「左右の自まつげの量や生え方に差があるお客様」の適切な装着方法、ご案内方法について

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ご存知のかたも多いかもしれませんが、 人間は左右対称ということはほとんどありません。それは目においても同じです。目の形や二重の幅だけでなく、まつげの量や生え方にも左右差があります。マツエクを装着する際、左右差を解消することが美しい仕上がりに繋がることは、アイリストであればご存知のはず。これまでもBeautéでは左右差に関する情報を取り上げてきましたが、今回はまつげの量や生え方に左右差があるケースの対応方法をお伝えします!

「左右差」ってどんなものがあるの?

人間の顔は左右非対称であることがほとんど。左右対称な人は100万人に1人という稀有な存在です。もちろん、左右非対称なのは目も同じ。自分の目を鏡で見てみると分かると思いますが、様々な違いが確認できるでしょう。主な違いは

  • 目の幅が違う
  • まつげの量が違う
  • まつげの生え癖が違う
  • まつげのカール具合が違う
  • 二重の幅が違う
  • 片目だけ二重

などが考えられます。生まれ持った違いがほとんどですが、まつげの場合は生活習慣によって左右差が出ることも。例えば、

  • うつぶせで寝ている
  • 片目だけ前髪が当たっている
  • どちらかの目だけこする癖がある 

など様々な要因があります。これらの要因は、お客様に生活習慣を改善していただくことで解消できるかもしれませんが、一朝一夕で直るわけではありませんよね。また、人間は本能的に左右対称のものを美しいと思う傾向にあります。これはマツエクも例外ではありません。何も考えずにエクステを装着しては、左右差を強調してしまい美しい仕上がりにならないことも考えられます。例えお客様が希望されたデザイン通りの施術をしたとしても、不満足な仕上がりになってしまうことも。

そこで、アイリストが左右の違いを解消するために、マツエクを調整する必要があります。もちろんお客様のご要望を踏まえた上で、左右差を調整する必要があるため、技術力や提案力が大切です。

これまでもBeautéでは左右差についてご紹介してきました。

以前は二重の違いやまつげの角度について解説したので、今回はまつげの量や生え癖の左右差についてのご提案について一緒に学んでいきましょう!

状態により変わる「ベストな提案」とは?

ここでは、下の写真を例に「ベストな提案」  について考えていきましょう。

 

こちらの写真は左右の目を上下に並べたもの。パッと見ただけでは左右差があるかどうか分かりづらいですよね。

一方、こちらは上の写真の左目を反転させて上下に並べたもの。まつげの向きがそろうと左右差がよく分かります。このモデルのまつげを上の写真と下の写真を比べてみましょう。

①目尻のクセが強く、外側に倒れている
②目頭は本数が少なく長さも短い
③中央は左目よりもしっかりと生えている
④全体の本数自体も下の写真の方が少ない

いかがでしょうか?この状態のまつげに何も考えずにエクステをつけると、上の目の方が濃い仕上がりになってしまいます。では、左右差をなくすためにはどのようなご提案をするとよいのでしょうか。

本数を調整する

まずはお客様に左右のまつげの本数に差があることをお伝えし、「同じ本数を装着すると左右の仕上がりに差が出ることが考えられます。」と説明しましょう。その上で「仕上がりの差をなくすために、左目の本数を少し減らすことをおすすめしますが、いかがでしょうか。」などとお客様にご提案するとよいですね。

隙間を埋める

まつげの量や間隔に違いがある場合、“穴を埋める”もしくは“目立ちにくくする”という2つの提案方法があります。1つ目の“穴を埋める”方法ですが、ボリュームラッシュを装着すると濃く見せることができます。上の写真は中央に、下の写真は目頭にボリュームラッシュを用いるとよいでしょう。「同じ本数を装着したいけど、左右に差が出るのは嫌」という場合は、ボリュームラッシュを使用することをご提案してみてはいかがでしょうか。2つ目の“目立ちにくくする”ための方法は、隙間がある部分のサイドのエクステを傾けて装着するというもの。ボリュームラッシュを扱っていないサロンでも使える方法です。

▽まつげのぽっかり穴をカバーするテクニックについての記事はこちら

以上が写真の目の左右差をなくすためのご提案例です。もちろんお客様の好みを優先することが大切ですが、好みを踏まえた上でより美しく見せるためのご提案ができるとよいですね。

左右差解消の提案例

では、具体的にどのようなご提案をすればよいのか、どんなテクニックがあるのかケースごとに学んでいきましょう!

