり、目標金額に届かなくても募集期間が終了となる「All In型」。目標金額を達成した場合にのみプロジェクト完了となる「All or Nothing型」は、目標金額が達成できて初めて動き出せるプロジェクトを打ち出すときに最適な方法です。

先ほどご紹介した事例が掲載されているCAMPFIREや、よしもと興業がプロデュースしているSILKHAT(シルクハット)などは、購買型クラウドファンディングがメインとなっています。

寄付型クラウドファンディング

寄付型クラウドファンディング」は、起案者のプロジェクトに対して、支援者がお金を寄付する仕組みになっています。先ほどご紹介した事例の中に出てきた“応援チケット”は、寄付型クラウドファンディングに該当する案件です。

ネットを介さない一般的な寄付制度と同じく、商品・サービスのリターンが発生しないのが、寄付型クラウドファンディングの特徴。自然災害が発生したときの支援や、社会貢献などのクラウドファンディングで多く活用されています。

融資型クラウドファンディング

融資型クラウドファンディング」は、日本で「ソーシャルレンディング」という名前で認知されているケースが多いクラウドファンディングです。“融資”という意味合いの大きいクラウドファンディングなので、購入型・寄付型と違い金銭的なリターンが発生します。

株式型クラウドファンディング

株式型クラウドファンディング」は、個人対個人ではなく企業対個人でやり取りが行われるクラウドファンディング。主に、企業がこの方法で資金調達を行っています。
株式型クラウドファンディングを取り扱う事業者は、第一種少額電子募集取扱業資格を有していることが前提。借り手側である企業は、年間1億円まで。投資家は、1社あたり50万円までとやりとりできる金額がきまっているのも、株式型クラウドファンディングの特徴です。

ファンド型クラウドファンディング

ファンド型クラウドファンディング」は、企業がある特定の事業に対して、個人の投資家から出資を募るクランドファンディングです。投資家に対しては、出資額に応じた金銭的な見返りだけでなく、投資をした企業からものやサービスが提供されるケースもあります

ふるさと納税型クラウドファンディング

ふるさと納税型クラウドファンディング」は、地方自治体と納税者との間で成立するクラウドファンディングです。購入型・寄付型のクラウドファンディングと仕組みは同じ。寄付金に対して控除が受けられるので、双方に大きなメリットがあるクラウドファンディングです。

マツエクサロンでクラウドファンディングをする際のポイントは?

マツエクサロンでクラウドファンディングを行う場合は、購買型・寄付型のクラウドファンディングがメインとなります。サロンのため、スタッフのため、お客様のためになるクラウドファンディングを立ち上げるには、どのようなポイントに注意すれば良いのでしょうか。

支援者がどれだけワクワクできるようなリターンを用意するか

クラウドファンディングで支援を募る際、支援者がまず見るのはリターンの内容です。自分が支援をすることによってどのようなリターンがあるのかは、購買型クラウドファンディングの案件を選ぶ上で重要なチェックポイントとなります。
クラウドファンディングを行う本来の目的は、できるだけたくさんの金銭的な支援を集めること。しかし、まず魅力のあるマツエクサロンであることをアピールできなければ、そもそも支援者たちの目に留まることがありません。
「おっ!」と思ってもらえるような内容のリターンが用意できるかどうかも、クラウドファンディング成功のカギとなります。

既存のお客様に「この先も応援したい」と思ってもらえるお店であるか

来店型ビジネスとして今まで成立していた、マツエクサロン。今までと同じようなスタイルで営業を続けていけるのかどうか分からなくなった今、改めて既存のお客様を大切にすることが求められています。
クラウドファンディングで支援を募る際、リターンの内容を公開するのはもちろん、どのような思いでこの企画を立ち上げたのか。サロン側のお客様に対する思い入れに対しても、しっかり公表しておく必要があります。
既存のお客様がクラウドファンディングのサイトを見たとき、「このサロンに通い続けていてよかった」と思えるかどうかが大切。どんな思いを持ってクラウドファンディングの企画を立ち上げたのかは、しっかりと文章にして表すようにしましょう。

まとめ

新型コロナの流行によって、改めて大きな注目を集めているクラウドファンディング。単なる資金調達を目的とするのではなく、今までに出会ったお客様、そしてこれから未来で出会うお客様へのPRのために、時代の流れをうまくつかんだ活用ができるといいですね。200503Eue

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