【異業種から参入】創業8年で14店舗「全国1位」のクチコミを誇る一大グループに進化/『UNIQUEな価値』にこだわる赤井友昭さんが見据えるマツエク業界、その未来とは

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注目の経営者にBeauté編集部が突撃インタビューをする大好評企画、「経営者インタビュー」。今回はマツエク業界でも多角的な経営に注目度の高まる赤井友昭さんに突撃し、お話をお伺いしました。「異業種からの新規参入」だったというドラマチックなルーツから、失敗経験を糧にしたエピソードなど、参考になるお話を聞くことが出来ました。ぜひご一読ください。

【経営者プロフィール】赤井友昭さんとは

◆赤井友昭さんとは?
直営アイラッシュサロンを広島~関東で直営店11店舗、FC店3店舗を経営し、その他グループ会社5社では商材開発や女性就労支援事業、保育園経営、メディア運営など多角的に経営。
アイラッシュ業界に身をおきながらもその枠にとらわれない経営手法が話題の「CREATIVELAB HOLDINGS」の代表取締役CEOです。

【現在の事業内容】

赤井さんこんにちは。気になる経営者としてご推薦がありましたので、インタビューさせていただきます

多くのサロン様や経営者様がいらっしゃるなかで我々にスポットを当てて頂き心から感謝しております。いいパスをいただいたので、しっかりゴールできるといいのですが。

ありがとうございます。通常、この企画はアイラッシュ業界の方への経営者インタビューですが、赤井さんはアイラッシュサロンの運営を含め沢山の事業をされていますよね?

そうですね。お話をさせて頂く前に当社グループの概要を簡単にお伝えさせて下さい。
当社は現在6つの会社でグループを形成しアイラッシュ事業保育関連事業アウトソーシング事業不動産賃貸業や人材紹介・派遣、その他様々な事業を行っております。
グループ総スタッフ数は約280名。私を除き、全員女性で構成されています。

『よりOPENにアイデアをカタチにし人々にもっとUNIQUEな価値を届けよう』をグループミッションに掲げ、我々にしか考えつかない、実行出来ないようなビジネスモデルを意識して作るようにしています。

詳細はHPもチェック

 

【ビジネスの潮流を見極める】多角的な経営をする2つの理由とは

280名とはすごい規模ですね…現在創業8年目を迎えてらっしゃるようですが、現在の多角的経営は創業時からのイメージ通り歩んで来られたのでしょうか?

はい。想定よりも早いペースで進んではいるものの、グループ化や多角化のイメージは創業当時から持っていました。

なぜ拡大や多角化が必要と考えていたんですか?

大きく2つの理由があります。
1つ目に会社の成長・存続の観点、2つ目にスタッフのキャリア形成の観点です。

1つ目会社の成長・存続の観点

細かい経緯は割愛しますが、様々な経緯があって我々は約8年前にアイラッシュサロン事業を創業時のメインビジネスに選択したわけですが、創業当時、『マツエク』という産業はPLC(プロダクトライフサイクル)の視点で考えると投入期から成長期という、まさに旬なビジネスでした。しかし一方では多くの健康被害やサロントラブルが消費者センターに寄せられ、朝のニュース番組でも定期的にマツエクの危険性について取り上げられてもいました。当時はまさにマツエク産業が市民権獲得に向けて一進一退の攻防が繰り広げられていたように記憶しています。

今では一般化したマツエク産業も、8年前の業界はそんな状態だったんですね

そう。旬なビジネスは良くも悪くも波が立つものですからね。多角化の1つ目の理由としては、マツエクに限らず『美容』と分類されるビジネスは流行の波が激しく、良いビジネスモデルを構築できてもピークポイントから衰退までのサイクルが非常に短いです。つまりアイラッシュサロンのみで今後何年、何十年と会社を成長・存続させ続けることは不可能に近いと考えていました。
そのため、経営の多角化は必要不可欠な要素だと考えていたんです。