提案例①左右のまつげの本数が違う場合

先ほどもお伝えしたように左右のまつげの本数が違うにも関わらず、同じ本数を付けてしまうと仕上がりが不自然になってしまいます。まずは、まつげが少ない方からエクステを付けていきましょう。その仕上がりを見て、まつげが多い方の本数を調整していきます。しかし、中には「せっかくなら同じ本数を付けてほしい!」とオーダーされるお客様もいらっしゃいますよね。そんなときは、まつげが多い方の目には細めのエクステを付ける方法をおすすめするとよいでしょう。細いエクステだと同じ本数を装着しても、左右差が気になりにくいですよ。

提案例②まつげの間隔が違う場合

まつげが生えている間隔が違うと、同じ本数を付けても仕上がりに差が出ます。もし狭い方の幅に合わせるとなると、幅が広い方はスカスカになってしまいますよね。そんなときは、幅が広い部分にボリュームラッシュを装着すると、バランスの違いが気にならなくなる方法です。太さの違いがありますが、隙間を埋めるという点では有効的ですね。シングルラッシュとボリュームラッシュのミックスをメニューに入れていないサロンは、初めからボリュームラッシュをおすすめするとよいでしょう。もしくは先ほどもご紹介したように、間隔が空いているサイドのエクステを、わざと傾けて装着するのもアリです。

提案例③目尻のクセの流れ方が違う場合

目尻はクセが出やすい場所。普段前髪がかかっていたり、笑ったときに頬や下瞼が当たっていたりすると、まつげが倒れやすくなります。どちらかの目尻のまつげが倒れている場合は、倒れていない方に合わせるようにしましょう。お客様に「右目の目尻が倒れているので、左目に合わせて起こしてもよろしいですか?」と確認するとよいですね。その場合、倒れているまつげに下絡め付けをして、クセを直すように装着するのがセオリー。右横付けや左横付けをすると、クセに流されやすかったり、接着面が短くなったりします。

▽癖ありまつげへの対策についての記事はこちら

ご提案をするときの注意点

自まつげの状態は、自分では分かりづらいもの。まつげの左右差がある場合は、お客様にその旨をきちんと説明した上でご提案するようにしましょう。普段は左右差が分かりづらいかもしれませんが、マツエクを付けるとその差が分かりやすくなります。もし説明をおろそかにしてしまうと、左右差が出たことに不満を感じられるお客様もいらっしゃるため、注意が必要です。その場で「左右が違う気がするんだけど…」と言っていただけるお客様であればすぐに対応できますが、中には気になっても言えずに不満を貯め込む方も。満足していただくためにも必ず事前に説明し、お客様がどういう仕上がりを望んでいるのか確認するようにしましょう。

まとめ

普段の生活では、自まつげの左右差は分かりづらいもの。特に本数やちょっとした隙間などは、気付きにくいかもしれません。しかし、マツエクをするとその差が目立ちやすくなる傾向にあります。お客様に何もお伝えせずに施術してしまうと、仕上がりに満足されないことも考えられますよね。そのような事態を防ぐためにも、カウンセリング時などに鏡をお渡しして正面から見てもらい、自まつげの生え方を一緒に確認しましょう。そのとき左右差があることをお伝えし、解消するためのご提案を行うとよいですね。左右差がなくなる施術ができれば、お客様の満足度も高まるはず。より多くのお客様に喜んでいただけるためにも、普段から左右差を解消する技術を身に付けていきたいですね。

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