磨きたい!お客様へのデザインの「似合わせ技術」や「提案力」を身につけるには?

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アイリストとして大切な、お客様への「似合わせ提案」。美容師さんが「似合わせヘア」を日々勉強し続けているように、アイリストの「似合わせテクニック」も奥深いものがあります。今回は、知識としての「似合わせ」のセオリー、そして実際にそれをお客様にどのようにご提案すべきなのか、接客テクニックを学んでいきましょう。

マツエクデザインを「似合わせる」とはどういうことか

お客様の顔は、一人として同じ人はいません。そのため、提案するデザインもお客様の数のように存在することになります。なぜなら、アイリストはお客様からの要望を叶えつつ、最も美しくバランスのいい見た目になるようにデザインを考えなくてはならないから。お客様の要望に忠実に従ったとしても、魅力的に見えない、または違和感のある仕上がりとなってしまっては満足してもらうことは難しいでしょう。 お客様の求めるイメージとのすり合わせをして、その方に似合うようなデザインで納得してもらえるよう、導くことが大切なのです。
今回のテーマである「似合わせデザイン」の根底にあるのも、まさにこの考え方。そして、多くのアイリストが悩むマツエクの難しさでもあります。

似合わせデザインの“正解”は、お客様の顔立ちや雰囲気次第のため、残念ながらマニュアル化することはできません。ただし、日々、お客様と向き合う中で「似合わせ」を常に意識するようになれば、飛躍的に伸ばすことのできるスキルでもあります。では、スキルアップのためには、普段どのようなことに気をつければいいのでしょうか?

カウンセリングからご提案まで、おさえるべきポイントとは

似合わせデザインとは、「お客様の要望」と「その方の顔立ちが美しく見えるバランス」を掛け合わせたものとお伝えしました。ここからは、普段気をつけておきたいポイントについて見ていきましょう。

美しく見えるバランス」について考える

そもそも、「美しく見えるバランス」とは何を基準に決まるのでしょうか?

顔の黄金比

まずは、「顔の黄金比」

「生え際から眉頭の下:眉頭の下から鼻の下:鼻の下からあごの先=1:1:1」 

という、人間の顔が一番美しく見える比率のことを言います。芸能人など、「美人」に見られる顔立ちは、きっとこの比率に近いバランスをしていることでしょう。

顔の形

次に、「顔の形」
人間の顔の骨格は、「丸顔」「面長」「ベース」「逆三角形」に分けられます。この違いは、マツエクにとってもかなり重要。おそらく多くのアイリストがスクールでも学ぶように、それぞれの顔の形に似合うデザインがあります。多くのお客様が、自分の顔の形はなんとなく把握していても、それに似合うデザインを要望されるとは限りません。ぜひ、アイリスト目線からの客観的な意見もお伝えしてみましょう。

「美しく見えるバランス」を目指したエクステ選定をする

お客様にとっての理想のバランスがイメージ出来たら、具体的なエクステのカールや長さなどを決めていく作業になります。

この際には、お客様の
・顔の面積に対する目のサイズ
・目の形
・自まつげの長さや角度
を正面、そして横からしっかりとチェックすることが大切。特徴を正確に把握することは、理想のバランスをより忠実に再現することにつながるからです。

ただ、新人アイリストにとっては、理想のバランスに対してどのように近づけていけばいいのか難しいですよね。「正面から美しく見せるにはどうしたらいいんだろう…?」と悩むアイリストは、二重アイラインに沿うような長さ、カールの設定をするといいでしょう。

こちらの写真のようなバランスを目指せば、まつげが悪目立ちすることなく、バランスよく見えます。お客様の目の形に合ったデザインがイメージできないときは、ぜひ参考にしてみましょう。

▼まぶたの形別のデザイン提案については、こちらもチェック!