2つ目:スタッフのキャリア形成の観点

マツエクに携わる技術者、いわゆるアイリストやアイティスト、アイラッシュデザイナーと呼ばれる職種の方々の殆どが女性で構成され、年齢は20代中~後半が平均年齢になると思います。

たしかに、女性が多いのは大きな特徴ですよね

はい。かつ、この年代の女性は少なからず結婚や出産というプライベートな影響を受けやすい年代であり、もう少し年齢を重ねると育児・家庭と仕事の両立や視力や手先の運動性の問題などキャリアアップを形成、継続する上で多くのハードルを越える必要が出てきます。またその技術の特殊性から他業種への汎用性が極めて低い点も大きな懸念点と言わざるを得ません。こういった観点から、アイラッシュサロンのみの運営では技術者の継続的なキャリア形成が困難であると考えたんです。

なるほど。実際、年齢を重ねると出てくる施術者の悩みはBeautéにも多く寄せられます

そのため、はじめはサロン運営からはじまっていますが、サロン運営が軌道に乗ったタイミングを見計らってマツエクや美容に関連するその他の事業へ垂直・水平統合を図りました。
技術者がそれまで培った知見を活かせることを大切にしながら、セカンドキャリアの提案が出来る環境整備を目的としてグループ化を進めています。
なんだかリスクの話が中心となりネガティブな内容に見えてしまうかもしれませんが、反面では大きなメリットのあるとても良い職業であることもまた事実ですので、この点はまたの機会に出来たらと思います。

【関連事業や美容業界では珍しい面白い取り組みが沢山!】

◆賞与支給や有休取得率100%を推奨
◆婦人科系健診費用負担
◆積立応援制度
◆ikume休暇制度(3年勤務で1か月のお休みをする権利)
◆保育園や幼稚園をグループ会社で運営

  など、スタッフが働きやすい環境を追及されている

これだけ多くの事業を運営していると沢山の課題に直面されてきたのでは?今までご経験されてきた課題や事件などはありましたか?

課題はつねに山積みです。しかし「多くの事業をしているから課題が多い」とは思っていません。「現状と理想のギャップが課題」と捉えているので、高い理想を持つと課題が多くなるのは当然です。

細かい事件やトラブルは日常茶飯事ですが、ありがたいことに大きな事件は覚えがありません。これはひとえに現場や管理職のスタッフ全員が高い危機意識を持って仕事をしてくれているおかげだと感謝しています。

なるほど。プレイヤーでないことで苦労したことはありますか?

そうですね、プレイヤーでない事で苦労した点は創業時に集中していたと思います。
例えば、当初、スタッフが提供している技術が競合他社と比較してどの程度のレベルなのか評価が出来なかったことでメニュー構成や価格設定などの意思決定の場面で頭を悩ませました。多々ある中でも一番苦労した点は、技術者が気づかないお客様の潜在的なニーズ課題を現場におらずしていかに抽出するかということでした。アイリスト自身は課題視していないが経営視点でCSを考えると、改善しないといけない点の抽出、また、それがなぜ必要なのかを技術者にわかってもらうことに苦労した記憶があります。
アイリストは自分たちのサービスに自信を持って提供している訳ですから、そこに技術者ではない上司が「○○を改善しなさい。」と言われても、すんなり納得とはいきません。この点においては何度も衝突しながら我々のミッションやビジョンを軸に懇々と話をしました。思い返すと当時はよく意見をぶつけ合ってましたね。
アイリストでないがために苦労した点は多々ありますが、その都度コミュニケーションを図ったり、また時には外部のプロフェッショナルに支えて頂きながら我々のカタチを作ってきました。
今では、むしろプレイヤーでなかったからこそ雇用面や管理面、組織構成などで様々なシステムを構築できたと思っていますし、経営の多角化においてもよりスピーディに進めることが出来たと考えています。

