秋冬は特に注意!女性や乳幼児が注意したい感染症に感染したスタッフ・お客様がいた場合、どうする?対処法、あっていますか?

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マツエクサロンには、妊婦さんや乳幼児を連れたお客様が来店されることもありますよね。そのため、サロンで注意しておきたいことが、感染症対策。お客様はもちろん、スタッフの健康を守るためにも必要な取り組みです。2018年現在、国内で風しんが爆発的に流行中。風しん以外にも、お腹の赤ちゃんや乳幼児に危険を及ぼす感染症はたくさんあります。そこで今回は、感染症が発覚した場合のサロンの対処法や、予防法を特集!経営者や管理職の立場にある人は、今回の記事でサロンの感染症対策を今一度見直してみてくださいね。

「感染」が発覚!きちんと対応できていますか?

感染症に罹ったスタッフやお客様がいた場合、サロンでどのように対策するかきちんと決まっていますか?
中には、感染症の予防マニュアルや対策マニュアルを持つサロンも存在するでしょう。
しかし、実際には

「まずは病院受診を促すが、その後すべきことは分からない」

    • 「とりあえず、サロン内や商材などをアルコール消毒する」

 

      • 「感染症対策のマニュアルは、きちんと整備されていない」

 

        • 「オーナーもアイリストも、そもそも感染症に詳しくない」

というサロンがほとんどではないでしょうか?
残念ながら、その程度では感染症への対策が十分とは言えません
例えば、感染しても症状が現れないタイプの人もいて、感染症が拡大する原因になることも考えられるためです。また、感染症の原因となるウイルスは、消毒用アルコールでも死滅しないものが多くあります
このように、感染症はある程度の知識がなければ、予防や対応を十分に行うことは不可能。しかし、ポイントを押さえておけば大丈夫です!
では、感染症の対処法や予防法には、どのようなポイントがあるのでしょうか?

保健所の指導では、どう対応すべき?

まず初めに、感染症にはどのようなものがあるのか整理しておきましょう。感染力の強さや症状の程度などによって、下記のように分類されています。

感染症の分類と考え方 (出典:厚生労働省、2018年5月1日現在)

分類

感染症の疾病名等

1類感染症

エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、痘そう、南米出血熱、ペスト、マールブルグ病、ラッサ熱

2類感染症

急性灰白髄炎、結核、ジフテリア、重症急性呼吸器症候群(病原体がSARSコロナウイルスに限る)、中東呼吸器症候群(病原体がMERSコロナウイルスに限る)、鳥インフルエンザ(H5N1、H7N9)

3類感染症

コレラ、細菌性赤痢、腸管出血性大腸菌感染症、腸チフス、パラチフス

4類感染症

E型肝炎、ウエストナイル熱、A型肝炎、エキノコックス症、黄熱、オウム病、オムスク出血熱、回帰熱、キャサヌル森林病、Q熱、狂犬病、コクシジオイデス症、サル痘、ジカウイルス感染症、重症熱性血小板減少症候群(病原体がフレボウイルス属SFTSウイルスに限る)、腎症候性出血熱、西部ウマ脳炎、ダニ媒介脳炎、炭疽、チクングニア熱、つつが虫病、デング熱、東部ウマ脳炎、鳥インフルエンザ(鳥インフルエンザ(H5N1及びH7N9)を除く)、ニパウイルス感染症、日本紅斑熱、日本脳炎、ハンタウイルス肺症候群、Bウイルス病、鼻疽、ブルセラ症、ベネズエラウマ脳炎、ヘンドラウイルス感染症、発しんチフス、ボツリヌス症、マラリア、野兎病、ライム病、リッサウイルス感染症、リフトバレー熱、類鼻疽、レジオネラ症、レプトスピラ症、ロッキー山紅斑熱

