アイリストでも「確定申告」は必要?アイリストの知っておくべき【税金アレコレ】

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春。それは、出会いと別れ、そして「確定申告」の季節。「アイリストに確定申告なんて関係ない」って思っていませんか?労働者としての義務とはいえ、税金で損をしないのはとても大切!2018年もまだ間に合います!自分が申告すべきものをしっかりできているか、チェックしましょう!

サロン勤務?個人経営?確定申告が必要なアイリストとは

春になると
「私も確定申告しなくちゃいけないの?」
と不安になるアイリストもいますよね。まずは下のチェック項目で確認してみましょう。

□美容院や美容サロンの一角などを借りて営業しているアイリスト
□自分でサロンを経営しているアイリスト
□法人サロン勤務であるものの、年末調整をしてもらえないアイリスト

いかがでしょうか?以上のどれかに該当した人は、確定申告が必要です。特に、美容院などから多く募集されている、場所貸し(面貸し)で勤務中のアイリストは要注意!もし雇用形態が「業務委託」であれば、サロン経営者と同じように“個人事業主”という扱いになります。アルバイトや社員と同じように求人サイトへ掲載されているため誤解されがちですが、必ず確定申告が必要です。注意しておきましょう。

上記のどれにも当てはまらないアイリストといえば、年末調整を行ってくれる法人サロンに勤めている人ですよね。しかし、サロンで年末調整をしてくれたとしても、確定申告が必要なケースもあります。特に、フリマアプリを利用したりハンドメイド作品を販売するなどして、本業以外に収入を得ている人は要注意。利益が年間20万円を超えると確定申告が必要となるでしょう。

他にも「人とは違うけれど、私の場合はどうなの?」と不安を感じているアイリストは多いはず。そこで、よく耳にする疑問を2つご紹介します。

Q.6月までAサロンで働いていて、8月からBサロンへ移ったのだけれど、Aサロンでの収入は確定申告が必要?
A.もしBサロンが年末調整を行ってくれるサロンであれば、必要ありません。Aサロンを退職後に発行される源泉徴収を提出し、一緒に年末調整をしてもらいましょう。

Q.ふるさと納税をしたのですが、確定申告が必要なんですよね?
A.基本的には必要です。しかし、年末調整をしてくれる法人サロンに勤めているアイリストの場合、「ワンストップ特例」を利用することで確定申告が必要なくなります。必要事項を記載した「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」と、マイナンバーおよび申請者の本人確認書類のコピーを準備し、自治体へ送付しましょう。ただし条件があり、寄付する自治体は5つまでと定められています。もし6つ以上の自治体へ寄付する場合は、忘れず確定申告を行いましょう。なお、自治体ごとに書類の送付が必要です。提出を忘れていたり、毎年設定されている期日までに提出できない場合は、別途確定申告を行わなければいけません。注意しておきましょう。
※詳しくは、総務省の「ふるさと納税ポータルサイト」でご確認ください
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/topics/20150401.html#block02

