妊娠中にマツエクの施術は可能?対応方法やアイデザイナーが注意すべきポイント

妊娠中から産後にかけては、体調や体型の変化などが起こり、体がデリケートな状態になります。そのため、ひとりで外出することが難しいケースも。一方で、妊娠中や産前産後にはすっぴんになる機会が多いため、メイクなしでもきれいでいられるよう、マツエクやラッシュリフトの施術を受けたいと考える妊婦さんもいるでしょう。しかし、妊娠中の施術は体に影響する心配はないのでしょうか。今回は、アイサロンでの施術を希望する妊婦さんへの対応や注意したいポイントをご紹介します。
妊娠中のマツエク・ラッシュリフトは赤ちゃんに影響するの?
妊娠中は、飲食物や薬などさまざまな制限があるため、グルーやラッシュリフト剤などの影響を心配するお客様もいるのではないでしょうか。「赤ちゃんのことを考えるとなかなか施術に踏み切れない…だけど、キレイでいたい…」という想いを抱える妊娠中のお客様もいるでしょう。
結論からお伝えすると、基本的にはグルーやラッシュリフト剤などの商材は、お腹の赤ちゃんには影響しないと言われています。しかし、妊娠中は予期せぬことが起こる可能性もゼロではないため、絶対に影響がないとは言い切れません。また、妊娠したことで肌が敏感になり、グルーなどでかゆみやかぶれなどが起こることも。また、免疫力がダウンする、ホルモンバランスが崩れるといったことが影響して、今まで問題のなかった商材でも肌トラブルが起こることも考えられるのです。
これらを踏まえ、妊娠中のお客様を受け入れるかどうかは妊婦さん自身の意向もしっかりとうかがったうえで、各サロンの判断に委ねられることになります。
妊娠中にマツエクやラッシュリフトの施術を希望するお客様には、トラブルなどによって後悔されることのないよう、起こりうるリスクについてしっかりと伝えたうえで施術をすることが大切です。また、事前にかかりつけの産婦人科に施術可能かどうかを確認してもらうことも忘れずに。産院によっては、出産する際に睫毛反射(しょうもうはんしゃ)*が分かりづらくなるという理由から、マツエクやラッシュリフトを禁止している場合もあります。
*睫毛反射…指でまつげに触れると、まばたきをする反応のこと。
妊婦さんやプレママへの施術を行うために必要なこと
妊婦さんに対してマツエクやラッシュリフトの施術を行うのであれば、リラックスして過ごせる環境や、体調が優れない場合のフォロー体制などを整えておきましょう。妊婦さんの体調に配慮した具体的なアイデアは以下のとおりです。
- 肌トラブルを最小限に抑えるため、低刺激のグルーや保護テープなどを使用
- お客様一人ひとりに合う角度・高さに調整できるリクライニングチェアの導入
- リラックスできる空間を確保するための個室を完備
リクライニングチェアは、妊婦さんのお腹が苦しくならないよう、90~180度までの間で自由に調整できるものがおすすめ。リラックスできるよう、広めの個室にしたり、落ち着いたトーンの音楽を流したりといった工夫もあります。他にも、肌トラブルを避けるため、施術の数日前にパッチテストを行っているサロンも。妊婦さんを受け入れると決めた場合には、さまざまな工夫を凝らして万全な体制を整えておきましょう。
一方、マツエクなどの施術をお断りする場合には、その理由を伝えてお客様に納得してもらうことが大切です。サロンによっては、設備や環境が整っていないかどうかは関係なく、トラブルを回避するために妊娠中の方をお断りしているケースもあるでしょう。どのような方針にするか、サロン内で方向性を明確にし、共有しておくことも大切です。
妊娠週数によって異なる施術の注意点とは?
