「原因不明でマツエクがとれた…」そんな場合のお直し希望の対応方法をチェック

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お直し希望のお客様への対応は、アイリストの大切な業務のひとつですよね。中でも、「施術直後にも関わらず、エクステがたくさん取れてしまった」という理由でお直しを希望された場合は、正確な原因を突き止める必要があります。それでもなお、マツエクが取れた原因がわからない場合には、どのように対処するのがベストなのでしょうか。

原因不明のお直し案件

ご存知のとおり、お直し制度とは、お客様側に非がないにもかかわらず、施術直後にエクステが大幅に取れてしまった場合などに、取れた本数分を改めて付け直させていただく制度のことです。施術直後の定義はサロンによって、「3日以内」「5日以内」「1週間以内」「10日以内」などさまざまに設定されています。

例えば、エクステが取れてしまうシュチュエーションとして、下記のケースが考えられます。

毛周期の影響で、自まつげがエクステごと抜け落ちた
お客様の不適切な取り扱いにより、エクステが取れてしまった

これらは施術者側に非がないケースなので、施術の際にきちんとカウンセリングを実施したのなら、お直しの対象外と判断してよいでしょう。しかし、どちらのシュチュエーションにも該当しない場合には、エクステが取れた原因を正確に把握するために、お客様に対してしっかりとヒアリングを行う必要があります。

実は、取り扱い上の注意でお伝えしていない行為、つまりお客様が日常生活の中で何気なく行った行為がマツエクに影響を与えている可能性があるためです。しっかりとヒアリングをすることは大切ですが、お客様の気分を害すことのないよう適宜相づちを打ちつつ、会話の展開を意識して、以下の項目をお聞きしてみましょう。

ヒアリングの項目

ヒアリングを行う理由

寝るときの姿勢は?

うつ伏せや横向きで寝ている場合、摩擦によってマツエクが取れる可能性がある

激しいスポーツはしたか?

汗の影響で、グルーの接着力が低下する可能性がある

海やプールなどのマリンスポーツはしたか?

大量の水分や塩分、紫外線などがグルーを劣化させる可能性があるため

普段、メガネをかけているか?

まれにメガネのレンズにマツエクが当たって、取れやすくなる場合がある

目薬を頻繁に使用していないか?

目からあふれた目薬を拭き取らずに放置すると、グルーを劣化させる可能性がある

マツエクに前髪が当たっていないか?

スプレーなどで固めた前髪がマツエクに常に触れていると、マツエクが取れる場合がある

これらの行為は、一般のお客様にとってはマツエクに悪影響を与えるとは考えにくいものなので、聞き取りをする価値はあると考えられます。ただし、ひとつずつ漏れなく聞いてしまうと、まるで尋問を受けているような不快な思いをさせてしまいかねません。そのためお客様のパーソナリティーに合わせて、ヒアリングすべき項目をピックアップし、チェックしましょう。

それでもなお、エクステが取れた原因が追求できない場合には、原因不明と判断します。原因が不明なので、もちろんお直し制度の対象となることをお客様にお伝えし、丁寧な施術に努めましょう。

お直し対応で困ったケース

エクステが取れた原因が不明だった場合はお直し対象となりますが、原因不明がゆえ、中には対応に悩むケースもあるようです。

付け直しても、また取れるのでは?と心配された

エクステが取れた原因が不明だった場合、施術者・グルー・エクステの種類・生活スタイルなど、マツエクを取り巻く条件が初回施術時と同じなら「また、取れてしまうのでは?」と疑念を抱かれるお客様もいらっしゃるようです。このタイプのお客様は、初回施術時のカウンセリング内容もしっかりと把握してくださっており、なおかつ日常生活においてもマツエクに気を払ってくださっていた真面目なタイプの方が多いようです。

