なるべく無くしたい「お直し希望」。でも実は、技術向上のためのチャンス?対応方法を学ぼう

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多くのサロンが導入している「お直し制度」。施術のやり直しを無料で行うというサービス内容のため、その対象かどうかを判断する際には悩むアイリストも多いですよね。今回は、お直しを要望される方への対応方法がテーマ。お直しへの対応策を学ぶことは、スキルアップへのチャンスとなることもあります。早速、見てみましょう!

付けたエクステをお直してほしい!理由はどんなことが考えられる?

施術から数日後にお客様からお直しを要望されるというのは、経験したことのあるアイリストも多いはず。その理由には、さまざまなものがあります。

一般的には、

  • マツエクがすぐに取れてしまった
  • 仕上がりのクオリティーが気に入らない
  • デザインが思っていたイメージと違った

といった理由が多いのではないでしょうか?

これらの要望に対して、「分かりました、つけ直させていただきます!」とお答えするのは、簡単なこと。
しかし、毎回お客様の要望通りにつけ直しすることは、あまり望ましいことではありません。本来であれば別の予約を受け付けられていたはずの時間に無料のお直し対応が入るとなると、どこまでを対象とするのかしっかりと見極める必要があるでしょう。

お直しとは?どこまで受け付けるかにより対応は変わる

そもそも、お直し制度とはどのようなものなのでしょうか。Beautéでは、過去にもお直し制度について解説しました。こちらの記事も参考にご覧ください。

過去の記事の中では、お直し制度のことを「お客様側に非がなく、すぐにマツエクが取れてしまった場合に取れた本数分をつけ直す制度」とお伝えしました。

お直し制度の対象とするかどうかは、

① 施術からどのくらいの日数が経っているのか

② 何本残っているのか

③ 取れた原因がアイリスト側にあるのかどうか

といったことが関わってきます。

①②に関しては、明確な条件を設定することが可能。例えば、「施術後1週間以内に、マツエクの半分以上が取れた場合は無料でお直し対応します」というような条件をもとに、対応可否を判断することができます。
しかし、③については判断に悩むアイリストも多いのではないでしょうか。お客様が施術後にどのようなケアを行っていたのかは本人にしか分かりません。とはいえ、「お客様側に原因があるようですので対応できかねます」とは、なかなか言い出しにくいですよね。うまくお伝えしたつもりでも、お客様によっては不愉快な思いをさせてしまうかもしれません。お客様との間で「責任がどちらにあるのか」について揉めることのないよう、次のような方法を実践してみるといいでしょう。

カウンセリング内容をマニュアル化しておく

多くのアイリストは、施術の際にホームケアの方法をお伝えしているはず。しかし、お客様から「ケアの方法なんて聞いていない」と言われたら、あなたはどう対応しますか?確実に伝えたかどうかは、どこにも記録されていません。「もしかしたら伝え漏れがあったかも…」と不安になってしまいますよね。こうならないためにも、カウンセリングでお伝えすべきことは、マニュアル化して漏れのないようにしておきましょう。スタッフが多いサロンであれば、なおさら徹底すべきポイント。マニュアルに沿ってカウンセリングを進めることは、「必要な情報を確実にお伝えした」ということの証明にもなります。

「カウンセリングを受けること」をお直し対象の条件にする

マツエクに慣れているお客様の中には、「カウンセリングはもうしなくていいです」とおっしゃる方もいます。しかし、カウンセリングとは先ほどもお伝えした通り、お直し対象かどうかを判断するという意味でも重要なステップです。そのため、「カウンセリングをさせていただかないと、お直し対象外となることがあります」とお伝えするようにするといいでしょう。

ホームケア方法を記載した紙をお渡しする

これも、「ホームケア方法について確実にお伝えした」ということを証明する効果的な方法。口頭で伝えようとすると誤解を招いてしまったり、伝え漏れがあったりしてしまうものです。その点、紙に記載してお伝えすれば、どのお客様にも平等に同じ情報をお伝えすることができます。結果として、誤ったホームケアからお直しにつながる方を、一人でも減らすことができるでしょう。

デザインや仕上がりの質へのお直し…どう対応する?

ここまでにお伝えした内容は、「マツエクがすぐに取れてしまった方」への対応方法。お直しの理由としては最も多いのではないでしょうか。
しかし、中にはデザインや仕上がりの質に対してお直しを望まれる方もいらっしゃいます。

基本的には、「施術料金をお支払いいただき、サロンを退店された時点で、デザインや質に納得いただいた」と捉えるサロンがほとんど。
しかし、お客様から

  • すぐに言い出しづらかった
  • 職場でNGだと言われた
  • 納得して家に帰ったものの、時間が経つにつれて違和感が出てきた

という理由でお直しの要望を受けたというアイリストもいるのではないでしょうか。

デザインや質の問題で無料お直し対象となるのは、「アイリストの提案に不備があった場合」に限ります。当時のカルテを見返したり、担当スタッフに話を聞いてみたりして、提案に不備がなかったかどうかを確認することになるでしょう。お客様が希望されたイメージに対して適切なデザインを提案できていたかどうか、お客様の自まつげの状態に合わせたデザインとなっていたかどうかなど、詳しくチェックすることが大切です。

デザインや仕上がりの質によるお直しを生まないためには、アイリストとしての提案力、聞く力、技術力を高めることが一番の対応策。スキルの高いアイリストは、お直しとなる回数も限りなくゼロに近いです。
例えば、自まつげに対してやや無理のあるデザインを希望された場合、「取れやすくなる可能性が高いです」と一言添えておくだけでも、お直しにつながりにくくなるはず。お直しにつながるような対応とならないよう、日ごろからアフターフォローや丁寧な説明を心がけるようにしましょう。

聞き込みする際のポイントとは?

お直しの対象となるかどうかは、お客様へのヒアリングにかかっています。お客様が不快な気持ちにならないよう気を配りつつ、正しい原因を聞き出さなくてはなりません。
まず、確認すべきことは、

  • 何をしたときに取れたのか
  • 施術から何日後に取れ始めたのか
  • 施術当日の水分に触れる(洗顔や入浴)までの時間
  • 普段のメイク(油分)の頻度や程度
  • 寝るときの姿勢

などが挙げられます。

「お客様に原因があるのでは?」と思いながら聞き込みをすると、質問攻めになったり横柄な態度になったりしやすいため、注意しましょう。ヒアリング時は、「そうですよね」と同調しながら聞くことがポイント。相手の言うことを否定するのではなく、お客様の立場に寄り添って会話を進めるようにします。

お客様の多くは、「申し訳ないですが…」という想いを持ちながら連絡される方がほとんど。その気持ちを汲み取りつつ、アイリスト側にも不備があったかもしれないという姿勢で対応することが大切です。お直し対応によって再来店されることになったら、「お忙しい中、何度もお越しいただき申し訳ありません」と気遣う一言も忘れてはいけません。

まとめ

お客様への重要なアフターフォローのひとつでもある「お直し制度」。しかし、その対応方法についてはアイリスト一人一人がしっかりと学んでおく必要があります。大切なお客様へ不信感を抱かれることのないよう、誠意ある対応を心がけましょう。さらに、お直しとなる施術の裏には、スキルを高めるための重要な改善ポイントが隠されているかもしれません。そもそもお直しを生まないよう、日々の施術を振り返ってみることもアイリストの大切な役目のひとつです。

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