【動画解説】ラッシュリフト1液前の巻き上げをする・しないのメリットとデメリットを比較

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ラッシュリフトの軟化には、巻き上げをする・しないの2パターンがあります。これまでは1液塗布前にロッドに巻き上げていく方法が主流でしたが、SNSで話題になったのをきっかけに、巻き上げない方法を選ぶアイデザイナーも増えてきました。しかし、「巻き上げないメリットって?」と疑問に思っている方もまだまだいるのではないでしょうか。そこで今回は、軟化時の巻き上げの有無による仕上がりの違いはあるのかを動画で検証。それぞれのメリットとデメリットもあわせて解説します。

そもそも、ラッシュリフトの軟化とは?

ロッドにまつげを巻き上げてから1液を塗布して拭きとり、毛流れを整えて2液を塗布する。これはラッシュリフトの基本ですよね。「軟化」とは、1液の塗布によってまつげを柔らかくすることを指します。
軟化は、まつげの強度を保つ「シスチン結合」が、1液によって遮断された状態。その後2液を塗布することで、ロッドの形状に沿ってシスチン結合が再結合し、カールが完成します。1液塗布の工程でしっかり軟化ができていなければ、2液塗布の工程ではカールがうまく定着しません。ラッシュリフトの軟化は、仕上がりを左右する鍵といえるでしょう。

巻き上げない軟化って?

上述したように、カールが固定されるのは2液塗布の工程です。つまり、しっかり軟化ができていれば、1液塗布の際に巻き上げなくても理論上は問題ないということ。ロッドを使う工程は、「きれいな毛流れを作るのが難しい」「巻き上げに時間がかかる」というアイデザイナーもおり、施術のなかでも技術を要します。1液前の巻き上げを省くことができれば、時短を叶えることも不可能ではありません。巻き上げない軟化は、コットンや韓国発の「復元ロッド」、シート状の「エンジェルパッチ」のほか、軟化用ロッド(ペラロッド)などを使います。今回の動画解説ではコットンを使用しているので、まだ試したことがない方はぜひ動画を参考にしてみてください。

<コットン軟化の手順とポイント>

1.下まつげにラッシュリフト剤が染み込まないよう、粘膜のギリギリまで保護テープを貼る。
2.必ず乾いたコットンを使用し、上まつげの目頭から目尻のキワまでしっかり挟む。
3.まつげに1液を塗り、短い毛やうぶ毛も逃さないよう、まんべんなくまつげをコットンに貼りつける。
4.密着させるように、空気を抜くイメージでまつげにペーパーをのせる。
5.軟化後ペーパーをとり、1液を軽く拭きとってコットンをそっと下へ引き抜く。
6.新しいコットンを挟み、1液が根元に残らないように拭きとり洗浄する。

洗浄後は、いつもどおり2液を塗布する工程に進みます。目がピクピク動くお客様の場合、コットンがずれやすくなります。コットンをテープで固定するか、軟化用ロッドを使いましょう。コットンは上まぶたには使えませんが、軟化用ロッドは上下のどちらでも使えます。また、軟化用ロッドはまつげの向きにあわせて使い分けたり、アイシャンプーの下敷きとして使ったりすることも可能。コストや使いやすさを比較して選んでみてください。

【動画解説①】巻き上げない軟化のメリット・デメリット

では、さっそく巻き上げない軟化の動画から見ていきましょう。

巻き上げない軟化のメリットとデメリットは以下のとおりです。ひとつずつ解説します。

巻き上げない軟化のメリット
・状況によって1液前の巻き上げ時間を短縮できる
・1液→2液でロッドを替える方は巻き上げないほうがスムーズ
・ラッシュリフト剤の刺激を最小限に抑えられる

状況によって1液前の巻き上げ時間を短縮できる

太くて硬いまつげや短くコシのあるまつげ、ラッシュリフトをかけたことがないバージン毛は、ロッドに貼りつきにくく巻き上げに苦戦する方も多いはず。その場合、下向きになっているまつげを時間をかけて巻き上げるより、巻き上げない軟化で一気に1液の工程を済ませたほうが簡単です。また、お客様が仕上がりに悩まれている場合、先に軟化を進めておくことでデザインの変更にも柔軟に対応できます。

1液→2液でロッドを替える方は巻き上げないほうがスムーズ

1液で巻き上げてから2液の工程に進む際に、ロッドを別の種類にとり替えたり、ロッドについた1液を拭きとるために一旦ロッドを目元からはずしたりする方もいるでしょう。まぶたに余分なラッシュリフト剤が付着するのを防げる丁寧な施術ですが、1回の施術で2回巻き上げる必要があり、その分時間をロスしてしまうことに。このような場合には、巻き上げない軟化が適しています。

