「こんな感じにしてください!」お客様が持ってきた画像…どうやって的確に近づける?

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インスタのマツエク写真や芸能人の写真、雑誌の写真など…お客様の中には、画像を持って来店される方もいらっしゃいますよね。理想のイメージがはっきりしている分、「デザイン提案しにくい」と感じるアイリストも多いのではないでしょうか。今回は、画像を持って来店された場合の提案方法について解説しましょう。

「こんな感じにしたい!」画像のデザインを再現するには

多くのサロンがSNS上で人気デザインを発信する今の時代。
サロンに来られるお客様の中には、「インスタで見つけたんですけど…」とマツエクの画像を持って来られる方も増えてきているのではないでしょうか?

お客様の立場からすると、「画像があった方が、アイリストさんに伝わりやすい」「自分の要望を口で伝えるのは苦手だから、写真があった方が伝えやすい」という方も多いですよね。そのため、写真を見ながら要望を伝えることで「きっとこんな風にしてもらえるはず!」と、仕上がりに対する期待値が高まる人も多くなるのです。

画像をもとにデザインをすり合わせていくことについては、過去のBeaute記事の中でも解説しました。

画像があるということは、お客様の中で理想のイメージが固まっているということ。お客様の中で理想が明確になっている分、実際の仕上がりとの間にギャップを抱かれやすくもなるでしょう。アイリストは、お客様の中の小さな”ストライクゾーン”にハマるような仕上がりを目指しつつ、デザインを考えていかなくてはなりません。

「画像があるときのデザイン提案が苦手…」と感じるアイリストは、「画像の”どの部分”をデザインに反映させるのか」が明確化できていないことが多いです。つまり、画像そのものを漠然とデザインに反映させようとしているということ。まずは、お客様が持って来られた画像をどう捉えるかについて整理してみましょう。

例えば、カラーエクステの画像を持って来店された場合。お客様が画像を見せる意図としては、「このデザインでつけて欲しい」という意味合いであることが多いです。つまり、画像の役割は、

  • 色味を正確に伝える
  • カラーエクステをつけて欲しい位置を伝える

ということになりますね。このケースでは、画像のデザインをそのまま再現することで満足いただけることが多いでしょう。

では、一般的なブラックのエクステのケースはどうでしょうか。この場合の画像については、やや注意が必要。なぜならこのときの画像の役割は、

  • 理想のイメージ(雰囲気)を伝える
  • 目の形やまつげの形をどう見せたいかを伝える

といったことが挙げられるからです。カラーエクステのときと比較すると、かなり抽象的なものを求められていることがお分かりいただけるでしょうか。一般的なブラックのエクステの場合は、カラーエクステのように画像のカラーや装着位置をそのまま再現するだけでは成立しないことがほとんど。画像通りに再現できる部分、どうしても違いが出てしまう部分をお伝えし、どこまで画像に寄せていくのかを確認していかなくてはいけません。そのため、カウンセリング時間が長くなることも想定しておく必要がありそうですね。

今回は、多くのアイリストが苦手意識を持つ「一般的なブラックのエクステ」のケースにスポットを当ててみましょう。

画像をベースにデザインを決める際には、

  • お客様と画像との間にある、目やまつげの違いを細かく把握すること
  • お客様が画像のどの部分に惹かれたのかを聞き出すこと

といったステップが必要。この2点を疎かにしたままでは、お客様に満足いただけるデザインを決めることはできません。例え、カウンセリング時間が多くかかったとしても、必要不可欠なステップです。

生まれやすいギャップとは

画像をベースにデザインを考える場合、通常のカウンセリングではなかなか見られない、ギャップが発生してしまうことがあります。次のような思い違いが発生していないか、普段の施術時に思い返してみましょう。

画像と全く同じエクステを同じ位置に装着するわけではない

画像をもとにデザインを決めるということは、画像と全く同じエクステを同じように装着するという意味ではありません。お客様の目元やまつげの特徴は、人それぞれですよね。”土台”となる部分が違うため、画像と同じように装着したとしても、想定していた仕上がりからかけ離れてしまうことも十分にあり得ること。だからこそ、先ほどもお伝えしたように、「お客様の目と画像の目にどのような違いがあるのか」を把握することが、かなり重要になるのです。