女性の体は妊娠すると、体調も体型も目まぐるしく変化していきます。当然、妊娠初期と妊娠後期、臨月では、注意するポイントも変わってきます。ここでは、妊娠週数別に、アイデザイナーが注意すべき点について確認しておきましょう。
妊娠初期(0~4ヶ月)の注意点
妊娠初期は、急激なホルモンバランスの変化により、普段使用している化粧品でもかぶれやアレルギーを起こしたりする場合があります。また、空腹時やニオイによりつわりの症状が出る人も少なくありません。
この時期の注意点としては、施術当日の体調や、使用するグルーなどの商材が肌に合うかなど、カウンセリング時にしっかりとヒアリングを行い、決して無理をしないよう伝えることが大切です。また、ニオイへの配慮が必要になることも。わずかなニオイに反応して、気分が悪くなる方もいます。グルーなどの商材はもちろん、サロン内でアロマなどを使っている場合にも注意してみてください。
妊娠中期(5~7ヶ月)の注意点
安定期と言われるこの時期は、つわりも落ち着き、体調面でも安定してくるため、活動的になる妊婦さんが増えてきます。「体調も良くなってきたし、今まで通りにオシャレして出かけたい」という想いから、マツエクやラッシュリフトの施術をこの時期に受けておきたいと考える人もいるでしょう。
しかし、妊娠中期になると赤ちゃんに多くの血液が必要になるため、貧血になったり、動悸がしたりする方もいるため要注意。中には、ふっくらしてきたお腹の影響で、施術中に腰や脚の付け根が痛くなる場合もあるかもしれません。
この時期に特に注意したいのはマツエクやラッシュリフトの施術中、胸やお腹を圧迫しない体勢や、腰に負担のかからない体勢で施術を受けられる環境を整えておくこと。
もちろん、妊娠初期と同様に、体調に合わせて施術時間や使用する商材の種類に配慮すること、およその施術時間などを伝えることも大切です。気分が悪くなるなど、ほんの少しでも異変があった場合にはすぐに対応できるよう、お客様が気軽に話せる雰囲気づくりも意識しておきましょう。
妊娠後期(8~10ヶ月)の注意点
お腹が急に大きくなり、赤ちゃんの胎動を強く感じるようになる妊娠後期。大きなお腹の影響で、胃腸が圧迫されて後期つわりの症状や便秘に悩まされたり、膀胱が圧迫されて頻尿になったりすることもあります。動悸や息切れ、仰向けになるのが苦しいと感じる人も多くなる時期です。しかし、臨月を控え、産前産後に向けてきれいにしておきたいと考える妊婦さんがいるのも確かですよね。
そんな妊娠後期の注意点としては、リラックスできる空間で時間に余裕のある施術を行うこと!お客様がお手洗いに行く回数が増えれば、施術を度々中断せざるを得ず、想定よりも時間がかかることもあるでしょう。他のお客様の視線が気になって、落ち着いて施術を受けられないという方もいるかもしれません。以上を踏まえると、個室空間を完備し、予約時間を長めに確保しておくことが大切と言えます。
また、仰向けになるのが苦しい場合に備えて、リクライニングチェアを導入しておくことも重要なポイントです。
妊娠中のお客様を受け入れる場合にサロンとしてできることは?
妊娠中のお客様を受け入れる際には、できるだけスムーズに施術が提供できるよう事前準備が大切です。また、万が一に備えることも重要ポイント。ここからは、妊娠中の方へ事前にお伝えすべきこと、確認すべきことについて、以下にまとめてみたので参考にしてください。
産前産後のスケジュールを確認してもらう
妊娠後期や臨月になってくると、施術を受けるタイミングが重要になってきます。妊娠中はもちろん、産後もマツエクやラッシュリフトをきれいな状態でキープできるよう、いつまでに施術を受けるのが良いか、産後はリペアを希望するか、ラッシュリフトをかけなおすかなど、産後までのスケジュールを確認しておきましょう。
サロンとして今後の状況を把握しておくことで、施術やホームケアに対する的確なアドバイスがしやすくなります。
体調や心配な点を詳しく聞く
施術当日の体調、苦手なニオイや体勢、してほしくないことなど、まずは予約時やカウンセリング時にしっかりと聞いておきましょう。些細なことだからと放っておいて、後でお客様の体調が悪くなったとしても、サロンで急に対応できない可能性もあります。施術中でも気になることはすぐに伝えてもらえるよう「気分が悪くなったときには遠慮なく言ってくださいね」などと、ひと言添えるのも忘れないようにしましょう。
母子健康手帳や体調に応じて必要なものを持参するようご案内する
マツエクやラッシュリフトといったアイサロンでの施術中に限らず、妊娠中にはどこでなにが起こるか分かりません。なにかあったときのためにも、健康保険証や母子健康手帳、病院の診察券などは必ず持参してもらうよう事前にご案内しておきましょう。万が一に備えて、緊急の連絡先などをうかがっておくのもおすすめです。
まとめ
施術を行なっているサロンと受け付けていないサロンがあるように、どんなに配慮しても、妊娠中のマツエクやラッシュリフトは一概に安全だとは言い切れません。今まではなんともない方でも、妊婦さんだとその日の体調や気分が影響を及ぼすことがあるのです。出産が近くなると、産後のためにもマツエクの施術を受けておきたいと考えている妊婦さんもいるかと思いますが、最終的に体調管理は自己責任であることも伝えておきたいポイント。妊娠中のお客様を受け入れると決めたら、スケジュールの確認や事前調整をしっかりと行い、万全の体制で迎えられるよう準備しておきましょう。
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