ラッシュリフト剤の刺激を最小限に抑えられる

巻き上げると粘膜が出やすいお客様や、ラッシュリフト剤による刺激を感じやすいお客様には、目を閉じたままで行える巻き上げない軟化がおすすめです。また、施術の始めから終わりまで、同じロッドを使いまわすことがないため衛生的です。

◆◆◆

巻き上げない軟化のデメリット
・目頭や目尻などの軟化漏れに気づきにくい
・2液前の巻き上げで時間がかかる可能性がある
・カールが残っているまつげは1液の塗りムラが生じやすい

目頭や目尻などの軟化漏れに気づきにくい

巻き上げない軟化のもっとも重要なポイントは、目頭から目尻まで1液が塗れているかチェックすることです。1液を塗ったあとにまぶたを引き上げる行為は、お客様の目に1液が入るリスクを伴うのでNG。巻き上げない分、まつげの細かい部分が見えにくくなるため、塗り残していないか細心の注意を払いましょう。

2液前の巻き上げで時間がかかる可能性がある

巻き上げない軟化では、2液前の巻き上げが完成形になります。軟化後の下がったまつげを一からロッドに巻き上げていくため、1液前に巻き上げ、ある程度形っている場合に比べて時間がかかってしまうことも。

カールが残っているまつげは1液の塗りムラが生じやすい

まつげにカール残りがある場合、まつげを下げても上を向いている毛や、倒れている毛が生じやすくなります。1液の塗りムラが起こる原因となるため、ラッシュリフトを繰り返しているお客様や、前回の施術から日が浅いお客様の場合は、巻き上げる軟化のほうが適している場合もあります。

【動画解説②】巻き上げる軟化のメリット・デメリット

続いて、巻き上げる軟化の動画を見てみましょう。

巻き上げる軟化のメリットとデメリットは次のとおりです。

巻き上げる軟化のメリット
・軟化後の巻き上げを仕上げやすい
・巻き残しが生じにくく、軟化漏れのリスクが少ない
・カール残りがある場合はスムーズに作業できる

軟化後の巻き上げを仕上げやすい

巻き上げる軟化は、1液前の巻き上げですでに8~9割ほど形が完成しています。2液前の巻き上げは形にあわせて整えれば良いため、軟化後の作業をスムーズに行えるでしょう。また、根元や毛先の微調整も行いやすく、より繊細な仕上がりを目指せます。

巻き残しが生じにくく、軟化漏れのリスクが少ない

目頭や目尻などの奥にあるまつげを、まぶたを引き上げながらしっかり確認できるのが巻き上げる軟化のメリット。巻き上げない軟化では最初のチェックが最重要なのに対し、巻き上げる軟化は最終チェックができるため、軟化漏れのリスクも抑えられます。

カール残りがある場合はスムーズに作業できる

上述のように、巻き上げない軟化はカールが残っているまつげを不得意とします。上に向いているまつげは、上に巻き上げたほうが早く作業ができるでしょう。

◆◆◆

巻き上げる軟化のデメリット
・巻き上げに時間をかけてしまいがち
・層が厚いまつげは軟化ムラが生じやすい

巻き上げに時間をかけてしまいがち

太く硬いまつげや生えグセがあるまつげは、ロッドから飛び出してうまく巻き上げられないことが多々あるでしょう。根元浮きを対処しながら丁寧に形を整え、しっかりセパレートさせて…と、どうしても巻き上げに時間を割いてしまうのがデメリットといえます。

層が厚いまつげは軟化ムラが生じやすい

まつげの層が厚い方だと、ロッドに巻き上げる際、一番上の層が他の層に倒され、毛先しか軟化されないといったムラが生じやすくなります。この場合、厚みのないペラロッドや、コットン軟化のほうが作業しやすいでしょう。

【動画解説③】巻き上げない軟化・巻き上げる軟化、結局どっちが良い?

今回の検証で、巻き上げない軟化は2液の工程に移るまでの時間が早く、巻き上げる軟化は2液塗布前の巻き上げがスムーズといった結果に。検証したベテランアイデザイナーの場合、最終的な時間や仕上がりにほとんど差はありませんでした。巻き上げない軟化と巻き上げる軟化のどちらが良いのかは、アイデザイナーの技術力や、お客様のまつげの状態によるといえます。とくに軟化前の巻き上げに時間がかかる方は、巻き上げない軟化の時短効果を実感しやすいでしょう。

まとめ

従来の巻き上げる軟化も、トレンドの巻き上げない軟化も、それぞれにメリットとデメリットがあります。どちらの方法も習得しておくことで、さまざまなタイプのお客様に柔軟に対応できるでしょう。従来のやり方に慣れている方も、1液前の巻き上げに苦手意識がある方も、ぜひこの記事を参考に巻き上げない軟化にトライしてみてください。

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