「お客様の要望」の中にある意図を深く聞き出す

「似合わせデザイン」を考えるうえで最も難しいのは、「お客様の要望をどこまでデザインに反映させるか」ということ。美しく見えるバランスを優先させることで、お客様の要望をなかなか取り入れにくいこともありますよね。ただ、いくらお客様の顔立ちにとって理想的なバランスだとしても、要望があまり活かされていないようであれば、それは「似合わせデザイン」とは言えません。お客様にも納得いただいた上で、アイリスト側から提案する理想のバランスと、お客様の求めるイメージを上手くバランスを取らなくてはならないのです。
このようなジレンマを解消するためには、「丁寧なヒアリング」あるのみ。それも、ただ漠然と好みを聞き出すのではなく、お客様にとって「譲れないポイント」を聞き出すことが重要です。

お客様によって、仕上がりのイメージがかなり明確な方、要望が多い方、「お任せで」と言われる方…などさまざまですよね。ただ、どのようなお客様の要望の中にも、必ず優先順位は存在します。つまり、「これは出来れば取り入れてほしい」「これだけは絶対に譲れない」という優劣が少なからずあるはずなのです。カウンセリングスキルが高いアイリストというのは、要望を聞き出すだけでなく、優先順位まである程度汲み取ることができる人のこと。当然、「似合わせデザイン」にお客様の要望を落とし込むのも、上手くできることが多いです。

お客様の要望を深く掘り下げるためには、まず、普段のメイクや好きな芸能人など、その方の好みをお聞きします。そこからさらに、「○○な雰囲気がお好きなようですね」とアイリストなりの解釈をはさみながら、適宜共有していきます。また、ここで出来るだけ聞き出しておきたいのが、お客様にとっての“NG”。「派手な雰囲気は苦手…」「可愛すぎるのは好きじゃないです」などの意見は、誰しも少なからずあります。なにげない質問をしていく中で、そのお客様の要望の中にある”芯“となる部分が見えてくるはず。普段のカウンセリングをいつもより深く、充実したものにできるよう、聞き方を見直してみましょう。

提案力アップのために日々出来ること

「似合わせテクニック」をマスターするためには、カウンセリングをいかに充実させられるかが重要。お客様の心に響く提案をするためには、まずお客様の想いを理解するところから始まります。そのためには、お客様に「この人になら話しても大丈夫!」と感じていただくことが必要。お客様が些細な要望も打ち明けられるような雰囲気作りが大切です。

ここからは、お客様の信頼を得るために普段から心がけたいポイントついて考えてみましょう。

自店で取り扱う商材について理解しておく

お客様からの要望はただ聞き出すだけではなく、仕上がりにしっかりと反映できていなくてはなりません。そのためには、適材適所なエクステを提案できる「引き出しの多さ」が求められます。まずは、自店にあるエクステの長さやカール、太さをしっかりと把握しておくことが大切。モデルさんとの練習や数多くの施術をこなしていく中で、「このエクステをつけたらこうなる」という仕上がりまでイメージできるようになっておくといいでしょう。

ロープレで実践力を身につける

デザイン提案のベースとなるスキルは、おそらくスクールで学んだというアイリストが多いはず。みなさんも、「芸能人の○○さんのようにするには、どのようなデザインを提案しますか?」などのように、実際の提案を想定して、練習を積んだ経験があるのではないでしょうか?

ただ、冒頭でもお伝えしたように、「これさえ身につけておけばOK」というマニュアルは存在しません。提案力を高めていくためには、サロンで実際に働くようになってからも日々練習していかなくてはならないでしょう。サロンによっては、アイリスト同士でロープレ練習をするところもあるようです。他のアイリストが経験したお客様のケースを聞いておくことも、自分の引き出しを増やすことにつながるでしょう。

まとめ

お客様に満足いただくためには、必ず必要となる「似合わせ提案スキル」。日々、磨いていくことは、アイリストとしてのステップアップにもつながります。お客様に伝わりやすい、説得力のある説明ができることももちろん大切ですが、一番必要なのは「聞く力」。デザイン提案にとっては必要不可欠な、お客様の持つ理想のイメージを細かく丁寧に聞き出せる力が問われます。まずは、楽しい会話と誠実な気配りを心がけ、お客様の心の扉を開けるようになりましょう。180614Esa

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