マツエク施術後「すぐお風呂に入りたい」といわれたら?注意点と対応方法

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マツエク施術後のお風呂について、お客様への対応方法を紹介していきます。マツエク施術当日のお風呂の目安は5時間~6時間後という話を聞いたことがあるアイリストも多いでしょう。しかし、夜遅い時間や仕事後にマツエクサロンに来店いただき、「マツエク施術後できるだけ早くお風呂に入りたい」と相談されたらどうしますか?このようなときに、どんなポイントに気をつけ、どうお客様に対応したら良いか解説していきます。

施術後5~6時間は水に濡らさないで、というのはなぜ?

まずは、施術後5~6時間はマツエクを水に濡らさないようお客様へお伝えする理由をおさらいしていきましょう。

完全硬化前に水に濡れるとマツエクのモチが悪くなる

マツエクは施術後、完全にグルーが硬化するまでは水に濡らさないことが望ましいとされています。グルーが完全硬化していない場合、マツエクのモチが悪くなってしまうからです。その理由は2つあります。

  • グルーの中心部まで完全硬化していない状態で濡らしてしまうと、グルーの表面が必要以上に固まり、グルーの内部まで硬化しきらずマツエクのモチに影響を及ぼすことがある
  • 水には分子間力を分断するという性質があり、自まつげとエクステの分子間力を分断し、マツエクを取れやすくしてしまう

グルーは空気中の水分などにより硬化しますが、湿気の多い浴室に入ると グルー表面が必要以上に固まることで中心部が硬化しにくくなり、水分そのものが自まつげとマツエクを離れやすくしてしまいます。

グルーの白化や目や肌に刺激を感じる可能性もゼロではない

グルーが完全硬化する前に水が触れることで、グルーの「白化現象」が起こる、揮発成分が水に溶けだし、目や肌に刺激を与える、といった可能性もあります。そのためグルーが完全硬化しないうちに濡らしてしまうことは、見た目の問題だけでなく、お客様の目元トラブルを防止する観点からもおすすめできません。

マツエク施術後からお風呂OKまでの時間はグルーにより異なる!

グルーの完全硬化時間は、一概に5時間~6時間というわけではなく、使用するグルーにより幅があります。完全硬化が12時間後~24時間後といったグルーがある一方、近年では完全硬化時間が1時間~3時間の速乾性の高いグルーもあります。これらのグルーを使用しているサロンでは、お客様にお風呂までの時間を長くおいてもらう必要はありません。 自身のサロンで使用しているグルーの完全硬化時間を確認し、それを目安として何時間後からお風呂がOKかお客様へ伝えましょう。

ただし同じグルーであっても、施術時の環境やコンディションによって硬化時間に若干の差がでる場合もあります。たとえばグルーの使用量が多ければ、少ない量で施術したときよりも乾きにくくなります。乾燥した日はグルーが乾きにくく、湿度が高い日はグルーが乾きやすい、といったこともあるので覚えておきましょう。
またグルーは施術後、完全硬化時間以上に時間をおけばおくほどマツエクのモチが良くなる、というわけではありません。必要以上に時間をあけなくても大丈夫ですので、こちらも心に留めておくと良いでしょう。

【先輩アイリストが回答】施術後すぐお風呂に入りたいお客様への対応

マツエク施術当日はグルーが完全硬化するまで可能な限り待っていただき、お風呂に入っていただくのが安心です。
しかし、どうしても…というケースもあるでしょう。そんなときの対応を先輩アイリストに聞いてみました。

マツエク施術前に「マツエク当日お風呂にすぐ入りたい」といわれたら

あらかじめ、お客様が施術後すぐにお風呂に入ると分かっている場合、おすすめの対応策は2つあるそうです。

あらかじめ洗顔をしてもらってから施術をする

お風呂に入る際にメイクオフで顔を濡らさなくて済むよう、 マツエク施術前にサロンで洗顔をしてもらう、という方法があります。お客様の希望にあわせて提供できるよう、サロンに洗顔グッズを常備しておくと良いでしょう。メイクオフしてから施術をすれば、お風呂に入った際にまつげへの負担を減らせます。ただし、マツエク装着後は顔や目の周辺の肌に揮発性の成分(シアノアクリレートの蒸気であるホルムアルデヒド)が付着している場合があり、目元を清潔に保つためにもマツエク施術後に「洗顔しないことをおすすめする」のは避けたほうがベターです。顔を濡らさずお風呂に入る場合、お風呂上りに目の周りを清潔なコットンで拭いてもらう、グルーが完全硬化してから洗顔してもらう、などの対応をお願いすると良いでしょう。 