「個人事業主」扱いの場合に必要な申告と、メリット・デメリット

では、個人事業主である場所貸し(面貸し)で勤めているアイリストや、自分でサロンを経営しているアイリストは、どのような内容の申告が必要なのでしょうか。
実は、個人事業主の場合、2つの申告方法があります。
1つは、青色申告。そしてもう1つは、雑所得としての申告です。それぞれの申告方法を、詳しくご説明します。
【青色申告】
そもそも確定申告には、青色申告と白色申告の2種類があります。青色申告とは、一定の水準通りに帳簿管理ができ、かつその帳簿通りに正確な申告を行える個人事業主に対して、特別控除を付与する制度です。事業所得・不動産所得・山林所得がある人のみ利用できる制度で、サロンを経営しているアイリストの場合は事業所得に該当するため、利用できます。
<メリット>
・最大65万円までの特別控除が受けられる
・純損失金額の繰越し・繰戻しが可能
青色申告を利用する最大のメリットは、節税!きちんと帳簿管理ができ、かつ正しく申請・納税している個人事業主は、最大で65万円まで控除が受けられます。いわゆる、「青色申告特別控除」です。基礎控除である38万円と合算すると、計103万円まで税金がかからないことに!経営する以上、見逃せない制度なのではないでしょうか。
また、純損失金額の繰越し・繰戻しができる点も魅力のひとつ。例えば今年の売上が220万円に対して、経費が240万円かかったとします。利益は出ず、反対に純損失額が20万円となりますよね。そのマイナスである20万円分は、翌年から3年間持ち越し可能です。例えばその2年後に利益が123万円出たとしましょう。本来20万円分税金がかかるはずなのですが、過去のマイナス分(20万円)を反映できるため、その年の税金はゼロになるのです。反対に、繰り越すのではなく、前年分の所得金額に繰戻しをすると、その分の還付を受けられます。
さらに、事業主であるあなたと生計を共にしている配偶者や、15歳以上の親族が、もしあなたのサロンで働いて給与が発生していたら、その給与分も必要経費として差し引き可能。なんと配偶者は最大86万円、15歳以上の親族は最大50万円まで参入できます。
青色申告での控除金額、大きいと思いませんか?個人事業主としてはぜひ活用していきたいですよね。しかしもちろん、デメリットもあります。詳しく見ていきましょう。

<デメリット>
・青色申告を利用する申請が必要
・手間がかかる
サロンの開業でバタバタしていると、つい忘れてしまいがちですが、実は青色申告を利用するには、事前に申請が必要です!確定申告直前になって「今年は青色申告を利用しよう!」と思い立ったとしても、承認を受けていなければ利用できない点はデメリットと言えるでしょう。原則として、青色申告の利用承認を必要とする年の3月15日が期限となっています。「青色申告承認申請書」を所轄の税務署まで提出し、承認を待ちましょう。なお、新規開業の場合は、この限りではありません。業務を開始した日を基準に2ヶ月以内であれば申請が可能。同じように、「青色申告承認申請書」を所轄の税務署まで提出してください。
また、青色申告は一定の水準通りに帳簿管理ができることが前提。1月1日~12月31日までの帳簿(複式簿記)を作成する必要があります。アイリストの多くが「青色申告は大変」とイメージしているその理由は、管理の手間にあるのでしょう。
確定申告で必要な帳簿は「損益計算書」と「貸借対照表」の2つです。しかし、その2つを作成するためには「総勘定元帳」と「仕訳帳」が必要。どちらも複式簿記の主要簿です。それぞれの役割は下記の通り。
総勘定元帳→すべての取引を勘定科目別に記録する帳簿
仕訳帳→すべての取引を日付順に記録する帳簿
です。
例えば、施術をして売上が発生したら、まず日付ごとの記録を残すため、仕訳帳へ記入。その後、その取引を総勘定元帳へ転記するまでが一連の流れです。
他にも、「現金出納帳」や「預金出納帳」などの補助簿も必要に応じて活用し、お金の動きをすべて記録しておきます。年間を通して記録した複式簿記を元に、確定申告前に「損益計算書」と「貸借対照表」の2つを用意することとなるのです。

ここまでを読むと
「大変そうだから、やっぱり自分には無理かもしれない」
と諦めてしまうアイリストもいますよね。そこで活用してほしいアイテムが、会計ソフトです。簿記の知識がない人でも、スムーズに帳簿管理ができるよう開発されているため、個人サロンを経営しているアイリストの強い味方となってくれるでしょう。
購入に費用はかかりますが、簡単なお金の出し入れを記録していくだけで、自動的に主要簿である「総勘定元帳」と「仕訳帳」を仕上げてくれるため、手間は大幅に削減できるはず。さらに、そのデータをもとに、大まかな「損益計算書」と「貸借対照表」も作成してくれます。これさえあれば、もう確定申告は怖くありません。控除額を考えてみても、青色申告にはメリットが大きいと言えそうです。

