軽く見ていませんか?パッチテストの重要性

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はじめて来店されたお客様に、必ずおすすめしているはずのパッチテスト。その重要性や目的について、正しく理解できていますか?大切なお客様だからこそ、何かあってからでは遅いですよね。今回は、あらためてパッチテストに関する知識を深めるための講座です。

どうしてパッチテストが重要なのか

グルーは、マツエクの施術に欠かせない存在。購入する前に、きちんと安全性を確認しているサロンも多いことでしょう。それでも、お客様の体質によっては、まれにグルーアレルギーを起こす人もいます。万が一、施術中や施術後に異常が起こった場合は、早めにオフしなければいけません。しかし、アレルギー反応を起こしている目元は敏感な状態。そこにリムーバーを使用すると、刺激が強く症状を悪化させる可能性もあるでしょう。さらに、症状によってはサロンでマツエクを外せないほど、ひどく腫れる場合もあるようです。もうマツエクを楽しむどころではないですよね。だからこそ、事前にアレルギー反応を確認できるパッチテストは大切なのです。もちろん、パッチテストを行ない、反応が出なかったからといって、施術中にまったく症状が出ないとは限りません。パッチテストのときと施術時ではつける本数が異なることで、使用するグルーの量が増えるためです。まれに、施術時になって初めて反応が出る人もいるため、注意しておきましょう。

また、お客様の中には「パッチテストは必要ないです」と言われる方もいます。特に、すでに何度もマツエクをつけてきた人は、「自分は大丈夫!」と思いがちです。しかし、アレルギーの怖いところは、いつ発症するのか分からない点。アレルギー体質の人だけが発症するわけではありません。免疫力の低下や、生理周期などによる影響を受ける場合もあるようです。

さらに、人によってはまだ症状が出ていないだけの可能性もあります。アレルゲン物質が体内に蓄積されている場合、耐えきれるアレルゲン量を超えてしまうと、急にアレルギー反応が起こることも。カウンセリング時に、そのリスクについてもご案内しておきたいですね。

なお、アレルギーの原因はグルーだけではありません。施術に使用するテープに反応するケースや、ツイザーによって金属アレルギー反応が起こるケースもあります。合わせて注意しておきましょう。

 

アレルギー反応が起きたらどんな症状が起こる?

では、アレルギー反応にはどのような種類があるのでしょうか。以下の症状には注意が必要です。
・目の充血
・まぶたの腫れや赤み
・目のかゆみ
・目ヤニが出て、起床時に目が開けにくい
・皮膚の乾燥
・目がゴロゴロしているように感じる
以上は、目に起こりうるアレルギー反応です。しかし、もしこの症状だけであれば、ものもらいやドライアイなどでも考えられるでしょう。
アレルギーが原因の場合は
・くしゃみが頻発する
・水っぽい鼻水が出る
など、花粉症のような症状が見られるケースもあるようです。目元の症状が軽度であればマツエクを外してみて、症状が改善されるか経過をみてください。症状が治まれば、アレルギー反応が考えられます。もちろん、症状が治まったとしても、眼科への受診はお願いする必要があります。放っておくと、症状が治まったとしても何が原因だったのか分からなくなる恐れがあるためです。
たとえばアレルギーだと気づかないまま次の施術を受けてしまうと、場合によっては、さらに強いアレルギー反応を起こす可能性もあるでしょう。

パッチテストのやり方と手順

最後に、パッチテストのやり方や手順について勉強していきます。

<パッチテストのやり方>
ヘアカラーや化粧品などのパッチテストでは、皮膚に直接塗って行ないますよね。しかし、マツエクの場合はグルーの性質上、皮膚に塗ることができません。グルーには、発熱しながら硬化する性質があるためです。そこで、実際に数本ずつ施術してテストを行ないます。施術後、3日~1週間様子を見て異常がなければ、実際の施術に入って良いでしょう。

<パッチテストの手順>
最後に実際に行なわれている、パッチテストの手順についてご紹介します。
1、通常通りカウンセリング
アレルギーの有無や生活習慣については、特に丁寧にヒアリングが必要です。元々アレルギー体質であるお客様は、グルーの揮発成分で症状を誘発する可能性があるといわれています。パッチテスト前に必ずそのリスクをご説明しておきましょう。
2、両目に数本ずつエクステを施術
テープやツイザーなどの道具も、普段通り使用しましょう。グルーだけでなく、施術時に肌へ触れる道具に対するアレルギーも確認するためです。

POINT

このとき、装着するエクステの長さに気を付けましょう。数本だけの装着となるため、自まつげよりも長いエクステを使用すると悪目立ちしてしまいます。必ず自まつげの長さを確認し、馴染みやすい長さのエクステでテストを行ないましょう。

3、48時間様子を見る
もし赤みや腫れが出た場合、アレルギーである可能性が高いでしょう。先ほども紹介した通り、アレルギー反応は、グルーが硬化する際に発生するホルムアルデヒドによって誘発されます。すぐに症状が出なかったからといって油断は禁物。一般的に、アレルギー反応が起きる場合は48時間以内と言われていますが、「遅延型アレルギー」と呼ばれる、3日以上経ってから反応の起きるアレルギーもあるためです。全体への施術は、テスト後3日以上経過してからにしましょう。
また、パッチテストの場合、数本のみの施術となるためグルーの量も少なめです。しかし冒頭でもご紹介した通り、実際の施術となるとグルーの量も一気に増えます。グルーの量が増える=ホルムアルデヒドの放出量も増加。たとえパッチテストで症状が出なかった人でも、実際の施術で急に発症する可能性があります。どのような場合でもアレルギー反応が起こりうることを、必ずカウンセリング時にお伝えしましょう。

まとめ

パッチテストの重要性が理解してもらえたでしょうか?正しい知識を持ち、お客様に伝えることも、アイリストとして大切な仕事です。もちろん、パッチテストをしたからといってアレルギー反応をゼロにはできません。急に発症するケースもあるでしょう。しかし、数本だけ施術を行なうパッチテストで反応が出れば、まだ症状が軽い段階で対処ができます。大事に至らせないための大切な手順として、初めてご来店のお客様には特にパッチテストをおすすめしたいですね。また、「大切なイベントがあるので、無理してでもつけて欲しい」と言われる場合もありますが、それで目が腫れるなどのトラブルが起きると、取り返しがつきません。パッチテストの重要性を理解し、お客様の大切な日を、よりベストな状態で迎えてもらえるよう、プロとしてのアドバイスは必須です。

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