必ずしも写真通りの目になりたいわけではない

画像をどこまで再現するのかも、デザインを考える上では重要なポイント。お客様が「こんな風になりたい!」と言われたからといって、画像のマツエクをそっくりそのまま再現したいとは限りません。むしろ、丁寧にヒアリングしてみると「その画像の目元の雰囲気が好き」「目の印象を近づけたい」というお客様の方が多いのです。ヒアリングの際には、その方の目と画像の目の違いを説明した上で、「画像に対してどこまで寄せたいのか」まで丁寧にお聞きするようにしましょう。

画像から得た印象がお客様とずれている

画像から得るイメージというのは、人それぞれ。アイリストが画像を見て「キュート系のデザイン」と感じ取ったとしても、お客様が同じ印象を持っているとは限りません。同じ画像を見ながらデザインをすり合わせたとしても、感じ取ったイメージがずれていては意味がないのです。画像を見ながら話をする際には、ずれを防ぐためにも、

  • 「この画像のマツエクは、○○なイメージですね」
  • 「目尻が長めのデザインですね」
  • 「比較的、ナチュラルな印象のデザインですね」

といったように、受け取ったイメージを言葉で言い表しながら、その都度お客様と認識合わせをするように心がけてみましょう。

近づけるコツ

ここからは、マツエクのデザインを画像のイメージにどのように近づけていけばいいのか、より具体的に考えてみましょう。

ケース①:下がりまつげのお客様 ×上がりまつげに Jカールを使ったマツエク画像

下がりまつげの方に、画像通りのJカールを適用すると、カールを綺麗に出すことができません。例として、こちらの写真をご覧ください。

上がりまつげの方にJカールエクステを装着した例

やや下がりまつげの方にCカールエクステを装着した例

二つの写真を見比べると、カールの強さに違いはあるものの、正面から見たときの印象にそれほど差はありません。
自まつげの角度に違いがあったとしても、カールの強さを調整すれば、かなり近づけることができます。

つまり、ケース①の場合は、

  • Jカールより強いカールを選ぶ
  • 上付けで装着し、カールを強調するようにする

といった方法をとるといいでしょう。
ただ、直毛の下がりまつげの方の場合は、特に注意が必要。強いカールを選ぶと接着面が少ないため、根本が浮いたり、モチが悪くなったりしてしまいやすいです。このような方には、直線ラインの多いLカールを装着してあげるという方法もおすすめですね。

ケース②:まぶたが分厚いお客様 × まぶたが薄い方のマツエク画像

まずは、こちらの例をご覧ください。どちらも、同じカール、同じ長さのエクステを装着しています。

二重でまぶたが薄い方にCカールの10-11-12mmを装着した例

奥二重でまぶたが厚い方にCカールの10-11-12mmを装着した例

例からも分かるように、まぶたの厚い奥二重の方の方が、まぶたがエクステに被ってしまうことで短く見えてしまいやすいです。そのため、画像よりも長いエクステをいくつかピックアップして、実際に自まつげに当てながら、最も近くなりそうな長さを選び取るようにしましょう。

ケース③:一重のお客様 × 二重の目のマツエク画像

これが最も難しいケース。二重と一重の違いをマツエクで解消することは、そう簡単なことではありません。この場合、画像はベースとして話す程度にとどめ、その方に似合うデザインを提案することを優先させるようにしましょう。ただし、画像の持つイメージを尊重するということは、忘れてはいけません。お客様が画像に対して「こんな風になりたい」と思ったポイントは、出来る限り取り入れてあげられるよう丁寧にヒアリングをしましょう。

まとめ

お客様が画像を持って来られた場合、「画像の目とお客様の目が全然違う!」と戸惑ってしまうアイリストも多いです。ただ、ヒアリング次第では、画像がある方がお客様の理想や好きな雰囲気を捉えやすいこともあります。マツエクにとって重要な丁寧なカウンセリングは、画像の有無に関わらず常に心がけなくてはならないこと。お客様に似合うデザインを優先させることで画像のイメージからかけ離れてしまったとしても、丁寧なカウンセリングをしたうえでのことなら、きっと満足いただけることでしょう。画像はあくまで、イメージを共有するためのツールの一つに過ぎません。どんなお客様であっても、その方の要望を的確に感じ取れるようなスキルを身に着けていきたいですね。

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