アイリストの健康を守るために!ホルムアルデヒドに潜む危険性って?

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アイリストが施術に使うグルーが硬化する際に発生する、ホルムアルデヒド。目や喉などにアレルギー症状を引き起こす物質として認知されていますよね。しかし、ホルムアルデヒドとはどんな物質か、どんなアレルギー症状を起こすのか、詳しく知っている人は少ないのではないでしょうか?
アイリストは、ホルムアルデヒドにふれる機会が多い職業です。お客様に施術する立場として、正しい知識を持っていなければなりません。
そこで今回は、ホルムアルデヒドによるアレルギー症状や対策などを詳しく解説していきます。

ホルムアルデヒドってどんな物質なの?

そもそも、ホルムアルデヒドはどんな物質なのでしょうか?まずはホルムアルデヒドについて知っておきましょう。

ホルムアルデヒドって何?

ホルムアルデヒドとは、家具の合板や建築資材の接着剤や樹脂などから発生する刺激性の物質です。揮発性で、気温が上がるにつれて発散する量が増えるという性質を持っています。
大量に吸引したり皮ふなどに触れたりすると、以下のような症状が出る可能性があるようです。

・目がチカチカする
・涙が出る
・のどが渇く、のどが痛む
・鼻水やせきが出る
・頭痛がする、めまいがある

これらの症状は「シックハウス症候群」と称されます。その危険性が問題視され、2003年には建築基準法が改正されました。現在はホルムアルデヒドが発散する量によってランクがつけられ、安全だと認められたものは家具などに使うことができます。
ホルムアルデヒドは、実は自然界にも存在している物質です。干ししいたけやフグといった魚などの食品にも含まれています。食品衛生法によって規制されており、食品に含まれる量は健康に影響のない範囲です。

ホルムアルデヒドの濃度による症状の違い

先ほどは代表的な症状を紹介しました。空気中に発散されるホルムアルデヒドの濃度によって出る症状に違いがあります(出典:http://www.03biotech.com/biosafety/technology/formaldehyde03/

・濃度0.05ppm以上…目の粘膜を刺激する量。目がチカチカするなどが起こります。
・濃度0.1ppm以上…気管(のどや肺など)を刺激する量。せきが出たり、のどが痛くなったりします。
・濃度0.4ppm以上…呼吸器や鼻腔への影響が出る量。

濃度0.4ppm以上だと、正しい呼吸ができなくなったり、肺炎などを発症したり、重症となるケースもあるようです。
ホルムアルデヒドは揮発性のため、密閉された部屋などに充満しやすい性質を持っています。接着剤などを大量に使用する際は、濃度を下げるために、こまめに窓を開けるなどして空気を循環させる必要があります。

アイリストにも起こる可能性アリ!ホルムアルデヒドのアレルギー症状

マツエクの施術をするアイリストにとって、ホルムアルデヒドは深い関係にあります。
なぜかというと、マツエクを接着するグルーは硬化する際にホルムアルデヒドを発生させるためです。これはアイリストなら知っていて当然かもしれませんが、今一度おさらいしていきましょう。
グルーにはさまざまな物質が入っています。ホルムアルデヒドは、グルーの主成分として含まれるシアノアクリレートが硬化する際に発生する気体です。
そのためグルーを扱うアイリストだけでなく、お客様にもアレルギー反応が起こることがあります。

肌のかぶれや痛みが起きる

施術中にはグルーが手についてしまったり、誤ってグルーをこぼしてしまったり、ということがあり得ます。
グルーが触れてしまったところやその周辺の部位などは、かぶれたり痛みが起きたりする危険があるので、肌にふれないよう安全に扱うようにしましょう。

目にしみる、涙が出る

マツエクではまぶたにエクステを接着するため、近い部位である目を刺激することがあります。
細かな施術をするときは、お客様の顔にアイリストが顔を近づくこともあります。ホルムアルデヒドが揮発して、お客様、アイリスト両方の目へ刺激となる可能性があります。