5類感染症

アメーバ赤痢、RSウイルス感染症、咽頭結膜炎、インフルエンザ(鳥インフルエンザ及び新型インフルエンザ等感染症を除く)ウイルス性肝炎(E型肝炎及びA型肝炎を除く)、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症、感染性胃腸炎、急性出血性結膜炎、急性弛緩性麻痺(急性灰白髄炎を除く)、急性脳炎(ウエストナイル脳炎、西部ウマ脳炎、ダニ媒介脳炎、東部ウマ脳炎、日本脳炎、ベネズエラウマ脳炎及びリフトバレー熱を除く)、クラミジア肺炎(オウム病を除く)、クリプトスポリジウム症、クロイツフェルト・ヤコブ病、劇症型溶血性レンサ球菌感染症、後天性免疫不全症候群、ジアルジア症、侵襲性インフルエンザ菌感染症、侵襲性髄膜炎菌感染症、侵襲性肺炎球菌感染症、水痘性器クラミジア感染症性器ヘルペスウイルス感染症、尖圭コンジローマ、先天性風しん症候群、手足口病、伝染性紅斑、突発性発しん、梅毒、播種性クリプトコックス症、破傷風、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌感染症、バンコマイシン耐性腸球菌感染症、百日咳、風しん、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症、ヘルパンギーナ、マイコプラズマ肺炎、麻しん、無菌性髄膜炎、メチシリン耐性黄色ブドウ吸引感染症、薬剤耐性アシネトバクター感染症薬剤耐性緑膿菌感染症、流行性角結膜炎、流行性耳下腺炎、リン菌感染症

新型インフルエンザ等感染症

新型インフルエンザ

出典:厚生労働省
赤色:妊婦さんが感染すると胎児に影響する感染症

妊娠中に気を付けたい感染症には、他にも「HTLV-1感染症」「トキソプラズマ症」「サイトメガロウイルス感染症」「B群溶血性連鎖球菌感染症」「リステリア症」などがあります。(出典:国立感染症研究所大阪市健康局大阪市保健所感染症対策課
免疫の未熟な乳幼児に関しては、すべての感染症に注意した方が良いと言われているようです。
上記に挙げた感染症が発覚すると、「感染症法」という法律に従って、

診察した医師地域の保健所所長各都道府県知事

という順番で、感染症の届出が行われます。サロンによる届出は特に必要ありません
その後、実際に感染症へ対応するのは、都道府県知事から任命された保健所。
保健所によって、以下のような調査や指導が行われる場合があります。

疫学(えきがく)調査

家族構成・職業・旅行先・食事内容などを、聞き取りで調査されます。

検体提供

便(O157・赤痢・チフスなど)や血液・尿(風しん・麻しんなど)の提供を求められます。

消毒指導

家庭や職場などの感染防止のため、トイレや汚物などの正しい消毒方法が指導されます。

基本的に、疫学調査と検体提供は発病した人を対象に行われます。しかし、感染症のレベルによっては、保健所から他のサロンスタッフにも疫学調査と検体提供への協力依頼があるかもしれません。
また、保健所による消毒指導後、実際に消毒を行うのはサロン自身。こちらも、感染症の種類によっては、消毒後しばらくサロンへの立ち入りが制限されることもあるようです。
感染症が発覚した後の拡大防止、または感染症を未然に防止するために、どのようなことができるのでしょうか?

マツエクサロンで発覚後に行うこと・発覚前に予防すること

感染症が発覚した後の拡大防止、または感染症を未然に防止するために、どのようなことができるのでしょうか?