完全硬化時間が短いグルーを使用して施術する

完全硬化時間が短いグルーを常備していれば、そちらで施術をするのも選択肢のひとつとしておすすめです。たとえば完全硬化時間が1時間の速乾性のあるグルーであれば、お客様のお風呂に入るまでの時間調整の手間は少なく済むでしょう。ただし、超速乾タイプのグルーを扱うには、スピーディに施術を行うアイリストの技術力が必要となります。

施術後に「このあとお風呂に入りたい!」といわれたら

施術後にお客様から「すぐお風呂入りたい」という旨を伝えられたら、完全硬化までが短いグルーで施術していた場合は硬化時間が経過するまで待っていただき、そうでない場合は以下の気をつけること2点をお伝えするのがおすすめだそうです。

目の周りはできるだけ濡らさないようお願いする

施術直後のマツエクはできるだけ水濡れを避けたいので、可能な限り時間をあけてお風呂に入っていただき、目の周りはできるだけ濡らさないようお願いしましょう。以前、「ゴーグルをつけるのはOK?」とお客様から質問を受けたことがあります。このようにお客様からいわれた場合は、ゴーグルの着用もNGではありません。しかし、マツエクに直接当たると取れてしまったりヨレてしまったり、モチに影響する可能性が考えられますので気をつけていただくことが大切です。

前項でもふれたように、マツエク装着後は揮発性の成分が目の周りに付着している場合があるので、目の周りをやさしく拭くなどの対応をお願いすると良いでしょう。

洗顔する場合は強くこすらないようお願いする

マツエク施術後に洗顔をする場合は、目元を強くこすったり、目の周りにシャワーをあてたりしないようお願いしましょう。クレンジングはマツエクに支障のないものを、洗顔は肌を強くこすらなくても汚れが落ちるものを使っていただくのが理想。W洗顔不要のクレンジングやふき取り化粧水などもマツエクへの負担を軽減できておすすめです。

【先輩アイリストが回答】「お風呂に入ったら目が染みて痛い」といわれたら

お客様から、施術後お風呂に入ったら目が痛い、といわれた場合の対応も先輩アイリストに聞いてみましたのでご紹介していきましょう。

マツエク後のお風呂で目が痛くなる原因として考えられること

ご存知のとおり、マツエク用グルーの主成分「シアノアクリレート」は、揮発する際にホルムアルデヒドが発生します。この成分は刺激性があるのが特徴です。グルーが完全硬化する前に目が水分に触れると、ホルムアルデヒドが水に溶けだしてしまう可能性もゼロではなく、お客様の体質によっては肌や目に違和感が生じるケースも考えられます。

目が痛いといわれたときの対応策

もしも目が痛いといわれたときの対応策は、 きちんと説明することです。

グルーが硬化する際に刺激性の成分が発生することを説明する

ごくごく微量ではあるものの、グルーから刺激性のある成分が発生する可能性については、施術前のカウンセリングの際にもお伝えしていることでしょう。しかし、お客様から「お風呂に入って痛みを感じた」とご連絡をいただいた際には、あらためてその痛みの原因としてグルーの揮発成分(ホルムアルデヒド)が刺激を与えている可能性があることを説明しましょう。難しい言葉ではなく、分かりやすくお伝えするよう心掛けてください。

揮発成分は洗顔などで除去できることを説明する

この揮発成分は、洗顔や目の周りを拭くなどで簡単に落とすことができます。目の周りを清潔にしていただくようお伝えして様子をみてもらいましょう。

痛みが引かない場合は眼科への受診も検討してもらう

痛みが引かない、かゆみや腫れなど別の症状もみられる、そんな場合は別の疾患が隠れている、目に傷がついている、体質によってはグルーアレルギーの症状が出ている、といった可能性も否定できません。アイリストが症状から判断することはできないので、眼科やその他医療機関への受診を促しましょう。

まとめ

マツエク施術当日のお風呂は、モチや安全上の観点から、グルーの完全硬化時間後に入っていただくのが理想です。しかし「どうしても」という場合は、できるだけ目に水が入ることや、マツエクの水濡れは避けていただきましょう。マツエク施術前にすぐ入浴する予定かどうかが分かれば、あらかじめ洗顔をしていただいたり、速乾性があるグルーを使用したりと対応が可能なので、事前にヒアリングしておくことも大切です。210233Esm

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