【経営哲学】UNIQUEな価値とは?マニュアル化に潜む大きな間違いとは

冒頭でお話があったグループミッションなど、企業として大切にしていることは

冒頭でも紹介しましたが、我々はグループミッションとして『よりOPENにアイデアをカタチにし人々にもっとUNIQUEな価値を届けよう』を掲げております。どこにでもあるようなモノや誰でも出来るようなコトは今後益々価値を失っていきますし、そんなモノやコトは誰かに任せてしまって、我々は我々にしか出来ないようなモノやコトを創り出していきたいと考えています。また、我々は「最高のサービスは最高の環境から生まれる」を理念に掲げ、CS(顧客満足)よりも先にES(従業員満足)を実現することで結果的に質の高いCSに繋がると考えています。我々が考えるESとはスタッフ1人ひとりが主体性を持って取り組める環境作りだと定義し、環境整備や評価制度、組織構造に日々磨きをかけています。

普通企業は大きくなる時にはマニュアル化の流れになりそうですが、逆をいくんですね

そうですね。しかし、逆をいくというのは少し違う気がします。当社も規模が大きくなっていく中でマニュアルの作成や業務の標準化は当然行いました。しかしマニュアル化を進める中で注意した点は「マニュアルさえ守ればいい」という文化ではなく、マニュアルは店舗全体で最低レベルを担保するためのディフェンス的なツールであり、マニュアルの上に各自の個性が乗せられて初めて良いサービスになるという考え方です。
マニュアルOR自由(個性)ではなく、マニュアル+個性こそ良いサービスだと考えています。そうでなければUNIQUEなサービスなんて提供できません。私もUNIQUEなビジネスモデルを作るために椅子の代わりにランニングマシーンを置いて歩きながら仕事をしています。ユニークでしょ笑

確かに、赤井さんのオフィスには謎に大きな機械と不自然な高さの机がありますね

はい笑 人は動きが止まると思考が止まる。歩いている時に一番脳みそが活動しているい状態である。という論文を読んで、日々ユニークなアイデアが浮かぶようランニングマシーンで歩きながら仕事をしています笑

散歩しながらアイディアが浮かぶことはよくありそうですが、こうして導入するとは…ユニークですね。こちらの壁もユニーク!

【創業当時の想いを刻む】
2012年にオープンした際、1号店の壁に書かれた当時の想い。初心を忘れないために2016年の1号店改装時に本社社長室に壁を移設したそうです。

【アップデートがあれば更新・上書きする】最近の想い@2019年

想いを持ち続けることは難しいもの。こうしてみんながそれぞれの想いを書き込んでいて、見守り合っているというのは、本当に素晴らしいですね

【アイラッシュ事業「eye+」への想い】丁寧・安心・アップデートが重要

サロン運営に絞ると、どんなポイントがあるのでしょうか

サロン運営の中でUNIQUEの他に大切にしているのは当たり前ですが安心・安全ということにつきます。
我々が施術をするのは人の身体の中で最もデリケートな部位のひとつですからね。

技術力は日々繰り返していく中で上達していくものですが、反対に危機意識は日々薄れていくものですからね。日々の取り組みの中で危機意識が薄れないよう気を配っています。

下記のようなポイントはこだわっている部分です。

◆安心・安全への危機意識
◆通いやすさに特化した料金システム
◆眼科医との提携
◆レセプションを採用し業務効率化を図り従業員・顧客満足度を向上
◆人材育成カリキュラムの型化・定期的な技術チェック
◆商材を選定や接客のアイディアも現場から意見を集め反映
◆クチコミや座談会を開催しお客様からのご意見を経営に反映

このあたりが、運営にあたって現場からの声で生まれたこだわりポイントかと思います。

【クチコミ件数全国No.1の理由】※HotpepperBeauty2019年調べ

クチコミを多く頂いている理由はシンプルです。書いていただけるよう努力しているからです。ではなぜクチコミに力を入れているのかと言うと、2点大きな理由があります。

1点目:良い悪いに関わらずお客様の本当の評価を聞ける貴重なツール

我々はお客様と共にサロンを良くしていきたいという想いから、良いことに限らず、改善点や不満に思った点なども遠慮なく書いて頂きたいというスタッフの熱意をお客様に伝えてくれているからだと思っています。