せきが出る、のどの痛みがある

空気中に揮発したホルムアルデヒドは、呼吸器へも影響します。せきが出たりのどが痛くなったりする場合、無意識にホルムアルデヒドを吸い込んでしまっていることがあります。

鼻の調子が悪くなる

呼吸器は口だけではありません。鼻への影響も考えられます。
施術中や施術後、鼻がムズムズする、鼻水が出るなど、鼻の調子が悪い…と感じることも。ホルムアルデヒドを吸い込んでアレルギー反応が出ている可能性があります。

また、風邪など体調が優れない場合は、ホルムアルデヒドへの反応がさらに高まる可能性もあります。アレルギー症状を引き起こさないためにも、体調を万全にしてお客様の施術にあたりましょう。

アレルギー症状への対策は?

ホルムアルデヒドを完全に発生させないグルーはありません。マツエクとホルムアルデヒドは、切っても切り離せない関係です。
そこで大切なのは、アレルギーを引き起こさないよう正しい対策を取ること。すぐ実行できることもあるため、試してみてくださいね。

グルーにふれないようにする

大前提として、グルーには直接さわらないこと。グルーをグループレートに出すときや、専用パックにしまうときなど、手や指にふれる機会が多いです。
また、ティッシュやコットンでグルーのノズルを拭き取るときにグルーがしみてこないように注意しましょう。
マツエク施術中は、グルーが常に近くにある状態。ついうっかりさわってしまった!ということもありますが、意識することでその危険性を減らせます。
手や皮ふについてしまった場合は、リムーバーを使ってしっかり落としましょう。

グルーの扱いに気をつける

グルーの扱いに気をつけるのも、アレルギーを事前に防ぐために大切なことです。グルーのボトルをしっかり閉める、専用パックに入れて密閉保管するなど、適切に管理しましょう。
施術後だけでなく、サロンの閉店作業をするときにもう一度確認することもおすすめします。
普段使う備品の管理を徹底することは、お客様に「しっかりと管理されたサロン」という印象を持ってもらいやすいです。お客様への信頼感アップにもつながりますよ。
グルーの取扱説明書に適切な保管方法が書かれているため、そちらも参考にしてみてくださいね。

換気を行う・マスクをする

ホルムアルデヒドは空気中に発散しやすい性質を持ちます。このため、密閉され続けた空間に居続けると、ホルムアルデヒドをより多く体内に取り込んでしまうことに。
サロン内は常に清潔な空気を保つように、窓を開けて定期的に空気の入れ替えをしましょう。ビル内のサロンで窓がない、お客様の施術中など、窓を開けることができないといった場合には、空気清浄機や換気扇を活用して空気をクリーンにしてくださいね。
施術中はエチケットとしてマスクをするアイリストもいますが、マスクをすることでホルムアルデヒドの吸引も防ぐこともでき、安全です。
アイリストの中には一日中サロン内にこもりっきりという人も多いかもしれません。そんなときは、窓を開けて換気したり、休憩を兼ねて外に散歩に行くのもアリです。

ホルムアルデヒド対策アイテムを使う

ホルムアルデヒドの発散量を抑えるための対策として、アイテムに頼ることも手です。ホルムアルデヒドの発散量が少ないといわれている「ブチルグルー」もそのひとつ。主に敏感肌におすすめのグルーのため、メインとして使っているアイリストもいます。

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また、空気中に発散したホルムアルデヒドを除去する専用スプレーを導入しているサロンもあります。

まとめ

グルーに含まれるホルムアルデヒドは体に有害な物質で、場合によってはアレルギー症状を引き起こすため危険です。残念ながら、ホルムアルデヒドが発生しないグルーはありません。
しかし、ホルムアルデヒドの発生や発散を抑える工夫をすることでアレルギー反応を起こりにくくすることは可能です。
事前に防げることもあるので、できる対策から始めてみてはいかがでしょうか。あなたのサロンでもグルーを安全に扱えるよう注意してみてくださいね。

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