感染症発覚後の対処法 

感染症の届出を受けて、都道府県によって罹患者が立ち寄った場所が発表されることがあります。または、スタッフやお客様から、感染症の報告があることも考えられますね。

そのような場合は、スタッフとお客様のそれぞれに合わせて、下記のように対応する必要があるでしょう。
すでに感染症にかかっているスタッフとお客様体調回復のため、感染症にかかると危険なお客様とそのお子様感染防止のために、サロンとして動きましょう。
もちろん、サロン内をウイルスや菌に効果のある消毒液で徹底的に清掃することも必須です。

体調不良のスタッフへの対応 

すぐに病院受診をさせ、診断結果を報告させる
危険な感染症と診断されたら、医師の指示に従い、所定の期間は出勤を停止させる

体調不良のお客様への対応

体調不良への気遣いと現在の状況をヒアリングする
直近の予約日キャンセルと、予約の取り直しを案内する

妊婦さん・お子様連れのお客様への対応

感染症の発生を報告し、ご来店を控えていただく方が良いことを伝える
系列サロンの別店舗での施術を提案する

感染症発覚前の予防法

感染症を未然に防ぐためには、ウイルスや細菌が繁殖しないようにすることが大切。

  • 「マスクと加湿器でしっかり対策してます!」

というサロンも、ちょっと待ってください。
マスクと加湿器、感染症予防のために正しく使えていますか?それぞれの正しい使い方を解説します。

マスク

アイリストのみなさんは、施術中必ずマスクを装着しますよね。その主な目的は、お客様へのエチケットと、アイリスト自身の健康を守るためです。
しかし、鼻をしっかり覆えていなかったり、顔とマスクの間に隙間ができていたりする場合、感染症予防対策としてはNG!
鼻に当たる部分は折り目を付けて、マスクが顔に密着するようにしましょう。
また、マスクを外す際は、ウイルスや菌が付着しているおそれのあるマスクの表側には、絶対に触らないでください。

加湿器

サロンでは、グルーの鮮度を保つために加湿器を使っていることも多いですよね。感染症シーズンには、加湿器がウイルスを抑制するために活躍することも良く知られています。
たとえば、インフルエンザを予防するためには、湿度50~60%が理想の範囲です。
一般的なグルーでは、夏場が55~65%、冬場が50~60%が理想的な湿度とされているため、感染症対策としての湿度は◎。しかし、使っているグルーやサロンの環境によっては、湿度を50%未満にしているサロンもあるかもしれません。その場合は、加湿器以外でウイルス・菌対策ができる、下記のようなアイテムの使用がおすすめです。

サロンでの感染症対策におすすめのアイテム

①大幸製薬/クレベリンL

 

大幸製薬の「クレベリンL」は、用途に応じて希釈して使える消毒液。配合されている特許取得済みの濃度長期保持型二酸化塩素分子は除菌・消毒成分で、ウイルス・菌を除去してくれます。サロンでは、5倍に希釈したものをトイレまわりの除菌に使ったり、20倍希釈したものを床や壁にスプレーしたりして使うことがおすすめ。

 

②Pasasonic/次亜塩素酸 空間除菌脱臭機ジアイーノ

 

Panasonicの「次亜塩素酸 空間除菌脱臭機ジアイーノ」は、空間除菌する電化製品。次亜塩素酸で空気を洗い、ウイルス・菌を抑制します。空間に付着した目に見えない菌も除去してくれる優れもの。同メーカーの空気清浄機に比べて、除菌スピードは3倍もあります。サロンに来られる妊婦さんや乳幼児にも、安心して使用OK!

また、インフルエンザの接種費用を一部補助しているサロンや、風しん予防接種を社員に無償提供している企業もあります。感染症の流行具合やスタッフの要望によっては、予防接種に関する福利厚生を検討しても良いかもしれませんね。

まとめ

感染症にかかったスタッフやお客様がいた場合の対処法について、詳しく紹介してきました。現状では、感染症に対する知識やマニュアルがないサロンがほとんどかもしれません。しかし、来店されるお客様やそのお子様、スタッフの健康も考慮し、感染症発覚後の速やかな対応と感染拡大の予防に努めることも、サロンの責務。特に、サロンオーナーや管理職以上の立場にあるアイリストは、万が一の事態に備えておく必要があります。サロンで感染症が発生したことを想定して、今からでもマニュアルの整備を行ってはいかがでしょうか?181003Eih

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