このケースでは、原因を追求するためのヒアリングにご協力いただいたことに感謝を述べたうえで、施術者をベテランまたは責任者に変更し、全オフして1から付け直すといった特例を設けるのもひとつのアイデアかもしれません。
真面目なお客様の場合、これに味をしめて何度もお直しを希望されるような悪質な行為に及ぶ可能性が限りなく低いと考えられます。また次回もご来店いただけるよう、最善の対応を心掛けましょう。

お直しを実施したのに、再度取れてしまったと2回目のお直しを希望された

エクステが取れた原因不明ということは、つまり施術者側・お客様側のどちらに非があったのか不明ということですよね。しかしお客様の中には、お直しをしてくれた=施術者側に非があったと解釈する方もおられるようです。
口には出さなくとも、内心そう思っている場合、施術者を変更したり、エクステの種類を変えたりして最善のお直しを実施したとしても、施術から数日後に再度のお直しを依頼されるケースもあるようです。

2回程度であれば、もしかすると施術者側に原因があることも否定できません。しかし、3回以上続くようであれば、もはやお直し希望ではなく、クレーム案件として対応すべきでしょう。勇気を持って、お直しの対象とならないことをお伝えすることも大切です。
そのような事態に陥らないためにも、サロンによって異なりますが、お直し制度の注意事項として以下の項目を盛り込んでおきましょう。

【お直し制度の注意事項】

  • 取れた部分のリペアであり、デザイン全体の変更は不可
  • 下まつげは取れやすいため、対象となるのは上まつげのみ
  • サロンが定める期間中に、お直し予約が完了した方のみ対象
  • お直し制度を2回以上希望される場合は、状況改善のためカウンセリングの時間を新たに設ける旨
  • 全体本数が2/3以上残っている場合は、お直し対象外 など

お直し対応に大切なこと

ここまでお直し対応の大変な部分をフィーチャーしてしまったため、「荷が重いなぁ…上手くできるかなぁ…」などと苦手意識を持ったアイリストもいるかもしれませんね。しかし、お直し制度はお客様を守るためのものであると同時に、サロン側にもメリットがあるんですよ。

お直し制度で失客を防止する

エクステが取れた原因が施術者側にある場合、「もう二度とあのサロンには行きたくない!」と思われても当然ですよね。しかしお直し制度でご来店くださったお客様に対し、誠心誠意、丁寧な対応・施術を行うことで、サロンやアイリストを再評価いただける可能性があります。お直し制度には、「失客間違いなし」の悪い状態から「リピーター獲得」という良い状態に転じるチャンスがあるのです。

技術力に自信があることの証になる

例えば、ダイエット食品などのCMでよく見られる「効果がなければ、全額返金OK!」という謳い文句。多少、企業戦略的な臭いはするものの、「全額返金なんて企業にとっては大きなデメリット。それほど効果に自信があるんだな!」と思いますよね。お直し制度も同じように、「無償でお直し可能なんてサロンにとっては大きなデメリット。それほど技術に自信があるんだな!」というイメージを与えることができます。

このようにサロンやアイリスト自身にもメリットがあることがわかれば、お直し対応に苦手意識のあるアイリストでも前向きな気持ちになれるのではないでしょうか。お客様との会話を大切にしながら、しっかりと原因を追究し、その原因をお客様にもわかりやすい言葉でお伝えすることが大切です。
またお直しの場合には、エクステが取れた原因を正確に突き止め、お伝えし、精度の高い施術を行えるベテランアイリストが対応するのもひとつのアイデアといえるでしょう。さらに、どこまで・どんな風にお直しするかの案を施術前にお伝えしておくことも、2回以上の無理なお直し依頼を防ぐための重要なポイントとなります。

まとめ

いろいろな可能性を探っても、エクステが取れた原因がわからないというケースもまれにあります。そんなときは「原因不明」とお詫びし、丁寧なお直しに努めましょう。お直し制度はお客様にはもちろん、サロンやアイリストにとってもメリットがあります。ぜひ自信を持って、お直し対応に当たってくださいね。190712Eku

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