【雑所得】
雑所得とは、本業以外で得た所得のこと。公的年金や印税などもこちらに当たります。個人事業主として経営している場合、収入から経費を引いて、年間の利益が38万円を超える場合は申告が必要です。(副業での収入は、年間の利益が20万円を超える場合に申告が必要)売上が少なかったり、青色申告の申請を出していないサロンは、こちらを利用することとなるでしょう。
一般的に、「青色申告と比べると簡単に手続きが終わる」と言われていますが、実際のところはどうなのでしょうか?
<メリット>
・青色申告よりも記録が簡単
<デメリット>
・控除額は38万円まで
まずはデメリットからご紹介しましょう。先ほどの青色申告では、特別控除が上乗せされるため103万円まで控除されましたが、雑所得は基礎控除である38万円のみ。売上の高いサロンは、税金を多く納めなければなりません。
また、メリットとして記録の簡単さを挙げましたが、あくまで青色申告と比較した場合に限ります。実は以前まで白色申告の場合、帳簿管理が不必要でしたが、2014年(平成26年)に行われた法改正により、白色申告でも簡易簿記での帳簿管理が義務付けられました。つまり、白色申告だとしても、結局手間はかかるということ。帳簿管理の手間を面倒だと感じて、「納税額は上がるけれども白色申告でいい」と判断していたアイリストは、考え直した方が良さそうです。
たしかに青色申告で必要な“複式簿記”の方が手間はかかりますが、会計ソフトを使えばそこまで難しくありません。しっかりと売上を確保できているのなら、来年は青色申告に挑戦した方が良いのでは?控除額が増える分、設備やスタッフ育成などに投資できるかもしれませんよ。

【必要なこと】
どちらの申告でも、帳簿管理は必要です。専用ソフトを上手く活用して、正しい帳簿管理を行いましょう。また、領収書や請求書、通帳や決算書類なども保管しておく必要があります。こちらは、経費として報告した金額やサロン内でのお金の動きを正しく申告したことを証明するために、必ず必要となる書類です。保管期間は、原則7年間。(書類によっては5年で良いものもあります。)いつ税務調査が入っても問題なく提出できるよう、しっかりと管理しておきましょう。

申告漏れに注意!ちゃんと申告すれば還付を受けられる税金

サロンに勤めているアイリストのみなさん!年末調整をしてもらえているからといって、安心していませんか?確定申告の義務はありませんが、申告内容によっては、もしかしたら還付金が受けられるかもしれません。
例えば、医療費控除。病院に支払った治療費や入院代、薬代などが、金額や所得に応じていくらか控除される制度です。計算方法は下記の通り。

医療費控除額=(控除対象となる医療費-健康保険などから補われた金額)-10万円(総所得が200万円未満の場合は、総所得金額等×5%の金額)

です。
医療費は、生活を共にしている家族全員分を合算できます。また、通院にかかる交通費も対象内。なお、2017年(平成29年)分から領収書の原本提出は不要となりました。とはいえ何も提出しなくてもいいというわけではなく、やや簡易化された「明細書」の提出が必要です。領収書や交通費の記録は5年間手元に残しておきましょう。なお、対象外となる医療費もあります。詳しくは国税庁のホームーページで確認してください。(https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1122.htm
また、2017年(平成29年)からの変更点がもう一つ。新たに『セルフメディケーション税制』が始まりました。簡単に言うと、「健康に気を配りつつ、軽い症状なら市販薬で治しましょう!」という制度です。対象者は、会社や自治体が行う健康診断を受診したり、インフルエンザの予防接種を受けた人。自分や家族のために購入した指定の市販薬の総額が、もし年間1万2000円を超えていれば、最大8万8000円まで控除してもらえます。なお、先ほど紹介した医療費控除との併用はできません。
もし家族にかかる医療費が高いと感じたら、医療費控除もしくはセルフメディケーション税制の対象になっていないか確認し、必要であれば必ず申告しましょう。

まとめ

春になると気になる、確定申告の話を紹介しました。少し難しい部分もあったかもしれませんが、お金に関係する重要な内容です。しっかりと勉強し、正しく申告・納税したいですね。また、申告次第で受け取れる還付金も忘れてはいけません。日本の場合、制度はしっかりと整っているのですが、残念ながら申告した人しか還付金が受け取れない仕組みになっているのです。思わぬ脱税にならないため、そして自分自身が損しないために、こういったお金の話もきちんと勉強しておきましょう!

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