2点目:市場における新規の人数は経年によって必ず減少する

特に転入出の少ない地方都市では尚更です。その有限で大変貴重なご新規様がサロンを選択する際に頼りにする情報は何だろうか?と考えた結果がクチコミでした。サロン側から発信する情報は、「モチがいい」とか「仕上がりが綺麗」「安心安全です」みたいに、大抵どこのサロンも似たようなことが書いてありますよね。この点においてクチコミはサロンの真実をお客様がお客様に伝えて頂ける。SNSと同様に大変貴重な情報源だと考えています。

世の中のアイリストの方にアドバイスなどをお願いします

アイリストは人を笑顔にする、素晴らしい仕事だと思います。
目先の収入を重視し、中長期的なキャリアを特に重要視していない方は楽しみながら今の自分にできる範囲で、頑張るといいと思います。
一方、中長期的にキャリア形成を望む方は今のお仕事を少し俯瞰的に見て将来のキャリアをどう形成して行きたいのか?そんなことを考えて頂く機会になれば幸いです。
そしてあえてお伝えさせて頂きますが、今のお仕事だけ頑張っていても未来の収入が大きく上がる可能性は低いです。今持っていない知識やスキルを獲得し、今の自分と未来の自分のギャップが収入の伸びしろです。1年前と今で大きく成長したことはありますか?「仕事は目先の給与」、「学習の質が未来の給与」を決めると言うと分かりやすいかもしれませんね。仕事だけではなく学びある日々を送られることをおススメします。

最後に今後のアイラッシュ業界や今後の御社の展望などをお聞かせください

美容サービス業界の先輩であるヘア業界やエステ業界、ネイル業界のPLCを見ているとアイラッシュ業界が今後どうなっていくかは予想がつきます。おそらくかなり高い精度で。もちろん良い面も悪い面もですが。とは言っても現在アイラッシュビジネスに関わる多くの方にとっては悪い面の影響が強いのではないでしょうか。しかし、投入期で市場規模が拡大し市民権を獲得したビジネスは次いで安定期、飽和期を迎えやがて衰弱期を迎えることは明々白々ですから、いかに時代に合ったサービス(ビジネスモデル)に書き換えていくのかが重要だと思っています。マツエクサロン業界は多くの経営者が危惧している通り、PLG上では安定期を迎え飽和期に片足を突っ込んでいる状況だと推測しています。このまま進むとすぐに衰退期ですね。しかし我々はこのまま指をくわえて衰退期を迎えるつもりはありません。我々はいかにして第二成長期を作り出すかに目を向けています。飽和期を迎える今だからこそ、自分達にしか出来ない「模倣困難な優位性の確立」を意識すべきだと考えます。

今後の展望は、直営サロンのさらなるブラッシュアップは当然ですが、これまで培った経験や蓄積されたデータ、その他ノウハウを生かしたFCサロンの展開やコンサルティング事業、商材の開発に力を入れていきます。また予ねてよりテーマになっている「美容×IT」も意識しながら事業展開を行う予定です。今後も枠に捉われないオープンな思考を持って、UNIQUEなビジネスを次々に生み出していきたいですね。

従業員満足度なきところに顧客満足度はない

こちらのお写真の集まりも楽しそうですね!

こちらは年1回行われるTHESETTAIという日頃お世話になっているお取引先様や、頑張って会社を支えてくれているスタッフに楽しんでもらえるよう会社が接待しようという目的で始まったパーティーです。今では楽しむだけで終わらず、スタッフ間や各ステークホルダーの交流を図るとともに、様々な事業を行う各社の動向報告やミッション・ビジョンを共有するうえでも大きな役割を果たしてくれています。

最後に、赤井さんの座右の銘を教えて下さい

最近の座右の銘は、「明日死ぬと思って生きなさい。永遠に生きると思って学びなさい」というマハトマ・ガンジーの言葉ですね。解説不要でガツンときますね。
あと、経営者として自分に言い聞かせている言葉は「理念で動いて数字で示す」ということ。経営者は夢を語るべきだと思いますが、夢だけ語っているようでは話になりません。夢を動機に、評価は数字で!また今日から頑張ります。

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